香川県のご当地グルメのトップとして不動の地位を築いている「讃岐うどん」。香川県のうどんをメインテーマにした映画『UDON』が作られるほどの一大ブームとなったグルメで、「うどん県」という愛称まで生み出されました。今回はそんな香川県を訪れた際に、絶対に食べたいおすすめのうどんの名店を5つご紹介します。
目次
- 1.「讃岐うどん」とは?
- 2.シンプルなうどんの魅力「釜あげうどん」
- ・釜あげうどん 岡じま たかまつ店
- 3.「かまたまうどん」発祥のお店
- ・山越うどん
- 4.大根はセルフで!「しょうゆうどん」
- ・元祖しょうゆうどん 小縣家
- 5.地元民にも人気「ぶっかけうどん」
- ・うどん 松ゆき
- 6.ちょっと変わり種も「カレーうどん」
- ・讃岐うどん えん家
- 7.このページに掲載の「うどん店」一覧MAP
そもそも「讃岐うどん」とは?
秋田の「稲庭うどん」、群馬の「水沢うどん」と並び、「日本三大うどん」のひとつとされているのが香川の「讃岐うどん」です(諸説あり)。最大の特徴は、その麺のコシの強さ。噛めば噛むほど小麦の香りや旨味を実感できるのが、讃岐うどんの大きな魅力です。
そして、なんといっても観光客向けに作られたご当地料理ではなく、地元の人から圧倒的支持を集めているのが「讃岐うどん」。その証拠に香川県内には900を超えるうどん店があり、地元の人たちでいっぱいになるところも少なくありません。
県内のうどんは、茹であがった麺に生卵を絡める「かまたま」や麺につゆをかけた「ぶっかけ」など、提供されている種類もさまざま。今回は個性の異なる5つのうどん店をご紹介します。ぜひ、その違いもチェックしてみてください。
シンプルなうどんの魅力を「岡じま」の釜あげうどんで味わう
高松駅から徒歩圏内、アクセス良好な場所にあるのが「釜あげうどん 岡じま たかまつ店」です。その立地の良さもあり、お昼時は常に多くのお客さんでにぎわっています。そんなお店の自慢の逸品が「釜あげうどん」。「釜あげ」というのは、「茹で上がってそのまま何も手を加えない食材」のことを指す言葉で、「釜あげうどん」は、その状態のうどんをめんつゆにつけて食べるうどんです。
茹でた後に水で締めるのが一般的なうどんの調理法ですが、釜あげうどんはその工程を加えていないため、若干コシが弱めなのが特徴です。また、麺が温かい状態で提供されるため、原材料である小麦の香りが強いこともわかります。特に、このお店のうどんに使われているのは「さぬきの夢」という讃岐うどんのために作られた香り高いご当地小麦。シンプルだからこそ感じられるうどんの小麦感を存分に味わえます。
めんつゆが徳利とお猪口のセットで提供されることが一般的な釜あげうどん。こちらのお店では、そのセットも隣県である愛媛県の伝統工芸品「砥部焼(とべやき)」が使われています。ずっしりとした質感の品は、このうどんのために作られた特注の品。そんなこだわりにもぜひ注目してみてください。
釜あげうどん 岡じま たかまつ店
- 住所
- 香川県高松市寿町1-4-3
- 営業時間
- 10:00〜15:00
- 定休日
- 年中無休
「山越うどん」は、かまたまうどん発祥の店
釜あげうどんと近いジャンルなのが、「かまたまうどん」です。釜あげうどんと調理法は同じですが、茹であがった麺に生卵を絡めて食べるメニュー。そんな、かまたまうどん発祥の店が「山越(やまごえ)うどん」です。立地がいいわけではないのですが、平日休日問わず行列ができる、超がつくほどの有名店です。
麺の食感は釜あげうどんと似ていますが、卵と合わせて食べることで旨味が増しているのが大きな特徴。なお、現在でこそ、かまたまうどんは全国的に知名度のあるメニューとなりましたが、もともとはお店で提供されてはいなかったそう。常連客の食べ方をお店のメニューに加えたところ、人気に火がついたという経緯があるのだとか。
お店では、うどんにかけるダシ醤油にも強いこだわりがあり、専用のものが置かれています。かまたまうどんを注文した場合は、ダシ醤油を自分でかけて食べるスタイルです。味が濃いのでかけすぎには注意ですが、ちょうどいいあんばいでかけると、温かいうどんと卵とダシ醤油の相性がベストマッチ。他のメニューでは味わえない独特の食感と風味、そして味を堪能することができますよ。
山越うどん
- 住所
- 香川県綾歌郡綾川町羽床上602-2
- 営業時間
- 9:00〜13:30
- 定休日
- 水曜日、日曜日
大根はセルフでおろす!「元祖しょうゆうどん 小縣家」
「元祖しょうゆうどん 小縣家(おがたや)」も、県内屈指の有名店として知られています。こちらは店名にも入っているように、しょうゆうどんの元祖とされるお店です。
しょうゆうどんを注文するとまず運ばれてくるのが、こちらの大根とおろし金です。こちらのお店のしょうゆうどんは大根おろしを薬味として食べるのですが、うどんが提供されるのを待っている間に大根をセルフでおろすというスタイル。かなり大きい大根が提供されるので、量も自分の好みで決めることができます。注意点としては、大根は辛いこともあり、多くかけすぎるとうどんの旨味を邪魔してしまうかもしれないということ。少しずつ味をみながら足すようにしてくださいね。
大根おろし・醤油・スダチ・すりごま・ネギをうどんにかければ完成。麺は茹でたてを水で締めており、讃岐うどんならではのコシの強さがしっかりと感じられます。
元祖しょうゆうどん 小縣家
- 住所
- 香川県仲多度郡まんのう町吉野1298-2
- 営業時間
- 11:00頃〜14:30(※変動する可能性あり)
- 定休日
- 月曜日、火曜日
地元で愛される「松ゆき」では、ぶっかけうどんを
香川県西部、三豊市に位置している「うどん 松ゆき」も地元のお客さんで連日賑わう名店です。そのうどんの特徴は、まず見た目が美しいこと。ほれぼれとするような一杯を食べることができます。
そんな松ゆきでおすすめのメニューは、麺に直接濃いめのつゆをかける「ぶっかけうどん」です。なお、ここでの「つゆ」というのは、関西や四国では「だし」と呼ばれ、色が透き通っているものが多く、特にこちらのお店ではあっさりめに仕上げられたもの。麺の旨味とだしの深みを一緒に楽しんでみてください。
お腹に余裕がある方は、ぜひ天ぷらも一緒に注文を。丁寧に揚げられた天ぷらは種類も多く、揚げたてを提供してくれるので、アツアツでうどんとの相性も抜群です。
うどん 松ゆき
- 住所
- 香川県三豊市詫間町松崎2780-256
- 営業時間
- 10:00〜15:00
- 定休日
- 火曜日
ちょっと変わり種を夜に食べたいなら「えん家」へ
最後にご紹介するのは、「讃岐うどん えん家(や)」です。こちらも高松駅に近く、アクセスが良いお店で、昼だけでなく夜も営業しているため、旅程に組み込みやすいのもうれしいポイント。
ここでのおすすめメニューは少し変わり種の「カレーうどん」です。出汁の効いたカレーとモチモチのうどんの相性は抜群!うどん大国の香川ですが、カレーうどんを提供しているお店はそこまで多くはありません。他のうどんとは違った美味しさも、ぜひ味わってみてください。
お酒を飲んだ後のシメの一杯としても人気があるので、訪問の際は試してみてはいかがでしょうか。ざるうどんやぶっかけうどんなど、定番メニューも豊富にそろっていますよ。
讃岐うどん えん家
- 住所
- 香川県高松市片原町3-1
- 営業時間
- 10:00〜23:00
- 定休日
- 火曜日
このページに掲載の「うどん店」一覧MAP
5店舗それぞれの特色あるうどんをご紹介しましたが、気になるメニューはありましたか。讃岐うどんと一口にいっても、その中身は驚くほど多彩で、奥が深いことがわかります。
香川を訪れたら、一度は食べたいのがうどんですよね。うどんの種類は同じでも、お店によっても味が違うので、うどん巡りをして好みの一杯を探してみてはいかがでしょうか?
取材・撮影・文/岡本大樹