日本で唯一、淡水湖に浮かぶ有人島として知られる琵琶湖の「沖島(おきしま)」で、滋賀の郷土料理「鮒ずし」の漬け込みを体験できる恒例のクルーズ企画が、2024年7月に実施されます。
ツアーでは琵琶湖特産の「ニゴロブナ」の樽詰めなどを行い、その後自宅でじっくり保管。晩秋の食べ頃までワクワクが続く、特別な湖上旅を楽しめます。
古来「神の島」として崇拝されてきた琵琶湖最大の島、沖島
滋賀県近江八幡市から約1.5kmの琵琶湖に浮かぶ「沖島」は、全周約6.8km、面積約1.53平方kmに及ぶ琵琶湖最大の島です。国内で唯一「人が暮らす湖上の島」として知られ、現在は約230人が生活。島民の約7割が漁業をなりわいとしています。
奈良時代の頃の伝承では、琵琶湖を往来する船の安全を守る神を祀った無人島として崇拝されていた沖島。その後、保元・平治の乱に敗れた清和源氏の流れを汲む武者たちが島を開拓、定住したのが有人島としての始まりと伝えられています。
湖国の郷土料理「鮒ずし」作りが体験できる沖島クルーズ
そんな沖島を目的地として開催される「鮒ずし作り体験クルーズ」は、琵琶湖の自然や食文化を体感してもらいたいと2009年から実施されていて、これまでに延べ3,000人以上が参加した人気のツアーです。
古くは弥生時代から作られてきたという滋賀の郷土料理、鮒ずし。塩漬けにしたフナをご飯とともに漬け込んで発酵させた、いわゆる「なれずし」で、主に琵琶湖の固有種である「ニゴロブナ」が用いられます。
湖国を代表する食文化として、1998年に滋賀県の無形民俗文化財に指定され、2023年1月には「近江のなれずし製造技術」として国の無形民俗文化財にも登録されました。
クルーズは朝に大津港を出発し、参加者はまず船内で漬け方講習のDVDを見て予習します。
沖島に到着したら地元の漁師さん指導の下、塩漬けされたニゴロブナのみがき、洗い、干し、樽詰めといった一連の工程を約半日かけて体験。自分だけの鮒ずしを詰めた約5kgの樽は各自がお土産として持ち帰り、発酵が進んだ晩秋に待望の食べ頃を迎えます。
樽を持ち帰って保管することが難しい場合は島内で預かり(6,000円)、11月下旬〜12月初旬頃に自宅へ配送してもらうこともできます。
クルーズ当日は島で獲れた魚や地元野菜をふんだんに使った手作りのお弁当(1,500円)が用意されるほか、帰りの船内ではプレゼント抽選会も予定されています。
発酵食ならではのまろやかな酸味と熟成された旨みがクセになる「鮒ずし」。先人たちの知恵が詰まった近江の伝統料理を学びに、湖上の町・沖島を訪ねてみてはいかがですか?
鮒ずし作り体験クルーズ 2024
- 運航日
- 2024年7月3、6、9、12、15、18、21、24日 計8日間
- 航路
- 9:00 大津港発 〜 10:20 沖島着 〜 鮒ずし作り体験 〜 15:30 沖島発 〜 16:40頃 大津港着
- 大津港までのアクセス
- 京阪電車「びわ湖浜大津」駅より徒歩約3分
- 参加料
- 【往復乗船料】大人 3,500円、小学生 1,750円
【材料費】25,500円/樽 ※1樽で最大3名まで
【樽容器代】1,500円/樽 ※初参加の場合は必ず購入が必要 - 受付期間
- 2024年5月10日~5月31日
※申し込み多数の場合は抽選 - 詳細・申込
- 琵琶湖汽船「鮒ずし作り体験クルーズ 2024」