文化や歴史のスケールを体感!「江戸東京たてもの園」レトロ建築めぐり【前編】

文化や歴史のスケールを体感!「江戸東京たてもの園」レトロ建築めぐり【前編】

提供:ことりっぷ

 

東京都立小金井公園の広大な敷地の一角で、江戸東京の歴史的建造物を移築・展示している「江戸東京たてもの園」。今回は施設内の東エリア、下町の商店建築を中心にレポートします。建築好き、レトロ好きなら訪れてみたい、江戸東京たてもの園の見どころを前編、後編にわけてたっぷりとご紹介します。

 

 

「江戸東京たてもの園」とは?

「江戸東京たてもの園」は、失われていく江戸・東京の歴史的な建造物を移築・復元、保存をし、展示している野外博物館。1993年に東京都江戸東京博物館の分館として、東京都立小金井公園内に設置されました。文化的価値の高い邸宅や商店など復元された建造物から当時の暮らしぶりが体験できます。

 

施設内の広さは約7ヘクタール。その広大な敷地の中に下町や山の手の街並みが再現されているのも魅力のひとつ。敷地内にはほかにも、建築や江戸東京の歴史・文化をテーマにした展覧会を開催する展示室、建築に関する図書などが閲覧できる図書コーナー、休憩所、手打ちうどんや日替わり弁当がいただける食べ物処、カフェなども併設されているので、ゆったりと1日かけて見学できます。

 

エントランスでもあるビジターセンターを通り、東ゾーンに入ると黄色い車両の「都電7500形」が展示されていました。

 

現在では、都電荒川線を除いて1963年(昭和38年)ころから順次廃止となった都電。この車両はその当時、渋谷駅を起点として新橋や神田須田町まで実際に走っていたものなのだそう。

こちらの施設では、実際に都電の車内に乗り込むことも可能。車内には当時の風景写真が展示されていて都電の背景が読みとれます。運転席や車掌さんのエリアを間近で見れるのでお子さん連れでも大いに楽しめそう。

 

時代を彩る商店建築の数々。下町の風情がただよう、東ゾーン

時代を彩る商店建築の数々。下町の風情がただよう、東ゾーン

東ゾーンでは、昔の商家や銭湯、居酒屋、旅館、乾物屋など下町の風情がただよう情景を再現。関東大震災後に多く建てられた「看板建築」も移築されています。こちらのエリアに立ってみると一気に過去にタイムスリップしたかのよう。見事に再現された建物のすばらしさに圧倒されてしまいます。

 

展示してある建物は、移築復元の際に使える部材をできるだけ活用。残された設計図や写真などの資料、当時の住んでいた方への聞き取りなど、ひとつひとつ丁寧に調査を行い復元がされるのだそう。

 

そのこだわりは建物の内部に至るまで、見事に情景再現がされています。実際に建物に入って当時の生活の息吹を感じられる点も見どころのひとつです。

さまざまな建物が展示されているので現地では1棟1軒じっくりと見ていただきたいのです
が、今回はその中でも特に気になった2棟をピックアップしてみました。

 

壁一面に並んだ桐箱に注目!タイル張りの看板建築「武居三省堂」

壁一面に並んだ桐箱に注目!タイル張りの看板建築「武居三省堂」

武居三省堂(たけいさんしょうどう)(1927年建築)は、明治初期創業の筆や墨、硯(すずり)などを扱う文具店。東京都千代田区神田須田町にあったこの建物は、関東大震災後に建てられた「看板建築」で前面がタイル張りになっています。てっぺんの屋根の形も特徴的。敷地の制約があったようで建物の前面が斜めにふれているのも面白いです。

 

店内に入ると、いろいろな種類の筆が入った桐箱が天井まで壁一面にずらりと並べられています。

 

一段上がった床の下には地下室もあり、そこで商品の荷解きや荷造りもしていたそう。入口正面にある商品棚の下が地下室への階段になっているなど、いたるところで限られた空間をうまく利用されている様子がわかります。

 

神社仏閣を思わせる印象的な東京の銭湯「子宝湯」

神社仏閣を思わせる印象的な東京の銭湯「子宝湯」

続いてご紹介するのは、東エリアのメインストリートの奥にある「子宝湯」(1929年建築)。足立区千住元町より移築された建物で、東ゾーンで最も人気の高い建物なんだそう。

関東大震災の後によく見られた東京の銭湯を代表する建築様式で、神社仏閣を思わせる造りになっています。

 

玄関の屋根は中央部を高く、左右両端に曲線状に反った唐破風(からはふ)。その下には、巧妙に彫られた七福神の彫刻、両サイドの塀の上には恵比寿様や大黒様が置かれています。

玄関や浴室にはタイルが多く使われ、タイル画は絵具で描いてから焼き上げ組み立てられたもので、大正から昭和にかけて流行したものだそう。男湯の脱衣場の坪庭に面した窓は、下部だけが擦りガラスになっています。

 

「子宝湯」浴室内ペンキ絵(男湯)

こちらの銭湯は開園した1993年から公開がされていますが、富士山のペンキ絵は数少ないペンキ絵師の中島盛夫さんが実際にこの場所で描いたもの。実際の銭湯では、湿気でペンキ絵が傷むため、1年に1回ほど描き直されていました。

 

ペンキ絵は、女湯から見ても富士山が壁の上に見えつながりのある風景になっています。脱衣所の天井は折上げ格(おりあげごう)天井で、贅をつくした造りも印象的。足元のタイルや昭和30年代を再現した広告なども見逃せないポイントになっています。

東エリアには他にも貴重な建物が揃っていますので、江戸東京たてもの園を訪れた際にはじっくりと細かいところまで見学してみてくださいね。

 

季節のうつろいや花も楽しめる、江戸東京たてもの園

季節のうつろいや花も楽しめる、江戸東京たてもの園

園内では、季節の花や植物もたくさん見られます。鳥の鳴き声などもいたるところから聞こえてきます。建物から建物への移動中はそちらもぜひ楽しんでみてくださいね。敷地が広いのでゆっくりお散歩感覚で楽しむのもおすすめです。ちなみに取材時には新緑がキラキラとまぶしく、敷地内を歩いているだけで気持ちがスッキリしました。

江戸東京たてもの園では、四季を通じてイベントも開催されています。こどもの日やお正月など行事ごとの催しや夏や秋には「下町夕涼み」や「紅葉とたてもののライトアップ」など、夜間特別開園日もあります。昼間の通常開園時には見ることができない、建物に灯りをともした夜の街並みを堪能することもできますよ。詳しくは、江戸東京たてもの園のWEB ページでチェックしてみてくださいね。

 

万世橋交番 千代田区神田須田町1丁目/明治後期(推定)

今回は東エリア、下町の建物を中心にご紹介しました。次回後編では、山の手通りに面したさまざまな建築様式の住宅についてご紹介します。洋館の中のステキなカフェにもおじゃましましたので、そちらもぜひお楽しみに。

 

 

文:モリサワ ジュンコ

 

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