歴史ある国宝「犬山城」と、当時の面影を残す城下町が魅力の愛知県犬山市。名古屋駅から電車で約30分とアクセスも良く、城下町では写真映えするグルメが次々と登場。良縁祈願の神社もあるため、女子旅の目的地として近年、大人気スポットになっています。今回は、犬山駅から徒歩圏内で回れるスポットを中心に、犬山城周辺観光をご紹介します。
名古屋から電車で約30分!犬山城と城下町
愛知県の北西部に位置する犬山市。室町時代にあたる1537年、織田信長の叔父である織田信康が築いた、現存最古の木造天守「犬山城」を中心に栄え、今でも歴史の足跡が多く残されています。
犬山城と周辺の城下町へは、名古屋から電車で向かうのが便利。「名鉄名古屋」駅から「犬山」駅までは最短約30分で到着します。駅から犬山城までは、徒歩約20分。城下町の趣を残しつつ、レトロでかわいいカフェや食べ歩きグルメの商店が立ち並ぶ「本町通り」を進むので、楽しみながら歩ける距離です。
車の場合は、名古屋中心部から名古屋高速を経由し、約40分で到着です。
素朴ながらも高いデザイン性。犬山城を見学開始!
いよいよ城内へ。城門までのラストスパートは急な上り坂になっているため、歩きやすい靴が便利です。さっそく犬山城の歴史と美しさを見学しにいきましょう。
門をくぐると、お城の全景が迎えてくれました。ここが最初のフォトスポットです。国宝・犬山城は、姫路城などと並んで国宝5城の1つ。木曽川・中山道・木曽路に近いため、政治や経済の拠点として栄えました。
現存では最古となった木造天守はかつて、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった歴史に名をはせる戦国武将たちが入城の座をめぐって奪い合った場所。2004年までは国内唯一の個人所有の城として保存されてきたこともあってか、素朴な見た目に長い歴史を垣間見るようです。
素朴ながらも、デザイン性の高さも訪れる人を惹きつける理由の1つで、たとえば「唐破風(からはふ)」。丸みを帯びて弓なりになっている屋根部分のことで、城のやさしい雰囲気を印象付けています。室町時代以降、位の高い建造物で取り入れられた形です。
屋根を近くでよく見てみると、特徴的な瓦が。円盤状の台座に葉付きの桃が乗った魔除けの「隅ぶた瓦」や、同じく葉付きの桃の実を表すとされる鬼瓦など、天守に入った際にはぜひ探してみてください。古くから縁起物と言われている桃の形はどこか愛嬌があり、城好きから写真映えを狙う若い方まで注目を集めています。
早速、靴を脱いで城内に入ってみると、天守を支えるぎっしりとした石垣が目に入ります。自然石をほとんど加工しない「野面積み」という工法で積み上げることおよそ5メートル。約480年の歴史を耐え抜いてきた、先人の繊細な計算に基づいた技術を間近に見ることができます。
20名以上におよぶ歴代城主の肖像、関ヶ原の戦いを始めとする四戦場の陣立てが描かれた屏風絵、江戸時代初め頃のものと考えられている鬼瓦など、貴重な展示品を見学しながら、4階まで階段を上ります。急な傾斜なので、気を付けて進みましょう。
そして最上階に到着すると、木曽川に面した城からの絶景が広がります! 「望楼」と呼ばれ、屋外に出ている回廊を360度ぐるりと歩くことが可能。
小高い山の上に建てられているので、眺めは抜群! 代々の城主たちもめでてきた風景です。
犬山の城下町だけでなく、木曽川や御嶽山、天気の良い日には名古屋駅のビル群なども見渡せる、広い眺望を楽しめます。
3~4月にかけて、木曽川沿いや敷地内の桜が咲き誇る犬山城やその周辺では、例年4月にからくり人形を備えた山車が練り歩く「犬山祭」も開催。秋には紅葉も見もので、四季折々でお城のいろいろな姿を楽しむことができます。
犬山城
- 住所
- 愛知県犬山市犬山北古券65-2
- 電話
- 0568-61-1711(犬山城管理事務所)
- 時間
- 9:00~17:00(入場は16:30まで)
- 定休日
- 12月29~31日
- 料金
- 大人550円、小・中学生110円
※ペットは入場不可
- アクセス
- 名鉄「犬山」駅から徒歩約20分
- その他詳細
- 犬山城 公式Webページ
写真映えグルメやパワースポットをめぐって城下町散策へ!
犬山城見学のあとは、城下町の散策を楽しむのがおすすめ。見た目も味もこだわったフォトジェニックグルメやパワースポットに出会えますよ。
旬のフルーツとあんのコンビネーション!かわいい「恋小町だんご」
まず訪れたいのは、犬山駅から本町通りに入ってすぐの「昭和横丁」。昭和レトロな室内には、カステラ、田楽などの食べ歩きグルメだけでなく、地元のお肉屋さんが作る「焼豚玉子飯」や「犬山焼そば」などの食事メニューを扱うお店など、およそ14店が入っています。
この建物に入ってすぐの場所に位置するのが「茶処くらや」です。季節のフルーツなど、色とりどりのあんを使ったおだんごが評判を呼んでいます。
1番人気は、「恋小町だんご」が2串と犬山煎茶がセットになった「ハイカラ恋小町セット」(600円)。思わず写真を撮りたくなるカラフルなあんは、はちみつレモンやあまおういちごなど、一つひとつ異なるこだわりの味。1番下のおだんごは、さくらあん、よもぎあんなど、季節限定の5種前後から2つを選ぶことができます。季節ごとに訪れれば、違った味が楽しめるのはうれしいところ。
あんこにフルーツのほのかな甘みと酸味がうまく組み合わさっているので、甘すぎずあんこが得意でない方にも好評なのだとか。犬山煎茶は持ち運びできる容器で出してもらえるので、街歩きに最適です!
茶処くらや
見た目も味もこだわりぬいた「スワンズカフェジューススタンド」
「昭和横丁」から、駅前の通りへ引き返す方向に進むとあるのが、「スワンズカフェジューススタンド」。目を引くブルーの外観が目印です。
地元農家から仕入れる旬のフルーツを取り入れたカフェドリンクやジュースを提供しているお店。外観や内装はナチュラルな雰囲気で統一され、おしゃれな空間に女子旅が盛り上がりそう!
人気メニューは、「フルーツハーブティ」(650円)。香り豊かなハーブティに、旬のものを含む10種類ものフルーツと、さらにハーブゼリーが入った食感も楽しめる一杯です。見た目のかわいさはもちろん、新鮮なフルーツの甘さが無糖のハーブティに広がり上品な味わいに。散策の合間にさっぱりといただけます。
写真奥の「犬山産ほうじ茶チョコミルクスムージー」(650円)も、チョコスムージーの後味にほんのりほうじ茶のほろ苦さが香り、大人な味わい。ドリンクと一緒にいただきたい焼ドーナツ(250円)にも、旬のフルーツが使われています。
テイクアウトはもちろんのこと、店内に座席も。週末は混み合いますが、おしゃれな店内で座ってゆっくりすることもできます。
swan's cafe juice stand(スワンズカフェジューススタンド)
- 住所
- 愛知県犬山市犬山東古券53-4
- 電話
- 0568-61-1220(swan's cafe 内)
- 時間
- 10:00~17:00(8月は~18:00)
- 定休日
- 水曜日、第3火曜日
落ち着いた店内でのランチなら「犬山よあけや」の鯛茶漬け!
店内でゆっくりとランチが食べたいという方には、「犬山よあけや」がおすすめ。本町通りを犬山城方向へ歩いてすぐのところにあるカフェです。町屋のような落ち着いた外観から中に入ると、縁側やヒノキづくりの茶室、蔵などがありまるで往時の家屋に入ったような素敵な空間が広がります。
いただきたいのが「鯛茶漬け」(980円、ドリンク付きはプラス280円)。塩釜焼で丁寧にふっくらと焼き上げた肉厚な鯛がたっぷりと乗ったご飯に注ぐのは、鯛の骨が入ったほうじ茶。鯛の香りがいっそう増して、薬味のゴマが香ばしく味をまとめ上げます。
付け合わせは名古屋で親しまれている漬物の守口漬(もりぐちづけ)。シンプルなお茶漬けの良いアクセントとなっています。
こちらを訪れたら必ずチェックしたいもう一品といえば、「和チーズケーキ」(食事にプラス450円。単品なら900円)。1日600個以上出る日もあるという人気商品です。
とってもかわいらしい見た目に加え、くせになる新食感! ひとさじすくうと、煎茶のパウダーの下からはふわふわでもちもちとした、まったく新しいチーズケーキが。濃厚なチーズの味わいがありながら、軽い食感でさっぱりといただけます。おさじですくって、添えられたかわいらしいピンクの最中につけて、新しい舌触りを楽しんでみてください。
犬山よあけや
ハート型の絵馬がかわいい!良縁祈願の「三光稲荷神社」
犬山城下町には、グルメだけでなく写真映えすると話題のパワースポットも。本町通りをさらに犬山城の方へと進んだ、城山のふもとに位置する「三光稲荷神社」です。創建は1586(天正14)年とされ、主に犬山城を築いた織田信康を奉る由緒正しい神社です。犬山城の見学がてら、多くの人が訪れています。
特に女性に人気なのが、ピンクのハート絵馬。良縁祈願にも御利益がある神社ということで、絵馬の中央には大きな赤い文字で「縁」と書かれていてご縁がめぐってきそうです!
境内の奥へ進んでいくと、鳥居の奥に絵馬の奉納場所が見えてきます。ピンクと赤の色味がとてもきれいなので、ここでぜひ写真撮影を!
お参りには欠かせない御朱印帳も2つ。犬山城が西陣織で刺繍されたオリジナル(奉納料として1,000円)の他に、三光稲荷神社を含む県内の縁結びパワースポットを3つめぐると完成する「恋の縁むすび御朱印めぐり」(同200円)もあります。
三光稲荷神社
国宝・犬山城とおしゃれな絶品グルメがたくさんの城下町、そして良縁祈願の三光稲荷神社と、女子旅にぴったりな犬山。さらに車で10~20分のところには、すべて文化財という明治時代の建造物が10軒以上集まる「明治村」や、木曽川の桃太郎誕生伝説に由来する「桃太郎神社」などもあり、他にはない楽しみがまだまだ広がります。ぜひ犬山を訪れてみてくださいね。
取材・撮影・文/川口めぐみ
写真提供/犬山城(一部)