提供:テレビ静岡
浜松市天竜区にある天竜二俣駅は鉄道ファンの聖地でしたが、最近はアニメファンの人気スポットにもなりました。行ってみると鉄道・アニメファンでなくてもレトロ感が胸を打つ、おすすめの場所でした。静岡発のアイドルグループ、fishbowl(フィッシュボウル)の新間いずみのリポートです。
“天浜線”に乗って移動
掛川市で掛川城を楽しんだ後、次の目的地である「天竜二俣駅」へ。
天竜浜名湖鉄道の「天浜線」に乗ります。
駅の券売機で切符を購入します。
運賃は710円。午前11時57分発の列車に乗りました。
最初は掛川市の街並みが見えていましたが、しばらく進むと田んぼの緑が広がってきました。
ぐんぐん進む列車は、窓の外にいろんな景色を見せてくれます。
昔、夏休みに行った祖父の家に向かう景色もこんな感じだったなと思い出しました。
天竜二俣駅に到着!
列車に揺られること約50分。「天竜二俣駅」に到着しました。
天竜二俣駅は1940年に国鉄二俣線として全線開通した、とても歴史のある駅です。その後、1987年に天竜浜名湖鉄道となりました。
今では人気アニメ「ゆるキャン△」とコラボしたり、映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のモデル地になったりしていて、アニメファンにも注目されている駅です。
今回案内をしてくれたのは、天竜浜名湖鉄道の岡山良太さん。
最初に案内してもらったのは「高架貯水槽」です。
これは蒸気機関車が走っていた頃に機関車に水を入れるための水槽で、70t貯水することができます。
蒸気機関車が走るためには10tの水が必要だったそうです。10tの水を普通に入れると、とても時間がかかってしまいます。
私の身長より何倍も高い貯水槽は、地下からポンプによって引き揚げた水を高いところから勢いよく入れることで、短時間で大量の水を補給することができました。
歴史を感じる事務室
すすによって少し黒くなった木造の事務室は開通当時から使われています。
石炭などで汚れた体をきれいにしたり、作業の疲れを癒したりする浴場が当時のまま残っていて、今はヘッドマークが展示されています。とても懐かしさ、エモさを感じました。
激レアスポット「転車台」へ
天竜二俣駅の目玉観光ポイントは何といっても「転車台」。列車の前後を入れ替える装置です。
そばには扇型の車庫があり、この2つを同時に見ることができるのは全国に数カ所しかありません。静岡県内だと、ここ天竜二俣駅でしか見ることができない貴重なものです。
転車台は大きな列車を回転させられるだけあって、とても大きく重量感があります。
現在は電気を使って列車をターンさせていますが、昔は人力で回転させていました。
列車を収納するための扇形車庫は、列車同士がおしゃべりできそうな近さ。きかんしゃトーマスを思い出しました。
実際に近くで見てみると、木造の部屋で列車たちがゆっくりくつろいでいるように見え、見ている私も心が休まりました。
ここまでに紹介した施設は、全て国の登録有形文化財です。
明治から令和まで 鉄道歴史館
次に訪れたのは「鉄道歴史館」。
当時の建物がそのまま資料館になっていて、作業員のネームプレートが当時のまま展示されていました。
国鉄二俣線は戦時中に物資の運搬をするための迂回路として造られました。
今の東海道線は海沿いを走っていて、空からの攻撃を受けやすかったため、東海道線が破壊されてしまった時のために、森の中を走る二俣線のルートが考案されたそうです。
線路がゆがまないように打ち込む犬釘の加熱炉も残っていました。
その他にエヴァンゲリオンの展示があり、天竜二俣駅が「第3村」のモデル地になっていることが詳しく書いてありました。
私はエヴァンゲリオンを見たことがなかったので、これを機に見てみたいと思っています。
私が今回体験した転車台や鉄道歴史館の見学ツアーは毎日予約不要で開催されています。
大人が600円、子供が300円、平日は1回、土日は2回の開催です。
「てんはまや」でお土産選び
最後に駅の売店「てんはまや」に立ち寄ると天浜線グッズがたくさん並んでいました。
その中から私は「てんはまや限定商品 新劇場版アクリルキーホルダー(880円)」を購入。
一面は天竜二俣駅の駅名看板、もう一面は「第3村」も入った路線図です。
鉄道歴史館
- 住所
- 浜松市天竜区二俣町阿蔵114-2
- 営業時間
- 7:15~17:00
- 定休日
- 年中無休
- 電話番号
- 053-925-2275
- 駐車場
- あり
お昼ご飯は駅のすぐそば「十文字屋」へ
次に訪れたのは、天竜二俣駅から一番近い定食屋さん「食の駅 十文字屋」です。
ここでは鉄道ファンもびっくりのメニューがあるそうです。
お話を聞いたのはオーナーの渥美佳大さん。二俣の飲食と観光を盛り上げたいという思いで十文字屋をオープンしたそうです。
ここでの一番のおすすめメニューは「天浜線転車台カレー(1,600円)」。
先ほど見た転車台をモチーフとしたこのカレーは、カレーの上にドドン!と乗ったごはんを天浜線の列車に見立てていて、今にも走り出しそうです。
列車の顔の部分はでんぷんのシートで作られていて、これもびっくり!食べられるんです。
ごはん列車の中にはニンジンとインゲン、ベーコンが大胆に埋め込まれ、カレーの上には線路のマヨネーズが敷かれています。
何度も試行錯誤を繰り返し、4・5作目くらいでやっと納得のいく今の形になったそうです。
さっそくいただきます。
カレーはちょっぴりスパイシーですが辛すぎず、子供から大人まで楽しめる優しい味わいでした。
プリントされた電車の頭を崩して食べるのは少し切ない気持ちにもなりましたが、カレーをつけて食べると、そんなことも忘れてしまうくらい、おいしかったです。
カレーのほかにも「みっかび牛」を使ったハンバーグやコロッケ、10月からの新メニュー「とんかつ定食(1,100円)」などたくさんのメニューがありました。
「鶏の唐揚げ定食(1,100円)」はから揚げ一つ一つがとっても大きく、人気メニューのひとつ。
ジューシーなから揚げにご飯が進みます。
週末はサイクリングやツーリングの方がよく訪れ、平日の日中は仕事の合間にランチを楽しむ方で賑わうそうです。
地元の方からも愛され、県外の方にも親しまれている定食屋さんでした。
食の駅 十文字屋
- 住所
- 静岡県浜松市天竜区二俣町阿蔵147−1
- 営業時間
- 11:00〜14:30
- 定休日
- 水曜日
- 電話番号
- 053-925-3003
- 駐車場
- あり
※この記事は、2024年10月12日にテレビ静岡「テレしずWasabee」で公開された記事を転載したものです。