標高1,117mの桜島をシンボルに、錦江湾沿いに広がる鹿児島市。その景観から「東洋のナポリ」とも称されます。観光スポットが豊富で、展望台から桜島や鹿児島市街を見渡したり、フェリーに乗って桜島へと渡ったり……。さらに西郷隆盛の出身地としても有名で、明治維新にまつわる名所も。かき氷「しろくま」や黒豚などご当地グルメも楽しめます。そんな鹿児島市内を効率的にまわる半日モデルコースをお届けします。
市内観光の強い味方!観光地循環バス「カゴシマシティビュー」と1日乗車券
鹿児島市内観光には、代表的な観光スポットを巡る観光地循環バス「カゴシマシティビュー」と1日乗車券がお得&効率的に観光でき、おすすめです。
カゴシマシティビューの運賃は乗車1回につき190円ですが、「市電・市バス・シティービュー1日乗車券」は大人(中学生以上)600円、小学生以下300円。カゴシマシティビューだけでなく、市電や市バスにも乗ることができ、4回以上乗るなら1日乗車券がお得。カゴシマシティビューの車内や鹿児島中央駅総合観光案内所などで購入可能です。また、1日乗車券を提示すると、一部観光施設の入館料や桜島フェリー料金などの割引サービスも受けられます。
1日乗車券をゲットしたら、九州新幹線の終着駅で鹿児島市の玄関口、鹿児島中央駅から出発!
▼ カゴシマシティビューで約25分
桜島、錦江湾、鹿児島市街を一望する「城山展望台」
鹿児島中央駅から鹿児島の街並みを眺めながら、カゴシマシティビューに揺られること約25分。「城山」バス停で下車します。城山は標高107mの小高い山で、展望台付近までバスでのぼることができます。樹齢約400年にもなるクスの大木などに覆われた自然豊かな遊歩道を、バス停から3分ほど歩くと展望台に到着。
「城山展望台」から見えるのは、桜島と錦江湾の絶景! マグマシティ・鹿児島市を体感できる景色です。桜島は活火山で、現在も毎日のように小規模な噴火を繰り返しているため、もくもくと上がる噴煙が見えることも珍しくありません。鹿児島の人たちは天気予報を確認するように、「降灰予報」をチェックすることも習慣です。
城山展望台
- アクセス
- カゴシマシティビュー「城山」バス停より徒歩約3分
- 営業時間
- 24時間
- 料金
- 無料
また、城山は1877年に起きた西南戦争の最後の激戦地となった場所。展望台までの途中には、西郷隆盛が最後の5日間を過ごしたという洞窟や終焉の地、そして銅像などもあります。歴史好きや西郷ファンの方は立ち寄ってみては。
- アクセス
- 洞窟:カゴシマシティビュー「西郷洞窟前」バス停すぐ
終焉の地:カゴシマシティビュー「薩摩義士碑前」バス停より徒歩約5分
銅像:カゴシマシティビュー「西郷銅像前」バス停すぐ - 営業時間
- いずれも24時間
- 料金
- いずれも無料
▼ カゴシマシティビューで約25分
日本庭園と桜島の景観が見事な庭園「仙巌園」
続いては、城山からカゴシマシティビューで約25分、「仙巌園(磯庭園)」バス停で下車します。「仙巌園(せんがんえん)」は、1658年に薩摩藩主・島津光久によって築かれた島津家の別邸。日本庭園越しに見る雄大な桜島はとても趣があり、城山展望台とは違った目線で桜島を堪能できます。2018年に放送されたNHK大河ドラマ『西郷どん』のロケ地としても知られます。
また、入口すぐのところには、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成遺産、「旧集成館」反射炉跡もあります。欧米列強から国を守るため、大砲や蒸気船などを自前で造る必要があると考えた薩摩藩主・島津斉彬が、仙巌園内に築いた日本初の近代的な工場群「集成館事業」。ここにはかつて、大砲を鋳造する西洋式の反射炉があり、現在はその基礎部分の石垣を見ることができます。
休憩には「両棒餅屋」へ。2本の串が刺さった名物「両棒餅(ぢゃんぼもち)」を食べることができます。武士が腰に大小2本の刀を差す様子を「両棒差し(ぢゃんぼさし)」と言っていたことが名前の由来。焼きたての焦げ目がついたお餅はとってもやわらか! しょうゆ、みそ、きなこ黒糖の3種類あり、全部を味わえる「両棒餅3種」(450円/3種×2本の6本入り、お茶付き)もおすすめです。
仙巌園
- アクセス
- カゴシマシティビュー「仙巌園(磯庭園)」バス停すぐ
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 料金
- [庭園・尚古集成館]大人 1,000円、小中学生 500円
[庭園・尚古集成館・御殿]大人 1,500円、小中学生 750円
▼ カゴシマシティビューで約15分、桜島フェリーで約15分
フェリーに乗って桜島へGO!
仙巌園からカゴシマシティビューに15分ほど乗り、「かごしま水族館前(桜島桟橋)」バス停で下車。そこからフェリー乗り場に向かい、桜島へと渡ります! 1日乗車券を提示すると、桜島フェリーの料金が片道200円から160円に割引になります。
フェリーはデッキに出ることができ、潮風に吹かれながら桜島を目指します。どんどんと近づく桜島は迫力満点! 所要時間は片道約15分です。
一周約36kmの桜島。活火山を近くで体感できる展望所や溶岩遊歩道の散策、サイクリング、イルカウォッチングなど、見どころやアクティビティがたくさんありますが、今回の半日観光では、残念ながらそんなにゆっくりもしていられません。
桜島で最も大きい神社「月讀(つきよみ)神社」や、日帰り入浴施設「桜島マグマ温泉」なら、フェリーターミナルから歩いて数分で行けます。
「桜島マグマ温泉」に隣接する「桜島溶岩なぎさ公園」には、全長約101mと、屋外の足湯としては日本最大級の長さの足湯も。無料で、景色を眺めながら天然温泉の足湯を楽しめます。
▼ 桜島フェリーで約15分、カゴシマシティビューで約8分
名物「しろくま」も! 天文館で鹿児島グルメを満喫
桜島からフェリーで再び市街地へと戻り、「かごしま水族館前(桜島桟橋)」バス停からカゴシマシティビューに乗って約8分、「天文館」バス停で下車します。
一帯は南九州一の繁華街で、黒豚のとんかつやしゃぶしゃぶ、豚とろチャーシューが絶品の鹿児島ラーメンなど、鹿児島グルメのお店がそろいます。レトロなアーチ型のアーケードがあるので、雨や夏の日差しはもちろん、桜島の灰も避けて、1年中快適にグルメやショッピングを楽しめます。
鹿児島に来たらはずせないのが、かき氷「しろくま」! 天文館にはしろくま発祥のお店「天文館むじゃき 本店」があり、本家の「白熊」を食べることができます。純氷に自家製ミルクと蜜をかけ、みかんや黄桃、季節のフルーツなどがトッピングされた白熊(レギュラーサイズ750円、ベビーサイズ550円)は、写真を撮りたくなるかわいさ! ミルク感あふれるふんわりとした氷がたまりません。
白熊は、1階の「白熊菓琲 shirokuma cafe」、2階の「カジュアルレストラン Mujyaki」、どちらでも食べることができ、鹿児島中央駅直結の「アミュプラザ」内にも支店があります。
天文館むじゃき 本店
- アクセス
- カゴシマシティビュー・市電「天文館」停より徒歩約3分
- 営業時間
- 11:00~19:00 (白熊は18:30L.O.)
※季節、天候により変更あり
▼ カゴシマシティビューで約8分
黒豚とんかつ? ざぼんラーメン? 鹿児島中央駅周辺で夜ごはん
天文館からカゴシマシティビューに乗り、約8分で「鹿児島中央駅」に到着。旅の最後は、鹿児島グルメで締めましょう。天文館にも鹿児島グルメのお店はたくさんありますが、新幹線や電車にすぐ乗れて、空港行きのバスも駅前から出ているので、帰り間際、あまり時間がないときにも鹿児島中央駅周辺なら安心です。
駅周辺には名店がひしめき、行列ができるほど人気の黒豚とんかつ専門店「黒かつ亭 中央駅本店」や、具だくさんであっさり豚骨スープがおいしい「ざぼんラーメン」など、選択肢が豊富にそろいます。
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鹿児島市内 半日観光スポットMAP
鹿児島市内の観光は半日でも、絶景もグルメも効率的にたっぷり楽しめます。さらに時間があれば、桜島で火口に近い展望所に行ったり、温泉に浸かったり、「維新ふるさと館」で薩摩の歴史に触れたり、より鹿児島を満喫できます。半日モデルコースを参考に、マグマシティ・鹿児島市内観光を楽しんでくださいね!
取材・撮影・文/小浜みゆ