関東の北の方に位置する茨城県。海から山まで見どころがいっぱいの茨城県には、実はサイクリングをするのに最適な環境が整っているのです。そんな茨城県を電動クロスバイクに乗って、観光スポットを紹介していきます。
今回は、山側の「奥久慈里山ヒルクライムルート」を巡りながら、モデルプランを紹介していきます。
11:30 「大子広域公園オートキャンプ場 グリーンヴィラ」からスタート!
山側のサイクリングのスタートは、「大子広域公園オートキャンプ場 グリーンヴィラ」。奥久慈の自然と文化の中で、多様な潜在の楽しみを提供する「交流ステーション」の理念でオープンしたオートキャンプ場です。この日は土曜日だったので、朝からたくさんのキャンパーたちが訪れ、思い思いの時間を過ごしていました。
大きなセンターハウスには、フロントや売店、レンタルショップなどが揃っており、なんと温泉施設まで利用できるのです。キャンプしながら温泉も入れるのはうれしいですね。
今回も、この蛍光イエローの電動アシスト付きクロスバイクで奥久慈のルートを巡っていきます!スポーツドリンクも準備OK。快晴の中、出発です。
大子広域公園オートキャンプ場 グリーンヴィラ
- 住所
- 茨城県久慈郡大子町矢田15-1
- 営業時間
- センターハウス 8:00~21:00
- 定休日
- 年中無休
- アクセス
- 常磐自動車道利用 那珂I.Cから国道118号で約1時間/東北自動車道利用 宇都宮I.Cから国道461号で約1時間
- 公式サイト
- 大子広域公園オートキャンプ場
自然の中を走る「奥久慈里山ヒルクライムルート」
今回巡る「奥久慈里山ヒルクライムルート」は、県内最高峰の八溝山山頂や袋田の滝、竜神大吊橋など、里山の風景が広がる地域を巡る、全長約200キロメートルのサイクリングルート。海側の大洗ルートとは打って変わって、緑を感じることのできるルートになっています。
自転車だと、徒歩とは違いそれなりの距離を走れるのもありますが、電動アシスト付きなら、ある程度の山道なら軽々と走れるのもいいところ。今までは出会ったことのなかった新しい景色に出会うこともできるのはいいですね。
「奥久慈の里山」ヒルクライムルート
- 公式サイト
- 茨城県県民生活環境部 スポーツ推進課
12:00 カフェから滝を眺められる癒しの「月待の滝」
山の中を走ること20分くらいで、最初の目的地「月待の滝」に到着です。この日は暑かったので、途中で水分補給を忘れず、ゆっくりと走ってきました。
滝を見るためには入口から山の中を歩いていきます。涼しげな川の音を聞きながら山道を歩くと、とても気持ちがいいですね。
途中、カフェが登場。この「月待の滝 もみじ苑」は名前の通りもみじの木々に囲まれているカフェ。湧水を使った「湧き水珈琲」や手打ちそばなどをいただけるそう。秋の季節になると、観光客で溢れかえるのだとか。カフェの奥の席では、コーヒーやそばをいただきながら、滝や川を感じることができます。
月待の滝 もみじ苑
- 住所
- 茨城県久慈郡大子町川山1369-1
- 営業時間
- 10:30~17:00
- 定休日
- 水曜日(5~8・11月は原則無休)
- アクセス
- 常磐自動車道利用 那珂I.Cから国道118号で約1時間/東北自動車道利用 宇都宮I.Cから国道461号で約1時間
- 公式サイト
- 月待の滝 もみじ苑
さらに奥に進んでいくと、目的の月待の滝に到着です!久慈川の支流大生瀬川がつくり出す、高さ約17メートル、幅約12メートルの滝で、とにかくすごい水量と迫力。
さらに水量が多いと、子滝が現れて親子滝になるとかで、古くから安産、子育て、開運を祈る二十三夜講の場とされ、胎内観音が祀られているそうです。あともう少し水量が多かったら親子滝が見られたかもしれませんね。
また、月待の滝は滝の裏側に水に濡れることなく入ることができることから、別名「裏見の滝」や「くぐり滝」とも言われています。マイナスイオンをたっぷり浴びることができる癒しスポットになっています。
月待の滝
- 住所
- 茨城県久慈郡大子町川山
- アクセス
- JR水郡線「常陸大子駅」下車、月待の滝まで約6km・タクシー約11分
- 公式サイト
- 大子町観光協会「月待の滝」
13:00 「とん鈴」で奥久慈しゃもの親子丼ランチ!
月見の滝で癒されたら、20分ほど自転車を走らせて、ランチをいただく「とん鈴」へ。奥久慈は大子の自然で育まれた「奥久慈しゃも」が有名ということで、「とん鈴」で人気の「奥久慈しゃも石焼き親子丼」(1,300円)をいただくことにしました。
注文してから10分程度でテーブルに到着したのは、熱々の石窯に入った親子丼。親子丼と言っても、きのこなどの山の野菜がたっぷり入っています。なかなかの迫力です。
この親子丼は、熱々のうちに真ん中の黄身を潰しながらしっかり混ぜていただくのがおいしく食べる秘訣ということで、しっかり混ぜていきます。
混ぜ終わったら、いただきます!ハフハフしながら食べてみると、奥久慈しゃもの肉質がプリプリで歯ごたえがすごい!そして、旨味がじわ〜っと溢れてきます。普通の鶏肉よりも味が濃厚で、最後まで熱々でおいしくいただきました。
さあ!お腹がいっぱいになったら次の目的地へ出発です。
とん鈴
- 住所
- 茨城県久慈郡大子町大子793
- 営業時間
- 11:30~14:00/17:00~23:00
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- JR水郡線「常陸大子駅」より、徒歩約3分
14:30 その壮大さに驚き!「袋田の滝」
腹ごなしに自転車を約30分走らせて、次の目的地「袋田の滝」に到着。自転車を置いたら、ここから滝まで徒歩移動です。
滝までの道のりは、いかにもな観光地という景色で、お土産屋さんや食事どころなど、ついつい目移りしがち。おいしそうな魚の塩焼きや、焼きまんじゅうなどが売られていました。
袋田の滝までは、「袋田の滝トンネル」(入場料/大人 300円 子ども 150円)を利用することができます。
トンネルの中は、ライトアップイベント「大子来人~ダイゴライト~」の期間中で、幻想的な空間が広がっていて、音楽が流れていました。普通に歩いたらなかなかな距離なのですが、このような工夫がしてあるため、楽しく歩くことができました。
途中、「恋人の聖地」モニュメントが。大子町の鳥「オシドリ」をモチーフにしたモニュメントなのだとか。カップルで撮影する人も多くいましたよ。
さらにトンネルを登っていくと、大きな水の音が聞こえてきました。袋田の滝に到着です。この迫力にびっくり!
とにかくすごい水量なのと、横にも縦にも大きい!高さ約120メートル・幅約73メートルの大きさがあるということで、さすが日本三名瀑のひとつに数えられるだけありますね。
大岩壁を四段に落下することから、別名「四度(よど)の滝」とも呼ばれているのだとか。さらに平成27年10月には、「恋人の聖地」に選定され、カップルで訪れる人が多いそうですよ。
帰りは、袋田の滝の横に渡されている、吊り橋を渡ってトンネルを使わないルートで帰ります。
この吊り橋がかなり揺れるんです。人が通るたびに揺れが大きくなるため、絶叫スポットのような迫力に。
足元を見ると、この高さ…。
渡り切ったら、山道を降りながら自転車が置かれた場所まで自然を感じながら帰りました。
袋田の滝
- 住所
- 茨城県久慈郡大子町袋田
- 営業時間
- 5月〜10月 8:00〜18:00/11月 8:00~17:00/12月~4月 9:00~17:00
- アクセス
- JR水郡線「袋田駅」よりバスで約10分
- 公式サイト
- 大子町観光協会「袋田の滝」
16:30 移住者が経営する人気パン屋「michiru bakery」に寄り道
日が落ちかけてきたところで、ホテルに向かう途中でかわいらしい「Michiru Bakery(ミチルベーカリー)」に寄り道。まるでヨーロッパの街にあるような木組の建物が目印です。
「Michiru Bakery」は、実は横浜から大子町に移住してきた移住者が営むベーカリーなんです。オーナーさんは、母方の実家だった大子町のことをもっと知ってほしいという思いで、一念発起して家族で移住してきたそう。
オープンしてから、大子町の地元産を使ったマーガリン、ショートニング不使用のパンは、クチコミでお店の評判が広がり、今では地元の人に人気のベーカリーになったのだとか。
この日は閉店間際でしたが、おいしそうなパンとコーヒーを買って、ホッとした時間を過ごしました。あとはホテルに戻って1日目は終了です。
Michiru Bakery
- 住所
- 茨城県久慈郡大子町大子618-5
- 営業時間
- 10:00〜17:00 パン完売次第終了
- 定休日
- 月・火曜日
- アクセス
- JR水郡線 常陸大子駅 徒歩約7分
- 公式サイト
- Michiru Bakery
8:40 2日目のスタートはホテルから!
2日目の出発は宿泊したホテル「リバーサイド奥久慈 福寿荘」から出発です。この日は、前日とは打って変わって、本格的なヒルクライムルートをいくということで、ドキドキです。
ホテルを出発して30分くらいすると、大きな鳥居が現れました。周りは畑や田んぼが広がる中に立つ姿は圧巻。思わず写真に撮ってしまいました。
最初の目的地である「おやき学校」までは、長閑な風景が延々と続きます。稲刈りが終わった田んぼでは、農家のおばあさんたちが藁を束ねて干したりしていました。こういう日本の原風景みたいなのを自転車くらいのスピードだとゆっくり眺められるのもいいですよね。
10:00 廃校をリノベーションした「大子おやき学校」
なだらかながらも上り坂が続く道を走っていくと、最初の目的地「大子おやき学校」に到着です。
この「大子おやき学校」は、明治7年創設の旧槙野地小学校を活用した観光・体験施設。
古い学校の姿はそのままに、おやきの販売・体験コーナーのほか、小学生や地域の方の手作り工芸品など、地元ならではのお土産販売コーナーなどを建物の中に設けています。
建物の中には、教室を再現したエリアや、理科の実験で使うビーカーや、埴輪などが並んでいて、懐かしい雰囲気満載です。
そして、奥には「大子おやき」が手作りされているおやき工場が。この日もせっせとおやきが焼き上がっていました。予約するとおやきを作ることもできるそうですよ。
ここで作られているおやきは10種類もあるそう。定番の野沢菜から、甘いりんごやカボチャ、若い人が好きそうなチーズまで、全て地元のお母さんの手作りなのだそう。
筆者も早速野沢菜のおやきを食べてみました。イートインにすると、その場でレンジでほかほかに温めてくれますよ。ふわふわの生地の中にはピリ辛の野沢菜フィリングがたっぷり入っていました!
また、「大子おやき学校」は、茨城県のサイクルサポートステーションにもなっているのです。ここで休憩して自転車の空気を入れたり、点検したり、トイレに行ったりと、ヒルクライムのキツいルートの途中の癒しの場所になっています。
大子おやき学校
- 住所
- 茨城県久慈郡大子町大字槙野地2469
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 水曜日・12/31~1/1
- アクセス
- JR水郡線 常陸大子駅下車 茨城交通バス梨野沢行き(もしくは駅前にてタクシー利用)
- 公式サイト
- 大子おやき学校
体力のある人は県内最高峰の八溝山山頂へチャレンジ!
本来は、ここから八溝山山頂まで山道を登っていくルートだったのですが、普段運動をしていない筆者は、ここで無念のリタイア。
その後のルートを走っていないのですが、山頂には展望台があり、茨城の景色を一望できるのだとか。登り切ったあとの達成感は半端ないそうなので、体力のある方はぜひ登り切ってみてくださいね。
13:50 サイクルトレインに乗車してゴールへ
山を降りたあとは、JR水郡線の「常陸大子駅」へ。ここからは自転車と一緒に乗れるサイクルトレインに乗ることができます。ただし、自転車を乗せるためには事前の登録が必要なのでご注意くださいね。また、一部の駅では自転車のまま乗せることができないので、公式サイトを必ず確認してください。
今回は、「常陸大子駅」から「上菅谷駅」まで自転車を乗せて移動します。他のお客さんには迷惑にならないように気をつけながら乗り込みます。
自転車を置いて、疲れた体を癒すように自然豊かな景色を眺めながら約1時間電車にゆられます。
そして、無事に上菅谷駅に到着!ここが今回の旅のゴールになりました。駅を降りたらすっかり夕方の景色に。本当にお疲れさまでした!
いばらきサイクルトレイン
- 公式サイト
- JR東日本「いばらきサイクルトレイン」
茨城の山の自然を感じながらサイクリングしよう!
奥久慈の自然を感じながら山の中を自転車で走り抜けた2日間。自動車や電車だと見られない光景が見られて、風や香りを直接感じられるのは、サイクリングならではの魅力ですよね。
また、電動アシストのクロスバイクだったので、長い距離を走れるだけでなく、それなりの体力があればきつい山道も走れるのはすごいところ。筆者はリタイアしてしまいましたが、いつもなら絶対に登れない山道も走れたのはとてもうれしい体験でした。みなさんもサクリングを目的に茨城に来てみませんか?きっと新しい発見があるはずですよ。