1400年の歴史を持つ東京都台東区の浅草寺(せんそうじ)には海外からの来訪客も多く、毎年約3,000万人もの観光客が訪れています。大きな赤い提灯が特徴的な雷門から本堂までをつなぐ、仲見世通りには老舗から新店舗までグルメスポットが満載です。そのほかにも、浅草寺周辺にはレトロな喫茶店などがずらり。そんな浅草寺と浅草寺周辺を歩いて回れるモデルコースを紹介します!
目次
浅草寺・浅草へのアクセス
浅草寺への最寄り駅である浅草駅は4つの路線があり、それぞれ出口も異なります。雷門に一番近いのは銀座線の浅草駅。2番出口または3番出口から雷門まで徒歩約2分です。都営浅草線の浅草駅を利用する場合は、雷門方面改札を出て、A4出口から地上に出ると、徒歩2〜3分程度で雷門に到着します。
東京スカイツリー®と一緒に観光したい人は、東武スカイツリーライン浅草駅の利用がおすすめ。中央口から出て徒歩2〜3分で雷門が見えてきます。つくばエクスプレスの浅草駅から向かう場合は、A1出口から出て徒歩約8分です。前後の予定なども考慮して使う路線を決めておくと、移動がスムーズですよ。
浅草寺ってどんな場所?
浅草寺は、約3,000万人もの観光客が訪れる東京都内最古といわれているお寺です。その歴史は古く、およそ1400年前の飛鳥時代に地元の漁師が隅田川で漁をしていたところ、網に一体の観音像が引っかかったことからが始まり。
地元の長・土師 中知(はじの なかとも)のところに漁師がその観音像を持っていき、土師中知が観音像を祀って自宅を寺にし、浅草寺を誕生させました。
その後1590年に徳川家康が江戸に入府し、浅草寺を人々が願い事をしに行く「祈願所(きがんじょ)」として認定。のちの1600年に起きた関ヶ原の戦いで徳川軍が見事勝利したことから、その名が一気に全国に知れ渡ったといわれています。
これで完璧!浅草寺の参拝ルート
総面積は49,140坪、東京ドームに例えると3.4個分の広い敷地を持つ浅草寺は、雷門から始まり、仲見世通り、本堂、そして五重塔(ごじゅうのとう)や各お堂など魅力が満載。ここでは浅草寺の正式な参拝ルートとそれぞれの見どころをご紹介します。
赤い大提灯が目印の「雷門」からスタート!
浅草寺の玄関口である雷門。赤い門に赤い大提灯が吊るされているのが特徴で、浅草寺のシンボルともいえる場所です。門に祀られているのは、風水害や寺そのものを守るための風神と雷神。創設された年は明らかになっていませんが、942年には「総門を(台東区にある)駒形に建立した」と伝わっているため、その頃にはすでに雷門があったといわれています。
その後、何度も焼失と再建を繰り返しましたが、1960年に現パナソニック ホールディングス株式会社の松下電器産業の創設者・松下幸之助氏によって寄進され、現在の大提灯が設置されました。
提灯の底には木彫りの龍がほどこされています。門をくぐるときにはここをチェックするのもお忘れなく。
新旧入り混じる仲見世通り
雷門を通ると、仲見世通りが続きます。仲見世通りはおよそ250メートルに渡ってお土産屋や食べ物屋が並ぶ商店街。連日、お店の営業が始まる時間帯からすでに多くの人でにぎわっており、歩くスペースがないほどです。
仲見世通りの発祥は1685年頃。付近の住民に境内の清掃を課す代わりに、雷門をくぐったあたりに屋台店を出すことが許可されたことが始まりといわれています。
今では浅草の名物お菓子である人形焼や雷おこしから、最中、フルーツが乗ったカラフルなお団子など多種多様なお店が約90軒並んでいます。浅草グルメや買い物はお参りのあとの楽しみにとっておいて、まずは本堂へ進みましょう。
宝蔵門をくぐり、お水舎で清め
仲見世通りの先にあるのは、大きな朱塗りの楼門・宝蔵門(ほうぞうもん)。仁王像が両脇に安置されており、昔から庶民の信仰を深めてきた場所です。
当時は「噛んで丸めた紙を仁王像に投げて体にくっついたら願いが叶う」といった驚きの迷信もあったのだとか。
宝蔵門を潜り抜けると目の前には本堂、左手には五重塔が現れます。本堂の手前にはお水舎(みずや)があるので、まずはここでお清めをしましょう。龍の口から水を一杯受けて手や口を、次に常香炉で焚かれた煙で心身を清めたら、いよいよ本堂へ。
本堂でお参り
本堂での作法は、賽銭箱にお賽銭を入れて合掌して一礼し、最後に軽く一礼。神社ではないので柏手は行いません。ここでのご利益は、あらゆる願いが叶う「所願成就(しょがんじょうじゅ)」とされています。
本堂内には雷門の大提灯よりも大きい、高さ約4.5メートルの大提灯が飾られています。
天井を見上げてみると『龍之図』(日本画家・川端龍子)や『天人之図』(日本画家・堂本印象)などの大きな絵が。見応え抜群なのでぜひ注目してみてください。
本堂でお参りが終わったら、西側のすぐそばにある五重塔へ向かいましょう。5つの屋根が特徴的で、浅草寺内でもひときわ目立つ建物です。実は五重塔は942年の創建時は屋根が3つの三重塔でした。その後、火災で三重塔が消失してしまいましたが、1648年に徳川家光によって再建された際に五重塔に。
ここには、永代供養を申し込んだ人やその家族だけが特定の日に建物内へ入ることができます。観光客は立ち入ることができません。外から眺めて精巧な造りの外観やその大きさを堪能するだけに留めましょう。
五重塔の向かいには、授物所があります。大提灯のデザインがほどこされた「雷門合格守」(1,000円)は入試や試験合格のお守りに最適。ほかにも「心願成就守」(1,000円)や「良縁守」(1,000円)など豊富な種類がそろっています。
お堂のご利益で運気アップ!
本堂の北西側にあるのは、東京都指定文化財にも認定されている「六角堂」。期日を定めて祈願すると、その願いが叶うといわれているお堂です。期日を明確にしたうえで、お参りをしましょう。
ほかにも、商売繁盛・金運アップのご利益がある「銭塚地蔵堂」や、縁結びが期待できる「久米平内堂」、旅行安全や無病息災などのご利益がある「駒形堂」など、浅草寺の境内には小さなお堂が点在しています。願い事に合わせた場所を本堂とともに訪れてみるのもいいですね。
浅草寺
- 住所
- 東京都台東区浅草2-3-1
- 参拝時間
- 4月~9月6:00~17:00、10月~3月6:30~17:00
- 定休日
- なし
- 料金
- 入場無料
- アクセス
- 東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレス「浅草」駅から徒歩約5分
- 公式サイト
- 浅草寺
仲見世通りで浅草グルメを堪能!
参拝が終わったら仲見世通りへ戻り、浅草グルメを満喫しましょう!お店は約90軒もあるので目移りしてしまいますが、中でも押さえておきたい浅草の定番や最新のスイーツなどをご紹介します。
浅草の定番スイーツ・人形焼を食べるならここ!「木村家本店」
仲見世通りで宝蔵門から最も近い場所に建つ「木村家本店」では、小麦粉と卵で作った生地にこしあんを詰めた、できたての人形焼をいただくことができます。
1868年の創業以来、150年以上の歴史を誇る老舗です。かつての浅草寺は遠くから徒歩で訪れる人が多かったため、歩き疲れた人が一息つけるようにあんこ入りの人形焼を売り出したのが始まりだそう。
初代が生み出したこのレシピを今もなお変わらず引き継いでいるので、150年前と同じ味を楽しむことができます。また、五重の塔、雷様、提灯、鳩など人形焼の型もさまざま。中には初代から現在まで使用し続けているものもあるのだとか。あん入りとあんなしがあり、8個入り600円から購入可能です。ぜひ焼きたてを味わってみてください。
店頭に並ぶ「カシューナッツせんべい」(600円)、「玉子せんべい」(500円)などはお土産にもぴったりです。
木村家本店
- 住所
- 東京都台東区浅草2-3-1
- 営業時間
- 9:30〜18:00
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレス「浅草」駅から徒歩約5分
- 公式サイト
- 木村家本店
13種類のカラフルあげまんじゅう「浅草九重」
木村家本店の隣にある「浅草九重」では、揚げたてのあげまんじゅうが提供されています。サクッとした衣ともちもちの生地はぜひ一度は試してもらいたい逸品です。
フレーバーは全部で13種類あり、かぼちゃやカスタードクリーム、さくら、もんじゃ、カレーなど幅広く用意されています。1つから購入可能です。
迷ったときはこしあんがたっぷり詰まった「スタンダード」(200円)と抹茶と白あんがマッチした「抹茶」(230円)がおすすめ。お土産用に色々な味が入った10個入り(2,240円)なども販売されているので、持ち帰って自宅で色々と食べ比べするのも良いですね。
浅草九重
- 住所
- 東京都台東区浅草2-3-1
- 営業時間
- 10:00〜19:00頃
- 定休日
- なし
- アクセス
- 東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレス「浅草」駅から徒歩約5分
- 公式サイト
- 浅草九重
アイスとサクサク最中の組み合わせが堪らない「浅草ちょうちんもなか」
「浅草九重」から徒歩約1分、「浅草ちょうちんもなか」では雷門の赤提灯に見立てた最中にアイスが入った「アイスもなか」(各500円)がいただけます。
国産の餅米が使われたサクサク食感の最中と、なめらかなアイスが絶妙にマッチ。アイスはバニラ、抹茶、あずき、きなこ、黒胡麻、紅芋の6種類に加え、季節限定のフレーバーが2種類用意されています。
1番の売れ筋は抹茶味。健康志向の人やベジタリアンの人には黒胡麻も人気だそう。「ちょうちんもなか」と刻印された最中にカラフルなアイスが挟まった、見た目もかわいいスイーツです。
浅草ちょうちんもなか
- 住所
- 東京都台東区浅草2-3-1
- 営業時間
- 10:00〜17:30(売り切れ次第終了)
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線・東武スカイツリーライン「浅草」駅から徒歩約3分、つくばエクスプレス「浅草」駅から徒歩約5分
- 公式サイト
- 浅草ちょうちんもなか
台湾夜市で人気の揚げたて、本格台湾唐揚げ「浅草安心や」
「浅草ちょうちんもなか」から歩いて約1分、仲見世通りに交差する伝法院通りには「浅草安心や」があります。手のひらサイズの大きさが特徴的な、揚げたての台湾流唐揚げがいただけるお店です。
店頭では本格五香粉を使用した「ザーヂーパイ 」(700円)と、山椒入りの「マーラーザーヂーパイ 」(700円)の2種類が購入可能。どちらも厚みがあり、食べ応え抜群です。完売次第閉店するので、気になる人は早めに買いに行きましょう。
浅草安心や
- 住所
- 東京都台東区浅草1-37-11
- 営業時間
- 11:00〜完売次第終了
- 定休日
- なし
- アクセス
- 東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線・東武スカイツリーライン「浅草」駅から徒歩約4分、つくばエクスプレス「浅草」駅から徒歩約5分
- 公式サイト
- 浅草安心や
「菊水堂」の恋みくじ付きいちごカステラ串
写真映えするスイーツが欲しいときは、創業90年以上の老舗「菊水堂」へ。「浅草安心や」から再び仲見世通りに戻り、徒歩約2分です。ここでのイチオシは見た目もかわいい「いちごカステラ」(500円)。甘いいちごと、ハート形のベビーカステラ、そして恋みくじが一串になっています。
「菊水堂」ではほかにも熊の最中がかわいい「くまちゃんもなか串」(600円)や、人形焼の代わりに大福が入っている「いちご大福串」(500円)なども販売。どのメニューも恋みくじ付きなので、恋愛運が気になる人はぜひ立ち寄ってみてください。
菊水堂
- 住所
- 東京都台東区浅草1-30-1
- 営業時間
- 9:00〜17:30
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線・東武スカイツリーライン「浅草」駅から徒歩約2分、つくばエクスプレス「浅草」駅から徒歩約6分
まだまだある!浅草寺周辺のおすすめグルメ
仲見世通り、伝法院通り以外にも浅草寺周辺には多くのグルメスポットが密集しています。中でもぜひ試してもらいたい浅草グルメやレトロカフェを厳選して紹介します。
カラフルないちご団子がSNSでも人気「浅草そらつき 本店」
仲見世通りから一本横道に入った場所にあるのは「浅草そらつき 本店」。雷門から歩いて40秒ほどです。中でも人気なのは、マンゴーあん・いちごあん・抹茶あん・こしあんの4色のお団子が串になった「いちご四色団子」 (350円)。4種の甘いあんの上に甘酸っぱいいちごが乗ることで味にメリハリが出て最後まで飽きがこない1本です。
そのほか、 抹茶あんの乗った「抹茶といちごの団子」 (350円)や、いちごあんにいちごがトッピングされた「いちご尽くしの団子」 (350円)など、7種類の団子があります。カラフルなあんや新鮮なフルーツが、おいしそうでとってもキュート。小ぶりのお団子なので、いくつか試してみても楽しめるのではないでしょうか。
浅草そらつき 本店
- 住所
- 東京都台東区浅草1-19-4
- 営業時間
- 10:00〜17:00
- 定休日
- なし
- アクセス
- 東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線・東武スカイツリーライン「浅草」駅から徒歩約2分、つくばエクスプレス「浅草」駅から徒歩約6分
色鮮やかな、新しい抹茶ドリンク「寿清庵 茶室 浅草店」
宝蔵門から仲見世通りをそれて徒歩約5分、伝法院通りから一本南の路地に建つ「寿清庵 茶室 浅草店」。抹茶とシロップをミックスした、カラフルなドリンクを販売しているお店です。
抹茶に鮮やかなコバルトブルーが映える「アース抹茶ラテ」(800円)はハーブの一種であるバタフライピーとミルクをミックスした一杯。抹茶に紫芋やコラーゲンをミックスした「アメジスト抹茶ラテ」(800円)や、ターメリックなどのスパイスが効いた「ゴールド抹茶ラテ」(800円)などもあります。
抹茶ドリンクのシロップはすべて自家製。どれも色合いが鮮やかですが、合成着色料を使用していないので、見た目だけでなく体のことも考えられたドリンクです。
そのほか、店頭には「チョコクランチクリームとティラミスパイ」(750円)や「寿清庵の抹茶ティラミスパイ」(750円)など、抹茶を使ったパイもあるのでドリンクと合わせて堪能してみてください。
寿清庵 茶室 浅草店
- 住所
- 東京都台東区浅草1-40-5
- 営業時間
- 12:00〜18:00
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線・東武スカイツリーライン「浅草」駅から徒歩約6分、つくばエクスプレス「浅草」駅から徒歩約3分
レトロ感ただよう創業50年の本格純喫茶「純喫茶マウンテン」
雷門に面する大きなストリート、雷門通りを西へ4分ほど歩いたところには「純喫茶マウンテン」があります。創業50年のノスタルジックな雰囲気がただよう純喫茶です。ここで頼んでもらいたいのは「クリームソーダ 」(各900)。あんず、ベリー、メロンの3種類があり、ポップな色合いは写真映えすること間違いなしです!
そのほか、ホットケーキセット やパフェなどのスイーツから、カレーや昔ながらの焼きめし などの食事メニューも充実。レトロな木造の建物に、ステンドガラスの絵やランプが印象的なお店で、店内に流れるクラシックを聴きながらゆったりと時間を過ごすのがおすすめです。
純喫茶マウンテン
- 住所
- 東京都台東区浅草1-8-2
- 営業時間
- 月~金 11:30~20:30、土・日・祝 11:30~21:30
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線・東武スカイツリーライン「浅草」駅から徒歩約5分、つくばエクスプレス「浅草」駅から徒歩約4分
古き良き歴史を持つ浅草寺や雷門には、世界各国から多くの人が立ち寄り、参拝をしたりグルメを堪能したりしています。近隣にはたくさんの宿泊施設があるので、宿泊して新旧が混ぜ合わさった浅草をゆっくり満喫してみてはいかがでしょうか。
取材・文/Fujico 撮影/三原 久明
関連記事