岐阜県は南部の美濃地方と北部の飛騨地方で、それぞれ風土や文化が異なる変化に富んだ県です。3,000メートル級の北アルプスの山々や木曽三川と呼ばれる大河など豊かな自然に恵まれ、長い歴史の中で多様な文化や風習が育まれてきました。そんな岐阜県の人気ご当地グルメを、飲食店情報サイト「楽天ぐるなび」の会員にアンケート調査しました。郷土の味から注目のグルメまで、岐阜ご旅めしトップ10をご紹介します。
※「旅行・観光の際に食べたことがある/食べたい料理」「おすすめしたい郷土料理」の結果を合わせたランキング(楽天ぐるなび調べ)
※アンケート調査期間:2024年1月16日~23日
飛騨牛
岐阜県が誇る国内有数のブランド牛・飛騨牛。古くから飛騨地域で飼育されていた牛に、但馬牛を掛け合わせるなど改良を重ね、全国でもトップクラスとされる上質の肉質に進化しました。飛騨牛を味わうならお膝元の高山で、観光とセットで楽しむのがおすすめ。市内には飛騨牛取扱店が数多くあり、好みに合わせた料理を選べます。
五平餅
つぶしたご飯に串を刺して焼いた五平餅は、岐阜県を含む中部地方の山間部に伝わる郷土料理。木こりが山で伐採した木の切れ端に、ご飯を握りつけて焼いたものが起源とされます。味付けは醤油や味噌など地域ごとに異なり、落花生やクルミを砕いてタレに混ぜることで香ばしい焼き上がりに。道の駅や観光地の売店などでも販売されています。
朴葉味噌
落葉した朴葉(ほおば)の上に熟成させた麹味噌とネギをのせて焼く、飛騨地方の郷土料理です。近年は味噌だけでなく、きのこや飛騨牛などと一緒に焼いた、グルメな朴葉味噌を提供する飲食店も増えています。「旅館の朝ご飯で食べて驚くほどおいしかった」という声もあるように、飛騨では旅館やホテルの朝食としても定番です。
高山ラーメン
高山で「そば」と言えば中華そばを指すほど、地域に深く浸透しているラーメンです。通常は別々に作るスープと醤油ダレ(かえし)を、最初から混ぜ合わせて煮込むのが特徴。具はシンプルで、平打ち縮れ麺にスープがよく絡みます。アニメ映画「君の名は。」で主人公が高山ラーメンを食べるシーンがあり、公開後はちょっとしたブームに。
栗きんとん
岐阜県の東濃地方に伝わる栗を使った和菓子。あらかじめ蒸しておいた栗を砂糖と一緒に炊き上げ、茶巾(ちゃきん)で絞って栗の形に整えます。栗の素朴な甘味が特徴で、収穫期の秋から冬にかけて楽しめる季節限定の味わい。毎年この時期になると中津川市や恵那市(えなし)の和菓子店には、栗きんとん目当てに多くのファンが訪れます。
鮎の塩焼き
鮎が好む清流が多い岐阜県は、香り豊かな天然鮎の産地としても知られます。特に長良川の鵜飼による鮎漁は有名で、たいまつに浮かび上がる漁の光景は幻想的。ほかにも川をせき止めて木杭や竹で組んだ仕掛けを用いるヤナ漁もあり、初夏の風物詩になっています。鮎のつかみどり体験の後に味わう、とれたての鮎の塩焼きは格別のおいしさです。
鶏ちゃん
鶏(けい)ちゃんとは、飛騨地方や奥美濃地方に伝わる鶏肉を使った郷土グルメ。醤油味や味噌味のタレに漬け込んだ鶏肉を、キャベツなどの野菜と一緒に鉄板で香ばしく焼き上げます。「ご飯が進む」「ビールに合う」など、アンケートでも絶賛の声が多数。下呂市や郡上市(ぐじょうし)には専門店も多く、家庭料理の定番としても親しまれています。
水まんじゅう
県西部、関ヶ原にも近い大垣市で夏季を中心に販売される和菓子です。葛粉(くずこ)とわらび粉を使った生地で、彩りのある餡を包み、冷やし固めてできあがり。中の餡が透けて見えるビジュアルに清涼感が漂います。夏になると大垣市内の和菓子店の店先では、おちょこに入った水まんじゅうを冷水に浸している涼しげな光景がよく見られます。
岐阜タンメン
野菜とニンニクの旨みが溶け込んだスープがあとを引く、岐阜タンメン。辛味あんや酢もやしを好みで加え、味変を楽しめるのも人気の理由です。名前に「岐阜」が付くものの、発祥は愛知県稲沢市。愛知での売上が振るわずに岐阜に出店したところ、行列ができるほどの人気となり、岐阜の人々への感謝の意を込めてこの名前になったとか。
赤かぶの漬物
郷土野菜の「飛騨紅かぶ」を使った飛騨を代表する漬物です。豪雪地帯である飛騨地方では漬物は冬の貴重な保存食。漬け込む過程で皮に含まれる色素が実にも染み込み、鮮やかな紅色になります。乳酸発酵による酸味とかぶの甘みのバランスが良く、ピクルスのようなさわやかな味わい。しっとりなめらかな食感も魅力です。
高山の魅力が詰まった「朝市」を五感で満喫!
岐阜きっての人気観光地と言えば飛騨高山。この地を訪れたらぜひ立ち寄りたいのが、江戸時代に起源があるとされる伝統の朝市です。宮川沿いの「宮川朝市」と、高山陣屋前の「陣屋前朝市」の2カ所があり、毎朝7時から正午頃まで開かれています。
新鮮な野菜や果物をはじめ、特産品の赤かぶ漬けや朴葉味噌、工芸品や土産物まで、取り扱う商品は多彩。焼きたてのみたらし団子や五平餅の食べ歩きも楽しめます。温もりのある地元の言葉があちこちから聞こえてくるのも朝市の醍醐味。音や香りも含め五感で味わいたい、魅力あふれるスポットです。