古くから山岳信仰の場とされた山形・出羽三山の主峰・月山(がっさん)。山頂の月山神社には「月読命(つきよみのみこと)」が祀られ、死後の世界からのよみがえりを司っています。そして、八合目にある弥陀ヶ原湿原(みだがはらしつげん)は、秋になると赤や黄色に美しく染まる草紅葉が有名です。そんな弥陀ヶ原湿原の紅葉の絶景を、写真家の高橋智裕さんがご紹介します。
写真家
高橋 智裕(たかはし ともひろ)さん
1973年4月生まれ、福島県いわき市出身。現在、長野県上田市在住。JPU 協同組合日本写真家ユニオン理事/JSPA 日本風景写真家協会会員。内閣官房・内閣府主催 伊勢志摩サミットフォトコンテストで優秀賞を受賞し、首相官邸にて表彰を受ける。「写真」は「写心」の気持ちを忘れることなく、自然との共存、自然からの声をテーマに、情景的な風景を求めて全国をまわり、作品作りに尽力している。防災啓発活動をする「防災ジャーナリスト」としての顔も持つ。
月山弥陀ヶ原湿原の紅葉
古くから、出羽三山の中心的存在として人々を魅了する名峰月山。日本百名山や花の百名山などに名を連ね、国内外から多くの登山者が訪れます。
その八合目に広がっているのが月山弥陀ヶ原湿原。毎年9月下旬~10月上旬頃には、黄色やオレンジの絨毯(じゅうたん)を敷き詰めたような美しい紅葉が見られます。
月山八合目には無料の駐車場があり、車でアクセス可能なため、気軽に絶景を楽しめます。ただ、そこから歩いて山頂を目指す場合は、しっかりとした登山の装備と登山届の提出が必須です。月山八合目駐車場にはライブカメラも設置されているので、駐車場の混雑具合や、現地の天気を確認してから訪れるとよいでしょう。
また、月山八合目駐車場までの道は車同士がようやくすれ違えるくらいの細さ。舗装はされていますが、山道なのでカーブがきついところが多数ありますので、運転には十分注意してください。
弥陀ヶ原はなだらかな平原が広い範囲に続いており、そのなかに大小の池塘(ちとう)が点在。その池塘と草紅葉の背景に月山の山頂が見えます。
雲海越しの鳥海山も撮影可能!
さらに、雨上がりの朝に運が良ければ、太陽の光が霧に反射して見られる「白い虹」に出会えることも。
弥陀ヶ原湿原で紅葉の絶景を撮影する際は、広めの画角で草紅葉や池塘の雄大さを表現してみてください。
月山弥陀ヶ原湿原
- 住所
- 山形県鶴岡市羽黒町
- アクセス
- 【電車・バス】JR鶴岡駅よりバスで約2時間、「月山八合目」下車
【車】JR鶴岡駅より約90分
撮影・文/高橋 智裕