西九州新幹線の開業で、陸路のアクセスが向上した諫早(いさはや)市や長崎市をはじめ、県内広域にさまざまな観光スポットがある長崎県。カステラや五島うどんなど、独自の歴史が生み出した銘菓や特産品なども数多く、おみやげに何を買おうか迷う人も多いのではないでしょうか。
そこで、長崎県内の名物から12種類をピックアップ。長崎ならではのお菓子から、旅の思い出にひたりながら自宅で味わえる郷土料理、歴史ある雑貨など、長崎を訪れたらまずはこれを買いたい定番みやげを紹介します。
目次
フクサヤキューブ(福砂屋)
長崎銘菓の代表格・カステラでは、1624年創業と約400年の歴史を誇る老舗「福砂屋」のカステラが2切れ入った「フクサヤキューブ」がおすすめ。
福砂屋独自の厳選素材とこだわりの製法による、ふわっと、しっとりとした味わいはそのままに、キュートなデザインの箱入りで、自分用や友だちへのプチみやげにピッタリです。
また、パッケージがお皿代わりになるのもポイント。5箱単位で、最大20箱入りのギフトセットもあるので、職場などへのおみやげにも使えます。
「カステラに心を込めて時をつないでいきたい」という想いのもと、材料の混合から焼き上げまで一人の職人が仕上げる製法や、丁寧な接客も特徴です。駅や空港などでも購入できますが、その歴史をより感じることができる長崎本店も一度は訪れたいものです。
- 価格
- 2切れ入り270円~
- 販売場所
- 長崎本店、長崎駅(長崎街道かもめ市場)、アミュプラザ長崎1階、長崎空港(2階売店、ANA FESTA) など
- 日持ち
- 製造より12日(季節により異なる)
長崎のカステラでは、福砂屋のほか、創業1681年の老舗「松翁軒(しょうおうけん)」、創業1830年の「岩永梅寿軒(いわながばいじゅけん)」、全国的に知られる「文明堂総本店」なども有名です。
ちなみに、「文明堂総本店」の名で展開しているのは長崎から福岡、広島まで。それ以外は「総本店」がつかない「文明堂」という違いがあるのだそう。
よりより(株式会社福建)
創業55年以上という「福建」の「よりより」は、1本ずつ個包装されているので、より多くの人とおみやげを分かち合いたい、そんなときにおすすめです。
生きた熟成生地を使い、日々変化を指先で感じながら、一本一本丁寧により上げ、手作りしているそう。その伝統技法で作られるよりよりは、独特の風味、さっぱりとした甘み、素朴な味わいで人気です。
また、長崎ちゃんぽんの麺などにも使われる「唐あく」を使用することで生まれる、独特の歯ごたえや食感も魅力です。
新地中華街に福建の店舗があり、観光や食事のついでに立ち寄ってみては。よりよりのほか、中華菓子や中華料理の食材なども販売しているので、お菓子以外のおみやげ探しにもおすすめです。
- 価格
- 5本入り400円、8本入り600円 ほか
- 販売場所
- 出島工場店、新地中華街店、長崎駅(長崎銘品蔵)、長崎空港(2階総合売店)、JR佐世保駅(佐世保銘品蔵) など
- 日持ち
- 製造より60日
長崎銘菓クルス(小浜食糧株式会社)
ポルトガル語で“十字架”を意味する「クルス」。パリッとさっくりとした食感の生地の間に、ショウガがふわっと香るホワイトチョコレートをサンドした、55年以上の歴史ある長崎銘菓です。
生地は、雲仙市に古くから伝わる伝統銘菓・湯せんぺいの製造方法を応用して焼き上げた、オリジナルのものだそう。
珈琲やいちごなど、種類が豊富なのもクルスの特徴。なかでも、いろいろな味が楽しめる「長崎銘菓クルス5種詰合せ18枚」が、いま最も人気なのだとか。
パッケージにシスターのかわいいイラストが描かれたものから、軍艦島や大浦天主堂といった長崎の風景がプリントされたコンパクトなはがきサイズの「景観クルス」、詰め合わせまで、さまざまなタイプの商品がそろっています。1枚ずつ個包装されていて、会社などで配るのにもおすすめです。
- 価格
- 6枚入り410円、12枚入り810円、5種詰合せ18枚入り1,296円、景観クルス4枚入り324円 ほか
- 販売場所
- Bon Patty長崎駅店(長崎街道かもめ市場)、長崎空港(MiSoLa売店) など
- 日持ち
- 製造より120日
- 販売サイト
- 長崎銘菓クルス(楽天市場)
九十九島せんぺい(株式会社九十九島グループ)
砂糖、小麦粉、ピーナッツのみで作られた「九十九島(くじゅうくしま)せんぺい」。昭和26年に誕生して以来、厳選した素材にこだわり、独特のパリッとした食感と香ばしさ、変わらぬおいしさを守り続けています。
佐世保から平戸まで連なる大小208の島々を九十九島と呼び、縁起物の亀の甲羅をかたどった六角形で海を、散りばめたピーナッツで九十九島の島影を表現。
佐世保の名所と、中島潔氏の「じゃがたらお春」がモチーフのイラストをあしらったパッケージにも長崎を感じることができます。また、1枚ずつ個包装されているので、配るのにも便利。
長崎空港や長崎駅などでも購入できますが、直営店の「九十九島せんぺい本舗 松浦店」では、九十九島せんぺいをはじめ、そのほかのお菓子も1個から購入可能。予算に応じた詰め合わせギフトにも対応してもらえます。佐世保を訪れたら直営店へぜひ。
- 価格
- 8枚入り550円、12枚入り900円、18枚入り1,350円 ほか
- 販売場所
- 九十九島せんぺい本舗松浦店、長崎駅(長崎銘品蔵)、長崎空港(2F総合売店) など
- 日持ち
- 製造より180日
- 販売サイト
- 九十九島グループ(楽天市場)
カスドース®(湖月堂老舗)
独自製法のカステラを卵黄液に潜らせ、煮立てた糖蜜で揚げてからグラニュー糖をまぶした 、「湖月堂老舗(こげつどうろうほ)」の「カスドース®」。
国内製造の最高級小麦粉や砂糖、九州産の新鮮な朝採れ卵を使用し、旧松浦藩の「百菓之図」をもとに昭和初期に復活させた代々伝わるレシピで仕上げる 、懐かしい味わいの平戸銘菓です。
カスドース®は湖月堂老舗の登録商標商品で、数々の受賞歴があるほか、皇室にも献上され、人気のグルメ漫画『美味しんぼ』でも紹介されています。
日持ちが11日間ということで、長崎空港や長崎駅などでは販売しておらず、実店舗で購入できるのは、平戸城を望む「平戸物産館」内の店舗だけ。
ここでは、カスドース®のほか、平戸周辺の特産物もそろいます。さらに、観光マップやグルメマップなども説明付きでもらえるので、平戸観光スタート前に観光情報を入手しに、帰りにはおみやげを購入しに立ち寄るのもおすすめです。
- 価格
- 3個入り590円、5個入り1,000円、10個入り1,900円 ほか
- 販売店住所
- 長崎県平戸市岩の上町1247-2
- アクセス
- 松浦鉄道「たびら平戸口」駅よりタクシーで約8分、平戸大橋より車で約2分
- 営業時間
- 9:00~18:00、年中無休
- 日持ち
- 製造より11日
ごと芋かんころ餅(ごと株式会社)
五島地方の方言で「かんころ」と呼ばれるサツマイモを薄く切って日干ししたものと、お餅を混ぜた五島列島の郷土菓子「かんころ餅」。
五島列島・福江島で創業した食品製造会社「ごと」の「ごと芋かんころ餅」は、有機JAS認証農場である自社畑と契約農家のみで栽培する安納芋「ごと芋」を使っているのが特徴。味は、プレーン、むらさき芋入り、よもぎ入りの3種あります。
ごと芋かんころ餅は冷凍の状態で販売されていて、半解凍してスライスし、トースターで焼いて、焼きたてを味わえば、ごと芋本来のねっとりした食感と、自然なやさしい甘みを楽しむことができます。
また、ひとくちサイズで常温の「ひとくちかんころむらさき」も、そのまま手軽に味わえると人気です。
ごと芋かんころ餅、ひとくちかんころむらさきの実店舗での販売は、福江島にある店舗「おみやげ&カフェ ごと」をはじめとする島内だけ。
ここでは「五島から、おいしさを届けたい」をスローガンに、五島産の食材を使用した冷凍焼き芋やレトルトカレーなども販売されています。併設のカフェでは、ごと芋を使ったスイーツやピザなども食べられます。
- 価格
- ごと芋かんころ餅(冷凍):1本200g 600円
ひとくちかんころむらさき(常温):4個入り580円 - 販売場所
- ごと芋かんころ餅(冷凍):おみやげ&カフェ ごと、通販
ひとくちかんころむらさき(常温):おみやげ&カフェ ごと、福江空港、福江港みやげ店 - おみやげ&カフェ ごと 住所
- 長崎県五島市吉久木町726-1
- アクセス
- 福江港・福江空港から車で約10分
- 営業時間
- 10:00~18:00(カフェL.O.17:00)、元日休業
- 日持ち
- ごと芋かんころ餅 冷凍で製造より1年
ひとくちかんころむらさき 製造より1カ月 - 販売サイト
- 長崎五島ごと(楽天市場)
長崎ちゃんぽん(株式会社みろく屋)
本場の長崎ちゃんぽんをおみやげにするなら、「みろくや」の「長崎ちゃんぽん」がおすすめ。麺とスープがセットになって、1食分から手軽に買えるのも便利です。
具と麺をスープで煮込むのが、おいしいちゃんぽん作りの秘訣。そこで、じっくり煮込んでも歯ごたえが残るよう、複数の小麦粉をブレンドした独自製法の麺と、やさしいうま味とコクが調和した、最後の一滴までおいしく飲めるよう工夫された豚骨スープにこだわっています。
ちなみに、1964年に長崎で創業し、今では一般的となった半生麺を考案したのもみろくやなのだそう。
長崎空港などにあるみろくや直営店のほか、県内の主要駅のおみやげ店などで購入できますが、長崎駅店には限定商品もあるので、新幹線改札口に入る前にチェックしてみては。皿うどんなども販売しています。
- 価格
- 1食分(常温商品)311円~
- 販売場所
- 長崎駅店、浜町店、夢彩都店、長崎空港店 など
- 日持ち
- 製造より90日(常温)
- 販売サイト
- みろくや(楽天市場)
長崎角煮まんじゅう(岩崎本舗)
「ながさき手みやげ大賞」を受賞するなど、「岩崎本舗」の「長崎角煮まんじゅう」も人気の長崎みやげです。中に挟んだ角煮は、世界中を10年探して見つけた「チリ産アンデス高原豚」を使い、地元「チョーコー醤油」と共同開発した専用醤油が味の決め手。
3日かけて脂抜きしているので、「角煮の脂身が苦手でも、岩崎本舗のものは食べられる」とたくさんの声が寄せられ、意外にカロリーも控えめなのだそう。
独自配合の小麦粉を使用し、気温や湿度の変化に対応しながら製造する生地は、ベーキングパウダーを使わずともふんわり。角煮との相性も抜群です。
おみやげで一番人気は6個入り箱だそうですが、3個入り袋や10個入り箱など、種類豊富にそろっています。
- 価格
- 1個450円、3個入り袋1,350円、6個入り箱2,750円 ほか
- 販売場所
- 長崎駅店、長崎空港店、西浜町店、グラバー園店、ハウステンボス店 など
- 日持ち
- 製造より120日(冷凍)
- 販売サイト
- 岩崎本舗(楽天市場)
長崎からすみ(元祖からすみ 高野屋)
越前のウニ、三河のこのわたと並ぶ、日本三大珍味のひとつ、長崎のからすみ。長崎とともにからすみ一筋340有余年、創業1675年の「元祖からすみ 高野屋」は、ボラの卵巣を塩漬け後、天日干しして作る「長崎からすみ」を、昔から変わらず一子相伝の技で手作りしています。
おみやげにおすすめなのが、「スライスからすみ5枚入り」。スライスされた商品なら、そのまま軽く炙るだけでおいしく味わえるので、お酒好きの人にもきっと喜ばれるはず。
国産と長崎俵物の2種類あり、国産は主に宮崎県や兵庫県のものを、俵物は長崎県産のみを使用しています。
本店は長崎港や長崎駅にほど近い、築町に位置。スライス以外にも片腹や一腹のほか、料理に活用しやすいパウダー状の「からすみほぐし」などの加工品もそろっています。
- 価格
- スライスからすみ5枚入り 国産Sサイズ864円~、長崎俵物Sサイズ1,080円~
※2023年春頃、価格変更予定 - 販売場所
- 本店、長崎空港(2F総合売店)
- 本店住所
- 長崎県長崎市築町1-16
- アクセス
- 路面電車「浜町アーケード」から徒歩約2分
- 営業時間
- 9:30~18:00(2022年10月現在、時間短縮営業中)、元日休業
- 日持ち
- 製造より60日(冷蔵)
五島うどん「波の絲」(五島手延べうどん協同組合)
五島列島で漁を生業とする忙しい人々が、五島灘の海塩など身近にあるもので作った、1000年以上の歴史ある保存食「五島うどん」。麺を延ばす際、五島特産の食用椿油を使用し、つるんとなめらかでのど越しがよく、細めの麺ながらコシが強いのが特徴です。
ゆでたてをあごだしなどで食べる「地獄炊き」を現地で味わうのはもちろん、おみやげとしても人気。
上五島のうどん製造業者が集まって設立された「五島手延べうどん協同組合」の統一ブランド「波の絲(いと)」は、定番の「しろ」から、熟練の麺職人が丁寧に作り上げた「極」まで、さまざまなタイプがそろいます。
- 価格
- 1袋300g 480円 ほか
- 販売場所
- 新上五島町観光物産センター、長崎空港(エアポートショップMiSoLa-海空-) など
- 日持ち
- 製造より365日
- 販売サイト
- 五島手延うどん協同組合(楽天市場)
ぽっぺん
長崎の工芸品といえば、「ビードロ」と呼ばれるガラス細工が有名ですが、なかでも、おみやげとして広く知られているのが「ぽっぺん」。吹けば「ペッコン」とユニークな音がする、すべてガラスで作られた郷土玩具で、その美しさは部屋に飾っておくのもおすすめです。
グラバー園や大浦天主堂などに近い、グラバー坂にあるショップ「グラスロード1571」は、ぽっぺんの種類が豊富。人気のステンドグラスデザインのものから、お店オリジナルの手描きタイプまでそろっています。
ぽっぺんのほか、ランプやパネルなどのステンドグラス製品をはじめ、食器やアクセサリーまで、充実の商品ラインナップで、リピーターも多い人気店です。
きらめくガラス細工がたくさん並ぶ店内は、見ているだけでも楽しく、思わず時間を忘れてしまいそうに。長崎をイメージしたデザインのものなど、旅の思い出になるアイテムもあるので、観光のついでにおみやげを探しに立ち寄ってみては。
グラスロード157
- 住所
- 長崎県長崎市南山手町2-11
- アクセス
- 路面電車5番系統石橋行き「大浦天主堂下」から徒歩約3分
- 営業時間
- 10:00~17:00(2022年10月現在、短縮時間営業中。通常は9:30~18:00)、年中無休
- 価格
- ミニ770円~
波佐見焼
近年、日常使いしやすいおしゃれなデザインの器で注目を集める「波佐見(はさみ)焼」。波佐見町には多数の窯元や直営のショップが点在しているので、やきものめぐりをしながらお気に入りの一品を探してみては。
南創庫
なかでも、「西の原」は、雑貨や食材店、カフェなど、おしゃれなお店が集まっていて、観光スポットとしても必見です。
西の原にある「南創庫」は、古い製陶所の出荷事務所を改装して、2011年にオープン。上の写真のマグカップを扱うブランド「essence of life」のほか、人気の「HASAMI PORCELAIN」など7つの波佐見焼ブランドの商品をそろえた「西海陶器」の直営店です。
- 住所
- 長崎県東彼杵郡波佐見町井石郷2187-4
- アクセス
- JR「有田」駅からタクシーで約15分
- 営業時間
- 11:00~18:00、水曜定休
マルヒロ
もうひとつ、「BARBAR」や「HASAMI」などの波佐見焼ブランドを展開する「マルヒロ」の直営店もおすすめ。アーティストがデザインする遊具を備えた公園「HIROPPA(ヒロッパ)」、カフェなども併設し、子連れファミリーも楽しめます。
- 住所
- 長崎県東彼杵郡波佐見町湯無田郷682
- アクセス
- JR「有田」駅からタクシーで約10分
- 営業時間
- 10:00~18:00、不定休
長崎の定番のおみやげを紹介しましたが、まだまだ県内にはさまざまな特産品があります。日程に余裕があれば、各地で泊まりながら観光地を巡りつつおみやげを探してみるのも楽しいかもしれません。迷ったら、この記事を参考にしてください。