たこ焼きやお好み焼きなど大阪の代表的なグルメは堪能したけれど、もっとディープな大阪グルメも楽しみたい!そんな方におすすめなのが、「ウラなんば」「裏天満」と呼ばれる飲食店街。地元の方も通う人気店のおすすめメニューを紹介します。
「ウラなんば」「裏天満」とは?
大阪グルメやお笑いを楽しめる歓楽街・なんばエリア。日本で一番長い商店街として高い知名度を誇る天神橋筋商店街・天満エリア。観光客にも人気のこの2大エリアには、それぞれ「ウラなんば」「裏天満」と呼ばれる場所があり、よりローカルな大阪文化を味わえます。
「ウラなんば」とは、正式な定義はありませんが、北は千日前、南はなんさん通り、東は黒門市場、西は髙島屋辺りまでのエリアのこと(記事下部の地図参照)。100店舗近くの飲食店が立ち並び、安くておいしいお店が多いのが特徴です。
始まりは、2010年。タクシーで「ウラなんばまで行ってください」とお客さんに言ってもらえることを目標に、「串焼き 大阪焼トンセンター」の店主をはじめ、個人経営の飲食店同士が力を合わせて地域を盛り上げようと、「ウラなんば」という名称が付けられました。その後、認知度が上がり、今では店舗数を増やして多くの人でにぎわっています。
ウラなんば
- アクセス
- 地下鉄千日前線・地下鉄堺筋線「日本橋」駅5番出口、南海電鉄「なんば」駅東出口
- 駐車場
- なし
一方、「裏天満」は、JR天満駅の北側に広がる飲み屋街のこと。提灯が灯る「ちょうちん通り」をはじめ、はしご酒にぴったりな飲食店が通り沿いに並んでいて、夜には多くの人でにぎわうエリアです。ビニールシートの屋台店などもちらほら見られます。
裏天満に行ったら必ず写真を撮ってほしいのが「裏天満ちょうちん通り」。天井にたくさん並べられた提灯の下で撮ったレトロな写真がインスタ映えすると話題を呼んでいます。毎日お祭り気分で楽しめそうですね。
裏天満
- アクセス
- 地下鉄堺筋線「扇町」駅1番出口、JR大阪環状線「天満」駅
- 駐車場
- なし
「ウラなんば」のおすすめグルメ店5選
ときすし本店
「ウラなんば」でおいしいお寿司をたっぷり楽しみたい方におすすめなのが、「ときすし本店」。国内産の鮮魚にこだわり、毎日朝と昼に市場を訪れて目利きのプロが新鮮な魚を仕入れています。ネタはすべて店内仕込みで、職人が1つひとつ丁寧に下ごしらえを行っているのも特徴です。
店内には板前さんの顔が見えるカウンター席とテーブル席があります。女性や一人のお客様も多く、初めてでも気軽に入ることができる空間です。
そんな「ときすし本店」で一番人気のメニューは「すし焼き」(2,178円※ネタは季節によって異なる)。ネタをあぶった8種のお寿司と、赤だしがセットになった一品です。
「すし焼き」はネタを握ってからバーナーで炙るため、食べた瞬間に香ばしい香りが口いっぱいに広がるのが印象的。サバにはゴマやガリ、大葉が、トロには塩とわさびというようにネタによって味付けを変えていて、醤油で食べるお寿司とはまた違った味が楽しめます。
魚のアラがふんだんに入った赤だしもだしが効いていてお寿司とよく合います。
ときすし本店
- 営業時間
- 11:00 〜 22:00(L.O 21:30)
- 定休日
- 1月1日
- 住所
- 大阪府大阪市中央区難波千日前4-21
- 公式サイト
- ときすし本店
串焼き 大阪焼トンセンター 難波千日前店
「串焼き 大阪焼トンセンター 難波千日前店」は、このエリアでは珍しい豚の串焼きが食べられる立ち飲み居酒屋。最高級備長炭でじっくり丁寧に焼く名物の「焼とん」をはじめ、豚の軟骨をトロトロに炊いた女性におすすめの「コラーゲン皿」、豚の胃と白モツをじっくり煮込んだ「もつ煮込み」など、お酒にぴったりのおつまみになるメニューが並んでいます。
店内1階はカウンターまたはテーブルでの立ち飲み、2階は個室の座敷席となっており、グループでの宴会に利用できます(個室は要予約、1日1組限定)。コース料理はセルフサービスのドリンク付き。ラストオーダーなしの2時間30分制でゆっくり過ごせます。
「大阪焼トンセンター」で一番人気のメニューは、「おまかせ5串」(1,078円)の焼きトンセットです。甘みの強い鹿児島産の「薩摩茶美豚」を使用しており、バラや赤身肉など、時期によって内容が変わる5本をいただけるセット。初めて来店するときは、まずはこちらを注文するのがおすすめです。
また、「大阪焼トンセンター」では、日本酒のラインナップが豊富なところも魅力のひとつ。なんと、店頭に並ぶ日本酒は常時50〜60種類!注文時は自分で棚から好きなお酒を選んでスタッフさんに見せ、自分でグラスに注ぐというスタイルなので、ぜひお好みの日本酒を探してみてください。
串焼き 大阪焼トンセンター 難波千日前店
- 営業時間
- 15:00~24:00(L.O.23:00)
- 定休日
- 不定休(Instagramにて告知)
- 住所
- 大阪府大阪市中央区難波千日前3-19
- 公式サイト
- 串焼き 大阪焼トンセンター 難波千日前店
酒解本店
「酒解(さかとけ)本店」は、近鉄日本橋駅から徒歩約1分のところにある立ち飲み居酒屋。店名の由来は、京都にあるお酒の神様を祭る「自玉手祭来酒解神社(たまでよりまつりきたる さかとけじんじゃ)」から。
お客さんからの「こんな立ち飲み居酒屋あったらいいな」を詰め込み、2023年6月にオープンしたお店です。どこかノスタルジックな趣を感じるレトロな外観も雰囲気たっぷりで、のれんをくぐって中に入るときのワクワク感がたまりません。
1階は立ち飲みスタイルのフロア。おひとりさま、カップル、グループなど利用客もさまざまです。
外観とはまた違ったスタイリッシュな空間で、若い年代のお客さんも多いのだとか。2階にはテーブル席もあります。
こちらの人気メニューは「パンドラの箱」。炙り天然鯛、本マグロ、天然ハマチ、アワビ、いくら丼のほか、みょうがの漬物、子持ちコンニャク、たけのこ煮がふんだんに乗った豪華な盛り合わせです。鮮度の良さがわかる、プリプリ食感のお刺身は、最高のお酒のあて!よい気分でお酒が進みます。
市場で見つけた珍しい魚など、その時期に一番おいしい旬の料理もラインナップしているので、季節ごとに訪れ季節の味覚を味わうのもおすすめです。
酒解本店
- 営業時間
- 11:00〜25:00(L.O24:30)
- 定休日
- 12月31日~1月3日
- 住所
- 大阪府大阪市中央区千日前2-8-3 1F
- 公式サイト
- 酒解本店
千とせ べっかん
「千とせ べっかん」は、難波千日前に本店を構えるうどん店「千とせ」の姉妹店。本店は50年以上前から地元の方はもちろん、吉本新喜劇の出演者をはじめ多くのお笑い芸人さんに親しまれてきた有名店です。「千とせ べっかん」は、そんな芸人さんたちの舞台が観られるなんばグランド花月の1階にあります。
店内は明るく、初めて来店する人でも入りやすい雰囲気です。
名物である「肉吸い」(800円※2024年12月中旬以降900円)は、肉うどんの「うどん抜き」という珍しいメニュー。実は、このメニューは吉本新喜劇の俳優・花紀京(はなききょう)さんが二日酔いの際に本店を訪れ、「肉うどん、うどん抜きで」と注文したことがきっかけで1980年代後半に誕生したのだそう。
肉の味がしみ込んだシンプルなだしの味は、二日酔いにぴったりなのも納得のおいしさ。あっさりとしていて、ぺろりと完食できます。
千とせ べっかん
- 営業時間
- 11:00~20:00(売り切れ次第閉店、L.O.19:30)
- 定休日
- 無休
- 住所
- 大阪府大阪市中央区難波千日前11-6 なんばグランド花月1F
- 公式サイト
- 千とせ べっかん
普通の食堂いわま
「普通の食堂いわま」は、カジュアルな定食屋。なんばグランド花月から徒歩約1分に立地しているため、お笑い芸人さんの来店も多く、店内の壁には芸人さんのサインがたくさん並んでいます。お店の敷居を上げないよう「普通の食堂」と名づけたと、にこやかに話す店主。温かみを感じる空間に、なんだかホッと心が落ち着きます。
店内はカウンター席とテーブル席があります。
「普通の食堂いわま」は定食屋さんですが、のんべえにうれしいセットメニューも提供しています。こちらの「生ビールセット」(1,320円)は、3種類から選べるメイン1品と、ポテトサラダ、枝豆、キムチ、冷奴、ビール1杯のセット。ビールは焼酎、ハイボール、日本酒1合に変更することも可能です。
天ぷら、マグロのお造り、しめサバの中から「天ぷら盛り合わせ」をセレクト。身がぎっしりと詰まったエビと穴子に、サツマイモ、タマネギ、カボチャの野菜の天ぷらがセットになったボリューム満点の一品。サクッと香ばしい食感を楽しみつつ、ビールをぐいっといただく……そんな至福の時間が味わえます。定食メニューも充実しているので、ランチや晩ご飯目的での訪問もぜひ!
普通の食堂いわま
- 営業時間
- 11:00~15:30(L.O. 15:00)、18:00~22:00(L.O. 21:30)
- 定休日
- 水曜日
- 住所
- 大阪府大阪市中央区難波千日前9-12
- 公式サイト
- 普通の食堂いわま
「裏天満」のおすすめグルメ店3選
玉一 本店
「玉一 本店」は、JR天満駅から徒歩約4分のところにある韓国料理店。36年前のオープン以来、小さなお子さん連れのファミリーから年配の方まで幅広い年代の方が訪れる、天満の人気店のひとつです。座席は座敷席とテーブル席、掘りごたつ席があり、利用シーンによって選べるのもうれしいポイント。庶民的な雰囲気で居心地よく、特に座敷席はファミリーに人気なのだそう。
関西テレビの本社からも近いため芸能人の来店も多く、壁にはサインがびっしり。
そんな「玉一 本店」の人気メニューは、「チヂミ」(700円)や「春雨炒め(チャプチェ)」(800円)、「豆腐チゲ」(1,500円)といった韓国の家庭料理。「韓国料理」と聞くと、とても辛いイメージがあるかもしれませんが、「玉一 本店」のメニューは子どもでも食べられるくらいの辛さ。韓国でよく飲まれる焼酎「チャミスル」(ボトル360ml、1,300円)をお供に、韓国気分をご堪能あれ。
切り分けた具材をまずはひとつずつ炒め、注文が入ってから炒める「春雨炒め(チャプチェ)」など、仕込みから手間と時間をじっくりかけて作った料理は、思わず頬が緩むおいしさ。「家の近くにあったら毎日でも通いたい!」と思える名店の味を、ぜひ現地で味わってみてください。
玉一 本店
- 営業時間
- 12:00~23:00 (L.O. 22:00)
- 定休日
- 無休
- 住所
- 大阪府大阪市北区池田町17-4
- 公式サイト
- 玉一 本店
裏天満こばち屋
「裏天満こばち屋」は、JR天満駅から徒歩約4分のところにある創作居酒屋。オーダーメイドの信楽焼の器に、遊び心ある創作一品料理が並び、味だけでなく見た目にもこだわった料理がいただけると話題のお店です。
座席は1階にカウンター席、2階にカウンター席とテーブル席があります。
「裏天満こばち屋」の人気メニューは、「鮮魚の竜宮玉手箱」(2,300円)。フタを開けると、もくもくとドライアイスの煙が漂い、まるで竜宮城の玉手箱のような演出は、SNS映え間違いなしの一品です。
なかには、その日の朝に中央市場から仕入れてきた新鮮なお刺身5種が!ウニやイクラもたっぷりと入っていて、とてもぜいたくです(お刺身の内容は時期によって変更)。グラスになみなみと注がれた日本酒をいただきながら、お店自慢の逸品を存分に堪能してください。
裏天満こばち屋
- 営業時間
- 月~木/17:00~23:30(L.O. 22:30)、金/17:00~ 23:30(L.O. 23:00)、土/15:00 ~00:00(L.O. 23:00)、日・祝日/15:00~22:30(L.O. 21:30)
- 定休日
- 無休 ※臨時休業あり
- 住所
- 大阪府大阪市北区池田町8-6 裏天満天神横丁
- 公式サイト
- 裏天満こばち屋
luvwine天満本店
「luvwine(ラブワイン)天満本店」は、毎週1つの国を決めて9種のワインを提供しているワインバー。1年で味わえるワインは、なんと468種類!「お手軽高級ワイン」をコンセプトに、定価1万円の高級ワインもグラスで飲めるとワイン通にも人気のお店です。
取材時(2024年10月下旬)はイタリア産の赤・白・スパークリングワインが楽しめる週でした。
「luvwine天満本店」では、前菜からメイン料理、手軽につまめるピザ、デザートまでワインに合う料理メニューが充実。「えびのムース!バケット添え」(690円)や「スペアリブの自家製BBQソース煮込み」(1,230円)、「ゆゆさんの大きなカヌレ」(550円)など、どれも「おいしい!」と声に出さずにはいられない、ハイクオリティな料理がいただけます。
なかでも「えびのムース!バケット添え」は、迷ったらまずは食べてみてほしい一品。えびの旨みがギュッと凝縮されたまろやかなムースと、カリッと焼き上げたバケットはワインとの相性抜群!えびのムースをテイクアウトするお客さんも多いそうで、お店の名物メニューのひとつです。なんば、天王寺にも店舗があるので近くを訪れた際には、ぜひワイン初心者も気軽に利用してみて。
luvwine天満本店
- 営業時間
- 月~金/18:00~24:00、土日祝/15:00~24:00
- 定休日
- 第2日曜日
- 住所
- 大阪府大阪市北区池田町5-8
- 公式サイト
- luvwine天満本店
取材・写真・文/中田優里奈
関連記事
▼ウラなんばからすぐ!黒門市場のおすすめグルメ
▼大阪のグルメ食べつくし