氷の芸術「しぶき氷」と白鳥に魅せられる!冬の猪苗代湖ガイド。会津エリアのおすすめスポットも

【福島】白鳥と氷の芸術「しぶき氷」に魅せられる!冬の猪苗代湖おすすめガイド

福島県のシンボルであり、全国で4番目に広い湖である猪苗代湖。その冬の風物詩として知られているのが、自然が創り出す芸術「しぶき氷」と、遠くシベリアから毎年飛来する数千羽の白鳥です。どちらも寒さが厳しい時期だけしか見られない絶景。見どころやアクセスなどの情報のほか、湖周辺・会津エリアの名物を楽しめるスポットもあわせてご紹介します。

 

 

冬の風物詩「しぶき氷」とは?

しぶき氷

福島県の中央に位置する猪苗代湖で冬の厳冬期に発生する「しぶき氷」は、自然が創り出す氷の芸術品。湖の波しぶきが冬の強い風に吹かれ、岸辺の樹木の枝などに着氷する自然現象です。国内では極めて珍しい現象だと言われています。

 

しぶき氷

氷の衣装をまとった樹木の枝は、自然が生み出したものとは思えないほどの美しさ。一面に広がる幻想的な世界に、感動すること間違いありません。

 

しぶき氷

猪苗代湖のしぶき氷の見頃は毎年1月中旬~2月中旬の厳寒期で、強い風が吹いた後は特におすすめ。気温が高くなると溶けてしまうこともあるので注意が必要です。

 

しぶき氷が見られる「天神浜」へのアクセスと服装について

天神浜

しぶき氷が見られるスポットは何カ所かありますが、雄大な磐梯山を背景に撮影できる、猪苗代湖北東岸の「天神浜」周辺が人気です。

天神浜のしぶき氷スポットまでの車でのアクセスは、磐梯自動車道猪苗代磐梯高原ICから天神浜駐車場まで約5分、そこから歩いて約20分です。首都圏から東北自動車道を利用すると、所要時間の目安は約3時間50分。

電車の場合、東京駅からは東北新幹線を利用すれば、郡山駅を経由して約2時間20分で猪苗代駅に到着します。猪苗代駅からはタクシーで天神浜駐車場まで約8分。ちなみに、猪苗代駅から天神浜への路線バスはなく、徒歩の場合は約60分かかりますので、タクシーやレンタカーを利用するとよいでしょう。ただし、車の場合は路面の凍結対策は必須です。

 

天神浜
天神浜駐車場からしぶき氷スポットまでのロードマップ
天神浜
しぶき氷へのルート入口

天神浜駐車場からは、林の中の雪道を歩きます。足跡で踏み固められていることが多いですが、雪が降り積もった後は新雪の中を歩くことになります。

 

天神浜

靴はスニーカーではなく、防水性のあるハイカットのスノーブーツや長靴などがおすすめ。湖岸が凍っていることが予想される時は、滑り止めのアイススパイクやシューズカバーをスノーブーツに装着すると、さらに安心です。

また、手袋やニット帽など耳の隠れる帽子、靴下も保温性の高いものを身につけるのが理想的。カメラや三脚などの荷物は手に持つのではなく、肩に掛けたりリュックに入れたりして、転倒するリスクに備えて両手を空けておくのも大切なポイントです。

 

猪苗代湖しぶき氷
しぶき氷と磐梯山、カチカチに凍結した湖岸

林の中の約4キロメートルの一本道を歩いていくと、長瀬川河口付近のしぶき氷スポットに到着します。雪化粧をした磐梯山を背景に、白く凍てつくしぶき氷と青い猪苗代湖という絶景が出迎えてくれます。

 

猪苗代湖しぶき氷

さまざまな形のしぶき氷があり、見る角度によって表情が変わるのも見どころです。

 

猪苗代湖しぶき氷

しぶき氷ができる環境下が続くと、大きなしぶき氷を見ることができます。高さ約2メートルのところまで、しぶきが吹き上げられることも少なくありません。

 

猪苗代湖しぶき氷

太陽の光を浴びてきらめくしぶき氷の世界は、とても幻想的。夢中になって観賞しているとアッという間に時間がたってしまいますので、防寒対策は念入りに。

 

猪苗代湖しぶき氷
しぶき氷(午前10時頃撮影、気温は約マイナス2度)

前夜に強風が吹き荒れた翌日、気温氷点下の午前中に訪れれば、できて間もない透明で美しいしぶき氷に出会えることも。芸術的な曲線は、しぶきが風にあおられながら凍りついてできた形。まさに、自然が創り出したアートです。

 

猪苗代湖しぶき氷
しぶき氷(14:00頃撮影、気温約5度)

気温が上がってくると、次第に氷が溶け始め、午前中に透明だったしぶき氷は白く形を変えます。訪れる時間によっていろいろな表情を見せてくれる美しいしぶき氷に、ぜひ会いにいってみてください。

 

天神浜

住所
福島県耶麻郡猪苗代町中小松西浜
アクセス
天神浜駐車場
【車】磐越自動車道「猪苗代磐梯高原」ICから約5分
【電車】JR「猪苗代」駅からタクシーで約10分

 

白鳥に高確率で出会える「長浜」

長浜駐車場

猪苗代湖のもう一つの冬の風物詩、それが白鳥です。毎年、シベリアから毎年約3,000羽の白鳥が飛来します。12月頃から姿を見せ始め、3月頃から北の空に飛び立って行きます。一番多く見られるのは2月です。

白鳥が見られるおすすめのスポットは、猪苗代湖の北北西にある遊覧船「はくちょう丸」発着場の「長浜」。路線バスの停留所があり、駐車場も完備されていて、階段を降りてすぐの浜で白鳥を見られるので、アクセスしやすいのも便利です。

 

長浜駐車場

ここは、エサをねだる白鳥やカモが観光客に近づいてくる場所としても有名。

 

長浜駐車場

朝から夕方まで白鳥がエサを目当てに集まっていることが多く、高い確率で出会えます。

 

長浜

住所
福島県耶麻郡猪苗代町翁沢長浜870
アクセス
【電車】JR「猪苗代」駅からタクシーで約10分

 

磐梯山を背景に白鳥の写真が撮れる「志田浜」

志田浜

白鳥が見られるもう一つのおすすめスポットは、猪苗代湖東岸に位置する「志田浜」。最大の魅力は、白鳥と磐梯山を一緒に撮影できることです。

 

志田浜

湖畔には「白鳥の湖」のブロンズ像があり、古くから多くの人々に白鳥が愛されてきた場所だということが分かります。

 

志田浜

白鳥は午前中にエサを求めて飛び立ち、夕方に戻ってくることがあるそう。運が良ければ、夕日に赤く染まる空を優雅に舞う白鳥の姿を楽しめます。

 

志田浜

住所
福島県耶麻郡猪苗代町金田南浜
アクセス
【電車】JR「猪苗代」駅からタクシーで約12分

 

とろけるチャーシューが自慢!「喜多方ラーメン 来夢」

喜多方ラーメン 来夢

しぶき氷や白鳥を見て体が冷えてしまった後は、会津名物の喜多方ラーメンを味わってみませんか? 喜多方ラーメンは札幌ラーメン、博多ラーメンと並んで、日本三大ラーメンの一つ。猪苗代町にも、喜多方市内に本店を持ち、「とろけるチャーシュー」で人気の「喜多方ラーメン 来夢」の支店があります。

 

喜多方ラーメン 来夢
「喜多方チャーシュー麺 半熟煮卵乗せ」

「来夢」のチャーシューは熟成までに数カ月間、仕上げだけでも3日間かけて作る自慢の品。しっかりと油抜きされてヘルシーなのに、とろける食感が味わえるという評判です。

一番人気は、自慢のチャーシューをたっぷり乗せた「喜多方チャーシュー麺‘半熟煮卵乗せ(1,130円)。どんぶり一面に広がるチャーシューと半熟煮卵が麺を覆い尽くす、見た目も豪華なラーメンです。

 

喜多方ラーメン 来夢

麺は、自家製の平打ち中太ちぢれ麺。製造後2日間熟成させて、最高の状態に仕上げた熟成多加水麺です。ゲンコツとトリガラをじっくり丁寧に煮込み、数種の野菜と煮干・昆布などを加えて旨みを凝縮させた、黄金スープも格別。喜多方ラーメンの基本であるしょうゆ味だけでなく、近年人気の塩味やみそ味スープのラーメンも味わえます。

 

会津ラーメン来夢 猪苗代店

住所
福島県耶麻郡猪苗代町字梨木西71-1
営業時間
11:00〜21:00(L.O.20:45)
定休日
年中無休
アクセス
【電車】JR「猪苗代」駅から徒歩約20分、車で約4分

 

精肉店直営の会津ブランド馬刺し専門店「大久保商店」

会津ブランド認定馬刺し専門店 大久保商店

会津地方は、全国第2位の馬肉の生産地でもあります。猪苗代町の老舗精肉店「肉のおおくぼ」が運営する「会津ブランド認定馬刺し専門店 大久保商店」では、新鮮な馬肉を使ったランチや軽食が味わえます。

 

会津ブランド認定馬刺し専門店 大久保商店

会津の馬肉は鮮やかな赤色をしており、とてもきめ細やか。余計な脂がなくヘルシーで、やわらかい肉質が特徴です。

「大久保商店」の馬肉は、薬味が不要なほどクセがなく、お肉本来の味がしっかり感じられますが、後味はすっきりとしています。上質な馬肉をそろえている、精肉店の直営店だからこそ味わえる絶品です。

 

会津ブランド認定馬刺し専門店 大久保商店

赤と白を基調とした店内にはカウンター席とテーブル席が用意されていて、ゆっくりと食事ができます。

 

会津ブランド認定馬刺し専門店 大久保商店
会津ブランド馬肉の炙りたたき丼 2,120円

一番人気のランチメニューは、「会津ブランド馬刺しランチ」(2,220円)。モモ肉の中でも旨みと柔らかさに優れたランプを使用していて、最高級の馬肉を堪能できるメニューです。

初めて馬肉を食べる人におすすめなのは、「会津ブランド馬肉の炙りたたき丼」(2,120円)です。ブリスケ(肩に近いバラ肉の部分)を炙り焼きした高級感あふれる一品で、ゆず入りおろしポン酢とガーリック風味の自家製ヨーグルトソースが、馬肉の旨みをさらに際立たせます。馬肉のおいしさに目覚めてしまうかもしれませんよ。ほかにも、ショーケースで販売しているヒレ、タテガミなど希少部位(数量限定)の馬刺しや軽食をオーダーして店内で味わうこともできます。

 

会津ブランド認定馬刺し専門店 大久保商店

テイクアウトもできる軽食は、幸運を呼ぶ馬の形をした「馬コロッケ」(240円)や、国産馬ひき肉使用の「磐梯山メンチ」(270円)など。

お土産用に真空パック詰めされた、さまざまな部位の新鮮な馬刺しや、さくらユッケ、馬ハンバーグなども購入できます。保冷バッグと保冷剤(3時間分)も無料でサービスしていますので、ぜひ会津名物のおいしい馬肉を味わってみてください。

 

会津ブランド認定馬刺し専門店 大久保商店

住所
福島県耶麻郡猪苗代町大字三ツ和字波々帰目1110-1
営業時間
10:00~17:00(店内飲食11:00~16:00) 
※冬季(12~2月)は10:00~16:00(店内飲食11:00~15:00)
定休日
水曜日
※冬季(12~2月)は火、水曜日
アクセス
【車】磐越自動車道「猪苗代磐梯高原」ICから約12分
公式サイト
大久保商店
備考
店内での食事とテイクアウトでは価格が異なります

 

ねこが働く駅「会津鉄道 芦ノ牧温泉駅」

会津鉄道 芦ノ牧温泉駅

せっかく猪苗代湖を訪れたのであれば、会津地方で最近話題になっているスポットにも足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

ねこが働く駅として話題の会津鉄道「芦ノ牧温泉駅」では、2023年11月に第3代目名誉駅長として、ねこの「さくら」が就任しました。就任式には県内外から約150人のファンが集まるほど、大人気のねこ駅長さんです。

 

会津鉄道 芦ノ牧温泉駅
3代目名誉駅長「さくら」(c)芦ノ牧温泉駅

さくらは4歳のアメリカンカールの女の子。2代目名誉駅長の「らぶ」が2022年10月に永眠。アテンダントとして働いていた妹のさくらが3代目名誉駅長として任命されました。

さくらの出勤日は火・木・土・日曜日、勤務時間は9:00~16:00です。カメラが苦手なので写真撮影は禁止されていますが、勤務時間中は同駅を発着する列車の乗降客を出迎えたり見送ったりして、多くの人々を癒やしています。

 

会津鉄道 芦ノ牧温泉駅

駅舎内では、オリジナルグッズの「さくら駅長クリアファイル」(650円)や「BIGサイズ缶バッチ」(65円)、ご当地イラストエコバッグ(1,540円)なども販売。

 

会津鉄道 芦ノ牧温泉駅

駅舎の外にはかわいらしいサインボードや、ねこの肉球が描かれた絵馬のほか、招き猫などが多数奉納された「会津鉄道神社」も設置されています。ねこ好きにはたまらないスポットです。

 

会津鉄道 芦ノ牧温泉駅

住所
福島県会津若松市大戸町上三寄香塩
ねこ駅長勤務時間
火・木・土・日曜日/9:00~16:00(月・水・金曜日は休み)
※ねこ駅長「さくら」の写真撮影は禁止されています
アクセス
【電車】JR「会津若松」駅から会津鉄道会津線で約24分
公式サイト
芦ノ牧温泉駅

 

ここにしかない日本酒が買える「會津酒楽館」

會津酒楽館

福島県は「全国新酒鑑評会」の都道府県別金賞受賞蔵数で、9回連続日本一を達成した酒どころ。特に会津地域は酒蔵が多く、県内の酒蔵の約半数にあたる30蔵があります。

「會津酒楽館 渡辺宗太商店」は、造り手の顔、造られる場所、想いなどを確認し、尊敬や共感できる会津の酒蔵のおいしい日本酒を販売している店。

 

會津酒楽館
古民家風の店内

会津の酒蔵に特別注文した、オリジナルの日本酒も数多くそろえています。

 

會津酒楽館
(右から)「会津娘 芳醇純米酒 上汲み瓶火入れ 」(720ml 1,870円)、「渡辺宗太商店別注 山の井55」(720ml 1,870円)、
「純米吟醸 喜多華 会津産山田錦ー火入れ」(720ml 1,760円)

市販酒を品評会「SAKE COMPETITION(サケコンペティション)2019」純米吟醸部門で、トップ10入りした「会津娘」。その特別注文「会津娘 芳醇純米酒 上汲み瓶火入れ」は、上汲みに10号系酵母(TM-1)を使用した稀少な日本酒です。

また、「渡辺宗太商店別注 山の井55」も、米作りから会津で造り上げられた、こだわりの日本酒。「純米吟醸 喜多華 会津産山田錦ー火入れ」は会津産山田錦を活かした、きれいで柔らかい華やかな甘みが特徴です。

ここでしか購入できない日本酒ですので、ぜひお土産にして、ご自宅でも会津の旅の余韻に浸ってみてはいかがでしょうか。

 

會津酒楽館 渡辺宗太商店

住所
福島県会津若松市白虎町350
営業時間
9:00~19:00
定休日
毎週火曜日(祝日の場合は翌水曜日)
アクセス
【電車】JR「会津若松」駅から車で約2分、徒歩約8分
公式サイト
會津酒楽館 有限会社 渡辺宗太商店

 

猪苗代湖の冬の風物詩と周辺スポットを満喫しよう!

しぶき氷

猪苗代湖の冬の風物詩・しぶき氷と白鳥は、一生に一度は見たい日本の冬の絶景です。ぜひ足を運んでみてください。

 

撮影・取材・文/北川 りさ

 

Article survey

お客様のご意見をお聞かせください
このページは気に入っていただけましたか?

ワクワクする旅のきっかけから現地で役に立つ情報まで、確かな情報を旅行者にお届けします。

※当ページのランキングデータ及び記事内容の無断転載は禁止とさせていただきます。
※掲載内容は公開時点のものです。ご利用時と異なることがありますのでご了承ください。
※(税抜)表示以外の価格はすべて税込価格です。場合によって税率が異なりますので、別価格になることがあります。

 
 

TOP