紅葉が映えるえびの" フォトジェニックな女子旅"

宮崎市街から車で約1時間半。鹿児島空港からは高速道路経由で約40分、鹿児島市街地からは車で約1時間10分とアクセスの良い「えびの」。秋になると霧島連山の裾野に広がるススキ野原が秋になると葡萄（えび）色に染まることが、地の名の由来ともいわれ、この季節はとくに写真に残したいシーンがいっぱいの場所です。そんな、この町ならではの「写真映え」を楽しむのにぴったりな女子旅モデルコースをご紹介します。

旅の始まりは、えびの市内西部の真幸（まさき）地区から。田園風景を抜けて山間にある「真幸駅」を目指します。JR肥薩線で唯一宮崎県にある真幸駅は、1911年に県内で初めてつくられた駅で、開設当時の姿をそのまま残す無人の木造駅舎がフォトジェニック。

ホーム中央には国鉄時代に使われた鐘が設置され、真の幸せという駅名にちなみ「幸せの鐘」として人気。駅舎を抜けて静かなホームに立てば100年前の旅情を感じられるようです。

駅周辺には人家などもなく「秘境の駅」とも呼ばれています。標高約360mの急峻な山間にあり、現存するスイッチバック式の駅としても有名です。入場無料。

ホームにある幸せの鐘の立て札には「ちょっと幸せの方は一回　もっと幸せを望む方は二回　いっぱい幸せの方は三回鳴らしてください。」と書かれていました。記念切符は鉄道ファンのみならず全国的に人気なのだそう。
（記念切符は人吉駅と吉松駅で販売しています）。

土日・祝日には、構内で地元の女性たちが手作りのお菓子などを販売。真幸駅に停車する観光列車「特急いさぶろう・しんぺい」の乗客がそれらを買い求める賑やかな光景が見られるのだそう。

続いては、加久藤地区栗下の「金松法然（かなまつほうぜん）」というお坊さんのお墓へ。約230年前どこからともなく栗下に住み着いた大酒飲みの法然は、不思議な力で村人をたびたび救ったといわれ、 安永6年「焼酎を供えれば願い事をひとつだけかなえてやる」と言って亡くなったと伝えられています。それから現在まで焼酎を携えてこの墓を訪れる人が後を絶ちません。一つの願いを込めて墓前に焼酎を注ぐ瞬間は少しドキドキすることでしょう。

白鳥区に通じる旧道を進むと法然様の小廟にたどり着きます。境内に焼酎は販売されていないので、事前に用意しておくか、近隣の商店で買っておいてくださいね。

えびののフォトジェニック・スポットといえば、広大な野原のススキが風にそよぐ風景で知られる「えびの高原」。広葉樹と針葉樹が混生する樹々の中で、六観音御池（ろっかんのんみいけ）や不動池（ふどういけ）、白紫池（びゃくしいけ）といった青い水面が神秘的な火山湖なども望める場所です。秋はツタ、ナナカマドなどが赤く染まる絶好の紅葉スポット。

標高約1,200m、広さ約5平方キロメートルにも及ぶ高原には「池巡りコース」と呼ばれるトレッキングコースも設置されています。ゆったり池めぐりコースなら約1時間40分、急な勾配を含む白鳥山登山コースなら約2時間です。また、トレッキングは自信がないという人でも、県道1号線沿いにある不動池は車の中からもその美しい姿を見ることができますよ。

不動池は透明度が高く、火山性の微粒子が混入し太陽光を乱反射するため「1日で七色に変わる」ともいわれているのだとか。

霧島の火口湖のなかで最も美しいといわれる六観音御池。周辺の紅葉は例年10月下旬～11月上旬に見頃を迎えます。

白紫池は直径約250m、水深は約1mなので水底まで見える浅い池です。冬場は凍結するため80年代半ばまでは天然のスケート場にもなっていました。

トレッキングコース上にある二湖パノラマ展望台や白鳥山の山頂の展望台からの六観音御池と白紫池の景色は一見の価値ありです。

秋の絶景を写真におさめるなら、えびの高原の東南にそびえる霧島連山の最高峰「韓国岳（からくにだけ）」も絶好のスポット。標高約1,700mの韓国岳は、山頂へは約90分で到達できます。宮崎県えびの市と小林市、鹿児島県霧島市の境界にまたがるこの山の頂きからは、高千穂峰まで見渡すことができ、晴れた日にはの鹿児島の桜島や開聞岳まで見えるのだとか。

登山道入口から約60分の5合目からでも不動池の全景や甑岳の姿など、雄大な景色を十分望むことができます。登山の装備を万全にしてぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

旅の締めくくりは、えびのICのほど近くにあるコカ・コーラボトラーズ・ジャパンのえびの工場「グリーンパークえびの」。巨大な赤い缶が目印の「コーク館」では無料で工場見学ができるほか、歴代のPRアイテムなど約700点のコレクションが並ぶギャラリーやショップもあります。自由に入れる屋外エリアには、東京ドーム1個分にもなる広大な花畑もあり、コスモスが一面に咲き誇る秋の景色はまさにフォトジェニック！

山々が秋の色に染まっていくえびのは、写真に残したいシーンにあふれる女子旅にぴったりの場所。夏が終わるのを感じたら、カメラを持って色鮮やかなえびのへ出かけませんか。

取材・文／今田 志野
撮影／高柳 聡司

※掲載内容は公開時点のものです。ご利用時と異なることがありますのでご利用の際は公式ホームページなどでご確認ください。

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配布枚数には制限があり、上限に達し次第、配布終了となりますので、宮崎へのご旅行の際は、ぜひ使ってみてください。