JR西日本は、2024年10月5日から観光列車「はなあかり」の運行をスタートしました。
第1弾は福井県・敦賀駅~兵庫県・城崎(きのさき)温泉駅までの区間を土日限定で運行。西日本エリアの工芸やアートで彩られた車内で、地元食材を生かしたお弁当やスイーツが堪能できるなど、地域の魅力がたっぷり詰まった鉄道の旅を楽しめます。
12月までは敦賀~城崎温泉間を運行
「はなあかり」は、2024年秋開催の大型観光企画「北陸デスティネーションキャンペーン」に合わせ、JR西日本エリアで運行される観光列車です。
「地域の華を列車に集め、乗客と地域の縁を結ぶ列車」をコンセプトに、奈良時代起源の紋付き染めで最高級とされる檳榔子染(びんろうじぞめ)色の特別車両が、季節ごとに運行エリアを変えながら西日本各地を走ります。
その第1弾となる敦賀〜城崎温泉間での運行が、10月5日〜12月22日までの毎週土日に実施されます。
運行は1日1本。土曜は敦賀発・城崎温泉行きの下り列車が、日曜には城崎温泉発・敦賀行きの上り列車が運行されます。
主な停車駅のホテル・観光情報
▼城崎温泉
▼夕日ヶ浦温泉
▼天橋立
▼舞鶴
▼敦賀
西日本の工芸・アートで彩られた観光列車でゆったり鉄路の旅へ
はなあかりの特徴のひとつは、何といっても車両を飾る調度品の数々。日本の四季の草花をモチーフにした西日本エリア各地の工芸品やアート作品が、車内を華やかに彩ります。たとえば、各号車に置かれたおじゃみ(お手玉)型の座布団は、京織物で作られています。
車窓のカーテンを束ねているのは、京組紐のタッセル。こうした数々の伝統工芸品を上品にコーディネートしていて、乗車した瞬間から旅のワクワク感が高まりそうです。
最上級の「スーペリアグリーン車」には、島根県・奥出雲町で今も行われている古代の製鉄法「たたら製鉄」で作られた貴重な一輪挿しが。
グリーン車では、富山県高岡市に伝わる「高岡銅器」の一輪挿しがアクセントに。各地に伝わる伝統技術のエッセンスが車内の至るところで感じられるのも、はなあかりの大きな魅力と言えそうです。
また第1弾の運行に合わせた調度品として、スーペリアグリーン車には「越前和紙フラワーアート」と「丹後テキスタイルアート」の飾り棚も設置されていて、こちらも見どころです。
このほか2号車サロンには城崎温泉名物の「麦わら細工」が展示されています。
沿線地域の食を存分に味わえる列車旅
鉄道の旅と言えば、車内で味わうお弁当も醍醐味のひとつです。はなあかりでは、沿線地域の食材を生かした旬のお弁当とスイーツのセットが販売されます(要事前予約)。
上下線でラインナップが異なり、お弁当は出発地、スイーツは行き先方面にちなんだメニューが用意されるという粋なサービスです。
土曜日に運行する敦賀から城崎温泉への下り列車で味わえるのは、福井県の特産品がたっぷり入った「若狭 町家弁当」と「天橋立チーズケーキ」のセット(3,500円)。約300年にわたって伝統製法を守り続ける小浜市の米酢専門店「とば屋酢店」による小鯛のささ漬、鯖へしこ、若狭カレイ、若狭牛などの食材が堪能できるお弁当です。
日曜日に運行する城崎温泉から敦賀に向かう上り列車では、「丹後晩秋弁当」と若狭名物「でっち羊かん」のセットが用意されます(3,900円)。天橋立神話に由来する笹寿司をはじめ、鯛や白バイ貝など丹後の名産をふんだんに使用した、見た目も楽しい豪華なお弁当です。
はなあかりが停車する各駅では、地元の人たちが掲げる横断幕や手旗によるおもてなしをはじめ、地酒の試飲や限定グッズのプレゼント、特産品販売、記念撮影会などのイベントも実施されます。
さらに、「奈具海岸」「由良川橋梁」といった景勝地を通過する際には、途中停車や徐行運転が行われるなど、車内外でのきめ細やかなおもてなしは、約5時間の旅程を味わい深い体験へと変えてくれます。
食や風景、人々の温かさ。西日本各地が持つ「とっておき」の魅力とつながれる特別な列車旅に、ぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。
観光列車「はなあかり」
- 運転期間
- 2024年10月5日~12月22日の間の土日
※2025年1月以降は西日本エリアで区間を変えて運行予定 - 運転区間
- JR「敦賀」駅~「城崎温泉」駅
(小浜線、舞鶴線、京都丹後鉄道 宮舞線・宮豊線、山陰本線 経由) - 料金例
- 【スーペリアグリーン】12,840円
【グリーン車指定席】10,640円
(通常期、片道大人1人あたり)
※きっぷは、全国の「みどりの窓口」、JR西日本インターネット予約「e5489」などで購入可能