八幡平、田沢湖周辺は自然の絶景の宝庫!
東北北部のほぼ真ん中に位置する八幡平(はちまんたい)や田沢湖周辺は、十和田八幡平国立公園にも指定されている自然豊かなエリアです。特に5月中旬~6月にかけては、みずみずしく生命感あふれる風景と出会える場所。特に秋田果と岩手県にまたがる、八幡平を横断する約27kmのアスピーテラインというドライブウェイを使えば、 気軽に山深い場所へ行くことも可能です。標高差も1,000m以上あるので山の上では雪景色、平地では新緑と、季節を飛び越えた風景が楽しめます。
写真家
館野 二朗(たての じろう)さん
1975年、東京都出身。若い頃からバックパッカーの旅やフライフィッシングを通して自然と向き合い、手つかずの自然美にインスピレーションを受け、2000年頃から創作活動を開始。独創的な視点と撮影技術から生み出される想像を超えた現実風景は、見る人誰ものイマジネーションを刺激する。近年は、奄美大島をテーマに精力的に活動。今後も、旅をしながら地球上の美しい場所が仕事場となり、そこで生まれた作品をさまざまな形で発表していく。現在、雑誌、書籍、企業カレンダーなどで活躍中。
目次
おすすめの絶景スポット【1】八幡平ドラゴンアイ(鏡沼)
八幡平アスピーテラインの頂上から秋田県側にあるのが八幡平ドラゴンアイ。本来は鏡沼という小さな沼ですが、5月下旬から6月上旬の雪解けの時に見られる様子が竜の目のように見えることから、こう呼ばれています。
アスピーテラインと樹海ライン、2つの道路が交差する所にある八幡平山頂レストハウスから徒歩約15分。気軽に行けますが、残雪の上を歩きますので滑り止めなどの用意があった方がいいでしょう。
ドラゴンアイの撮影は、よく晴れた日がおすすめです。雪解けの水は青く写り、ブルーアイになるのでより神秘的に。見る角度を変えてみると、岩手県のシンボル・岩手山を背景に撮影することもできます。
八幡平ドラゴンアイ(鏡沼)
- 住所
- 秋田県仙北市田沢湖玉川
- アクセス
- 八幡平山頂
【車】東北自動車道「松尾八幡平」ICより約40分 - 詳細
- 八幡平ドラゴンアイ 観光情報
おすすめの絶景スポット【2】八幡沼の朝日
ドラゴンアイ(鏡沼)に訪れたなら、近くにある八幡沼もフォトジェニックな場所なので、ぜひ足を運んでください。ここは朝日が望めるので早朝がおすすめです。
沼を見下ろせる場所から手前のスプーンカットされた残雪をワイドレンズで狙うと、おもしろいでしょう。まるで違う惑星を撮影しているかのような錯覚をしてしまうほど。撮影時、ハーフNDフィルターを持っていると便利です。
日の出前の八幡沼は朝焼けを湖面に映し、神秘的な時が流れます。このポジションから右奥には、山頂部分だけですが岩手山も望むことが可能。ここも残雪の上を歩くことになるので、歩くときは滑り止めを用意するなど十分注意してください。
八幡沼
- 住所
- 岩手県八幡平市細野
- アクセス
- 八幡平山頂
【車】東北自動車道「松尾八幡平」ICより約40分
おすすめの絶景スポット【3】アスピーテラインから望む岩手山
八幡平アスピーテラインを岩手県側に下ると、南に岩手山を望める場所がいくつかあります。八幡平の頂上からほど近い源太岩(げんたいわ)展望台付近もそのうちの一つ。
春から夏にかけては、八幡平の新緑の木々と岩手山を合わせて撮影できます。さらに、運が良ければ雲海に浮かぶ岩手山も。早朝、岩手山と八幡平の間に流れ込んだ雲海は、いつもと違う朝を演出してくれるでしょう。
八幡平の山頂駐車場からは星空もきれいに見えます。よく晴れた日、暗くなると、岩手山の上空に天の川がかかっているのを肉眼でも見ることができるはず。
天の川や宇宙の広さを表現するには、明るい広角レンズで星をいっぱいに入れて撮影するといいでしょう。
ちなみに八幡平山頂から東へ少し行った所には、アスピーテラインから見下ろせる熊沼があります。ここは紅葉の時期もきれいですが、新緑のシーズンも淡いダケカンバの葉が湖面の青い色と美しいコントラストを見せてくれます。
おすすめの絶景スポット【4】安比高原のツツジ
アスピーテラインを岩手県側に下り、北へ少し行った場所にあるのが安比高原(あっぴこうげん) 。そのブナの森の中にぽっかりと草原地帯「中のまきば」が広がっており、6月上旬には一帯が赤く埋め尽くされるほどツツジが咲き誇ります。ツツジは開けた場所に点在しているので、自分なりの撮影ポイントを見つけてみましょう。
こちらは、ツツジを夕日の逆光で撮影。低い光が花びらを透過すると、花の色が鮮やかに浮き上がります。森へ日が沈むギリギリの時間帯が狙い目です。
安比高原
- 住所
- 岩手県八幡平市安比高原
- アクセス
- 【電車】JR「安比高原」駅より車で約10分
おすすめの絶景スポット【5】JR花輪線と岩手山
八幡平市の真ん中を走るJR花輪線は岩手県盛岡市と秋田県大館市を結び、場所によっては岩手山を絡めて撮影できます。特に5~6月におすすめなのは、平館駅と北森駅の間。ここは水田が広がっており、風のない時には列車も岩手山も水田に映るので、リフレクション写真が狙えるでしょう。
おすすめの絶景スポット【6】八幡平大沼のツツジ
アスピーテラインを西に向かい、秋田県に入った場所にある八幡平大沼。ここでは6月中旬~下旬、ツツジやコバイケイソウが咲き乱れます。冷えた朝には湖面から靄(もや)が発生することもあり、幻想的な雰囲気に。
ここも道路沿いにあり、周囲には木道が整備されているのでアクセスは簡単。また、沼の向かい側には八幡平ビジターセンターもあるので、ハイキングや自然観察を行うための最新情報も得られます。ただ近年はクマの目撃情報も多いので、クマ避け対策も忘れずに。
早朝の撮影では朝日が当たったツツジと靄(もや)が輝いて、より美しい時を見せてくれます。ツツジやコバイケイソウの花は、当たり年とそうでない年があり、毎年たくさんの花が付くとは限らないので、訪れる前に八幡平ビジターセンターなどに問い合わせるといいでしょう。
八幡平大沼
- 住所
- 秋田県鹿角市八幡平大沼
- アクセス
- 【車】東北自動車道「鹿角八幡平」ICより約40分
- 詳細
- 八幡平ビジターセンター
おすすめの絶景スポット【7】秋扇湖の水没林
秋田県の新玉川大橋付近では、雪解けの水がダム湖である秋扇湖(しゅうせんこ)を埋め尽くす5月~6月中旬、木々が水中に埋まった珍しい光景が広がります。水の色は、流れ込んでいる玉川温泉の成分の影響で鮮やかな瑠璃色に。
新緑の葉と瑠璃色の湖面が美しいコントラストを生むので、写真愛好家にも人気のスポットです。ここも期間限定の風景なので、ぜひ訪れてみてください。
秋扇湖
- 住所
- 秋田県仙北市田沢湖玉川
- アクセス
- 【電車】JR「田沢湖」駅から車で約20分
- 詳細
- 秋扇湖(鎧畑ダム湖) 観光情報
おすすめの絶景スポット【8】御座石神社
日本で最も深い湖として知られる田沢湖。その北岸に位置する御座石(ござのいし)神社は、湖の神・辰子姫を祀っており、湖に向かって鳥居が設けられています。
朱色の鳥居とコバルトブルーの湖面のコントラストが美しく、まさに写真映えするスポット。トップライトで撮ると、より青さを引き出せます。
鳥居をくぐるとすぐ湖で、覗き込むと透明度が高く、どこまでも深く底なしに思えるほど。落ちないように気をつけながら、湖岸のギリギリまでいき、ワイドレンズで画角の半分以上湖を入れて、深さと青さを表現しました。
御座石神社
- 住所
- 秋田県仙北市西木町桧木内相内潟1
- アクセス
- 【電車・バス】JR「田沢湖」駅よりバス「御座石」下車、徒歩すぐ
【車】東北自動車道「盛岡」ICより約50分 - 詳細
- 御座石神社 観光情報 | 仙北市
そのほかのおすすめスポット
ひなたエキス 田沢湖店
田沢湖入口交差点の近くにある、スムージーとポタージュのお店「ひなたエキス 田沢湖店」。地元産の採れたての果物や野菜を使っており、素材の旨味がギュッと詰まった濃厚な味わいは身体が喜びます。撮影の合間に立ち寄って栄養補給をしてみては?
ひなたエキス 田沢湖店
- 住所
- 秋田県仙北市田沢湖生保内字下高野61-33
- 営業時間
- 9:30~17:00
- 定休日
- 第2水曜日(12月中旬~3月末まで冬季休業あり)
- アクセス
- 【電車】JR「田沢湖」駅より車で約7分
- 詳細
- ひなたエキス
鶴の湯温泉
田沢湖の近くにある乳頭温泉郷の中でも「鶴の湯温泉」は歴史も古く、人気の温泉宿。茅葺き屋根の長屋「本陣」のほかに「鶴の湯別館 山の宿」があり、「本陣」は日帰り入浴も楽しめます。
鶴の湯別館 山の宿
- 住所
- 秋田県仙北市田沢湖田沢先達沢湯の岱1-1
- アクセス
- 【電車・バス】JR「田沢湖」駅よりバス「アルパこまくさ」下車後、送迎車で約10分(要予約)
松尾八幡平ビジターセンター
十和田八幡平国立公園の岩手側の利用拠点となる「松尾八幡平ビジターセンター」。ここでは、周辺の四季の映像や模型などが展示され、八幡平の自然を知ることができます。旬な情報もあるので、立ち寄ってから撮影に行くといいでしょう。
松尾八幡平ビジターセンター
- 住所
- 岩手県八幡平市柏台1-28
- アクセス
- 【車】東北自動車道「松尾八幡平」ICより約10分