3月16日開業!北陸新幹線 金沢~敦賀間の停車駅と所要時間、”日本一”がたくさんある敦賀駅の見どころ

北陸新幹線 金沢~敦賀間開業

2024年3月16日、いよいよ北陸新幹線 金沢~敦賀間が開業します。東京駅から福井駅まで最速2時間51分、大阪駅~福井駅間に至っては最速1時間44分と、北陸がさらに身近に!

開業に先立って行われた試乗会に参加し、新しい敦賀駅をはじめとした各駅のポイント、車窓の見どころなど、北陸新幹線 金沢~敦賀間の魅力をお伝えします!

 

北陸新幹線が敦賀まで延伸、新たに6つの駅が加わる!

北陸新幹線 金沢~敦賀路線図

現在、北陸新幹線が運行しているのは東京~金沢間。ここに3月16日、金沢~敦賀間が開業し、小松、加賀温泉、芦原温泉、福井、越前たけふ、敦賀の6つの新幹線停車駅が加わります。

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東京から福井まで最速2時間51分! これまでより36分早くなる!

北陸新幹線 敦賀駅

東京駅から敦賀駅までを運行するのは、速達タイプの「かがやき」9往復と、金沢~敦賀間は各駅に停車する「はくたか」5往復の合計14往復/日。

東京駅から福井駅までは36分短縮されて最速2時間51分、敦賀駅までは50分短縮されて最速3時間8分。東京方面から北陸がぐっと身近になります。

 

大阪や名古屋からも北陸が身近に!

便利になったのは関東からだけではありません。大阪方面と敦賀駅を結ぶ特急「サンダーバード」や、名古屋方面と敦賀駅を結ぶ特急「しらさぎ」は、新幹線「つるぎ」と敦賀駅で接続し、乗り換えがスムーズに。

新幹線「つるぎ」は、敦賀駅~富山駅間を18往復、敦賀駅~金沢駅間を7往復運行します。(別途、朝夜の時間帯に特急と接続しない「つるぎ」5本あり)

新幹線開業にともない、特急「サンダーバード」の運行は大阪駅~敦賀駅間に変更され、大阪駅から金沢駅へ向かう場合、敦賀駅で一度乗り換えが必要になりますが、所要時間としては22分短縮され、最速2時間9分で行けるようになります。

 

日本一高い場所に発着する新幹線! 開放感たっぷりの敦賀駅駅舎

北陸新幹線 敦賀駅

北陸新幹線の終着駅・始発駅となる敦賀駅。新しく完成した駅舎は、屋根までの高さが約37m(12階建てのビルに相当)と新幹線の駅としては日本一の高さを誇ります。

「空にうかぶ ~自然に囲まれ、港を望む駅」をコンセプトに、外観は敦賀湾の波の煌めきを表現したデザインになっています。

北陸新幹線 敦賀駅

駅舎の全貌を望むには、西口改札を出て左側にある敦賀市駅前立体駐車場の屋上が穴場スポット。タイミングが良いと、新幹線、在来線、ハピラインふくい(新幹線開業後、北陸本線の敦賀駅~大聖寺駅間の運行を担う第3セクター)が並ぶ様子が撮影できるかもしれません。

 

全長約200m!日本一の長さを誇る2階コンコース

北陸新幹線 敦賀駅

敦賀駅構内は、3階が新幹線ホーム、2階が乗り換えコンコース、1階が在来線特急ホームになっていて、実際に在来線から新幹線ホームへと移動してみると、日本一という高さを実感できます。

北陸新幹線 敦賀駅

ちなみに、在来線ホームの上に架けられた西口と新幹線駅舎を結ぶ連絡通路には、福井県内初の動く歩道も誕生。在来線駅舎との移動の負担を軽減してくれます。

北陸新幹線 敦賀駅

新しく誕生した新幹線駅舎2階のコンコースは全長約200m! 高さだけでなく、コンコースの長さも新幹線駅の中で日本一なのだそう。開放感いっぱいで、なんだか海外の空港に来たような気分を味わえます。

コンコースの天井は、かつて日本海を通って大阪と北海道を結んだ北前船の帆をイメージ。柱には古くから続く氣比神宮の祭礼「敦賀まつり」のシンボル・山車(やま)の水引幕の意匠が見られます。

北陸新幹線 敦賀駅

壁は国の登録有形文化財「敦賀赤レンガ倉庫」がモチーフになっていたりと、あちこちに敦賀の文化や歴史が感じられます。

北陸新幹線 敦賀駅

さらに、巨大なコンコースでひときわ目を引くのが、ずらりと並んだ改札機。整備新幹線では最多の19通路が並んでいます。

 

3階新幹線ホームからは敦賀湾と街を一望!

北陸新幹線 敦賀駅

3階の新幹線ホームに上がると、新幹線のホームってこんなに天井が高かったかな?と見上げてしまうほど高い屋根と開放感あふれる空間が現れます。まるでヨーロッパの駅のような雰囲気です。

北陸新幹線 敦賀駅

全長312mの新幹線ホーム。床には船の甲板をイメージした木調タイルが敷き詰められています。

北陸新幹線 敦賀駅

待合室も船をイメージしたとってもおしゃれなデザイン。ホーム安全柵には福井県内の名所の写真が飾られているので、ホームを歩きながら、次に行くスポットを探すのも楽しそうです。また、天気が良いとホームから敦賀湾や敦賀の街を望みます。

 

特急サンダーバード・しらさぎから新幹線への乗り換えルート・所要時間

さまざまな「日本一」があり、とても広い敦賀駅の新駅舎。こうなると気になるのは、特に関西から訪れるときの乗り換えではないでしょうか。

ということで、実際に歩いてタイムを測ってみました。

北陸新幹線 敦賀駅

新幹線開業後、大阪・京都方面からの特急「サンダーバード」や、米原・名古屋方面からの特急「しらさぎ」は、新幹線駅舎1階から発着するようになります。

北陸新幹線 敦賀駅 特急サンダーバード乗り換えルート

1階ホームの大阪寄りにあるエスカレーターや階段を上って、2階の新幹線乗り換え改札を目指します。1階から2階に上がるだけ、上下移動のみなので、よほどのことがない限り迷う心配はなさそうです。

広い駅構内にはエスカレーターやエレベーターが多数用意されており、その数は合計40近くにのぼるのだとか。車椅子やベビーカーでも移動しやすい設計がうれしいですね。

結果、2分ほどで2階の新幹線改札まで到着しました。そこからさらに3階の新幹線ホームに上がるには、特急を降りてからトータル5分程度、さらに大きな荷物を持っているときや連休などの混雑するときには、10分程度見ておくと安心かもしれません。

 

新しい新幹線停車駅と車窓からの見どころ

北陸新幹線 敦賀駅

それではいよいよ北陸新幹線に乗って、敦賀駅から金沢を目指します。走り出してすぐ、左手に敦賀湾が見渡せます。その後、延長約20kmの「新北陸トンネル」を最短5分で通過します。

 

越前たけふ駅

北陸新幹線 越前たけふ駅

敦賀駅から約12分で、今回の北陸新幹線延伸のために作られた新しい駅「越前たけふ駅」に到着します。

北陸新幹線 越前たけふ駅

駅舎の外観は、越前市にやってくるコウノトリが翼を広げている姿をモチーフにしているのだとか。在来線は通っておらず、3kmほど離れたところにあるJR武生(たけふ)駅との間をシャトルバスが運行します。

越前たけふ駅の隣には、海鮮など福井のおいしいものが集まる「道の駅 越前たけふ」 が。新幹線を降りてすぐ、福井グルメを楽しめます。

 

福井駅

北陸新幹線 福井駅

越前たけふ駅から約9分で「福井駅」に到着。新幹線ホームが1つしかなく、その1つのホームを上下線が挟む形の日本一コンパクトな新幹線駅です。

北陸新幹線 福井駅
北陸新幹線 福井駅車窓
福井駅

国内の恐竜化石のうち、およそ80%が福井県で発見されているということで、福井は恐竜王国としても知られています。

福井駅停車中、駅前の屋上テラスにいる恐竜のモニュメントや待合室のガラスなど、あちこちに恐竜のモチーフが。さらに、駅前の広場ではたくさんの恐竜が出迎えてくれます。

北陸新幹線 福井駅車窓

福井駅を出発してすぐ、金沢駅に向かう際は右側(金沢方面から敦賀に向かう際は、福井駅到着直前左手)に、ビルの壁面に描かれた大きな恐竜も見えるので、ぜひチェックを。

 

北陸新幹線

次の停車駅、芦原(あわら)温泉駅との間には、九頭竜川(くずりゅうがわ)を渡る九頭竜川橋梁があります。

ここは新幹線を挟む形で道路が走っている、日本初の新幹線・道路一体橋梁です。防音壁があるため新幹線車内からはほぼ見えませんが、この横を自動車が走っています。

 

芦原温泉駅

北陸新幹線 芦原温泉駅

福井駅からおよそ10分で「芦原温泉駅」に到着。芦原温泉は各宿で源泉を持っていて、新鮮な温泉と宿ごとに少しずつ異なる泉質を楽しめるのが魅力。駅舎も温泉街らしい和の趣あふれる空間が創り上げられています。

 

芦原温泉駅を出発後、試乗会では通過しましたが、加賀温泉駅、小松駅もそれぞれ見どころがいっぱい。たとえば、加賀温泉駅の構内には加賀の伝統工芸をモチーフにしたものが多く、待合室のタイルは九谷焼。あたたかみのある内装に注目です。

 

こまつの杜
(取材時に撮影したものではなく、イメージです)

小松駅舎にも、地元の伝統工芸品や地場の木材が取り入れられています。また、駅前にある建設機器メーカー「コマツ」の世界最大級のダンプトラックとショベルカーが新幹線のホームからも見えます。

木場潟と白山
木場潟と白山(取材時に撮影したものではなく、イメージです)

車窓からは自然が楽しめるポイントもたくさん。加賀温泉から小松駅に向かう右手には木場潟と、天気が良ければ、白山まで見渡せます。

北陸新幹線 金沢駅

あっという間に金沢駅に到着。金沢駅の駅名表示板には、取材時は開業前ということで、隣駅の「こまつ」の文字はまだ隠されていました!

敦賀駅から金沢駅までは、各駅停車の新幹線「はくたか」や一部の「つるぎ」で1時間弱、速達タイプの「かがやき」や一部の「つるぎ」では40~45分程度。

ちなみに、各駅の発車メロディはそれぞれ異なり、松任谷由実さんや葉加瀬太郎さんなど、名だたるアーティストによって作られたものなのだそう。その土地の歴社・文化を感じる各駅のこだわりや仕掛けもまた、北陸新幹線の楽しみのひとつです。

 

北陸新幹線の車内

北陸新幹線 金沢~敦賀

北陸新幹線の車両は、JR西日本のW7系とJR東日本のE7系で12両編成。営業最高速度は時速260kmです。

車体デザインは、沿線に広がる空の青さを表現した空色、日本が誇る伝統工芸の銅器や象嵌の銅色、日本らしい気品や落ち着きを表現したアイボリーホワイトの3色を基調にしています。

 

グランクラス

北陸新幹線 グランクラス

座席はグランクラス、グリーン車、普通車の3種類。新幹線版ファーストクラスと言われる最上級クラス「グランクラス」は12号車にあります。

北陸新幹線 グランクラス

定員18名、人間工学に基づいたスペシャルなシートが、心地よい旅をサポートしてくれます。揺れを軽減する「フルアクティブサスペンション」は快適すぎて、つい深い眠りに落ちてしまいそう……。

 

グリーン車

北陸新幹線 グリーン車

グリーン車は11号車に。ブルーを基調とし、日本の伝統的な様式美の中にもモダンな雰囲気が感じられます。グランクラスもグリーン車も、シートは電動リクライニングです。

 

普通車

北陸新幹線 普通車

普通車は落ち着いた赤を基調にし、大人の雰囲気が漂います。前の座席との間隔が広く、足を伸ばしてゆっくりくつろげます。全座席に電源コンセントが設置されているのもうれしいポイント。

北陸新幹線の乗り心地は、まさに快適そのもの。金沢から敦賀に戻る車内ではパソコンを開いて仕事をしていたのですが、新幹線内では酔うことが多い筆者がまったく酔いませんでした。それだけ揺れが少なかったということですね!

北陸新幹線が敦賀まで伸び、東京からも大阪、名古屋方面からもさらに身近になった北陸へ、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

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撮影:松井ヒロシ 取材・文:水谷映美

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