日本三名泉の一つ岐阜県の下呂温泉。優しい肌触りのとろっとしたお湯は、美肌の湯といわれています。温泉街は足湯やグルメ、観光スポットが全て徒歩圏内。ぎゅっと凝縮されているので、1泊2日の旅行中の散策も十分楽しめます。また、個性豊かなホテル、旅館のお風呂を湯めぐりすることも可能。
下呂温泉には温泉以外に何があるの?どんな名物があるの?という方に、おすすめの下呂温泉の過ごし方をご紹介します。
下呂温泉ってどんなところ?
飛騨川に沿って繁栄する下呂温泉。周りは山々に囲まれたのどかな場所です。1000年以上も前から湯が出ていたと記録されており、古くから人々の湯治場として親しまれてきました。
飛騨川の河川敷には源泉かけ流しの噴泉地があり、開放的な雰囲気で温泉を楽しめます(水着着用、無料で利用できます)。噴泉地以外にも3つの共同浴場で外湯が楽しめます(有料)。
新幹線と特急で東京から約3時間半 下呂温泉へのアクセス
下呂温泉は電車で行きやすい温泉地です。東京から名古屋まで新幹線で約1時間40分。名古屋で特急ワイドビュー飛騨に乗り換え下呂まで約1時間30分。乗り換えを入れても3時間半ほどで到着できます。
車の場合、東京から中央自動車道を利用。中津川インターで降り、257号線経由で約3時間半で到着です。関西や名古屋方面からは美濃加茂インターで降り、41号線経由が便利です。
湯めぐり手形でホテル・旅館の名泉を満喫
下呂温泉のホテル・旅館ではそれぞれ趣向を凝らした温泉があります。せっかくなら宿泊する施設以外のお風呂を楽しみたいところです。そんな時に便利なのが湯めぐり手形。
湯めぐり手形(1,300円)を購入すれば、日帰り入浴を実施している旅館のお風呂を3ヶ所まで利用できます。旅館にもよりますが、通常の日帰り入浴が1回1,000円前後することを考えると、とてもお値打ちです。
使い方は簡単。購入時に日付が記入されます。有効期限は6ヶ月間。入りたい旅館のフロントで手形を見せると「湯名人」と書かれたシールを一枚はがしてくれます。これで完了です。各旅館によって手形の入浴時間が異なりますので、事前に確認しておきましょう。
肌触りが柔らかい畳風呂「小川屋」
畳風呂で有名な小川屋。川沿いに立つ大きな旅館で、大浴場は約100帖。浴槽も広くくつろげます。畳の床は硬すぎず柔らかすぎず、足にとても心地良くリラックスできます。特注の畳を利用し、衛生面にも配慮されています。
畳風呂の外には露天風呂があります。飛騨川の川沿いにあるため、川の音を聞きながら入浴でき、町の中だということを忘れさせてくれます。
小川屋では、5つのお風呂で湯めぐりすることができます。
樹木の緑と巨岩に囲まれた野天風呂「水明館」
下呂温泉で一番の規模を誇る水明館。3つの宿泊棟に、それぞれ温泉大浴場があります。日帰り入浴の場合、山水閣1階の野天風呂か、飛泉閣9階の展望大浴場を選べます。野天風呂は内風呂付。樹木に囲まれた和の野天風呂を楽しめます。
一方、展望大浴場は9階にあるため眺望が良く、晴れていれば遠くの山々や下呂の街並み、飛騨川を眺めながら入浴できます。野天風呂ではありませんので、空の下で温泉に浸かりたいなら野天風呂、景色を楽しみたいなら展望大浴場がおすすめです。
温泉街には多種多様な無料の足湯
下呂温泉には、湯めぐり手形で浸かれる様々な旅館のお風呂だけでなく、多くの足湯や手湯があるのも魅力のひとつ。足湯もそれぞれ雰囲気が異なり、無料で利用できます。
写真左上はビーナスの足湯。共同浴場「白鷺の湯」目の前です。右上はさるぼぼ黄金の足湯。近くにはさるぼぼ神社や土産屋が並びます。右下は下留磨の足湯。配管の途中にゲルマニウムが埋められているそう。左下はヒノキ造りで屋根もある鷺の足湯です。
温泉街散策で休憩したい時や、冬に手足が冷たいときは、足湯に浸かって一息つけます。
足湯のある土産物店「ゆあみ屋」
ゆあみ屋は足湯が併設されているお土産屋さんです。ピアスや和柄ハンカチ、温泉水で作られた化粧水など女性に人気の雑貨から、飛騨の肉みそ、おまんじゅうのようなお土産品まで品数も豊富です。
さらに人気なのがテイクアウトのスイーツです。温泉にちなんだスイーツを食べながら足湯に浸かれるのは嬉しいポイント。
おすすめは温かい「ほんわかプリン」(360円)です。下呂温泉のお湯を使って温められたプリンに、カラメルをかけていただきます。プリンは下呂牛乳を使って作られており、クリーミーで優しい味です。
#ゆあみ屋
- 住所
- 岐阜県下呂市湯之島801-2
- 営業時間
- 4月~11月 9:00~21:00、12月~3月 9:00~18:30
- 定休日
- なし(臨時休業の場合はHPに掲載)
- アクセス
- 下呂駅から徒歩約8分
飛騨牛やスイーツ!充実の下呂温泉グルメ
湯めぐりや足湯を楽しんだら、次はお腹を満たしてみては?下呂温泉街は、飛騨牛をお得に食べられたり、スイーツが充実していたりと個性豊かなグルメがたくさん。ランチで行きたいお店から、注目の食べ歩きグルメのお店まで、街歩きで立ち寄りたい魅力的なお店ばかりです。
「宴蔵(えんぞう)」の飛騨牛トマト丼
実は、下呂はトマトの名産地です。山間にあるため寒暖差が大きく、水が綺麗なため美味しいトマトが育ちます。そんな下呂の名産品トマトと、飛騨の名産品・飛騨牛の両方を味わえるのが「飛騨牛トマト丼」です。
宴蔵の「飛騨牛トマト丼」は、飛騨牛の旨味と柔らかさのバランスが良く、トマトとの相性も抜群。飛騨牛入りで定食セット1,400円(税抜)は嬉しいお値段です。
男性に人気なのはこちらの「飛騨牛ラーメン」(1,000円・税抜)。出汁までしっかりと飛騨牛の味がしみ出ています。他にも納豆の粉末を食べて育った「飛騨なっとく豚のトマト丼」(1,200円・税抜)も豚の甘みを感じられる人気メニューです。
#宴蔵
- 住所
- 岐阜県下呂市森971-59
- 営業時間
- 11:00~15:00, 17:00~22:30
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 下呂駅から徒歩約12分
「山びこ」の鶏ちゃん定食
11時半のランチタイム開始と共に、あっという間に満席になる人気店「山びこ」の店内は、木のぬくもりを感じるとても落ち着く空間。春は山菜、夏は天然の鮎、秋はきのこ料理、冬には自然薯やイノシシ鍋など、季節に合わせたお料理をいただけます。
山びこで岐阜の名物をいただくなら、鶏ちゃん(けいちゃん)定食(1,000円)がおすすめ。一口サイズに切った鶏肉をタレにつけ、キャベツなどの野菜と一緒に焼いた郷土料理です。タレの味がしっかりと鶏肉にしみ込み、柔らかくてご飯がすすみます。お好みで朴葉味噌を頼めば、ご飯にのせて地元の名物味噌も味わえます。
#山びこ
- 住所
- 岐阜県下呂市森1088
- 営業時間
- 昼食11:30~15:00、夕食17:30~23:00
- 定休日
- 毎週月曜日(祝祭日の場合は営業、翌火曜が休業)
- アクセス
- 下呂駅から徒歩約9分
飛騨牛ごろっと肉入りカレーパンが人気「湯島庵(ゆしまあん)」
下呂にある創業60年の老舗肉屋「天狗」が、2号店として温泉街に出店したのが「湯島庵」。肉屋だからこそ提供できる極上の飛騨牛を味わえます。
湯島庵で人気なのが、「飛騨牛ごろっと肉入りカレーパン(350円)」。外はカリッと香ばしく、中はジューシーで柔らかい飛騨牛がたっぷりつまっています。
カレーパンと合わせて飲みたいのが、下呂のクラフトビール(中680円、小480円)。すっきりしていて飲みやすく、男性だけでなく女性にも人気です。
カレーパンは、週末には売り切れるほどの人気なので、早めに訪れるのがおすすめです。
#湯島庵
- 住所
- 岐阜県下呂市湯之島845
- 営業時間
- 10:00~17:00
- 定休日
- 水曜日(不定休あり)
- アクセス
- 下呂駅から徒歩約10分
「GEROGEROみるくスタンド」のスムージーミルク
2018年7月にオープンしたGEROGEROみるくスタンド。可愛らしい外観が目を惹く店内には、飛騨の牛乳を使用したスムージーやプリン、土産物が並びます。テーブル席があるので、休憩もできます。
こちらは人気のスムージーミルクのいちご味(520円)に無料の追いミルクをトッピングしたもの。追いミルクは地元の下呂牛乳をゼリーのように固めたもの。もちっとした食感が楽しめ、ドリンクやかき氷などのメニューに無料でトッピングできます。
#GEROGEROミルクスタンド
- 住所
- 岐阜県下呂市湯之島850
- 営業時間
- 9:00~18:00(夏季・休前日は延長営業の時あり)
- 定休日
- 水曜日
- アクセス
- 下呂駅から徒歩約8分
「アン・デュ・プレジール」の土日祝日限定10個のクレープ
温泉街の中心地にあるクレープ専門店アン・デュ・プレジール。甘いクレープだけでなくスナッククレープも扱っています。クレープのサイズも選べるので、お腹の空き具合に合わせて立ち寄れます。
土日祝日限定10個という「ケロケロスペシャル」(500円)は、カエルと温泉マークの入った食べるのが勿体ない可愛いクレープ。インスタ映えも狙えそうです。中身はバナナ、イチゴ、ミックスから選べます。
アン・デュ・プレジール下呂市森店
- 住所
- 岐阜県下呂市森1075-3
- 営業時間
- 10:00~18:00
- 定休日
- 水曜日
- アクセス
- 下呂駅から徒歩約7分
「幸月本家(こうげつほんけ)」の生どら
和菓子が好きな方には、親子2代で営む幸月本家の「生どら」(200円)がおすすめ。地元産の卵と牛乳を使用し、ふんわりした生地となめらかな餡がよく合います。和菓子も洋菓子も扱う店だからこそ、両方の技術を使って作られる絶品のどら焼きです。
#幸月本家
- 住所
- 岐阜県下呂市幸田1145-4
- 営業時間
- 8:30~18:30
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 下呂駅から徒歩約3分
散策中に立ち寄りたい 下呂温泉街付近の観光スポット
下呂温泉の温泉街周辺には、足湯やグルメ以外にも、温泉街の街並みを見下ろせる場所や、カエルモチーフの神社など、徒歩圏内の観光スポットが多数あります。徒歩で行けるスポットなので、散策の途中に立ち寄ってみましょう。
散策中にカエルや鷺のモチーフ探し
下呂温泉街を歩いていると、いたるところにカエルのキャラクターと出会います。手湯や足湯、神社の手水から、マンホールの蓋まで。下呂という地名がカエルの鳴き声に似ていることから、下呂温泉ではカエルのモチーフがよく使われているのです。
他にも、下呂温泉が湧き出しているのを見つけた白鷺伝説にちなみ、鷺のモチーフも見かけます。温泉街を散策しながら、カエルや鷺のを見つけるのも楽しみのひとつです。
白鷺伝説にゆかりのある「温泉寺」
温泉寺に祀られる薬師如来には伝説があります。下呂温泉が出なくなってしまった1265年。その翌年、飛騨川の河原に毎日白鷺が舞い降りていました。その場所に温泉が湧いていたのです。飛び立った白鷺は中根山の中腹の松へ。松の下には光り輝く薬師如来が鎮座していた…というのが下呂に伝わる白鷺伝説です。
本堂は温泉街から階段を173段あがった山の中腹にあるため、下呂の街並みを見下ろすことができます。
お湯をかけると治癒するといわれる湯掛薬師への参拝も忘れずに。
秋には紅葉ライトアップも行われ、温泉寺には沢山の観光客が訪れます。
#温泉寺
- 住所
- 岐阜県下呂市湯之島
- 拝観時間
- 日没まで拝観自由
- アクセス
- 下呂駅から徒歩約20分
カエルだらけの「加恵瑠(かえる)神社」
たくさんのカエルモチーフがある加恵瑠神社。カエルの手水、カエルの灯篭、足元にいくつも置かれたカエルの置物。さらに、絵馬やおみくじもカエル!
カエルのモチーフだらけの加恵瑠神社は、ご神体もカエルです。賽銭箱にお金をいれると、毎回違うお告げを聞くことができ、くすっと笑えるおつげもあるので、ぜひ参拝してみて下さい。
#加恵瑠(かえる)神社
- 住所
- 岐阜県下呂市湯之島
- アクセス
- 下呂駅より徒歩約9分
合掌造りの民家が立ち並ぶ「下呂温泉合掌村」
合掌造りの民家を移築し集落を再現した合掌村。民家の中では当時の暮らしぶりを身近に感じられます。村内を散策するのはもちろん、体験工房も人気。陶器の絵付けやロクロ、和紙の絵漉き体験ができます。
村内には他にも、岐阜の名物五平餅などが食べられる合掌茶屋、イベントを行うしらさぎ座などがあります。
冬には合掌造りの民家に囲炉裏の火がくべられ、外の散策で冷えた体がじんわりと温まります。
#下呂温泉 合掌村
- 住所
- 岐阜県下呂市森2369
- 営業時間
- 8:30~17:00
- 定休日
- なし
- アクセス
- 下呂駅から徒歩約20分
- 入場料
- 大人800円、小学生・中学生400円
温泉に詳しくなれる「下呂発 温泉博物館」
温泉博物館は下呂の温泉のみならず、日本全国の温泉について学べる博物館です。各温泉の成分の違いや、温泉にたまる湯の花についてなど、温泉について学べます。
博物館の外には入館者しか入れない、歩行浴ができる足湯もあります。入る位置によって温度が違い、また中に敷き詰められた石が足裏を刺激しリフレッシュできます。
#下呂発 温泉博物館
- 住所
- 岐阜県下呂市湯之島543-2
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 木曜日(祝祭日の場合は営業)
- アクセス
- 下呂駅から徒歩約8分
- 入館料
- 大人400円、小人200円
下呂の夜空を彩る 音楽と一緒に楽しめる冬花火
昼間の温泉街散策だけでなく、夜の下呂温泉も楽しみはつきません。それは夜空を彩る花火です。1月~3月までの毎週土曜日には冬花火が行われます。毎週違ったテーマで10分間、音楽に合わせた花火を楽しめます。
冬花火は下呂大橋のそば、水明館の前であがり、間近に迫力のある花火が見られます。下呂大橋や飛騨川の東側からが綺麗です。 部屋から花火が見えるプランを用意している旅館もあり、冬の寒さをしのいで楽しむこともできます。
冬花火以外に、夏休みやクリスマスにも花火が上がります。花火に合わせて下呂温泉を訪れるのもおすすめです。
温泉街散策をして、下呂温泉を満喫しよう
歩いて楽しめる下呂温泉街の魅力をご紹介しました。2泊する場合は合わせて飛騨高山へ向かうのもおすすめ。下呂から高山まではワイドビュー飛騨でたったの45分です。下呂とは違った古い町並みや飛騨高山温泉があり、さらに岐阜の魅力に触れることができます。
週末や3連休を利用して、日本三名泉の一つを堪能してみてはいかがでしょうか。
取材・撮影・文/まのあつこ
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