明治・大正時代から映画館や寄席、劇場が立ち並び、東京随一の繁華街として隆盛を誇った「浅草公園六区」。和の伝統文化に触れながら、浅草を体感できるホテルが「浅草ビューホテル アネックス 六区」です。浅草の地で38年に渡り愛されている「浅草ビューホテル」の別館として2023年3月に開業しました。
観光拠点として国内外の宿泊者に利用されていますが、宿泊者なら誰でも利用でき、浅草名物の銘菓や飲み物を無料で提供するプレミアムラウンジも人気の秘訣。今回は、初めてのラウンジデビューにもおすすめしたい「浅草ビューホテル アネックス 六区」の魅力をご紹介します。
滞在中に浅草を体感できる「浅草ビューホテル アネックス 六区」
「浅草ビューホテル アネックス 六区」は、つくばエクスプレス浅草駅から徒歩約2分の場所に位置しています。羽田空港や成田空港から本館発着のリムジンバスも運行(成田空港:現在運休中)。浅草の定番観光スポットの「浅草花やしき」や「浅草寺」も徒歩圏内です。
エントランスは和洋をかけあわせたデザインで、吉野檜を使用した木組みを用いています。
ホテルのコンセプトは、「文化発信・文化体験の拠点」。日本の伝統文化である歌舞伎や和の要素を随所に取り入れ、滞在中に伝統文化に触れられます。
宿泊者なら誰でも利用できる「プレミアムラウンジ」
宿泊者にとってうれしいのが、ホテル10階にある「Premium Lounge FURUMAI-ふるまい-」の存在。15:00〜22:00の間、宿泊者限定で、無料で利用できます。
どことなく懐かしさを感じさせるラウンジは、昭和の映画館がコンセプト。キネマ文字のオリジナルアートが飾られ、赤絨毯が敷いてあります。実はこの地は、映画館の跡地。当時にタイムスリップしたような気持ちで、ラウンジ時間を楽しめます。
ラウンジの北と東側に窓が並んでいるため、自然光がたっぷりと入って開放的。東側の窓からは、東京スカイツリー🄬や浅草寺の五重塔も楽しめます。
窓際の席で、のんびりと景色を眺めながら本を読んだり、PC作業をしたりする人もいるそうで、各々好きな時間を過ごせます。
明治時代に日本で最も高かった「浅草凌雲閣(りょううんかく)」の模型もありました。ロビーには当時の街のジオラマが飾られているので、改めてその高さをチェックしてみてくださいね。
浅草銘菓とフリードリンクを楽しむ
ラウンジで提供しているお茶菓子は、浅草銘菓を用意しており、ホテル周辺のお店を中心に約15種類の和菓子が並びます。和菓子の横には、お店の紹介や地図が描かれたポップが並び、浅草土産選びの参考にもなります。
昔から浅草で親しまれている舟和の「あんこ玉」や「芋ようかん」、常盤堂本店の「雷おこし」、芋きんどらやきなどもあり、ここだけで浅草散策が完了しそうな贅沢なラインナップ。
あんこ玉は、舟和の創業当時から販売されている商品で、甘さ控えめのこしあんを寒天で包んだ和菓子です。他にも酢漬けイカや酢昆布など、昔懐かしい駄菓子もあり、縁日のような楽しさも感じます。(※仕入れ状況により商品が変更になる場合あり)
コーヒーや紅茶、ジュースなどのソフトドリンクも無料で提供。オレンジ、キウィ、マンゴー、グァバなどのフレッシュジュースの他、ラムネもありました。
珈琲は自家焙煎で、ラウンジの営業開始前に挽き始め、挽いたばかりの香り高い珈琲を味わえます。
ラウンジの管理人にインタビュー:懐かしさと心地良さを提供したい
プレミアムラウンジの魅力について、レストラン課 マネージャー 篠﨑さんにお話を伺いました。
「館内全体を通して、浅草の歴史や歌舞伎のエッセンスを感じるところが多いと思いますが、『Premium Lounge FURUMAI-ふるまい-』では、懐かしさや温かさを感じて欲しいですね。ホテルのラウンジと言うと敷居が高く感じますが、ここは宿泊者なら誰でも利用できるので、気軽にリフレッシュしに来てください。」(篠﨑さん)
チェックイン後に訪れて一息、その後観光や夕食などを楽しんで、お部屋に戻る前に再度立ち寄っておやすみになる方が多いのだそう。夕暮れの頃には照明もトーンダウンし、東京スカイツリー🄬もライトアップを始めるので、日中とはまた違った光景を眺められます。
歌舞伎デザインの「コンセプトルーム」
客室は全199室。スタンダード、モデレート、デラックス、ユニバーサル、コンセプトとタイプが分かれていますが、今回ご紹介するのは、浅草、江戸、歌舞伎にちなんだデザインを施したコンセプトルーム。広さは約42㎡で、定員は1〜2名です。
こちらは歌舞伎の部屋で、歌舞伎の演目である、連獅子(れんじし)、勧進帳(かんじんちょう)、助六、暫(しばらく)などの4つの役者絵が襖と壁面に描かれています。
浅草の部屋は、江戸~大正昭和~現在にかけての浅草の街並みを、江戸の部屋は江戸時代の人気絵師 歌川国芳(うたがわ くによし)の「猫の当て字」が描かれており、部屋でも伝統文化にどっぷりと浸る体験ができます。
襖を開けると、窓やインテリアが現れました。ユニークなデザインで、ここには何が隠れているんだろう?と心躍ります。窓を開けると、部屋全体の印象がガラリと変化。高くそびえ立つ東京スカイツリー🄬が目の前に現れます。
テレビや冷蔵庫なども襖を開けると登場。アートを楽しみたいときと娯楽を楽しみたいときで使い分けができますね。
パジャマは上下セパレートで着心地抜群。お部屋のなかでゆっくり寛ぐことができますね。
歌舞伎がコンセプトの客室は、ダブルシンクなので、忙しい朝もスムーズに準備に取り組めます。
バスルームは、バスタブとシャワーが分かれています。バスタブには肩湯が付き、テレビも完備。ミキモトコスメティックスのバスアメニティで身体を洗ったあとは、バスタブに浸かり、優雅なバスタイムを満喫しましょう。
「ブロードウェイ六区」で浅草を感じる朝食を
ぐっすりと寝た翌朝は、1階「ブロードウェイ六区」で朝食をいただきます。
メイン料理は和洋7品の中から好きなものを選び、サイドメニューには50品目のブッフェが並びます。その中でもおすすめの3品をご紹介します。
まずは、たっぷりのあさりと出汁で炊き上げた深川めしがメインの「深川めしの和食膳」。味噌汁には、浅草の老舗味噌専門の万久味噌を使っています。他の6品もシェフのこだわりが随所に詰まっています。
続いては、「浅草バーガープレート」。バンズは、浅草ビューホテル「穂乃華」で人気の塩パンの生地に、浅草のり・浅草万久味噌を練り込み焼き上げた和風な味わいです。浅草ベーコンやゴーダチーズ、浅草河村屋の福神漬けが入ったタルタルソースをサンドしています。
「おいものフレンチトースト」は、さつまいもやりんご、キャラメル風味がぎっしりと詰まった「穂乃華」のパンを使用。ソースに浅草老舗のくみ上げ豆腐を使用しているため、さっぱりと食べられます。
「ブロードウェイ六区」では、朝食の他にディナーとイベントも楽しめます。
銀座の本家歌舞伎座で使用していた檜舞台を設置しており、週末の夜にはお座敷でしか見ることができない「浅草芸者の踊り」や、「無声映画と活弁士の掛け合い」、「和太鼓の演奏」など、和の伝統文化に触れる体験ができます。今後も演目を増やす予定で、年間285日の開催を目指しています。
一般の方は入場料が必要ですが、宿泊者は入場無料です。※1ドリンク(有料)の注文が必要。
浅草の歴史と伝統が息づく館内
客室、ラウンジ、ダイニングと浅草のエッセンスをたっぷりと感じてきましたが、ロビー階でも伝統文化や浅草の地の歴史を感じることができます。当時の浅草六区興業街のジオラマが飾ってあり、今とはまた違った浅草を知るきっかけになるでしょう。
鮮やかな和凧と歌舞伎の幕の色を用いたカーペット。歌舞伎の演目『春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』で使われていた彩色蝶々や、『勧進帳』弁慶の中啓(扇の一種)も飾られていました。
季節毎にライトアップによってホテルの外観が変化します。歌舞伎カラーや紅白にライトアップされ、華やかな雰囲気に。
松竹大船撮影所に遺されていた「ミッチェル撮影機」の展示もありました。
チェックアウト後もクロークロッカーに預けて浅草観光へ
2階にはクロークロッカーがあり、チェクイン前/チェックアウト後に荷物を預かってもらえます。チェックアウト後も手ぶらで観光できるのがうれしいですよね。
「浅草花やしき」はホテルの目の前、五重塔や雷門がある「浅草寺」までも徒歩約4分の距離です。ラウンジで味わった浅草銘菓や、浅草ビューホテル「穂乃華」のパンをお土産に買いに行くのも良いですね。
「浅草ビューホテル アネックス 六区」のプレミアムラウンジは、宿泊者全員が利用できるので、ホテルのラウンジデビューにぴったり。東京スカイツリー🄬を眺めながら、浅草銘菓とドリンクを味わう。非日常を感じる空間に身を置き、ホテルステイを楽しんでみてはいかがでしょうか。
浅草ビューホテル アネックス 六区
- 住所
- 東京都台東区浅草2-9-10
- アクセス
- 【電車】つくばエクスプレス「浅草駅」より徒歩約2分
- 駐車場
- 浅草ビューホテル本館の駐車場有り(2,000円/22時間)
- チェックイン
- 15:00〜24:00 ※プランによって変更あり
- チェックアウト
- 11:00 ※プランによって変更あり
取材・撮影・文/加藤あやな