絶景サイクリングと温泉でリフレッシュ！長野・諏訪を1泊2日で巡るモデルコース

一周約16キロメートルある信州一大きな湖「諏訪湖」は、気持ちよく風を切ってサイクリングするのに最高のエリア。2024年4月には、サイクリングロードも整備され、さらに快適な自転車旅ができるようになりました。

そこで今回は、長野・諏訪湖周辺を満喫できる1泊2日のモデルコースをご紹介。1日目はレンタサイクリングで絶景スポットを巡り、リニューアルした客室が話題の老舗温泉宿へ。2日目は美術館からおしゃれなカフェ、歴史あるレトロな日帰り温泉までを満喫。夏の疲れを癒やし、リフレッシュするのにぴったりです！

 

1日目　諏訪湖畔の「Activity Base Cogue」でEバイクをレンタル

長野県諏訪市へは、新宿から特急あずさで約2時間30分。諏訪の玄関口「JR上諏訪駅」から徒歩10分ほどで、最初の目的地「Activity Base Cogue（アクティビティベースコグー）」に到着します。

 

まずは、ここで旅の相棒探し。快適なサイクリングに欠かせない、お気に入りの自転車を見つけます。

 

自転車のラインナップは、シティサイクル・電動アシスト付き自転車・クロスバイク・Eバイクと種類豊富。お手頃価格なうえに、きっちり整備された品質の良い自転車に乗れると評判です。

 

今回、旅の相棒に選んだのは、日本製「ミヤタ(MIYATA)」の電動アシスト機能付きEバイク。この自転車は、アシスト力が強く、こぐとグングン進んでくれる優れもの。急な坂道も安心です。

 

もともと「Activity Base Cogue」は、諏訪湖を楽しむレンタルボートをからスタートしたお店。桟橋には、たくさんのスワンボートが浮かんでいます。ノスタルジックなスワンボートもレトロかわいい！フォトジェニックな旅の思い出を残すのにうってつけです。

 

Activity Base Cogue

住所

長野県諏訪市湖岸通り2-7-21

営業時間

 9:00～17:00

定休日

水曜（祝日の場合は営業）

 

旅の相棒を手に入れたところで、いよいよ、サイクリングのスタート！

 

諏訪湖周辺のサイクリングロードは、2024年4月に全線開通したばかり。「こっちが自転車道ですよ」としっかり分かるように、歩行者用と自転車用の道が分離されています。自転車用の道は、左側が基本。イラストが描かれているので、サイクリング初心者も安心して走ることができます。

 

映画『君の名は。』の聖地「立石公園」で絶景に酔う

自転車にまたがり、のんびり旅のスタート。

 

目的地は、映画『君の名は。』に登場する風景のモデルになった「立石公園」です。諏訪湖の標高は約760メートル、立石公園の標高は約930メートル。標高差は約170メートルありますが、Eバイクなので問題ありません。

 

ペダルをこぎながら、曲がりくねった坂道を登っていくと、約30分で公園の駐車場に到着。そこからすぐの場所は、眺めの良いビュースポットです。諏訪湖だけでなく、遠くの山々や諏訪市の街すべてを見渡すことができ、想像以上のパノラマ感。

 

「立石公園」は上からと下から、異なる眺望を楽しむことができます。せっかくなので、下にある展望広場へ行くことに。

 

そこに待っていたのは、息をのむような絶景。壮大な景色を噛み締められて、気分爽快。「諏訪に来てよかった！」という実感が湧いてきます。

 

ゆっくり大きく深呼吸すれば、体の隅々まで伸びきります。頭の中がクリアになり、まるで自然とひとつになっていくようです。

 

立石公園

住所

長野県諏訪市上諏訪立石町10399

 

「くらすわ本店」レストランでヘルシーランチ

信州一の絶景を味わった後は、下り坂をサイクリング。諏訪湖沿いにお店をかまえる「くらすわ本店」でランチを楽しみます。

 

こちらは、薬用養命酒でおなじみの「養命酒製造」が営む複合施設。1Fはベーカリーカフェや土産物屋があり、2Fは諏訪湖ビューのレストランになっています。

 

ランチメニューは、メインを選び、サラダやパン、スープが好きなだけ楽しめるビュッフェ形式です。ビュッフェ台には、信州産を中心にした新鮮なお野菜がたくさん！

 

別料金でつけられるドリンクバーは、220円とリーズナブルながらも、ハイクオリティ。オリジナルブレンドのコーヒー、ハーブティー、紅茶、りんごジュース、南信州産のお茶などの他に、自家製スムージーまでそろっています。

 

この日、感動したメイン料理が、養命酒オリジナルブランド豚を使った「信州十四豚のグリル　トマトソース 夏野菜添え」（2,200円）と「信州十四豚とフレッシュトマトソースのパスタ」（1,980円）。信州十四豚は養命酒の絞りカスを肥料に加え育てられた豚だけあり、食べごたえも栄養バランスもバッチリ。芳醇な肉の旨みが凝縮しています。

 

くらすわ本店

住所

長野県諏訪市湖岸通り3-1-30

営業時間

【1Fショップ・ベーカリー&カフェ】9:00～19:00
【2Fレストラン】ランチ11:00-15:00(L.O.14:00)、ディナー17:30-21:00(L.O.20:00)

定休日

1F不定休、ベーカリー　水曜、レストラン　水曜・月～木のディナー

 

自家源泉と多彩なおもてなしに癒やされる「ホテル鷺乃湯」

諏訪大社でパワーチャージした後は、旅の疲れを癒やしてくれる「ホテル鷺乃湯」へ。大浴場の露天風呂は1911（明治44）年の創業当初ホテルの入口だった唐破風（からはふ）の屋根を生かした重厚な造り。当時の姿を残す希少な空間で、プレミアムな湯浴みを楽しめます。

 

さらに奥には、加水なしの自家源泉をかけ流しで楽しめる、温泉好きにうれしい露天風呂も完備しています。

 

 

2日目　諏訪湖畔の「ハーモ美術館」でアート鑑賞

2日目は、諏訪湖畔をおさんぽして、アートな気分に浸ります。

 

「ハーモ美術館」は産業用ロボットメーカー「ハーモ」が開設した美術館。知る人ぞ知る穴場的な場所ですが、コレクションが秀逸。アートファンならずとも、一度は訪れたいおすすめスポットです。

 

美術館では、日本でもファンの多いアンリ・ルソーやグランマ・モーゼス（通称モーゼスおばあちゃん）といった、素朴派の作品を数多く収蔵しています。

 

中でも感銘を受けたのが、70歳を過ぎてから絵を描き始め、80歳で個展を開いたというグランマ・モーゼス。じっくり作品を眺めていると、「いつから始めても遅くないわよ！」そんなモーゼスおばあちゃんの声が聞こえてきそうです。

 

2階の開けた場所は、絶景のビューポイント。晴れていれば、諏訪湖越しに富士山も眺められます。

 

ハーモ美術館

住所

長野県諏訪郡下諏訪町10616-540

営業時間

9:00～17:00

定休日

年中無休

料金

大人1,000円、子ども（小中高校生）500円

 

「カフェと暮らしの雑貨店 fumi」でゆったりランチ

アート鑑賞を満喫した後は、上諏訪駅から徒歩約5分の「カフェと暮らしの雑貨店 fumi」でランチをいただきます。

 

築約90年の元薬局だった建物をモダンにリノベーション。中に入ると、おしゃれな雑貨がお出迎え。奥にカフェがあります。

 

レトロモダンな空間で味わえるのは、薬局から着想を得たという、スパイスや香草をふんだんに取り入れたオリジナルのメニュー。

 

定番人気の「茄子と蓮根のキーマカレー」（サラダ・スープ付き1,430円）は、地元のお野菜をスパイスと一緒にたっぷり煮込んでいるため、野菜の旨みが浸みこんでいます。

 

デザートのおすすめは、その時期一番おいしいフルーツを使った、フルーツタルト。「葡萄のタルト」（715円）にはサクサク香ばしいタルトの上に、旬の葡萄がたっぷり。シンプルな味わいで、フルーツのおいしさが際立ちます。

 

カフェと暮らしの雑貨店 fumi

住所

長野県諏訪市末広5-7

営業時間

11:00～17:00 、ランチタイム11:00～14:30

定休日

不定休、月曜日

 

「片倉館」でレトロな建築美と温泉を楽しむ

お腹いっぱいで幸せな口福感に満たされたら、上諏訪温泉「ホテル鷺乃湯」のお隣りに位置する「片倉館」へ向かいます。

 

ここは今から約90年前に、製糸業で成功を収めた片倉財閥が当時80万円（現在では数十億円！）をかけて、地元の人のためにつくった福利施設。会館棟と温泉浴場棟、2つの建物があり、2つの建物は道後温泉本館と並び「国の重要文化財」に指定されています。

 

会館棟2Fの「大広間」は、広さなんと204畳！聞けば、現在も講演会やお茶会などで使われているのだとか。

 

この部屋の特徴は、寺院や神社で用いられる格式高い折上格天井。開館当初から今もなお現役で使われているという、丸いシャンデリアにも惹かれます。

 

そして、会館棟の赤いじゅうたんが敷かれた階段は、SixTONESがカレンダー撮影に使用した場所なのだそう。ファンなら思わず写真を撮りたくなる、諏訪ならではのフォトスポットです。 

 

温泉浴場棟の屋上テラスからは、諏訪湖を一望できます。またここは、建物の外観をじっくり眺めるのにもうってつけ。よく見ると、パイナップルのレリーフもあり、建築を手掛けた森山松之助さんの遊び心を垣間見ることができます。

 

旅のしめくくりに、重要文化財・温泉浴場棟でぜいたくなお風呂を楽しみます。深さ1.1メートルの縁に腰掛けると、首まですっぽり温泉に浸かり、まろやかな湯に包まれるかのよう…。底には玉砂利が敷き詰められており、歩くと心地よい刺激を感じられます。

ここは映画『テルマエ・ロマエII』のロケ地でもあり、館内には阿部寛さんのサインもあるので、探してみてくださいね。

 

温泉浴場棟もレトロでおしゃれ。タイムスリップ気分で、往時の空気感を楽しめます。

 

さらに湯上がりどころも、異国情緒あふれる洋風の造り。建物に刻まれた歴史に思いをはせながら、まったりとくつろげます。

 

すてきな秋の思い出を作りたいなら、紅葉を巡りながら旅するのもおすすめ。

 

片倉館にはイチョウとカエデの木があり、10月中旬には紅葉のピークを迎えます。また、諏訪湖のサイクリングロード沿いにも、紅葉スポットがたくさん。「ホテル鷺乃湯」の露天風呂からも、風情あふれる紅葉風景を楽しめます。

 

片倉館

住所

長野県諏訪市湖岸通り4-1-9

営業時間

入浴　10:00～20:00（受付～19:30）

定休日

第2・第4火曜日（祝日の場合は営業）

入浴料金

大人850円、小人550円（3才以上小学生まで）

 

四季折々の魅力溢れる諏訪湖。絶景サイクリングや温泉でリフレッシュした後に見渡す紅葉は格別です。今回紹介したのは諏訪湖の魅力のほんの一部。あなただけの楽しみ方を見つけに、ぜひ諏訪湖へ行ってみてくださいね。

 

 

取材・写真・文／安藤美紀

 

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