日本最大の湖・琵琶湖が県の面積の6分の1を占める滋賀県。琵琶湖を挟んで湖南、湖東、湖西、湖北と、各エリアに特有の文化や風習、食が受け継がれています。ユネスコ世界文化遺産に登録されている比叡山延暦寺や、国宝の彦根城など名所旧跡も多数。そんな滋賀県の人気ご当地グルメを、飲食店情報サイト「楽天ぐるなび」の会員にアンケート調査しました。郷土の味から注目のグルメまで、滋賀の旅めしトップ10をご紹介します。
※「旅行・観光の際に食べたことがある/食べたい料理」「おすすめしたい郷土料理」の結果を合わせたランキング(楽天ぐるなび調べ)
※アンケート調査期間:2023年7月18日~28日
近江牛
豊かな大地と水に恵まれた滋賀県内で飼育される近江牛(おうみうし)。日本三大和牛の一つに数えられ、約400年の歴史があることから、国内最古のブランド牛と言われています。肉質はきめ細かく、繊細な旨味と芳醇な香りが特徴。特に品質が良いものは「認定『近江牛』」と呼ばれ、扱う指定店が県内を中心に約200店あります。
赤こんにゃく
濃い赤色がインパクト抜群の赤こんにゃく。三二酸化鉄(さんにさんかてつ)という食品添加物で赤く色付けされていて、その昔、派手好きの織田信長の命によって作られたという一説も。味は通常のこんにゃくと変わらず、特有の臭みがないため食べやすいと好評です。味付けした加工品も販売されているので、お土産にすれば旅の思い出話も弾みそう。
近江ちゃんぽん
もともと「彦根ちゃんぽん」として彦根エリアで親しまれ、その後、県内全域に広がったご当地麺料理です。長崎ちゃんぽんは豚骨や鶏ガラでスープをとるのに対し、近江ちゃんぽんは魚介ベースの和風だしが特徴。具材もキャベツやもやしなどの野菜がたっぷりで、さっぱりと味わえます。お酢を加えて味変を楽しむのが本場の食べ方。
近江牛ラーメン
1位にラインクインした滋賀屈指の人気グルメである近江牛を、より気軽に味わえるメニューとして注目されているのが近江牛ラーメンです。店ごとにスタイルはさまざまで、麺を覆い尽くすように近江牛がぜいたくにトッピングされたものや、近江牛でとったスープが自慢の1杯も。近江牛ならではの旨味を堪能できるご当地ラーメンです。
ふな寿司
滋賀を代表する郷土料理のふな寿司は、塩漬けした魚と米を発酵させた「なれずし」の一種。地元では昔からハレの日のごちそうとして食されてきました。乳酸発酵によって骨まで軟らかく、栄養も満点。アンケートでは「ブルーチーズ好きはハマる味」「日本酒が必須」との声も。独特の芳醇な香りと酸味がクセになります。
鴨鍋
冬の琵琶湖にシベリアから飛来し、越冬するマガモ。その新鮮な肉を豆腐や野菜などと一緒に煮込んだ郷土の鍋料理です。寒い冬に備えて脂を蓄えた鴨肉は、身が引き締まってほどよい歯応えがあり、旨味も豊か。かの豊臣秀吉も鴨鍋を好んで食べたと言われています。鴨猟が許可される11~3月にかけて味わえる、湖北地方の冬の風物詩です。
小鮎の天ぷら
琵琶湖に生息する小鮎は、成長しても体長10センチほどにとどまる小ぶりの鮎。その小鮎をスナック感覚で丸ごと食べられるのが、名物の小鮎の天ぷらです。食感は柔らかく、鮎らしい上品な香りとほろ苦さが美味。5~8月にかけての旬の時期には、湖北エリアを中心に、道の駅や食堂にも季節メニューとしてお目見えします。
焼き鯖そうめん
焼いたサバを甘辛く煮込み、同じく煮汁で味付けしたそうめんと一緒に盛りつけた湖北地方の郷土料理です。かつて若狭湾でとれたサバを京の都まで運んだ「鯖街道」と呼ばれる道があり、滋賀はその途中に位置していたため、昔から鯖がよく食べられていたそう。他県では味わえない滋賀特有のご当地グルメとあって、旅行者にも人気です。
伊吹そば
滋賀県米原市にそびえる伊吹山のふもとで栽培される伊吹そばは、何百年にわたり地元で脈々と受け継がれる在来品種。日本のそば栽培の発祥地とも言われています。実が小粒で香りに優れ、打ったそばも独特の野性味がある豊かな風味が格別。ピリッと辛みのある伊吹大根のおろしと一緒に食べると、そばの魅力がいっそう引き立ちます。
ひこね丼
ひこね丼は、2011年の彦根市制75周年記念に際して誕生した新名物グルメ。近江米と地元の食材を用いて、市内の飲食店がそれぞれに技とアイデアを凝らした丼を提供しています。近江牛や赤こんにゃくなどが盛り込まれた華やかなビジュアルも好評で、「カラフルで映える」という声も。各店が工夫を重ね、今なお進化を続けています。
焼きたてバームクーヘンを味わえる注目のスポット
滋賀の旅で思い出深いグルメスポットとして、アンケートで多く挙がったのが近江八幡市にある「ラ コリーナ近江八幡」です。ここは和菓子の「たねや」とバームクーヘンで知られる「クラブハリエ」のフラッグシップ店。
2015年にオープンし、現在では年間約320万人が訪れる一大観光地となっています。建物はかやぶきの民家がモチーフで、一角ではバームクーヘンを作っている様子も見られます。店内で味わえる、できたてのバームクーヘンのおいしさは格別。スイーツ好きはもちろん、工場見学好き、田園風景好きなど、多くの人の心をとらえる注目のスポットです。