日本の動物園の中で最も古い歴史を持つ「上野動物園」。1年中来園客が絶えず、都内のおでかけスポットとして、常に上位の人気を誇ります。また、2021年6月には、シャオシャオとレイレイという双子のパンダが誕生。そのほかにも、ゾウやキリン、カワウソなどの約300種・約3,000点の生き物に出会える場所です。
今回はそんな「上野動物園」の見どころを徹底解説。親子で楽しめるエリアや、ショップ・レストランなどお役立ち情報をご紹介します!
「上野動物園」について
上野動物園へのアクセス
「恩賜(おんし)上野動物園」はその名の通り、台東区上野公園にある動物園です。広さは14ヘクタールで、東京ドーム約3個分に値します。園内は「東園」と「西園」に分かれており、出入り口は正門、弁天門、池之端門の3カ所です。
「西園」は弁天門と池之端門から入場することができ、弁天門はJR上野駅不忍口(しのばずぐち)から、池之端門は東京メトロ千代田線根津駅から、それぞれ徒歩約5分です。
JR上野駅は山手線・京浜東北線の東京駅から約8分。また、東京メトロ千代田線根津駅は、丸の内線・東京駅から大手町で千代田線に乗り換えて約15分で到着します。門によって開門時間が異なるので、事前に確認しておきましょう。
コインロッカーは正門および弁天門の2カ所にあります。4種類の大きさがあるため、キャリーケースなど大きな荷物を持つ人も安心です。台数に限りがあるので、早めの時間の利用をおすすめします。
会いたい動物によって入場門を選ぼう
園内は広いため、お目当ての動物によって入場する門を選びましょう。
正門から入ってすぐの「東園」にいるのは、ゴリラやトラ、ホッキョクグマ、ゾウといった大型動物や夜行性の動物、世界中の鳥たち。
一番人気のジャイアントパンダがいるのは「西園」です。パンダのほかにも、キリンやカバ、サイなどのアフリカの動物を見ることができます。
ジャイアントパンダにすぐ会いたい場合は弁天門、キリンやサイ、カバ、ハシビロコウ、両生爬虫類の展示から見たい人は池之端門から入園するとスムーズです。
親子で楽しい「上野動物園」内おすすめエリア
園内には、パンダやゾウ、クマ、キリンなどの動物から両生爬虫類まで、さまざまな生き物が飼育されています。また、動物について楽しく学べる展示があるのもうれしいポイント。見どころはたくさんありますが、その中でも特に親子で楽しめるおすすめのエリアをご紹介します。
身近な動物を学べる「子ども動物園すてっぷ」
西園の弁天門方面にある「子ども動物園すてっぷ」。ここは、「小さな子どもが初めて動物に出会う場、そして動物や自然について学びはじめる最初の一歩となる場」にしたいという願いを込めて建てられた施設です。命の大切さや生き物の魅力を学ぶことができます。
中では、与那国馬(よなぐにうま)やトカラ馬などの日本在来馬、アグーなどのブタ、ヤギといった身近で親しみやすい家畜動物が展示。
さまざまな動物たちの生態や、それぞれがどのように人間の生活を支えてきているのかを説明しているボードもあるので、日常生活とつなげて、親子で一緒に考える時間も過ごせそう。
また、エリア内の「しのばずラボ」は、上野動物園にある不忍池に生息する生き物が展示されている場所です。アメリカザリガニや、ニホンスッポン、クサガメがいるほか、池に訪れる野鳥やトンボの調査結果が紹介されており、都心でも多くの生物が暮らしていることを知れます。
双子もいる!大人気のジャイアントパンダ
「上野動物園」を訪れたなら、絶対に会いたいのがジャイアントパンダ。西園の弁天門側「パンダのもり」には現在、4頭のジャイアントパンダがいます。オスのリーリー、メスのシンシン、そして2021年に生まれた2頭の子どもである、オス・シャオシャオとメス・レイレイの双子です。
シャオシャオとレイレイは現在(2023年9月時点)は、同じ部屋で飼育されているので、一緒に見ることができますが、シンシン、リーリーは別の展示場で展示されているため、同時に会うことはできません。また、パンダを見るための事前予約などは行われていないので、必ず列に並ぶ必要があります。
特に双子は人気が高く、2時間以上待つこともあるとか。それぞれの展示場は入場制限がされており、観覧時間は各エリア1分程度です。園内全体の混雑状況は混雑マップで確認することができます。
また、写真撮影は可能ですが、フラッシュの使用は禁止されているので、撮る前に必ずカメラの設定を確認しましょう。
アフリカに生息するキリンやカバと出会う
「パンダのもり」と同じく西園の「アフリカの動物」エリアにいるのは、アフリカ大陸に生息するキリンやヒガシクロサイ、カバなど。
ここでは、カバが楽しそうに水浴びをしている姿や、キリンが並んでいる姿などを見ることができます。それぞれの動物に関する知識が書かれたボードもあり、読みながら観察することで、より理解を深められそうです。
不忍池周辺で遊ぶペンギンやフラミンゴたち
野鳥が遊びに来る不忍池では、ペリカンやコウノトリなどの鳥類が展示されています。また池の近くには、ケープペンギンやベニイロフラミンゴの姿も。タイミングが合えば水浴びをしている様子を見られるかもしれません。
フラミンゴがダンスをしているように見えたら、それは求愛の合図です。鳴きながら頭を左右にすばやく振ったり、翼を勢い良く広げてすぐに閉じたりします。
7月中旬から8月中旬までは、池一面に咲くハスの花も見どころ。夏に訪れた際はぜひ池にも注目してみてください。
西園にはほかにも、「アイアイのすむ森」や「両生爬虫類館」「小獣館」があります。
東園へ移動!ホッキョクグマやアザラシに会おう
2つの園をつなぐ「いそっぷ橋」を渡り、東園に移動するとホッキョクグマやアザラシがいる「ホッキョクグマとアザラシの海」が。ここでは、北極の氷河をイメージした空間で動物が生活しています。運が良ければホッキョクグマがプールで泳ぐ姿も見られるようです。
中には2023年4月に生まれた、ゼニガタアザラシの子どもの姿も。そのほか、アシカや極地に住む鳥たちも暮らしています。
ゾウやクマなどの大型動物たち
動物図鑑で必ず出てくるゾウやクマ。「ゾウのすむ森」「クマたちの丘」では本物のゾウやクマに会うことができます。アジアゾウがプールで楽しそうに水浴びをしている姿は大迫力!
「クマたちの丘」には、マレーグマやニホンツキノワグマ、エゾヒグマなどさまざまな種類のクマがいます。
よく動き回るクマたちを観察できるように、展示場にはのぞき穴や窓が設置されています。色々な角度から探してみてください。
東園にはそのほかにも、「ゴリラ・トラの住む森」や「バードハウス」「サル山」「日本の動物」エリアがあります。
園内のお食事、休憩スポット全4カ所を把握!
広い園内には、食事処や休憩場所も充実。場所を事前に把握しておくと便利です。
パンダ弁当は必見!「バードソング」:東園
東園の「ホッキョクグマとアザラシの海」の前にあるファストフード店「バードソング」には、「ミートソーススパゲッティ」(770円)や「ミニパンケーキ」(380円)など6種類ほどの軽食が用意されています。テイクアウト形式ですが、屋外にはテーブル席も完備。
パンダの顔が印象的な「竹皮パンダ弁当」(700円)は、しいたけ、黒豆、白米で作られたパンダの顔と炊き込みご飯を、本物の竹の皮で包んだものです。
バードソング
- 場所
- 東園「ホッキョクグマとアザラシの海」前
- 営業時間
- 11:30~15:00
屋内でゆっくりするなら「さるやまキッチン」:東園
同じく東園の「サル山」近くにある、無料休憩所併設の「さるやまキッチン」。2階建ての飲食店で、屋内でゆっくりと食事をとることができます。座席からは「サル山」のニホンザルが観賞可能です。
キッズメニューも充実しています。イチオシは「キッズカレーランチ」(720円)です。カレーにウィンナー、ポテトやナゲット、ゼリーなどボリュームたっぷり。そのほか、「キッズうどんランチ」(720円)や「カスタードプリン」(400円)も人気です。腹持ちのよいどんぶりメニューもあるので、大人も満足できます。
さるやまキッチン
- 場所
- 東園「サル山」前
- 営業時間
- 10:00~L.O.16:00
ベビールームも完備「西園休憩所」:西園
西園の「アフリカの動物」、「小獣館」前には、セルフサービス形式のフードショップ「西園休憩所」が。屋内外どちらにも席が用意されています。室内には授乳ができるベビールームもあるため、赤ちゃんが一緒でも安心です。
こちらで食べてみてほしいのが「パンダちゃんソフト」(550円)。サクサクのグラノーラとなめらかなソフトクリームの上には、パンダの顔をしたチョコが飾られています。チョコレートソースが全体にたっぷりかかっているので、疲れた時の休憩に最適です。
「とろっとたまごのオムハヤシライス」(950円)などの軽食も豊富。ホール席からは、キリンやカバ、サイなどを見ることができます。
西園休憩所
- 場所
- 西園「アフリカの動物」「小獣館」前
- 営業時間
- 10:30~16:00
不忍池を眺めながら「カフェカメレオン」でほっと一息:西園
不忍池のほとりにある、テイクアウト形式のファストフード店「カフェカメレオン」。ここにはボリューミーかつヘルシーなメニューがそろっています。席は全て屋外にあるので、不忍池を眺めながらの食事が楽しめるお店です。
「大豆ミートのハンバーグサンドランチ」(780円)は、本物のお肉のような食感の大豆ミートバーガーと、たっぷりのポテトがセットになっています。中に入っているサルサソースは、辛みがなく誰でも食べやすい味付けです。
カフェカメレオン
- 場所
- 西園「不忍池」のほとり
- 営業時間
- 11:30〜16:00
小さいお子さん連れも安心!館内施設とサービス
最後に、親子で遊びに行く際に、事前に押さえておきたい館内施設やサービスを紹介します。
園内ではレンタル用のベビーカーも用意されています。借りられる場所は、東園の正門前と西園の弁天門前で、料金は1日1台につき500円。台数は限られているため、利用する予定がある人は、早めの時間に借りましょう。ベビーカーはすべてリクライニング機能付きのB型のものです。
また、東園の「さるやまキッチン」ベビールーム、西園の弁天門ベビールーム、休憩所内ベビールームの3カ所には授乳ができるスペースがあります。授乳用チェア、ミルク用のお湯、ベビーベッドが用意されているので、赤ちゃん連れの人も安心です。
一部を除いて、お手洗いにはベビーベッドが備わっています。おむつ替えをする場所に困ることがないのもうれしいポイント。子ども用のトイレは「子ども動物園すてっぷ」内の1カ所のみです。
世界中から多くの人が訪れる、東京の人気観光スポット「上野動物園」。図鑑や絵本によく登場する動物や、珍しい種類の動物など、見どころ満載です。屋外の移動が多いため、遊びに行く際は天気や気温の変化に対応できる格好で行きましょう。
付近には、ほかにも観光施設や飲食店などがたくさんあり、最寄りの上野駅は空港へのアクセスも良好です。周辺に宿泊してゆっくり滞在してみてはいかがでしょうか。
上野動物園
- 住所
- 東京都台東区上野公園9-83
- 営業時間
- 9:30~17:00 ※状況によって変動の可能性あり
※池之端門のみ10:30から開門・券売開始。
※動物によっては、16:30頃から寝小屋に入り、見られなくなる場合があります。 - 定休日
- 月曜(祝日や振替休日、都民の日の場合はその翌日)、年末年始(12月29日~翌年1月1日)
※一部月曜日開園の場合有。詳しくは公式サイトを確認 - 料金
- 一般600円、中学生200円、65歳以上300円
- アクセス
- 正門:JR「上野」駅「公園口」から徒歩約5分、
弁天門:JR「上野」駅「不忍口」から徒歩約5分
池之端門:東京メトロ千代田線「根津」駅から徒歩約5分 - 公式サイト
- 上野動物園
※メニューの内容や価格は予告なく変更する場合があります。
取材・文/Fujico 撮影/三原 久明