東京都西部・三鷹市~武蔵野市にまたがり、住みたい街ランキングで常に上位にランクインする「吉祥寺」エリア。カフェやユニークなお店、名物グルメが集まり、1日中楽しめます。主要スポットが吉祥寺駅から歩いていける距離にあるのも魅力的。自然を満喫し、吉祥寺のかわいいスポットを巡る、1日モデルコースをご紹介します。
新宿・渋谷から20分以内!自然も都会も感じられる吉祥寺へ
吉祥寺は地元住民から観光客まで多くの人で賑わう、武蔵野市・三鷹市を代表する地域。駅周辺には歴史ある商店街や最新トレンドを発信する商業施設があり、老若男女を惹きつけています。さらに自然と触れ合える「井の頭恩賜(いのかしらおんし)公園」も有名。自然と都会的な雰囲気の両方を1日で満喫できます。
吉祥寺駅へのアクセスは「JR中央線」もしくは「京王井の頭線」で。例えば新宿からJR中央線快速に乗ると約15分、渋谷から京王井の頭線に乗ると約20分で到着します。
駅前には広場や商店街の入り口があり、さっそく活気あふれる吉祥寺を体感できます。
北口の駅前広場で目を引くのは「ゾウのはな子」像。アジアゾウのはな子は、吉祥寺の井の頭自然文化園で飼育され、国内最高69歳まで長生きした吉祥寺のシンボル的な存在です。
自然に癒される「井の頭恩賜公園」へ
まずは、吉祥寺を代表するスポットである井の頭恩賜公園を目指し、駅の南口へ。徒歩3分ほどで到着します。
南口周辺は「丸井吉祥寺店」を中心に賑わいを見せ、買い物が楽しめるエリア。公園へと続く石畳の小道は古着屋や個性的な雑貨店、飲食店が並び、ふらっと立ち寄るのもおすすめです。
井の頭恩賜公園は1917(大正6)年に開園し、100年以上の歴史を持つ憩いの場。東京ドーム約9個分という広大な敷地があり、「井の頭自然文化園」、「三鷹の森ジブリ美術館」が隣接する、子どもから大人までみんなで遊べる場所となっています。
駅方面から到着してすぐのところにある井の頭池を中心としたエリアは、遊歩道やベンチが整備され散歩にぴったりの場所。1時間程度をかけてぐるっと1周回ってみるのがおすすめです。
自然豊かな井の頭恩賜公園は春夏秋冬、季節ごとの花を楽しめます。特に春は約400本の桜が咲き誇り、桜の名所として有名。初夏はアジサイ、秋は紅葉、冬はオトメツバキなどが見頃を迎えます。
散策路沿いには、飲食店、日本庭園なども。敷地内の銭洗い弁天でお金を洗うと金運に御利益があると言われ由緒ある「井の頭弁財天」は、井の頭池の西側にあります。
定番の過ごし方、井の頭池ボートを体験
井の頭池ではボートに乗るのも定番の遊び方! かわいいスワンボートに乗ったり、手漕ぎのローボートではしゃいだり。友達同士やカップルで乗れば思い出になること間違いなしです。
井の頭恩賜公園 ボート場
- 営業時間
- 季節により異なる
- 料金
- ローボート30分 500円、サイクルボート30分 700円、スワンボート30分 800円
- 定休日
- 12~2月の水曜日
- 詳細
- 井の頭恩賜公園 施設について(東京都公園協会)
井の頭恩賜公園
- 営業時間
- 24時間
- 料金
- 入園自由
- 詳細
- 井の頭恩賜公園 公式ページ
公園散策のおともにおすすめ!カフェでチャイをテイクアウト
公園周辺にはテイクアウト可能なカフェもさまざま。散策に持参して、ベンチでほっと一息つくのがおすすめです。
訪ねたのは、公園西側を吉祥寺駅方面出口へ出てすぐのところにあるカフェ「chai break」。ディンブラという茶葉を煮出した本格的なチャイを楽しめる人気店です。
6種類のスパイスをブレンドした「スパイスチャイ マサラ」(テイクアウト 600円)は芳醇に広がるスパイスの香りが心地よく、優しい甘さ! ベンチに座って鳥の声を聞き、池を眺めながらチャイを飲めば、幸せなひと時が過ごせます。
chai break
- 営業時間
- 平日 9:00~19:00、土日祝 8:00~18:00
- 定休日
- 火曜日(火曜が祝祭日の場合は翌営業日に振替)
- アクセス
- 吉祥寺駅より徒歩約5分
- 詳細
- chai break 公式ページ
かわいい店内にワクワク!「HATTIFNATT 吉祥寺のおうち」でランチ
多くの飲食店が軒を連ねる吉祥寺ですが、中でもランチにおすすめなのが「HATTIFNATT(ハティフナット) 吉祥寺のおうち」。井の頭公園からは、吉祥寺駅北口に戻って高架下沿いを歩き約10分です。
大人でも童心に帰れる場所をコンセプトにしたとってもかわいいカフェ。入り口の小さなドアは子どもの背丈に合わせられていて、ドアをくぐった瞬間からワクワクが止まりません。ちなみにHATTIFNATTはフィンランド語でムーミンに登場する「ニョロニョロ」の意味。
お店はオーナーの高嶋渉さんと大工だった高嶋さんのお父さんが、なんと手作業でアパートを改築したもの。木のぬくもりと、アーティストユニット「マリーニ*モンティーニ」が手掛けたかわいらしいアートで彩られた唯一無二の空間です。
たくさんの動物たちに囲まれ、不思議な森に迷い込んだ気分に。クマやウサギなど、お気に入りの動物を見つけてみてくださいね。憎めない表情がキュートな鯉も隠れた人気キャラ!
手作りにこだわり、温かみのあるオリジナル料理を提供。「野菜たっぷりミートペンネ」(1,045円)は、ホワイトソースもミートソースも手作りで仕込んでいます。濃厚なホワイトソースと時間をかけて煮込んだミートソースは抜群のおいしさ! 大人気の「ほんわかカフェラテ」(605円)はスタッフの方が注文ごとにラテアートを描いてくれます。
オーナーの高嶋さんはパティシエ経験があることから、最もこだわっているのがケーキ。「かぼちゃ君ちのモンブラン」(583円)は、北海道産かぼちゃのクリームの中に、シャーベット状にしたりんごのコンポートが入っています。風味豊かでクリーミーなかぼちゃと冷たいりんごがベストマッチ。ザクザクのパイもおいしく、クオリティの高いスイーツを堪能できます。
水飲み用カップにもマリーニ*モンティーニのイラストが! このカップはお隣にある雑貨屋さんで購入もできます。
HATTIFNATT 吉祥寺のおうち
- 営業時間
- 日、火~木曜日:11:30~22:00(LO 21:00)
金、土曜日:11:30~23:00(LO 22:00)
※変更の場合あり。詳細はお店のInstagram、Twitterを確認 - 定休日
- 月、第3火曜日 ※不定期で休みあり。詳細はお店のInstagram、Twitterを確認
- アクセス
- 吉祥寺駅より徒歩約6分
- 詳細
- HATTIFNATT 吉祥寺のおうち 公式ページ
隣の雑貨店でカフェの世界観を持ち帰り!
カフェを満喫した後は、お隣「HATTIFNATTの雑貨屋さん」へ。ハンドメイド作家の作品がびっしりと並べられ、宝探しをするようにお買い物を楽しめます。特にカフェのアートを手掛けるユニット・マリーニ*モンティーニの作品が人気。
HATTIFNATTオリジナルの「くじ付き缶バッジ」(100円)は、大きなバッジが当たるかもしれない遊び心のあるアイテム! 小さなバッジを購入し、1等・2等・3等が当たると、より大きなバッジと交換できます。HATTIFNATTの世界観を持って帰るのにうってつけ。
HATTIFNATTの雑貨屋さん
- 営業時間
- 11:00~19:00
- 定休日
- 月、第3火曜日(祝日の場合は翌日お休み)
- アクセス
- 吉祥寺駅より徒歩約6分
- 詳細
- HATTIFNATTの雑貨屋さん 公式ページ
商店街で名物グルメを堪能。行列必至の人気店へ
吉祥寺駅方面に戻って、活気ある商店街を散策。北口側に広がる「吉祥寺サンロード商店街」や、そこからつながっている「吉祥寺ダイヤ街」では、流行の最先端を行くお店から長く愛され続けてきた名店まで、さまざまなお店に出会えます。
吉祥寺といえばこれ!さとうの元祖丸メンチカツ
「吉祥寺さとう」は行列必至の国産黒毛和牛専門店。契約農家などから、黒毛和牛を一頭買いしたこだわりの牛肉を販売しています。
みんなのお目当ては「元祖丸メンチカツ」(250円)。松阪牛やオリジナルブランド牛を含む国産牛肉を使用したメンチカツで、ステーキなどを整形する際に出たお肉を活用しているので、驚きの安さが実現しているそう。
揚げたてはアツアツで、肉汁があふれるほどジューシー! 玉ねぎの甘みも後押しして、ボリュームたっぷりなのにペロッと食べられます。
吉祥寺さとう
- 営業時間
- 10:00~19:00 ※メンチカツの販売は10:30~
- 定休日
- 年始のみ
- アクセス
- 吉祥寺駅より徒歩約1分
- 詳細
- 吉祥寺さとう 公式ページ
吉祥寺のお土産に外せない「小ざさ」の最中
吉祥寺さとうのすぐ隣にも、行列を作るわずか一坪程度の小さなお店があります。「小ざさ(おざさ)」は最中と羊羹を販売する和菓子店。創業は1951(昭和26)年で、戦後の吉祥寺の歴史とともにある老舗です。開店前に1日50本限定で販売される羊羹の整理券を求めて行列をなす光景は、もはや朝の吉祥寺の名物。
人気商品、小ざさの最中(5個390円~)は、午後でも比較的手に入りやすい一品。食べると長生きすると言われる漢方薬のきのこ・霊芝(れいし)をモチーフにした最中で、「みんなが健康になってほしい」という想いが込められています。
北海道産小豆使用のあずき餡、北海道産しろいんげんで作られた白餡の2種類。豆の味をしっかり感じられるつぶしあんで、着色料・保存料無添加の優しい味わいはどこか懐かしさを感じられます。
小ざさ
- 営業時間
- 10:00~19:30
- 定休日
- 火曜日
- アクセス
- 吉祥寺駅より徒歩約1分
- 詳細
- 小ざさ 公式ページ
ネコと戯れる。吉祥寺プティット村「Cat Cafe てまりのおしろ」
おしゃれでユニークなカフェや雑貨店がたくさん集まっている吉祥寺ですが、ダイヤ街から中道通りを歩いていくと、ひときわファンシーな建物が登場します。それが「吉祥寺プティット村」。「絵本の世界」がコンセプトのテーマパークです。中には雑貨店や飲食店が集まり、まるで絵本を1ページずつめくるように各お店を楽しめます。
その中心を担っているのが「Cat Cafe てまりのおしろ」。「ネコたちがつくったお城」をテーマにしたネコカフェです。
マンチカンの「きびたろう」、アメリカンカールの「トミー」、ベンガルの「ドロシー」、ノルウェージャン・フォレスト・キャットの「リリー」、ラグドールの「ロビン」など約20匹のネコたちと戯れることができます。
ネコたちと仲良くなるための必須アイテムが、ネコのおやつ(個数限定、308円~)。自然とネコとお近づきになれます!
城内のインテリアにもご注目。ネコたちが好きなものばかりが集まり、シャンデリアやドアは魚をモチーフに作られています。
1日2回開催される「ネコのお食事会」も見逃せません。朝は11:00前後、夜は18:00前後にネコのタイミングに合わせて開催。城内にいるネコが集まって食事をする姿は悶絶級のかわいさです。
時間制限や延長料金はなく、カフェメニューも充実しているので(ブレンドコーヒー 506円など)、ネコたちとのんびりとティータイムを過ごすことができます。
Cat Cafe てまりのおしろ
- 営業時間
- 平日 11:00~20:00、土日祝 10:00~20:00
- 料金
- 平日:昼 1,540円、19:00以降 1,100円
休日:昼 1,980円、19:00以降 1,320円 - アクセス
- 吉祥寺駅より徒歩約5分
- 詳細
- Cat Cafe てまりのおしろ 公式ページ
思う存分ネコたちに癒されたら、おなじく吉祥寺プティット村にある「とことこ雑貨店」へ。ワクワクするネコグッズがたくさん並び、人気は「てまりのおしろ」にいるネコたちがモデルとなった「とことこサーカス」シリーズ。マスキングテープ、ノート、クリアファイル、ミラーなど豊富なアイテムから選べます。
とことこ雑貨店
- 営業時間
- 12:00~17:00 ※変動の可能性あり
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 吉祥寺駅より徒歩約5分
- 詳細
- とことこ雑貨店 公式ページ
フォトジェニック!昭和レトロな「ハモニカ横町」で締め
吉祥寺散策の夜は、サンロード商店街に隣接した「ハモニカ横町」で締め。闇市からはじまった昭和レトロな飲屋街ですが、ネオンや提灯が光る路地はフォトジェニックなスポットとしてSNSでも人気を集めています。
吉祥寺プティット村からは徒歩5分ほど駅方向へ戻れば到着。
ディープなお店から、一見さんも入りやすいお店まで選び放題です。ビールと餃子&焼き鳥といった定番の居酒屋メニューを味わってもよし、異国ムード漂うお店で世界の料理とワインを楽しんでもよし! 5本の路地にお店がひしめいているので、一度ぐるっと巡ってからお店を決めるのがおすすめですよ。
朝から晩まで1日中楽しめる吉祥寺。公園でのんびりしたり、ふらっとカフェに入ったり、きままに遊ぶのが吉祥寺らしい過ごし方です。次の休みは友達を誘って吉祥寺に出かけてみませんか。
取材・撮影・文/小浜みゆ