北海道南部の港町、函館。イカやウニ、イクラや毛ガニなど新鮮でおいしい海鮮が集まる街です。函館山の夜景や洋館めぐりと並ぶ函館旅行で人気の観光スポットが「函館朝市」。生きたイカを釣って食べられる釣り堀、北海道らしい海鮮丼が食べられる食堂、新鮮なカニやイクラ、松前漬けなどを購入・発送できる海産物店などが集まっています。
JR函館駅から徒歩約1分でアクセスできる便利な立地で、早朝から昼食の時間帯まで楽しめます。そんな函館朝市のめぐり方や見どころ、あわせて立ち寄りたい穴場スポットまで、北海道在住ライターがご紹介します。
目次
函館名物「函館朝市」とは
函館を代表する観光地である「函館朝市」。戦後まもない頃、函館駅前広場の片隅で野菜の立ち売りが始まったのが発祥と言われています。昭和30年代からは現在と同じエリアでの営業が始まり、北海道を代表する朝市として発展してきました。
函館朝市の広さはおよそ1万坪。800人もの人が働いており、1日平均約3,000人が訪れます。新鮮な海産物が並ぶ店、おいしい魚介が食べられる食堂、野菜やお土産が買える店もあり、早朝から活気にあふれる市場内は多くの人でにぎわいます。
JR函館駅から徒歩1分ほど、函館市電「函館駅前」停留所からも徒歩2分ほどの便利な場所にあり、周辺にはホテルなどの宿泊施設も数多く集まっています。函館旅行の際には早起きをして、ぜひ函館朝市へ出かけてみましょう。
函館朝市の歩き方
こちらが函館朝市のマップ。1万坪もの敷地にたくさんの店舗が並ぶ函館朝市は、どう回るか迷ってしまいそうなほどの広さです。国内外からの観光客に大人気で、週末はもちろん、年間を通してにぎわっています。特に大型連休や夏休みの時期などは、行列覚悟で訪れてください。
函館駅に近い側から「どんぶり横丁市場」「駅二市場」「函館朝市ひろば」の順に回ってみましょう。入口は朝市大通り側、朝市仲通り側の両方にあります。
お店は早朝5:00頃からオープンしはじめ、7:00頃には多くの店が営業を開始します。また、「朝市」という名前が付いていますが14:00頃まで開いているお店も。お昼近くに函館に到着した場合や、うっかり寝坊してしまった!という時でも楽しめます。
朝ごはんは「どんぶり横丁市場」の海鮮丼
まずは、函館駅から最も近い「どんぶり横丁市場」を散策開始。食事ができる店舗を中心に、およそ20店舗が軒を連ねています。屋内なので雨や雪、寒い日でも安心です。
各店の前には丼のサンプルやメニュー表・価格表示もあります。おいしそうなお店ばかりで迷ってしまいますが、好みや混雑具合に合わせて選ぶといいでしょう。
取材時にうかがったのは「朝市食堂函館ぶっかけ」。海鮮丼を中心に、活いか刺しやホッケなどの単品メニューもあります。テーブル席とカウンター席があり、おひとり様でも利用しやすいお店です。
こちらの「大名盛りレディースサイズ」は、ほどよい大きさで女性に人気の海鮮丼。イカ、エビ、ネギトロ、カニ、イクラ、ウニ、ホタテと新鮮な魚介がたっぷりのっています。お味噌汁とイカの塩辛がついて1,880円。朝市を回ってほかにもいろいろ食べたい!という時には、小ぶりな丼を選んでおくのがおすすめです。
朝市食堂 函館ぶっかけ
- 住所
- 北海道函館市若松町9-15 函館朝市 どんぶり横丁市場内
- 営業時間
- 6:00〜14:00
- 定休日
- 不定休
- 公式サイト
- 函館朝市にある食堂「函館ぶっかけ」
函館名物・活いか釣り堀のある「駅二市場」へ
「どんぶり横丁市場」のおいしい海鮮丼でお腹を満たしたら、隣接する「駅二市場」へ移動します。「活いか釣り」の看板が目印です。
駅二市場も屋内で、天候を問わず楽しめます。カニやホッケなどが並ぶ海産物のお店を中心に、農産物を扱うお店や函館の有名店である「十字屋珈琲」、さらに2階には食堂もあり、バラエティ豊かなエリアです。
「駅二市場」1階の中心付近にあるのが、名物の「元祖活いか釣り堀」。専用の釣り竿を使って泳いでいるイカを釣り上げ、その場でさばいてもらって食べることができます。
釣り堀にいるイカの種類は季節によって異なり、1~5月ごろはヤリイカ、6~12月ごろはマイカやスルメイカになります。料金は時価で、その日の仕入れ値によって変動する仕組み。参考値として、取材前日は1,800円でした。
しかし、なんと取材当日はシケのためイカの入荷がなく、釣り体験はお休み中! 残念ではありますが、これも毎日とれたての新鮮なイカを入荷しているからこそ。自然が相手の漁であることを実感しました。大人気のため、釣り体験ができる日は開店前から行列ができていることも珍しくありません。時間に余裕をもって向かってくださいね。
元祖活いか釣り堀
- 住所
- 北海道函館市若松町9-19 駅二市場内
- 料金
- 時価
- 営業時間
- 7:00~14:00
- 定休日
- 第3水曜日(7〜9月除く)
- 詳細
- 元祖活いか釣堀 | 駅二函館朝市
「函館朝市ひろば」で食べ歩きとお土産購入
続いて、隣接する「函館朝市ひろば」へ向かいます。お土産を購入するのにぴったりのエリアで、昆布や干し貝柱などの乾物から新鮮なカニや干物、イクラなどもあり、持ち帰るだけでなく全国へ発送も可能です。
魚介以外に、北海道産の野菜や果物などを扱うショップもあります。取材した8月は北海道産のメロンが豊富なタイミングで、贈答用の箱入りやその場で食べられるカットメロンもありました。デザートにいただくもよし、味見をしてから購入するのもいいですね。
さらに「函館朝市ひろば」内にはフードコートがあり、食事や海鮮丼はもちろん、焼き物などの一品料理や片手で食べられる手軽なおやつまでそろいます。
海産物の卸問屋「カネダイ 荒木商店」では、海産物を購入・発送できるほか、さまざまな食事メニューも楽しめます。
写真のカニクリームコロッケは950円。サクっとした揚げたての衣の中には、カニのほぐし身がぎっしり! 函館朝市らしさいっぱいのぜいたくグルメでした。
カネダイ 荒木商店
- 住所
- 函館市若松町9-22 函館朝市ひろば内
- 営業時間
- 7:00~15:00
- 定休日
- 不定休
- 公式サイト
- カネダイ荒木商店
「函館朝市ひろば」の朝市大通り側入口近くには、「函館朝市発祥の地」の石碑があります。気づかずに通り過ぎていく人も多い小さな石碑ですが、函館の街や朝市の歴史に思いを馳せつつ、ここで記念撮影するのもいいですね。
なお、今回ご紹介した「どんぶり横丁市場」「駅二市場」「函館朝市ひろば」には、それぞれ建物内に男女別のトイレがありますのでご安心を。
函館を代表する観光スポットである「函館朝市」。買い物、食べ歩き、いか釣り体験などさまざまな楽しみ方ができるので、ぜひ早起きして出かけてみてください。
函館朝市
- 住所
- 北海道函館市若松町9-19
- 営業時間
- 1〜4月/6:00~14:00頃、5〜12月/5:00~14:00頃(店舗により異なる)
- 定休日
- 年中無休(店舗により異なる)
- アクセス
- JR「函館」駅より徒歩約1分、または函館市電「函館駅前」停留所より徒歩約2分
- 駐車場
- あり
- 公式サイト
- 函館朝市
函館朝市とあわせて立ち寄りたい「はこだて自由市場」
「函館朝市」を訪れたら、もう1カ所「はこだて自由市場」にも立ち寄ってみましょう。
近隣住民や地元の料理人なども買い物に訪れる市場で、函館旅のリピーターにもおすすめ。外国人観光客などにもまだあまり知られていない穴場的な存在のためか、「函館朝市」に比べると人が少なめなのもうれしいポイントです。
「はこだて自由市場」も毛ガニやウニ、サケ、イカ、ホタテなどがずらりと並ぶ屋内型。天候を気にせず楽しめます。購入した食材は持ち帰りや発送はもちろん、有料の炭火焼コーナーで焼いて食べることもできます。
飲食店が並ぶ一角では、海鮮丼や刺身定食が食べられる食堂のほか、カウンターで食べられる寿司店も。また、「はこだて自由市場」にも「活いか釣り堀」があり、釣り上げたイカはその場でイカ刺しにしてもらえます(時価)。こちらも残念ながら取材時はシケのためイカの入荷がなく、イカ釣り体験は休止中でした。
「函館朝市」から「はこだて自由市場」までは市電の停留所2つ分の距離で、歩いても15分ほどでアクセスできます。どちらも函館らしさいっぱいの市場なので、ぜひ両方とも訪ねてみてくださいね。
はこだて自由市場
- 住所
- 北海道函館市新川町1-2
- 営業時間
- 7:00~17:00(店舗により異なる)
- 定休日
- 日曜日
- アクセス
- JR「函館」駅より徒歩約14分、または函館市電「新川町」停留所より徒歩約1分
- 駐車場
- あり
- 公式サイト
- はこだて自由市場
取材・撮影・文/羽田さえ