箱根を代表する美術館のひとつである、ポーラ美術館。2002年の開館以来、ポーラ創業家2代目の鈴木常司氏が収集してきたコレクションを公開し、さまざまな企画展を開催してきました。
2022年に開館から20周年を迎えるにあたり、4月9日〜9月6日の期間、ポーラ美術館史上最大の大型展覧会を開催。従来のコレクションに加えて、近年新しく所蔵した作品を公開します。印象派から現代アートまで初公開の作品もあり、見どころの多い企画となっています。
「光」をテーマにした大型展示会
同展覧会は「光」をテーマに企画されているのが特徴です。クロード・モネなど光の表現を追求した印象派から、光への関心が見てとれる現代の作家たちまで、「光」にまつわる作品を多く展示しています。「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに設立されたポーラ美術館にとって、「光」は大切なテーマ。
建物の天井や壁の一部をガラス張りにすることで太陽光が差し込み、明るい空間が広がる設計が特徴的な造りとなっているポーラ美術館。館内では広い窓から差し込む光を、森の遊歩道では木々の隙間から差し込む光を感じながら、アートを楽しめるのも醍醐味のひとつです。
展覧会の会場は、5つの展示室からアトリウムギャラリー、ロビー、森の遊歩道まで敷地全体に広がります。鈴木常司氏が収集した従来のコレクションと、新しく収蔵したコレクションを余すことなく楽しめるのがポイント。ポーラ美術館史上、最大規模の展覧会です。
新収蔵のコレクションには、従来のコレクションにない近現代の日本や欧米の絵画が含まれています。ほとんどが初公開なので、ポーラ美術館ファンは必見です。
新旧コレクションを楽しむ第1部と新収蔵作品を堪能する第2部
同展覧会は、ポーラ美術館の新旧コレクションを楽しめる第1部と、新しく収蔵された作品を紹介する第2部で構成されています。
第1部では、鈴木常司氏が収集した19〜20世紀の近代絵画と、それをさらに拡充する新収蔵作品も展示。時代やテーマ、流派、作家ごとに組み合わせて紹介しています。例えば、鈴木常司氏が収集したコレクションの中心である印象派絵画は、「女性像」や「水辺の風景」「静物」などのテーマ別に展示。日本の近代洋画は、時代や流派ごと、作家ごとに展示されています。
なかでも、新しく収蔵された「ベランダにて」(フランスの印象派の画家ベルト・モリゾ)は見逃せない作品のひとつです。
第2部は、新しいコレクションの特徴を分かりやすくした展示が特徴です。近代から現代にかけて活躍する作家たちの作品が紹介されています。ここでは、戦後日本の抽象絵画や、材質感を意味する「マティエール」を探究した作家たちの作品を鑑賞することができます。現在も活動する作家たちの作品も含まれているので、ポーラ美術館の新しい姿を楽しむことができるでしょう。
ポーラ美術館最大規模の展覧会で、日常から離れて「光」を感じる時間を過ごすのはいかがでしょうか。
ポーラ美術館
- 住所
- 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
- 料金
- 大人:1,800円
シニア割引(65歳以上):1,600円 ※他割引と併用不可
大学・高校生:1,300円
中学生以下:無料
障害者手帳をお持ちのご本人及び付添者(1名まで):1,000円 ※他割引と併用不可 - 営業時間
- 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
- アクセス
- 【車】御殿場ICより約25分
【電車】箱根登山鉄道・強羅駅より車で約10分/バスで約13分 - 詳細
- 「ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に」公式サイト