初心者にもおすすめ!神秘の湖沼群「五色沼」で気軽に絶景トレッキングを楽しもう

五色沼

福島県を代表する景勝地「五色沼(ごしきぬま)」。正式には「五色沼湖沼群(ごしきぬまこしょうぐん)」という名称で、一帯に点在する大小30あまりの湖沼の総称です。

その中でも、目玉となる8つの湖沼沿いには散策路が設けられ、絶景を眺めながらのトレッキングが楽しめます。次々と目に飛び込んでくるエメラルドグリーンやコバルトブルーなどに輝く湖沼は、思わずため息がこぼれてしまうほどの美しさです。そんな五色沼のトレッキングコースの概要や見どころをレポート。周辺の人気スポットもあわせてご紹介します。

 

 

五色沼ってどんなところ?

磐梯山の噴火で誕生した、神秘の湖沼群

五色沼

五色沼があるのは、福島県の北部に広がる裏磐梯(うらばんだい)エリア。ここは五色沼をはじめ、紅葉の名所・中津川渓谷や、ワカサギ釣りの聖地として知られる桧原湖(ひばらこ)などを有する、自然豊かな高原リゾートです。

 

五色沼

五色沼が誕生したきっかけは、1888(明治21)年に発生した磐梯山の水蒸気爆発による噴火。これによって磐梯山の北側斜面が崩壊し、岩なだれが川をせき止めた際に数百の湖沼が形成され、そのうちの一部が五色沼と呼ばれるようになりました。

ちなみに、五色沼の由来は天候や気温、見る角度によってさまざまな色彩に見えることから。2016年には「ミシュラン・グリーンガイド」の一つ星に認定されました。

 

五色沼

色鮮やかな湖面を目にできるグリーンシーズンはもちろん、秋の紅葉も見事。例年10月中旬~11月上旬頃には、色づいたカラマツなどが散策路を彩ります。

 

五色沼

冬にはスノーシューを履いてのトレッキングで、白銀に包まれた湖沼群の幻想的な景色を見ることができます。地元のホテルなどがスノーシューで巡るガイドツアーを開催しており、スノーシューもレンタル可能。未経験者はツアーに参加するようにしましょう。

 

五色沼へのアクセス

五色沼

首都圏から車で五色沼へ向かう場合は、東北自動車道の浦和ICから郡山JCTを通り、磐越自動車道の猪苗代磐梯高原ICを降ります。そこから30分ほどで裏磐梯エリアに到着。合計の所要時間は3時間ほどです。

電車を利用する場合は、東京駅から東北新幹線に乗り、1時間20分ほどで郡山駅へ。そこからJR磐越西線に乗り換え、約35分で猪苗代駅に到着。猪苗代駅からはバスに乗って裏磐梯まで約30分です(合計所要時間は約2時間25分)。

 

トレッキングの所要時間やおすすめの服装、時間帯は?

五色沼

五色沼一帯には、毘沙門沼(びしゃもんぬま)や弁天沼(べんてんぬま)など、8つの沼を巡るトレッキングコース「五色沼自然探勝路(ごしきぬましぜんたんしょうろ)」が設けられています。

高低差が少なく、初心者や小さな子どもから高齢者まで歩きやすいコースです。道の両側に木々があるため、直射日光が当たりにくく、暑い日も比較的快適に過ごすことができます。

 

五色沼

全長は約4キロメートル、所要時間は約1時間30分。道中にあるベンチで休憩したり、写真撮影やボートなどを楽しんだりする場合は、少し時間に余裕をもってプランニングするとよいでしょう。

 

五色沼

晴天時はいつでも美しい風景を眺めることができますが、連休中や紅葉シーズンは混雑するため、午前中の早い時間帯に行くのがおすすめです。また、トレッキングの際は履き慣れた靴を履くようにしましょう。虫対策として長ズボンの着用や、長袖の上着を持参するとよりベター。道中に自動販売機などはないので、飲み物の用意もお忘れなく。

なお、五色沼自然探勝路を含むこの一帯は、国の特別保護地区として指定されています。植生保護の観点から動植物の採取が禁止されているだけでなく、歩く際もコースを外れて植物を傷めないように注意しましょう。

 

いざ、五色沼を巡るトレッキングスタート!

五色沼

「五色沼自然探勝路」の入り口は、「裏磐梯ビジターセンター」(東側)と「裏磐梯高原駅」バス停(西側)の2カ所。会津若松方面から向かう場合は「裏磐梯ビジターセンター」、喜多方方面からの場合は「裏磐梯高原駅」がスタート地点となります。

それぞれの入り口の間を路線バスが運行しており、車で訪れた場合は、このバスを利用して車を停めたスタート地点の駐車場へ向かうか、来た道をそのまま歩いて戻ることに。また、先にバスで反対側の入り口まで行き、車がある駐車場に向かって歩く方法もあります。

いずれにしても、バスは1〜2時間に1本の運行なので、出発前にあらかじめ時刻表を確認しておきましょう。

 

「裏磐梯ビジターセンター」でガイドマップや熊よけの鈴をゲット

五色沼
五色沼

今回は、東側の「裏磐梯ビジターセンター」からトレッキングスタート。この施設では、ガイドマップや裏磐梯エリアの豊かな自然や歴史、文化、登山道の状況や動植物に関する情報などを入手できます。

 

五色沼

また、道中にはトイレがないため、出発前にここで立ち寄っておくと安心です。

 

五色沼

そのほか、熊よけの鈴(レンタル料100円)も用意されています。実は、裏磐梯エリアは熊の生息地。時期によってはトレッキングコースの近くで目撃されることもあるそうなので、安全対策として持参することをおすすめします。

ガイドマップと鈴は、「裏磐梯ビジターセンター」から徒歩3分ほどの「五色沼入口観光プラザ(裏磐梯観光協会事務所)」や、反対側のコース入り口「裏磐梯高原駅」バス停近くにある「裏磐梯物産館」でも入手可能です。
※鈴は借りた場所でしか返却できません

 

裏磐梯ビジターセンター

住所
福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字剣ヶ峯1093-697
開館時間
9:00~17:00(トイレは24時間利用可能)
※2024年9月現在、改修工事に伴い休館中。10月に開館予定
休館日
火曜日
備考
改修工事のため、2023年10月1日から約1年間休館
※休館中もトイレと駐車場は利用可能
アクセス
JR磐越西線「猪苗代」駅より車で約20分、またはバス「五色沼入口」下車、徒歩約2分
公式サイト
裏磐梯ビジターセンター

 

五色沼最大の面積を誇る毘沙門沼

五色沼

「裏磐梯ビジターセンター」を過ぎて最初にあらわれるのは、五色沼の中で最も大きく、眺めが良い毘沙門沼です。

コバルトグリーンに輝く水面は、思わず声を上げるほどの美しさ。この色は湖底から湧き出す酸性の鉱泉によるもので、陽の光の角度などによって濃淡が変わり、神秘的にきらめきます。

 

五色沼

毘沙門沼では五色沼の中で唯一、手漕ぎボートが借りられます。ボートからは水面に周囲の景色が映る様子が間近に見られ、より美しさを実感できるはず。

 

五色沼

水の中には悠々と泳ぐ鯉の姿も。お腹にハート模様がついた白い鯉もいるそう。見つけると幸せになれるという言い伝えもあるので、じっくり目をこらして探してみましょう。

 

毘沙門沼 レンタルボート

利用時間
4~11月/9:00~16:00(30分利用の場合は15:30まで、60分利用の場合は15:00までに受付) 
※12~3月は休業
料金
3人乗り/30分1,000円、60分1,800円

 

五色沼
赤沼
五色沼
みどろ沼
五色沼
竜沼

毘沙門沼から西へ進むと見えてくるのは、赤沼、みどろ沼、竜沼(たつぬま)。次々あらわれる自然の景色に心が癒やされます。

 

ターコイズブルーに美しく輝く弁天沼

五色沼

竜沼を越えた先にある弁天沼は、毘沙門沼に次ぐ大きさ。澄んだターコイズブルーは日光をよく反射し、「本当に自然の色なの?」と思うほど輝いています。

 

五色沼

ベンチが設置されている場所は、沼をすぐ目の前に見渡せる絶好のスポット。ここがちょうどコースの中間地点なので、ひと休みするのに最適です。

 

五色沼
五色沼

沼の西側には展望デッキも。雄大な山々を背に広がる弁天沼は、ここでしか見ることができません。

 

五色沼

展望台からさらに奥へ進んだ場所のるり沼も必見です。

 

深い青色が特徴の青沼

五色沼

弁天沼、るり沼を抜けてたどり着くのは、五色沼で最も青いと言われる青沼。水面に周囲の木々や空が映りこみ、グラデーションも見事です。

 

五色沼

奥へ進むと右側に脇道があり、少し下るとベンチが設置されたビューポイントが。前が開けているため、記念撮影にもぴったりです。

 

透き通った水と木々が美しい柳沼

五色沼

青沼のさらに奥にある柳沼(やなぎぬま)が、今回のコースの最後を飾る場所。ひときわ高い透明度を誇る沼です。

 

五色沼

その名の通り、岸辺にはヤナギなどの木が生い茂り、澄んだ水に樹林が映りこんでいます。特に、紅葉シーズンの光景は圧巻です。

 

五色沼湖沼群

住所
福島県耶麻郡北塩原村桧原剣ケ峯1093
アクセス
[裏磐梯ビジターセンター]JR「猪苗代」駅より車で約20分、またはバス「五色沼入口」下車、徒歩約2分
[裏磐梯高原駅]JR「猪苗代」駅より車で約25分、またはバス「裏磐梯高原駅」下車

 

「裏磐梯物産館」でお土産探し

五色沼

柳沼のすぐそばには「裏磐梯物産館」が建っています。お土産や農産品が売られているほか、軽食スペースもあるので、休憩にもぴったり。

 

五色沼

館内にある大きな窓からは、柳沼が見えます。

 

五色沼

一押しは、特産品の「会津山塩(あいづやまじお)」(1袋450円)。温泉水を薪窯で煮詰めて作られており、栄養満点で豊かな風味が特徴。赤身肉や魚との相性が抜群です。

 

五色沼

北塩原村で限定販売されている地酒「佳き酔 歌磐梯(よきよい うたばんだい)」(1,900円)も見逃せません。北塩原産の酒造好適米を、名水百選に選ばれている小野川湧水で仕込んだ地酒で、酒母づくりには大塩裏磐梯温泉の源泉が使われています。やや辛口で、すっきりとした味わい。

 

五色沼

館内で販売されている、地元素材を使った「ジェラート」(シングル、ダブルともに400円)もおすすめです。人気のフレーバーは、塩気がきいた「山塩」と、豆の風味と食感を堪能できる「花豆」。ダブルを注文すると、2つの味を堪能することができます。

 

裏磐梯物産館

住所
福島県耶麻郡北塩原村大字檜原湯平山1171-9
営業期間
4月下旬~11月上旬
営業時間
9:00~17:00(食堂は11:00~15:00)
定休日
期間中無休
※休館期間(11月中旬~4月中旬)は、9:00~16:00にトイレのみ開放(水曜日を除く)
アクセス
JR磐越西線「猪苗代」駅より車で約23分、またはバス「裏磐梯高原駅」下車、徒歩約1分
公式サイト
裏磐梯 物産館

 

五色沼周辺のおすすめスポット

大自然を満喫できる「桧原湖観光船」

五色沼

裏磐梯高原駅から徒歩約1分、裏磐梯最大の湖・桧原湖では観光船でクルージングを楽しむことができます。湖に浮かぶ大小さまざまな島の間を巡る約35分間のクルーズ。乗船券は、桧原湖第一駐車場の隣にある発売所で購入可能です。

 

五色沼

船内には2~4人掛けの席のほか、ゆったりとくつろげるソファ席も。目の前に広がる絶景と、裏磐梯の魅力を紹介するアナウンスに身をゆだねながら、優雅なひとときを過ごせます。

 

五色沼

吹き抜ける風が心地よいデッキからは、爆裂火口が印象的な磐梯山を中心に、裏磐梯の壮大な自然を体感できます。春は桜、秋は紅葉といった、四季折々の光景は必見です。

 

桧原湖観光船

住所
[桧原湖第一駐車場]福島県耶麻郡北塩原村桧原大府平原1172
営業期間
例年5月上旬~11月上旬
※2024年は~11月4日
出航時間
10:00~、11:00~、12:00~、13:30~、14:30~、15:30~
定休日
期間中無休
乗船料
大人1,400円、小学生700円、未就学児無料
公式サイト
桧原湖観光船
アクセス
JR磐越西線「猪苗代」駅より車で約22分、またはバス「裏磐梯高原駅」下車、徒歩約1分

 

厳選素材を使ったこだわり料理を提供する「レストランモントレー」

五色沼

「裏磐梯ビジターセンター」から車で2分ほどの場所にある「レストランモントレー」は、創業約50年の老舗洋食店。

奥会津産の黒毛和牛と福島県産の豚・健育美味豚(けんいくびみとん)の合い挽き肉を使った手作りハンバーグをはじめ、カレーやスパゲティなどの料理や、デザートが味わえます。

 

五色沼

創業当時のままという店内は、シャンデリアが灯るクラシカルな雰囲気。窓際の席からは、緑きらめくカラマツの木々を見渡せるほか、磐梯山の姿を一望できます。スタッフの方々も気さくで、肩肘張らずに過ごせるところも魅力です。

 

五色沼

「ハンバーグの黒胡椒焼きセット」(2,750円)は、常連客の約9割がオーダーするという人気メニュー。

大粒の黒胡椒をまとったハンバーグは、口に入れた瞬間に肉の旨みと脂の甘みがジュワリ。1週間かけて作るデミグラスソースのコクのある味わいと、黒胡椒のキリッとした香りが、ハンバーグにいっそうの深みを加えます。ふっくらとやわらかな食感もたまりません。

 

五色沼

「自家製こけもものシャーベット」(770円)も、創業時から人気の一品。シャーベットというと、シャリシャリとした食感をイメージしがちですが、こちらは生クリームをたっぷり加えているため、やわらかな口あたり。爽やかな香りとすっきりとした甘みが味わえます。

 

レストランモントレー

住所
福島県耶麻郡北塩原村大字桧原剣ヶ峰1093
営業時間
9:00~17:00(L.O.16:00頃)※ハンバーグのオーダーは11:00~
定休日
水曜日(祝日の場合は営業、別途振替休あり)
アクセス
JR磐越西線「猪苗代」駅より車で約20分、またはバス「小野川湖入口」下車、徒歩約2分

 

楽しく学べる「野口英世記念館」 

五色沼

五色沼から南へ車で約30分の場所にある「野口英世記念館」は、感染症の研究に生涯を捧げた細菌学者・野口英世の生涯と業績を紹介する施設。野口英世の生家のある場所に建てられています。

 

五色沼

見学ルートの最初に登場するのが、茅葺き屋根(かやぶきやね)の生家。記念館の建物の一部が屋根を覆い、西風と冬の降雪から生家を守っています。

 

五色沼

幼い野口英世が左手に大やけどを負った囲炉裏や、上京する際に床柱に刻んだ「志を得ざれば再び此地を踏まず」という決意文など、貴重な展示は見応え満点です。

 

五色沼

案内板に従い館内を進むと、「会津若松時代」や「素顔の英世」など、コーナー別に展示室があります。

その中でも、ひときわ胸を打つのが「母シカの手紙」です。母親のシカが、アメリカにいる英世に一目会いたいとしたためた実物の手紙が飾られており、方言もそのまま再現された音声朗読が流れています。愛情に満ちた手紙をぜひ目と耳で感じ取りましょう。

 

五色沼

そのほか、小学校時代の成績表や実験ノート、英世が書いた妻の肖像画、身ぶり手ぶりを交えながら質問に答える「野口英世アンドロイド」、細菌の世界をゲーム感覚で学べる「体験!バクテリウム」コーナーなど、子どもから大人まで楽しめる展示が盛りだくさん。

 

五色沼

1階には約100点のオリジナルグッズが並ぶミュージアムショップもあるので、お土産探しに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

 

野口英世記念館

住所
福島県耶麻郡猪苗代町大字三ツ和字前田81
開館時間
4~10月/9:00~17:30(入館は17:00まで)
11~3月/9:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日
12月29日~1月3日
料金
入館料    大人(15歳以上)800円、大人(15歳以上)400円、未就学児無料
3月16日~11月30日/大人(15歳以上)1,200円、小・中学生550円 
※野口英世記念館と感染症ミュージアム共通券
12月1日~3月15日/大人(15歳以上)800円、小・中学生400円、未就学児無料
※感染症ミュージアムは休館のため野口英世記念館のみ
アクセス
JR磐越西線「猪苗代」駅より車で約10分、またはバス「野口英世記念館前」下車、徒歩約1分
公式サイト
公益財団法人 野口英世記念会

 

 

天候や時間により、多彩な美しさを見せる五色沼湖沼群。周辺には今回紹介した場所以外にも、絶景の名所やグルメの名店など、観光に欠かせない見どころが満載です。

また、五色沼の周辺には宿泊施設も充実しています。のんびり宿泊し、トレッキングをはじめたっぷりと観光旅行を楽しみましょう。

 

 

取材・文/菅原 聡子 撮影/株式会社Harty 遠藤 沙織、阿部 雄大

 

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