戦国~江戸時代、お城を中心に栄えた城下町。武家屋敷やお寺などが立ち並び、ノスタルジックな時間を過ごせます。さらにレトロでかわいい買い物スポットや食べ歩きスポットなど、楽しめる施設がたくさんの城下町を紹介します。
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【青森】弘前城
江戸時代の姿を残す現存12天守の一つ「弘前城」。東北で唯一現存する天守を持つほか、城内には植物園が併設されており、春から秋までさまざまな植物で彩られます。桜の花びらが水面を埋め尽くす「花筏(はないかだ)」の見事な堀に囲まれた「弘前公園」は桜の名所で、春には多くの人が訪れます。
城下町には、昭和初期のレトロ建築も多く残ります。ステンドグラスも美しい「カトリック弘前教会」や、荘厳な外観はもちろん内部のディテールも目を引く「青森銀行記念館」、ルネサンス様式を取り入れた和洋折衷が独特の「旧弘前市立図書館」など、歩いているだけで、まるでタイムスリップしたかのようなモダンな建物がたくさん。
そして、青森といえばりんご。広大な庭園に和洋の伝統建築が並ぶ「藤田記念庭園」内の、赤いとんがり屋根が愛らしい洋館で営業する「大正浪漫喫茶室」では、弘前市内で人気のアップルパイを食べ比べできます。テイクアウトもOKなので、のんびり食べ歩きにも。
【岩手】一関(いちのせき)城
坂上田村麻呂を祖先にもつ、3万石の城下町として栄えた一関。城は現存しませんが、「釣山」には城跡が残っています。「釣山公園」には堀切や井戸の跡が残るほか、田村麻呂を祭神とする「田村神社」があり、白壁の蔵が残る城下町を見下ろせます。
丘を下りて歩くと、およそ300年の歴史を誇る「旧沼田家武家住宅」や一関藩主・田村家の迎賓館跡を利用した純和風庭園の「浦しま公園」などの見どころが蔵づくりの街並みに点在。特に、江戸時代後期に一関藩家老を務めた「沼田家」の住宅である「旧沼田家武家住宅」は、当時の武士の暮らしぶりが見られる貴重なスポットです。
お土産を選ぶなら、「世嬉の一(せきのいち)酒の民俗文化博物館」へ。大正7年に建築された白壁の蔵を利用した建物で昔ながらの酒づくりを学べるほか、レストランでは蔵ビールもいただけます。直売所では日本酒の試飲を楽しめるので、お気に入りの一本を探してみては。
【秋田】角館(かくのだて)城
「みちのくの小京都」とも称される角館は、往時の町割をそのままに、10軒ほど残る武家屋敷と街並みが、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている城下町。遅い春には「武家屋敷通り」のシダレザクラ並木が一斉に花開き、見事な景色を織りなします。
半径2キロメートルほどのコンパクトなエリアに、歴史資料を展示する「角館歴史村・青柳家」をはじめ、「石黒家」「岩橋家」「松本家」といった武家屋敷が並び、それぞれの趣が味わえます。城下町の風情に似合う和スイーツも充実。特に、郷土館や武器蔵見学もできる「角館歴史村・青柳家」敷地内の「ハイカラ館」では山ぶどう果汁を使った「さなづらアイス」などが楽しめるので、歴史散策の休憩に立ち寄ってみては。
お土産を買うなら1853(嘉永6)年創業「安藤醸造 本店」へ。無添加・天然醸造にこだわった、昔ながらの味噌醤油、漬け物を楽しめます。買い物のほか、仙北市指定文化財・安藤家「煉瓦造蔵座敷」の見学も楽しめるので、城下町の風情を味わうのにぴったりです。
【福島】会津若松城
白虎隊の悲劇で知られる会津若松城は、23万石の城下町。赤瓦を使った優美な姿が美しいシンボル「鶴ヶ城」を中心に、史跡や蔵、明治期からの洋風建築などが点在しています。周遊バスで、一日フリー乗車券を活用しての散策もおすすめです。
新撰組ファンならまず押さえておきたいのが、「新撰組近藤勇の墓」と「会津新撰組記念館」。そして野口英世が左手の手術を受けた会陽院跡で営業する喫茶店もある「野口英世青春通り」など、街中に歴史の息づかいが感じられます。
お土産探しやランチには、蔵づくりの建物が並ぶ「七日町通り」へ。創業300年の老舗「白木屋漆器店」は、大正浪漫を感じる土蔵づくりの洋館を活用した店内で、伝統的なアイテムから現代風のアクセサリーまで、1,000点あまりを展示販売。味噌蔵を改装した「満田屋」では、囲炉裏で焼いたバラエティ豊かな田楽を、焼きたてアツアツでいただけます。
【神奈川】小田原城
戦国時代には町を囲む総延長9キロメートルにもおよぶ土塁と堀が巡らされ、難攻不落の城郭都市とも称された小田原城下町。江戸時代には宿場町としても栄え、そのにぎわいを今に伝えています。
「小田原城址公園」に隣接する「報徳二宮神社」は、二宮金次郎を祀る神社。藩の財政再建を成功させた金次郎にあやかって、金運アップのご利益が期待できるとか。隣接カフェでは金次郎デザインのグッズも人気です。お土産を探すなら、「外郎(ういろう)博物館」で小田原銘菓の「ういろう」を。一般に知られているお菓子の「ういろう」だけでなく、起源であるお薬の「ういろう」も売っている珍しい施設です。
駅直結の「ミナカ小田原」は、行政施設やホテルも入るタワー棟と、江戸情緒香る商業施設「小田原新城下町」がある複合商業施設。タワー棟14階の展望足湯庭園では、城下町が一望できる足湯を無料で楽しめます。
【埼玉】川越城
江戸時代に商人の街として栄え、同時の風情を伝える蔵づくりの建物が多数現存する小江戸・川越。黒漆喰の商家が江戸情緒を醸す大通りのほかに、明治・大正時代の洋風建築が多く残る石畳の「大正浪漫夢通り」、菓子店が並ぶ「菓子屋横丁」など、通りごとに異なる風情を楽しめます。
小江戸・川越のシンボル「時の鐘」は、寛永年間に端を発する時計台。現在でも明治期に再建された4代目の鐘楼から、6時・12時・15時・18時の一日4回、時を知らせる鐘の音が響きわたります。そして「川越氷川神社」で、かわいらしい鯛の形の「鯛みくじ」を釣り上げるのもお忘れなく!
食べ歩きの街でもあり、老舗菓匠の銘菓からSNS映えも抜群の最新スイーツまでがずらり。老舗「亀屋」の「亀どら」や、名産であるさつま芋を使った「右門」の「いも恋」、「菓子屋横丁」の目立つロング麩菓子など、バラエティに富んでいます。
【長野】松本城
16世紀築城当時の姿を今に残す国宝・松本城を中心に、計画的に造られた城下町・松本。丁字路や食い違い交差など、複雑に構成された通りに往時の風情を残す建物が並び、雄大な北アルプスを背景に独特の風景を織りなしています。
白壁に黒なまこの土蔵が並ぶ「中町通り」や、江戸時代の城下町の風情を再現した「なわて通り」には、民芸家具店や雑貨店、カフェ、レストランなどが並びます。「なわて通り」をそのまま進むと「四柱神社」が。「すべての願いが叶う」とされる、願いごとむすびの神さまです。
そのほかにも、松本城から徒歩約10分の国宝「旧開智学校」をはじめ、近代の洋風建築が多く残る街でもあり、絵になる建物が見つかるのも魅力です。「旧開智学校」は日本で最も古い小学校のひとつ。窓のギヤマンガラスが特徴の美しい建築がみどころです。
【長野】上田城
真田幸村の父・昌幸が築城し、長く不敗神話を重ねた名城・上田城。その城下町は、江戸時代には北国街道上田宿として発展し、明治期には養蚕の町として隆盛を誇りました。
「上田城跡公園」では「信州上田おもてなし武将隊」がほぼ毎日出陣。真田幸村や猿飛佐助、霧隠才蔵らに扮した面々が、華麗な演舞を披露したり、記念撮影に応じてくれたりします。本丸跡には、民とともに上田の街を築いた歴代城主を祭神とする「眞田神社」が鎮座し、不落の城にちなみ合格祈願でも人気です。
「北国街道柳町」は、北国街道の宿場町として旅籠や商家が軒を連ねた柳並木の通り。現在も350年の歴史を誇る酒蔵や信州味噌の蔵元、信州手打ちそば店から天然酵母パン店まで、地元を代表する名店がそろい、街並みとともにご当地グルメを楽しめます。
【石川】金沢城
加賀藩前田家14代の居城として名高い金沢城、その城下では金箔工芸や九谷焼、加賀友禅といった伝統工芸や、能楽などの伝統芸能が、歴代藩主の庇護のもと大いに発展しました。戦火を免れたことから当時の道筋をほぼそのまま残し、多くの金沢町家が現存しています。
観光スポットとしては「金沢城公園」や「兼六園」が有名ですが、武家屋敷跡で知られる長町には藩政期の雰囲気が色濃く残るほか、「ひがし茶屋街」「主計町茶屋街」「にし茶屋街」の「金沢三茶屋街」もその趣ある街並みがそぞろ歩きにぴったり。金沢最大の茶屋建築「懐華樓(かいかろう)」は、夜は一見さんお断りの茶屋として営業していますが、昼は一般公開しており、朱塗りの階段や豪華絢爛な客間などを見学できます。
食べ歩きグルメやスイーツも大充実しているのが金沢。加賀百万石の台所「近江町市場」で金沢おでんや新鮮な海鮮などを楽しんだ後は、甘味処も充実している「ひがし茶屋街」へいきましょう。2015年の北陸新幹線開業とともに誕生した「金箔ソフト」やこだわりの町屋カフェが軒を連ねています。
【愛知】犬山城
織田信長の叔父・信康が、扇状地である濃尾平野の扇の要部分に築城したのが犬山城。城の創建とともに元々あった街が、城下町として再整備されました。中央の町人町を囲むように侍町を置き、外周を堀や土塁などで囲んだとされ、総構えの城郭構造の名残が今も残っています。
「犬山城」と「有楽苑 如庵」、二つの国宝が一つの町にあることは珍しく、いずれも見逃せないスポット。城山の麓にある「三光稲荷神社」では、ピンクのハート型絵馬が女性を中心に人気です。観光案内所などで「犬山七福神めぐり御朱印帳」を購入すると、7カ所の寺社ごとに200円で御朱印を受けられ、すべて集めると満願の記念印も授与されます。
「犬山城」からまっすぐ続く通りの両側には、飛騨牛の牛串や五平餅、スイーツなどの食べ歩きグルメがずらり。およそ14軒が入る「昭和横丁」の「茶処くらや」では、季節のフルーツと色とりどりのあんを使った「恋小町だんご」が大人気です。
【三重】伊賀上野城
築城の名手・藤堂高虎の手による「伊賀上野城」とその城下町。城下町には碁盤状に区画が整備され、美しい街並みを形成しています。現在も当時の区画に武家屋敷や町家が数多く残り、着物での散策がよく似合う街です。
「伊賀上田城」は復元ですが、日本有数と言われる高さ30メートルの石垣は築城当時のもの。地元出身である松尾芭蕉の生誕300年を記念し、その旅姿を模したという「俳聖殿(はいせいでん)」は観光スポットのひとつ。外国人にも人気の「伊賀流忍者博物館」では、実演とともに楽しめるからくり忍者屋敷や、手裏剣打ち体験もできます。
城下町の風情によく似合う和菓子の食べ歩きには、5枚のクーポンを城下町の参加和菓子店十数店舗のおすすめスイーツと交換できる「城下町お菓子街道」が便利。忍者の携帯兵糧に着想を得た伊賀名物「かたやき」ほか、各店が守り続けてきた伝統の味をお得に味わえます。各店舗や「だんじり会館」内観光協会、「上野公園レストハウス売店」にて、700円で購入可能です。
【滋賀】近江八幡城
織田信長が築城した安土城の城下町を礎に、近江商人が動かす巨額の富とともに発展してきた近江八幡。JR「近江八幡」駅北側から豊臣秀吉が山頂に築城した「八幡山」にかけての一帯には古い街並みがよく残っています。西暦131年創建とされる「日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)」は近江商人の信仰を集めてきた歴史ある神社として有名です。
「八幡山城」の石垣などが残る山頂へは、ロープウェイで約4分。眼下に城下町を一望できるのに加え、琵琶湖や三上山などの眺望が目を楽しませてくれます。全国のプロポーズにふさわしいロマンチックな場所を選ぶ「恋人の聖地」として認定されているので、デートにもおすすめです。
「近江牛コロッケ」や近江銘菓「つぶら餅」などのグルメなら、「八幡堀」周辺へ。琵琶湖へと続く水運を担った水路沿いに白壁の土蔵や旧家が立ち並ぶエリアにはカフェなどのグルメスポットが集まるほか、昔ながらの屋形船で船からの景色も楽しめます。
【滋賀】彦根城
井伊直継・直孝の手により、江戸初期におよそ20年の歳月を費やして建てられた「彦根城」。400年以上にわたり消失の危機を免れ、ほぼ当時のままの姿で残る国宝5天守の一つです。天守からは琵琶湖の絶景と彦根の町を見下ろせます。
「彦根城」を見学したあとは、隣接する国指定名勝「玄宮楽々園(げんきゅうらくらくえん)」へ。美しい城を背景に、趣ある庭の四季折々の風景が楽しめます。お堀を屋形船でめぐるのもおすすめ。また、彦根藩13代藩主であり江戸幕府で大老も務めた井伊直弼が青春時代を過ごしたという「埋木舎(うもれぎのや)」には、10の秘密が隠されているとか。
江戸の城下町風情を再現した「夢京橋キャッスルロード」では、近江牛グルメや和洋スイーツの食べ歩きが楽しめるほか、和ろうそくづくりなどの体験も可能。「近江や」では、近江牛のたたきを敷き詰めた上にひこにゃんの卵焼きをのせた「近江牛ひこにゃん丼」(2,156円)がいただけます。
【兵庫】篠山(ささやま)城
徳川家康の命により、豊臣型の勢力に対抗するため西国諸大名の手により築城された天下普請の「篠山城」。堀がめぐらされた平城周辺には武家町や商人町などが配置され、城下町として発展しました。
「篠山城大書院」を中心とする城跡の周囲に、「御徒士町(おかちまち)武家屋敷群」として数多くの武家屋敷が残っており、藩主・青山家の別邸「桂園舎(けいえんしゃ)」は「丹波篠山市立青山歴史村」として一般に公開。ほかにも「河原町妻入商家群」など、当時の面影を色濃く残す街並みには飲食店や土産物店も並び、時間を忘れて散策できます。
大正12年建築の旧篠山町役場の建物を保存利用した「丹波篠山 大正ロマン館」は、美しい外観の建物に丹波篠山の魅力が詰まった観光拠点。カフェレストランのほか、地元を知り尽くしたスタッフが選んだ名品がそろうコーナーもあり、お土産探しにぴったりです。
【島根】松江城
宍道湖北側の小高い丘にそびえる「松江城」は、1611年に築城された当時の姿をいまに残す国宝5天守のひとつ。松江の城下町ではあちこちに水堀がめぐらされ、「水の都」とも称されています。
松江で最も城下町らしい風情を楽しめるのが、「松江城」北側のお堀沿いの道「塩見縄手」。築300年の「武家屋敷」や、耳なし芳一や雪女などの『怪談』で有名な「小泉八雲記念館」、田部家伝来の茶道具や出雲の美術工芸品を展示する「田部美術館」も並び、時間をかけて見学したいエリアです。堀川をめぐる遊覧船からその景観を眺めるのも素敵。
「松江城」の傍らにある「興雲閣(こううんかく)」は、1903年に建築された西洋風の迎賓館。のちの大正天皇が皇太子時代の行啓で宿泊された建物が一般公開されており、1階の「亀田山喫茶室」ではクラシカルな空間でのカフェタイムも楽しめます。
【島根】津和野城
中世の山城「津和野城跡」が残る標高362メートルの霊亀(れいぎ)山麓に広がる城下町は、石見地方特有の赤瓦・石州瓦を用いた建物がその特徴。「山陰の小京都」とも呼ばれる城下町には、江戸初期の街並みがほぼそのまま残り、そこに西洋建築も溶け込むように点在しています。
堀割に色鮮やかな錦鯉が泳ぐ「殿町通り」で、一際目を引くのがゴシック様式の「津和野カトリック教会」。珍しい畳敷の床にステンドグラス越しの光が差し込む、和洋が調和した建築です。商家や酒蔵が並ぶ「本町通り」の「津和野町日本遺産センター」では、幕末の津和野を描いた「津和野百景図」の展示とそれに合わせた街歩きのガイダンスも受けられます。街並みを堪能したら、少し移動して「道の駅 津和野温泉なごみの里」へ。体験工房竹とんぼでの竹細工の体験や土人形の色付け体験や、温泉を楽しむことができます。
そんな城下町では、カステラ生地でこしあんを巻いた銘菓「源氏巻」をアレンジした食べ歩きグルメも人気。スティックを刺しサクッと軽い衣をつけて揚げた「揚げ源氏巻」や、あんと一緒にアイスも巻き込んだ「源氏巻アイス」は、ぜひ試してみたいおいしさです。
【山口】萩城
毛利36万石の城下町として、1604年の築城以来およそ260年にわたり栄えた山口・萩。江戸時代の風情が感じられるほか、たった300メートル四方という限られたエリアに幕末志士やのちの総理大臣らゆかりの地が多く残り、見応えのある街です。
「江戸屋横町」「伊勢屋横町」「菊屋横町」といった町筋に、高杉晋作や伊藤博文が学び遊んだという「円政寺」や「木戸孝允旧宅」、「高杉晋作生家」、「旧久保田家住宅」などの見どころが点在。着物をレンタルしてそぞろ歩けば、タイムスリップ気分で楽しめます。少し足を延ばせば「松下村塾」や「松陰神社」、「伊藤博文旧宅」なども見学可能です。
夏みかんの産地でもある萩では、これを使ったスイーツも人気。中でも人気は、老舗「光國本店」の「夏蜜柑丸漬(なつみかんまるづけ)」。大正5年から変わらぬ製法で、職人の熟練の手作業で5日間かけて作られる逸品です。
【福岡】柳川城
街全体に堀割が張り巡らされ、小舟での川下りで町じゅうを移動することができた柳川城下町。城跡は現在中学校や高校の敷地となりほとんど残っていませんが、堀割を軸とする城下町の風情は今でも十分に残っています。
城下町・柳川の観光で外すことができないのは、船頭のついた「どんこ船」で堀割を下る川下り。町の各所に乗船所があり、船から趣ある街並みを眺めることが可能です。冬はこたつ船でも楽しめます。「北原白秋生家・記念館」では、柳川の海産物問屋に生まれた詩人・北原白秋の生家を復元し、ゆかりの品々を展示。この町を愛した彼の足跡と想いを辿ることができます。
そんな水の町・柳川の名物といえば、うなぎ。特に、蒲焼をごはんに乗せ、錦糸卵とともにふんわりやわらかく蒸しあげた「うなぎのせいろ蒸し」は、「元祖本吉屋」をはじめ、町のさまざまなお店で提供されています。
【大分】杵築(きつき)城
室町時代初期、八坂川河口の大山に築かれた「杵築城」。断崖と海に守られた天然の要塞を中心に、高台には武家屋敷が並び、谷間に商家が軒を連ねる独特の構造が特徴です。数多くの坂道が町の構成要素として大きな役割を果たしています。
城下町の構造理解に役立つのが「酢屋の坂」。向かい合う「志保屋の坂」と対になっていて、対照的につくられています。土塀と石垣、石畳の織りなす風景は城下町として栄えた当時そのもので、時代物の映画やドラマのロケ地としてもよく使われているとか。各坂を上がりきるとそれぞれ「南台武家屋敷群」「北台武家屋敷群」があり、見学や食事を楽しめるスポットもあります。
城下町エリアには、武家屋敷や町家を利用したものなど、多彩な飲食店が点在しています。人気観光スポットの一つ「魚市魚座」では、朝獲れの新鮮魚介を豪快に炭火で焼いていただけます。
【宮崎】飫肥(おび)城
天正16年から明治初期までの約280年間、飫肥藩5万1千石の城下町として栄えた「飫肥城下町」。武家屋敷や商人街などがいまもなお多く残っており、当時の雰囲気に浸りながらの街歩きを楽しめます。
「飫肥城跡」の敷地内にある「飫肥城歴史資料館」は、藩主・伊東家に伝わる美術品や武具などの展示が充実。「四半的射場」では、武将たちが酒宴の余興で楽しんだという弓矢を用いる競技「四半的射」を気軽に体験できます。「商家資料館」では明治期の土蔵建築に往時の商人たちが使用した道具を展示。樹齢200年以上の飫肥杉を使った建物も見ものです。
飫肥城下町の街歩きと食べ歩きには、飫肥城下町保存会発行の「あゆみちゃんマップ」がおすすめ。名物「おび天」などの地元グルメやお土産と引き換えできる5枚の商品引換券と飫肥城の施設入館券がついたマップです。飫肥城観光駐車場チケット販売所と飫肥駅「にちなん屋」で購入できます。