「無印良品」と言えば、生活雑貨やアパレルやインテリアを扱う人気ブランド。その「無印良品」の世界を存分に堪能できる旅の宿が2019年4月に開業した「MUJI HOTEL GINZA」。生活の延長の感覚で心地良く、銀座を楽しむ旅の拠点「MUJI HOTEL GINZA」における滞在の魅力をご紹介します。
「MUJI HOTEL GINZA」の特徴とアクセス
「泊まりながら無印良品を楽しむ」というコンセプトを持つ「MUJI HOTEL」。深セン、北京、そして銀座で3つのホテルを展開しており、日本第1号ホテルが銀座に生まれた「MUJI HOTEL GINZA」です。
「MUJI HOTEL GINZA」は「銀座駅」C8出口から徒歩約3分の好立地で、「無印良品 銀座」と併設しています。すぐ近くには「ユニクロ TOKYO店」もあり「銀ブラ」が楽しめるのもポイントです。
古い資材を使ったこだわりのロビー
エントランスからエレベーターで上がっていくと、目の前にフロントが現れます。
「MUJI HOTEL GINZA」と書かれた壁には、おおよそ100年前に敷かれた東京を走る路面電車の敷石や、船の廃材などを用いて、時間が作り出す風合いを空間に取り入れています。木・石・土を中心とした温もりのある内装空間がゲストの心を癒してくれます。
現在はコロナ対策として、フロントにはアクリル板を設置。チェックイン時には検温、アンケートの入力などを実施しています。
チェックイン時に、こんなにかわいらしいプレゼントを渡されます。
グレーの布の袋に入ったものは、「もしものお守り」。火事や地震など、もしも思いがけず災害に遭った時に役立つ情報が記載された「リーフレット」とホイッスルです。
安全で心地良い旅になるようにと願いを込めて作られたもので、そのまま持ち帰ることができるんです。見た目はホイッスルに見えないオシャレさが無印良品らしいですね。
もう一つは、部屋に置いてある無印良品の人気商品「超音波うるおいアロマディフューザー」に使えるアロマオイルです。
ラベンダーとグレープフルーツの2種類から選べて、使い切りのミニサイズになっています。部屋で香りに包まれてリラックスした時間を過ごせるのはうれしいですね。
こだわりのメニューを用意したレストランとサロン
チェックインをしたらフロントのある6階フロアを探検してみましょう。6階は「無印良品 銀座」と直接つながっていて、エスカレーターと店舗用のエレベーターで店舗へも行き来できるようになっています。
フロントの左横にはレストラン「WA」を併設。シェフが定期的に全国各地を回ってその地方に根付いた「ふるさとの味」を再解釈したメニューを提供しています。
写真提供 ナカサアンドパートナーズ
メニューは季節によって変わっていき、その時の旬の食材を使った料理をいただくことができます。宿泊した際の朝食はこちらでいただけます。
「WA」の奥の壁にも本物の船の廃材が使われています。木と鉄の組み合わせが不思議とマッチングしているのは、長い時間をかけて経年劣化してきた歴史があるからかもしれませんね。
WA
- 営業時間
- 朝食 7:30~10:00 (LO 9:30)、 昼食 11:30~15:00 (LO 14:30)、 夕食17:00~21:00 (LO 20:00)
朝食は宿泊者のみ利用可能。夕食は金、土、祝日前日のみの営業。
※当面の間、営業時間を変更して営業しています。詳細は、公式ホームページのお知らせ欄をご確認ください。
紅茶やスイーツ、カクテルが楽しめる「Salon」
フロントから右奥へ進んで行くと、大きな楠のバーカウンターとテーブル席が用意されたカフェ兼バーの「Salon」があります。無印良品の店舗の一部になっており、宿泊者も利用できます。お店の特徴とも言えるインパクトあるバーカウンターは、樹齢400年の楠から作られたもの。
大きな木から手作業で切り出したために、その跡が残っていますが、あえてやすりをかけずに残したのだそう。触ってみると、ちょっとデコボコとした風合いが不思議とほっこりした気持ちにさせてくれます。
写真提供 ナカサアンドパートナーズ
ぜひ触って木の温もりを感じてみてください。このような細部に無印良品らしい「こだわり」を感じることができます。
「Salon」では厳選された生産者や作り手によるコーヒーや紅茶の他に、国内産の食材やお酒を使ったフードやスイーツ、カクテルをいただくことができます。
お店の人のおすすめを聞いて、今回は「酒粕ムースと紅茶寒天」と「アイスティー」の甘味とのみもののセット(1,000円)と、TORAYA CAFEのあんペーストを使った「あん蜜ソーダ」(900円)をいただくことにしました。
酒粕のムースは食べた瞬間から、優しい甘味が口の中に広がります。その下には香り高い紅茶寒天が隠れていて、ムースと一緒に食べると絶妙なバランスです。
あんペーストとソーダの組み合わせは、想像もつきませんでしたが、口に入れた瞬間から、とってもおいしいのです。レモンの爽やかさがあんこの重さを緩和してくれるのかもしれません。あっという間に飲み干してしまうドリンクでした。
奥のテーブル席は大きな丸テーブルで、ゆったりした空間がとられています。お部屋で過ごす前に、カクテルやドリンクを楽しむのもおすすめです。
Salon
- 営業時間
- 10:00~26:00(LO25:00)
※当面の間、営業時間を変更して営業しています。詳細は、公式ホームページのお知らせ欄をご確認ください。
無印良品のものづくりやデザイン文化に触れよう
写真提供 ナカサアンドパートナーズ
「Gallery」では、年に3~4回ほど企画を変えながら、ものづくりやデザインにまつわる展覧会を開催しています。
写真提供 ナカサアンドパートナーズ
「Salon」の隣には、展覧会に関連したアイテムや「Salon」で提供している一部の食器や器などが販売されています。セレクト商品もあるので、のぞいてみてくださいね。
旅先のからだと心を整える。無印良品に囲まれた特別な部屋たち
「泊まりながら無印良品を楽しむ」というコンセプトの部屋は、主に通常店舗で扱っている商品が備えられています。
今回宿泊した部屋は、細長い「TYPE C」のお部屋。 約24~25平米の広さがあり、大きなダブルベッドが配してあります。
奥行きがあって天井が高いため、狭さを感じることはありません。ベッドを一番奥に置いたことで、手前の空間を広く使うことができ、快適な滞在ができるように細やかな配慮が施されています。
部屋の中のエアコンや照明、カーテンの開け閉めはテーブルに置いてあるタブレットで行えるようになっており、ストレスフリーなホテル滞在を実現しています。
奥の一段高くなった小上がりに置いてあるベッドは、マットレスを使ったロータイプ。ベッドは眠りと姿勢の研究に基づくマットレスとなっています。
ベッドの枕元には大きな文字のデジタル時計が。もちろん、この時計も無印良品のものです。
ベッドの手前には3人掛けのソファと、ローテーブルを配置。低めのソファなので部屋の圧迫感はありません。お部屋でゆるりと横たわれて、まるで自宅にいるかのようにリラックスできます。
テーブルの上には無印良品のお菓子が置かれていました。このお菓子は自由に食べていいのもうれしいですね。
入り口からベッドのあるスペースに続く長めの廊下にはテーブルが設置してあります。
コーヒーメーカー、電気ケトル、アロマディフューザーが置いてあり、引き出しにはコーヒーやお茶などのドリンク類やグラスやコーヒーカップ、歯ブラシやコーム、スキンケアセットなどをご用意。もちろん、ほとんど無印良品の商品です。
やさしい触り心地のバスタオル、自然に眠りに導く照明など、自分のお家以上に安らぐ空間が整えられています。
部屋で使われている商品の一部は、実際に購入することができます。後日配送にはなりますが、店舗より少し安い値段になっています。実際に使い心地を体感したものを買えるのはとてもいいですね。
一日中おこもりSTAYしたい部屋を紹介!
宿泊したタイプの部屋以外にも、いくつか特徴的な部屋を紹介します。
ドアを開けた瞬間、趣向を凝らした心地よい空間が広がります。奥に2段ベッドが備え付けられた約25平米の「TYPE G」の部屋です。
2段ベッドが置かれていますが、「TYPE C」と同じ縦長で奥行きのある空間と、高い天井のおかげで、圧迫感は感じません。
ベッドの脇には小さな本棚が置いてあり、好きなように読書ができるのもうれしいところ。ゴロゴロしながら本を読んでいたら、外に出たくなくなってしまうかも。軽く読める漫画から、新書、そして海外の本まで、様々な本をチョイスしているそう。
小上がりの畳敷きで日本らしさを体感できる「TYPE E」の部屋です。入り口を入って、右手にソファスペース、左手にベッドスペースと両側に部屋が広がっています。
※お部屋によって間取りが異なります。
入って右側にはエキストラベッドにもなるという横長のソファが。4人くらいは座れそうなゆったりとした広さが魅力です。
左側には畳敷きの上に2台のベッドと、奥の窓側には本棚と小さなローテーブルと座椅子があります。銀座の街を眺めながら読書をできるこの空間は、部屋で一番居心地が良い場所になりそうです。
部屋には独特の形をした深めのバスタブもあり、旅の疲れを癒すこともできます。このバスタブは角の丸みなど、デザイナーがこだわり抜いた形なのだとか。
シェフこだわりの朝ごはんを
部屋でゆっくり過ごして一夜明けたら朝食の時間です。朝食は6階の「WA」でいただくことができます。
用意されたのは、西京焼きを使った朝定食です。メインの他に、サラダ、小鉢、漬物、味噌汁、焼きのり、ご飯という栄養満点のうれしい朝ごはん。
朝食メニューは現在は1種類のみ。ドリンクはコーヒーやお茶などから選ぶことができます。(※時期によって内容が異なる可能性があります)
西京焼きはしっかりと味が染み込んでいて、身はふわふわ。白いご飯にぴったりです。卵焼きと昆布は朝食メニューにしかついてこないのだそう。大きな窓から差し込む朝日を浴びながらいただく朝食は格別です。
最後にはコーヒーをいただき、新しい1日が始まります!
滞在の合間に無印良品で買い物も
「無印良品 銀座」へ滞在中すぐにアクセスすることができます。ホテルの中のレストランや外出して食事やお茶をするのもいいけれど、無印良品のお菓子やお弁当を買って、部屋でゆっくり過ごすのも良い時間になると思います。
1階の食品売場では、すぐ食べられるお弁当や、デザート、ジュースも販売されているので、購入後お部屋でも食べることができます。フロントにお願いすればお弁当も温めてくれますよ。
新鮮な野菜と果物を使ったジュースを販売するスタンドもあるので、朝食を軽く済ませたいときにはおすすめです。
銀座店の1階フロアには32種類のブレンドティーから自分の好みで選べる「ブレンドティー工房」があります。自分用のお茶を選んで部屋で飲んでみたり、お土産として購入してみたりするのも良さそうです。
東京の地図をプリントしたオリジナルの巾着袋もあるので、お菓子などを詰め込んでお土産にしたら喜ばれそうです。
ホテルの部屋で使われているリネン類もこの銀座店でのみ買えるようになっています。ホテルオリジナルで作られたタオルは、宿泊した方からのリクエストで無印良品の方に「逆輸入」という形で売られるようになったとか。
4階では独自の選書で「本のあるくらし」を提案する「MUJI BOOKS」も。無印良品が案内する銀座のガイドブック『GINZA』など、旅行者でも楽しめる本がいっぱいです。旅のお供に素敵な本を見つけてみてはいがでしょうか。
無印良品銀座
- 営業時間
- フロア2階–6階 10:00~21:00 、フロア1階 7:30~21:00(ブレンドティー工房 10:00~21:00)
※当面の間、営業時間を変更して営業しています。詳細は、公式ホームページのお知らせ欄をご確認ください。
定番の焼きたてパンを購入できるベーカリーも
ふわふわのロールパン、国産小豆を使ったあんぱん、本和香糖でなめらかに仕あげたクリームパンなど、毎朝店内で焼きあげるベーカリーも併設。
おすすめは季節の素材を使ったロールサンドとコーヒーのセットです。朝ごはんの選択に迷ってしまいますね。
ベーカリー
- 営業時間
- 7:30~21:00
- 場所
- フロア 1階
※当面の間、営業時間を変更して営業しています。詳細は、公式ホームページのお知らせ欄をご確認ください。
無印良品と過ごすリラックスSTAY
写真提供 ナカサアンドパートナーズ
無印良品だからこそ生まれた「MUJI HOTEL GINZA」。銀座の真ん中にありながらも、都会にいることを忘れさせてくれるような温もりあふれる空間でした。リラックスした時間を過ごしに、足を運んでみてくださいね。
- 住所
- 東京都中央区銀座3-3-5 6F
- 総部屋数
- 79室
- 駐車場
- 無し
- アクセス
- 銀座駅C8出口より徒歩にて約3分。出入口はレンガ通り側になります。
取材・撮影・文/西門香央里