四季折々の美しい花や絶景が見られる茨城県は、都内からも行きやすく気軽に非日常の時間を楽しめるとっておきの旅先。2024年は、人気観光スポット「国営ひたち海浜公園」のコキアが、約3万本から4万本へとスケールアップ!さらに壮大な花絶景を楽しめるようになりました。
今回はそんな茨城で、さまざまな絶景に出会い、おいしいグルメに癒やされ、おしゃれな花でものづくりを体験。この秋行きたい、おすすめの観光モデルコースをご紹介します。
目次
1.「サザコーヒー本店」で花と緑に囲まれティータイム
東京駅からアクセスする場合は常磐線特急ひたちで約1時間20分ほど。茨城県ひたちなか市の玄関口「勝田」駅から徒歩約10分に、最初のスポット「サザコーヒー本店」があります。
ここは、1969年に開業した老舗コーヒーショップ。良い豆を使い、丁寧に入れるコーヒーのおいしさが評判となり、今では茨城県を中心に17店舗を展開するまでになりました。
そんなサザコーヒーの本店では、コーヒーを飲む「くつろぎの時間」を大切にしつつ、「あっ!」と驚くディープな楽しみ方ができるのです。
入ってすぐの場所は、種類豊富なコーヒー豆やコーヒーカップなどが並ぶショップスペース。その奥がカフェスペースになっています。
大きな棚には、彩り豊かなコーヒーカップがずらり。カウンターの真ん中には、アンティークな水出しコーヒーの抽出器具も。聞けば、水出しアイスコーヒーは、ここでじっくり8時間かけて抽出されるのだとか。
カフェスペースには、緑あふれるテラス席が。時おり鳥のさえずりも聞こえる、癒やしのスポットです。
そしてカフェスペースの奥には、ところ狭しとアフリカの木彫りの仮面が並び、まるで民族ミュージアムのよう!ここに並ぶ仮面は、サザコーヒーの会長が豆を買付に行く際に購入し、集めたもの。コーヒー王国アフリカを違う視点で楽しむことができます。
さらに、驚いたのがここ。パナマ・クナ族の女性が手縫いで仕上げた「モラ(織物)」を、埋め尽くすようにディスプレイしたカフェスペースです。これだけたくさんの「モラ」が見られるのは、「サザコーヒー本店」ならでは。
サザの名物コーヒーといえば、「将軍珈琲」。これは、末の将軍・徳川慶喜公が維新後に愛したコーヒーの味を再現したもの。その将軍珈琲豆にたっぷりミルクを入れた「将軍カフェラテ」(1,000円)は、女性に人気の1杯です。コーヒーのネーミングもさることながら、35万石を誇る水戸・徳川家の豪華絢爛さを現した、金色の器もインパクト大!
そして、定番スイーツのおすすめは、さまざまな色の生地が層になった、虹色の「ミルクレープ」(800円)。カラフルな断面を前に、ときめきを感じずにはいられません。秋は、地元の栗をふんだんに使った「笠間モンブラン」(750円)もおすすめです。
テラスで緑を眺めながら、まったり、ゆっくり、コーヒタイム。
茶器のように一回り大きな器を持ち上げ、ひと口ゴクリ。飲んでみると、ふわふわ泡のなめらかな口当たりにうっとりです。ミルキーながらも、しっかりほろ苦さを感じられるリッチな味わい!
サザコーヒー本店
- 住所
- 茨城県ひたちなか市共栄町8-18
- 営業時間
- 10:00~20:00(L.O.19:00)年中無休
- 電話番号
- 029-270-1151
- アクセス
- 【電車】JR常磐線「勝田」駅より徒歩約10分
【車】東水戸道路「ひたちなか」ICから約15分 - 駐車場
- あり
車で約5分
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2.「Lisの花工房」でハーバリウム作り体験
続いて向かったのは、「サザコーヒー本店」から車で約5分の「Lis(リス)の花工房」です。まるで絵本に出てくるようなかわいらしい外観で、扉を開ける前からドキドキ……。
こちらのお店は、ひたちなか市で15年以上も続く、花雑貨のアトリエ。お花のキャンドルやハーバリウム、プリザーブドフラワーなどの体験を予約制で楽しめます。
今回チャレンジしたのは、瓶の中に、はかなく美しい花の世界を閉じ込める「ハーバリウム」体験。時間は1時間ほど。1人3,800円から自分だけの「ハーバリウム」を作れます。
説明を受けたら、瓶に入れるドライフラワー選び。「この色、どうかな?」「ここに、この花を入れたいけど、どう思う?」そんな風に友だちと相談しながら、ワイワイ楽しく組み合わせを考えられます。
今回の完成イメージは、赤く色づく紅葉したコキア。ほわほわかわいいコキアに似たハニーテールを手に取り「どうまとめようかな……」と悩んでいると、「リボンで結んでもかわいいですよ」と先生が一言。アドバイス通り、ハニーテールの茎をリボンで結べば、ぐっとガーリーな雰囲気に!
ピンセットをうまく使って、材料を瓶に入れ終わったら、完成まであと少し。次は瓶の中にオイルを注いでいきます。オイルを注ぐと、ドライフラワーがまるで息を吹き返したように、みずみずしく鮮やかな色に変化していきます。オイルの中の花たちが、ふわふわ、ゆらゆら。まるで水中花のよう。
ふたをして、ラッピング用の紐にアロマオイルで香り付けをしたら、ついに完成です。秋の訪れを感じさせてくれるようなハーバリウムになって大満足!幻想的で、かわいらしくて、ただぼんやり眺めているだけでも心が癒やされます。
ハーバリウムは、日当たりの良い場所に置かなければ、数年は色褪せることがないのだとか。お部屋に置いておくと、癒やしの存在になってくれそうです。
Lisの花工房
- 住所
- 茨城県ひたちなか市勝田本町32-22
- 体験予約
- 電話番号:029-212-3607
- アクセス
- 【電車】JR常磐線「勝田」駅より徒歩約11分
【車】東水戸道路「ひたちなか」ICから約15分 - 駐車場
- あり
車で約20分
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3.「国営ひたち海浜公園」で秋の花畑を散策
体験後は、車で20分ほどの「国営ひたち海浜公園」へ。やってきたのは、約350ヘクタール(東京ドーム約75個分 ※開園面積215ヘクタール)の広大な土地に、四季折々の花が咲き誇る、茨城一の花絶景スポット。
2024年からは、みはらしの丘の第一頂上入り口に秋の花々で彩られた「ウェルカムガーデン」も新登場です!
腹が減っては、花を愛でられぬ!……ということで、まずは公園内の「ガーデンレストラン」で秋グルメを満喫します。
「コキアカレー」(900円)は、真っ赤なコキアをイメージして作られた秋限定のメニュー。こんもり丘のように盛り付けられたご飯の上に、赤茶色のカレーがたっぷりかかっています。
口に運ぶと、辛味はあまりなく、さらっと奥行きのある味わい。一緒に添えられた畑のキャビアこと「とんぶり」をのせれば、プチプチとした食感が程よいアクセントになります。目でも舌でも楽しめる上に、おいしい!これが、期間限定だなんて……。むしろ定番にしてほしいぐらいです。
お腹が満たされたら、いよいよ花絶景を楽しむ番。ちょうど取材に訪れた日は、敷地内にある「大草原フラワーガーデン」で、約22万本のキバナコスモス(8月~10月上旬)が満開に。そこにあるのは鮮やかな黄色の別世界。訪れた人を幸せな気分にさせる、ハッピーオーラ全開の場所です。
さらにこの日、背丈2~3mもあるパンパスグラス(8月~10月上旬)も見頃に。白い穂がふわふわと風に揺れる度、秋の気配を感じました。
コキアが咲く「みはらしの丘」は、ひたちなか市で最も標高が高い場所。くねくね蛇行した道を上りきると、丘の上から太平洋を一望できます。
この壮大なスケール感は、「みはらしの丘」だからこそ!年々、コキアの植栽面積は増え、2024年には約2.3ヘクタールに。今年はもふもふのコキアが増え、見ごたえたっぷりです。
取材した日、まだコキアは紅葉始め。これから徐々に緑から赤へ。そして黄金色へと魔法のように変化していきます。
赤いもふもふもいいけれど、マダラ色のパッチワークのようなコキアと空の青のコントラストもきれい!まるで絵本の中に迷い込んだような異世界感が漂います。
ちなみに、コキアは別名「ほうき草」とも呼ばれているのを知っていますか?風が吹くと、ふわふわとした葉が揺れる姿もかわいらしくて癒やされますよ。
秋が深まる10月中旬になると、コキアはもふもふ真っ赤っ赤に!さらに10月末~11月初旬にかけて、コキアは黄金色に輝きます。
たくさん歩いたあとはスイーツでひと休み。この時期は公園内の売店で提供している、コキアをイメージした「まるころコキアソフト」(各500円)がおすすめです。トッピングのまんまる「おいり」は、口に入れるとふわっと溶けてなくなる魔法の口どけ。甘酸っぱいいちご味のソフトクリームとの相性抜群です。
そして、色鮮やかな「コキアマカロン」(1,150円)は、お土産にもおすすめ。見た目だけでなく、素材にこだわり、国産大麦を使用。サクサク軽い生地に、優しい甘さのクリームをサンドした、オンリーワンなスイーツです。
国営ひたち海浜公園
- 住所
- 茨城県ひたちなか市馬渡字大沼605-4
- 料金
- 大人(高校生以上)450円、シルバー(65歳以上)210円、中学生以下無料
- 営業時間
- 9月2日〜10月31日:9:30〜17:00(火曜休園)
※2024年、10/12(土)・13(日)・14(月祝)は8:30より営業開始
11月1日〜2月末日:9:30〜16:30(火曜休園) - アクセス
- 【電車】JR常磐線「勝田」駅よりバス「海浜公園西口」「海浜公園南口」下車、ひたちなか海浜鉄道湊線「阿字ヶ浦」駅より公園南口まで徒歩約20分
【車】常陸那珂有料道路「ひたち海浜公園」ICすぐ、常磐自動車道「日立南太田」ICより約15km - 駐車場
- あり(有料)※駐車場は開園30分前に開場
- 公式・関連サイト
- 国営ひたち海浜公園
車で約30分
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4.茨城のウユニ塩湖「大洗サンビーチ」へ
花絶景を満喫したら、茨城で話題の、もう一つの絶景スポットへ。それが「国営ひたち海浜公園」から車で約20分の「大洗サンビーチ」です。ここは、約1.3kmのロングビーチが続く海水浴場。水質や安全性に優れていることから、環境省が定めた「快水浴場百選」にも選ばれています。
ビーチに着いたのは、夕方16時ごろ。ちょうどこの日、サラサラとした砂浜に美しい砂紋を拝むことができました。自然が生み出すアートを眺めながら、ゆっくり、静かに流れる時間を味わいます。
海水浴シーズンが終わった、人の少ない秋だからこそ楽しみたいのが、ウユニ塩湖で見られるようなリフレクション。「大洗サンビーチ」は、日本有数の遠浅のビーチ。タイミングさえあえば、誰でも簡単に天空の鏡のような写真を撮れるんです!
ベストタイミングは、遠浅になる時間帯。大潮の日の満潮から3~4時間後を狙って、トライしてみて。それから、風がなく、水面が波立たない日を選ぶことも重要です。
リフレクションの舞台となるのは、潮だまり。大きければ大きいほど、フォトジェニックな写真が撮れます。
この日、少し風はあったものの、ちょうど太陽が沈む瞬間に遭遇できて、リフレクションも良い感じ!オレンジ色に染まる夕焼けの効果もプラスされ、より特別感が引き立つ1枚になりました。
大洗サンビーチ
- 住所
- 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町
- アクセス
- 【電車】鹿島臨海鉄道大洗鹿島線「大洗」駅より循環バス「海遊号」乗車、「サンビーチ海岸」停下車
【車】東水戸道路「水戸大洗」ICから約15分 - 駐車場
- あり ※土日祝・ゴールデンウイーク・海水浴場開設期間以外は無料
- 公式・関連サイト
- 大洗サンビーチ海水浴場
車で約10分
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5.「POTATO LABO」で味わうさつまいも尽くしのスイーツ
リフレクションを楽しんだ余韻そのままに、10分ほどドライブして「POTATO LABO」へ向かいます。実はひたちなか市は、干し芋が名物。ここはお芋好きなら、ぜひ訪れたい、さつまいものスイーツ天国です。
店内に入ると、干し芋、芋チップ、芋けんぴ、焼き芋マドレーヌ、焼き芋フィナンシェ……などなど、甘い誘惑がたくさん。
聞けば、お店では、茨城県八千代町産の紅はるかのみ使っているそう。お芋のしっとり、ねっとり、甘いおいしさをぜいたくに味わうなら、「べにはるか」1本をまるごと蒸して乾燥させた「干し芋・丸干し」(1,944円/400g)がおすすめです。
「POTATO LABO」はテイクアウト専門ですが、外のテラス席で飲食もOK。「生絞り芋モンブラン」(734円)、「焼き芋ブリュレ」(680円)、「干し芋の黒糖シェイク」(650円)など、注文を受けてから作る出来たてのメニューも味わえます。
中でも、ひと味違う幸福感を楽しめるのが「生絞り芋モンブラン」。時間が経つと食感が変わるため、なんと賞味期限はたったの5分というから驚きです!
食べる直前に絞られた、1mmのさつまいもクリームは、ふんわり天使の口どけ。口の中でほどけるおいしさを噛み締められます。
見て、食べて、撮って。秋の訪れを1日で大満喫できる茨城へ、ぜひ足を運んでみてください!
POTATO LABO
- 住所
- 茨城県ひたちなか市釈迦町21-1
- 営業時間
- 10:00〜18:00
- 電話
- 029-262-2282
- アクセス
- 【電車】ひたちなか海浜鉄道湊線「那珂湊(なかみなと)」駅より徒歩約2分
【車】東水戸道路「ひたちなか」ICから約10分 - 駐車場
- あり