桜まつりとりんごで知られる青森県弘前市。弘前公園では、さくらを観賞したり、カフェでアップルパイを食べたり、素敵なセレクトショップでショッピングを楽しんだりと女性同士の旅行におすすめ。城下町の面影とレトロな洋風建築が混在するハイカラな街散策へ出かけましょう。
目次
JR弘前駅までは、東京駅から新青森駅まで東北新幹線で約3時間、そこからJR奥羽本線に乗り換え弘前駅へ向かいます(特急で約25分)。
飛行機なら羽田から青森まで約1時間15分。青森空港からは弘南バス青森空港線「弘前バスターミナル行き」に乗り、弘前駅前で下車しましょう(約1時間)。秋田駅から弘前駅まで「JR五能線 リゾートしらかみ」に乗って約2時間の列車旅をするのもおすすめです。
弘前の街なかには「100円バス」と呼ばれる循環バスが走っています。土手町循環バスは10分間隔で運行しており、駅から中心商店街、弘前公園などの主要な施設や観光スポットを巡っていて、1回100円で利用できます。
弘前にはおしゃれで居心地の良いカフェが点在しています。駅から徒歩約5分のcafe & gallery 「ki to ao(きとあお)」は、オーナーさんのご家族が生産するお米や卵、地物野菜などをたっぷり使ったヘルシーなランチが地元っ子に大人気。あっという間に売り切れてしまうので、早めにお店に行くか予約すると安心です。
生活の中で身近にアートに触れてもらう場として、店内では国内外の若手作家の作品や個性的な雑貨を展示しています。
日替わりランチメニュー「今日のごはんセット」は、お肉、お魚、野菜の3種類から選べます。白米・玄米・雑穀米から選べるご飯とお味噌汁、そしてプレートに載ったおかずは10種類と盛りだくさん。旬の野菜や山菜などをふんだんに使い、素材のおいしさをしっかり堪能できます。
お花見シーズンはお弁当もあるのでおすすめです。
ki to ao(きとあお)
- 住所
- 青森県弘前市駅前町13-3 サンデュエル弘前駅前Ⅱ 1F
- 営業時間
- 11:00〜18:00頃(ラストオーダー17:00)
- 定休日
- 毎週水曜日、第1、第3、第5日曜日(臨時休業日有)
- 電話
- 0172-38-7280
弘前公園はバスか車で目指そう
「市役所前」バス停で下車すれば弘前公園はすぐ目の前、外堀沿いに桜並木が続きます。園内への入り口はいくつもありますが、市役所前の「追手門」は、かつて弘前城の正門として使われていた入り口だそうですよ。
弘前城の敷地に整備された弘前公園は、世界に誇る桜の名所です。
春になると約2,600本の桜が咲き誇る圧巻の景色を見に毎年大勢の花見客が訪れます。桜以外にも植物園などがあり、春から秋まで散策を楽しめます。
夜桜観賞もおすすめ。夜間は桜がライトアップされ、昼間とはまた違った幻想的な景色が広がります。遠くの桜まで水面に映って、まるで夢の中を歩いているようです。
弘前公園の桜の開花は、例年ゴールデンウィークに近い4月末頃。「弘前さくらまつり」(4月下旬 - 5月上旬※年ごとに変動)が開幕し、園内には屋台がずらりと並び家族連れや観光客で賑わいます。
散った花びらがお堀を埋め尽くす「花筏(はないかだ)」の美しさがSNSでも話題となり、早朝からお堀沿いを巡って桜の撮影を楽しむ人も多くいます。外掘りの南東角がおすすめ撮影スポット。追手門からは道路沿いを東に徒歩約3分です。
弘前公園(鷹揚園(おうようえん))
- 住所
- 青森県弘前市下白銀町1
散策中に立ち寄りたい「スターバックス コーヒー 弘前公園前店」
弘前公園の北側には、ちょっと珍しいスターバックスがあります。大正時代に陸軍師団長官舎として造られた建物で、国の登録有形文化財、そして弘前市の「趣のある建物」に指定されています。
個性を活かしつつリノベーションされた店内には、「津軽こぎん刺し」が施されたソファなど、弘前生まれの伝統工芸や素材がセンス良く配されています。
中庭からの採光が心地よく、天井や窓のつくりに当時の風格がうかがえる落ち着いた雰囲気。コーヒーを楽しみながらゆったりと過ごしましょう。
スターバックスコーヒー 弘前公園前店
- 住所
- 青森県弘前市上白銀町1-1
- 営業時間
- 7:00~21:00
- 定休日
- 不定休
青森県といえばりんごですが、実はその中心地がここ弘前市。日本一の生産量を誇るりんご王国なのです。古くから続くお菓子屋さんやカフェが多い弘前では、市内47店舗ものお店で個性豊かなアップルパイが提供されています。
アップルパイは「大正浪漫喫茶室」へ
色んなアップルパイを食べたい人におすすめなのが、スターバックスコーヒー 弘前公園駅前店より徒歩約3分の場所にある「大正浪漫喫茶室」。女性の間では複数のお店で食べ歩きをするのが人気ですが、こちらのお店では市内7店舗のアップルパイが食べ比べできます。
バターとシナモンが香る「ないすらいふ」のアップルパイ。大粒カットのりんごで食べごたえ抜群です。セットドリンクは紅茶やコーヒーもありますが「弘前りんごジュース100%」もおすすめ。
クルミやチョコのスポンジを使った「ピーターパン洋菓子店」、りんごの皮や芯まで丸ごと使い、香ばしく焼きあげた「オークレール」のアップルパイなど、個性豊かな7店舗のアップルパイが選べます。ドリンクとのセットのほか、単品の注文もOKです。
日経新聞アップルパイランキング4位を受賞したことのある「ジャルダン洋菓子店」、味わい深い紅玉りんごを使った「タムラファーム」など、いくつかのお店のアップルパイはテイクアウト可能です。
おしゃれなタイル敷きのサンルーム。レトロな窓は当時のままで、まるで大正時代にタイムスリップしたような気分。庭園を臨む優雅な空間に、時間を忘れてつい長居してしまいそうです。
現在はカフェスペースになっている洋館が、弘前公園の隣の藤田記念庭園にあります。大正時代に実業家の別邸として建てられたというこちらの建物は弘前市の「趣のある建物」に指定されています。
大正浪漫喫茶室
- 住所
- 青森県弘前市上白銀町8-1 藤田記念庭園洋館内
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 年中無休
レトロモダンな建築に出会える弘前
弘前の街を歩いていると、レトロで趣のある洋館が目に留まります。フォトジェニックで記念撮影にもぴったりな建物です。こうした建築は明治から昭和の時代に建てられたもので、弘前市「趣のある建物」に指定されています。
重要文化財にも指定されている「旧第五十九銀行本店本館」(青森銀行記念館)や「旧弘前市立図書館」、その隣は「旧東奥義塾外人教師館」など。弘前の歴史建築は、現役で使われているもの、見学できるものが多いんです。
弘前公園から歩いて約15分、お正月には大勢の初詣客で賑わう最勝院(さいしょういん)の五重塔へ向かいます。晴れた日には、五重塔に光が当たり、遠くからでもよく見えます。
高さ約31.2メートルの五重塔は、国指定の重要文化財。暑い時期の夕涼みや散策に、桜の季節なら見事な枝垂れ桜が迎えてくれます。
津軽には一代様信仰という風習があり、干支ごとに「守本尊(まもりほんぞん)」があります。最勝院は卯年の一代様なので狛犬ではなくかわいいウサギがお出迎え。
受験や就活、縁結びにご利益がある最勝院。散策の途中に立ち寄って参拝してみてはいかがでしょうか。
金剛山光明寺 最勝院
- 住所
- 青森県弘前市大字銅屋町63番地
- 拝観時間
- 9:00~16:30
- 定休日
- 年中無休
弘前を旅すると、北欧刺しゅうを彷彿とさせる幾何学模様のモチーフを見かけることがあります。弘前公園の北東側にある「津軽藩ねぷた村」では約2時間程度の「こぎん刺し」体験ができます。津軽の女性が受け継いできた手仕事のひとつで、若い女性を中心に人気を呼んでいます。
こぎん刺しは、江戸時代に庶民が目の粗い麻の着物に少しでも保温性を持たせようと、麻の布目に糸を刺したのが始まりと言われています。時代の流れで刺す人が減った時期もありましたが、今は若いこぎん刺しファンや作家が増えているようです。
2種類のコースターを作ります。先生と一緒ですし手芸初心者でも、複雑なことはしないので大丈夫。コツが分かると、つい時間を忘れて没頭してしまいます。完成できなくても図案とコースターは持ち帰れますよ。
津軽伝統の民工芸の製作体験ができるほか、カラフルな津軽塗りのお箸をはじめ、かわいい津軽系こけしや金魚ねぷたなど、選びきれないほどのお土産品が揃っています。時間がない人はショッピングだけでも十分楽しめますよ。
津軽藩ねぷた村
- 住所
- 青森県弘前市亀甲町61
- 営業時間
- 9:00~17:00(閉館時間17:30)
(11月~3月のこぎん刺し体験は16:00終了)
- 定休日
- 年中無休
- 入村料
- 一部有料エリア有り550円(税込)
弘前駅から徒歩約10分、代官町の周辺はショッピングエリア。城下町・弘前は、丁寧なもの作りを信条とする職人気質の街。一方でおしゃれな街としても知られていて、知る人ぞ知る、質の良い品を揃えるセレクトショップが点在しています。地元っ子が通う素敵なお店へお買い物に出かけましょう。
かわいい手作り日用品は「green」
「人と地球に優しい」をコンセプトに、温もりある自然素材や環境に配慮した商品を提案している「green(グリーン)」では、手織りの衣類や日用品などを扱っています。明るい色あいのこぎん刺しは、弘前こぎん研究所と開発したオリジナル商品です。
銀鼠(ぎんねず)色の生地に淡いピンクの糸の組み合わせは、弘前の洋館と桜の花をイメージしているそう。バッグや小物入れ、ブックカバーなど種類が豊富で、モダンなデザインがお土産やプレゼントとして人気です。
洗練されたデザインですが温もりを感じるものばかり。「営みに必要不可欠な『モノ』だからこそ、丁寧なもの作りをしている生産者さんや商品の裏側が見えるものをセレクトしています」と、店主の小林さん。
green(グリーン)
- 住所
- 青森県弘前市代官町22
- 営業時間
- 10:30~19:00
- 定休日
- 水曜日
おいしいオーガニック食材なら「bambooforest」
greenのすぐお隣にある「bambooforest(バンブーフォレスト)」。化学肥料を使わずに栽培された地元産りんごジュースなど、化学調味料、保存料を使わないオーガニック食品を中心に、生活雑貨などを取り扱うお店です。
青森県内に限らず、全国各地の良い品を紹介したいと、取り寄せて必ず試食し、納得できたものだけをお店に出しているそう。「体にいいからと無理して食べるのではなく、おいしいから食べるのが本来ですよね」と店主の竹森さん。
全国各地の選りすぐりの商品が並ぶ店内。青森からは、南部地方のおやつ・南部せんべいがおしゃれにアレンジされた「ハイカラせんべい」と津軽地方で愛される枝豆の在来種。
そのほか、器などの食にまつわるものや県内外のクラフト作家の作品なども取り扱っています。地元で活躍するキャンドル作家の作品は、弘前をイメージした本物の桜やりんご、ラベンダーがキャンドルの中に閉じ込められていて、火を灯すたびに弘前の旅を思い出せそうです。
bambooforest(バンブーフォレスト)
- 住所
- 青森県弘前市代官町20-1
- 営業時間
- 11:00~19:00
- 定休日
- 毎週火曜日、第2・第4月曜日
上質な生活雑貨が揃う「ao + 水玉」
「特別なものでなくても、ちょっと良いものを暮らしに取り入れてほしい」と、普段使いしやすいものを選んでいるという「ao+水玉(アオトミズタマ)」店主の千葉さん。親しみやすさの中にも芯のあるセレクトが、目の肥えた弘前の女性たちに評判のお店です。
青森県内はもとより全国の陶器市に足を運んで買い付けるという器は使うシーンをイメージしやすく、それでいて作家の個性が光るものばかり。オリジナルのこぎん刺しコースターも並んでいます。
温もりある生活雑貨、アクセサリー、衣類などがアンティーク家具でしつらえられた店内に並びます。不定期に企画展を開催して、丁寧に作られた品々の魅力を伝えています。
ao+水玉(アオトミズタマ)
- 住所
- 青森県弘前市住吉町8
- 営業時間
- 10:00~18:30
- 定休日
- 木曜日
江戸から明治、大正と受け継がれてきた伝統が今も残る弘前市。雰囲気の良いカフェでお茶を楽しんだり、伝統工芸を体験したり。落ち着いた街並みの中でゆったりとした時間を過ごしに弘前を訪れてみてはいかがでしょうか。
弘前観光のマップ
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取材・写真・文/Junko Saito
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