上野アメ横で食べ歩きを満喫
東京・上野にある、屋台や古着を扱うお店が軒を連ね、昭和の活気を受け継ぐ「アメヤ横丁(通称・アメ横)」。
上野駅から御徒町駅まで続く人気の観光エリアで、地元で長く愛される名店から多国籍な屋台メシまで、個性的なお店が集まる隠れたグルメスポットでもあります。
アメ横までのアクセス・最寄り駅
アメ横は駅の近くで好アクセス。最寄り駅は、JRおよび東京メトロ銀座・日比谷線「上野駅」やJR「御徒町駅」、都営大江戸線「上野御徒町駅」など。今回は上野駅のJR中央改札から、アトレのある「広小路口」側へ。駅から徒歩で向かいます。
高架を挟んで上野アメ横商店街と並行する、「上野駅前商店街」から「御徒町駅前通り」を散策してみましょう。お寿司にエスニック料理、居酒屋と、バラエティに富んだ飲食店が軒を連ねる通りで、どこに立ち寄ろうか目移りしてしまうはず。
レトロ喫茶店「COFFEE SHOP ギャラン」へ
まずはJR上野駅を背に徒歩約2分。駅のすぐ向かいの「上野駅前商店街」にある「COFFEE SHOP ギャラン」へ行ってみましょう。
1977年開業のギャランは、当時の華やかなインテリアを保ったまま営業を続ける老舗の純喫茶です。革張りのソファにシャンデリア、昭和レトロな雰囲気がそのまま残っています。
食品サンプルや看板のフォントに懐かしさを感じながら、階段を上がり2階の店内入口へ。
革張りのソファにオレンジの優しい間接照明。賑やかな外から店内に入ると、ゆっくりと寛げる雰囲気が漂います。
老舗純喫茶でいただく定番メニューの数々
ギャランでは1人1品のオーダーがルールです。まずはセットメニュー「オムライス」(1,000円)を。通りを見下ろせる窓際の席に座り、喫茶店で頂ける定番メニューを注文。卵焼きにケチャップを添えた、シンプルな盛り付けに懐かしさを感じます。
オムライスは口に入れるとケチャップライスとほんのりあまいバターの香りが広がります。ほどよくボリュームもあり、男性も満足できる一品です。
8:00~14:00(土日祝は8:00〜13:00)までは、サラダとドリンクが付くセットメニューで注文するとおトクですよ。
昔懐かしいナポリタンも人気
喫茶店で食べたいもうひとつのメニューが味わい深い「ナポリタン」(1,000円)。セットのドリンクは、コーヒー・紅茶以外にミルクが選べます。ピーマンに玉ねぎ、ウィンナーの薄切りが入り、ケチャップのあまい香りが漂います。
店頭のメニュー見本にもサンプルが出ていた「フルーツパフェ」(1,000円)。フレッシュなリンゴとバナナ、あまい缶詰フルーツとアイスが載った王道パフェです。ほかにも、バナナパフェ、チョコレートパフェ(どちらも950円)などのメニューも。
てきぱき働く店員さんたちが着る、赤いタータンチェックの制服もレトロで素敵です。ギャランはメニューの種類が豊富で、ほかにもカレーライスやトースト、サンドイッチなども楽しめます。朝8:00から営業しているので、休日のブランチに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
COFFEE SHOP ギャラン
- 住所
- 東京都台東区上野6-14-4
- 営業時間
- 8:00〜23:00
- 定休日
- 無休
食べ歩きやお土産に!パンダのベビーカステラ
ギャランから上野駅前商店街をさらに進むこと約3分。ベビーカステラ専門店「&all(アンド・オール)」から、ベビーカステラを焼くあまい香りが漂ってきます。
体に優しい素材を厳選して、店頭で仕込みから焼き上げまで行っているベビーカステラは、卵とはちみつの優しい甘さと、絶妙な焼き加減が特徴です。甘すぎないので普段スイーツをあまり食べない人にもおすすめです。
こちらは焼き上がったばかりの「レモン&アールグレイティー」(15個入 450円)。ひとくちサイズで食べ歩きにぴったり。楕円のカステラの中にときどきハートの形が混じっています。
かわいい「上野パンダ」パフェも
ここでしか買えない人気のパフェ「上野パンダ」(500円)。ベビーカステラの上に、オリジナルのホイップクリームとヨーグルトを使った抹茶ソース、黒蜜、パンダ型クッキーがトッピングされていて、思わず写真に撮りたくなるかわいさです。
ベビーカステラ専門店「&all 上野アメ横店 」
- 住所
- 東京都台東区上野6-10-7 アメ横プラザB棟84号室
- 営業時間
- 11:00〜21:00
- 定休日
- 毎月第2水曜日
下町人情に出会える居酒屋「もつ焼大統領」
上野駅前商店街からアメ横商店街に抜ける高架下には、庶民的な居酒屋が集まっています。「もつ焼大統領」の軒先で料理をつつくお客さんにつられて中をのぞくと、平日の午前中にもかかわらずカウンターは満席。
お客さんと一緒に乾杯!「ホッピー」(450円)、「生ビール」(500円)、「烏龍茶」(250円)。 創業およそ75年、古すぎて正確には分からないそうですが、カウンターを埋めるお客さんを見れば、長い間愛されてきたことが伺えます。
創業以来定番の「大統領特製煮込み」(420円)。馬モツを使用した、コクのある味噌煮込みです。大ぶりの豆腐が入った一皿で、マイペースに飲むのにぴったり。
炭火焼きの香ばしい「もつ焼き盛り合わせ」(450円)は、お店オリジナルのタレでどうぞ。この日のセットはハツ、レバー、シロ、カシラ、コブクロの5種。
「きゅうりの浅漬け」(280円)も注文。客層は男性中心ですが、最近は若い女性も増えているそう。お店が外に開いているので入りやすく、常連さんも気さく。初めてでも会話が弾む、昭和の下町を感じられるお店です。
もつ焼大統領
- 住所
- 東京都台東区上野6-10-14
- 営業時間
- 10:00〜0:00
- 定休日
- 1月1日〜3日、ゴールデンウィーク後2日間
※時期によって異なります
活気と異国カルチャーが交わる「アメ横通り」
「もつ焼き 大統領」から「アメ横通り」を上野駅側に戻って、端から再び散策開始。御徒町駅まで続く地元住民の台所。世界中から訪れる観光客にも大人気の通りです。
アメ横名物! チョコレートたたき売りの「志村商店」
上野駅からは徒歩約2分。アメ横といえばチョコレートたたき売りの「志村商店」。「入れちゃえ、入れちゃえ!」の掛け声とともに、袋に次々とお菓子が放り込まれていきます。
「チョコレート・お菓子」1袋(1,000円)。扱うのは国内外の有名メーカーの商品です。景気の良いパフォーマンスに、道行く人がどんどん集まってきます。お菓子を入れる袋もどんどん膨らみ、お店に儲けが出ているのか少し心配になるほど。
「もうひとつおまけ、入れちゃえ、入れちゃえ、入れちゃえ!」。 見ると笑顔になってしまう不思議なお店。午後の方が混むそうなので、買い物をするなら午前中がおすすめです。
志村商店
- 住所
- 東京都台東区上野6-11-3
- 営業時間
- 9:30〜18:30
- 定休日
- 無休
タピオカは「PANDA SUGAR熊猫堂」がおすすめ
志村商店のすぐお隣には、タピオカ専門店「PANDA SUGAR(パンダシュガー) 熊猫堂」。アメ横はほかにもタピオカドリンクを販売している店舗は多いのですが、こちらのお店が一番人気。トレードマークである、パンダのイラストのカップを持ち歩いている人が多いことに気づきます。
ドリンクの種類の豊富さに、お砂糖や氷の量まで選べる充実ぶり、自分好みにアレンジできるのでおすすめです。アロエ、仙草、ナタデココなど、トッピングも。
左、一番人気の「北海道牛乳黒糖タピオカティー」(Mサイズ602円・税抜)は、黒糖の甘さとミルクの相性が絶妙のバランス。右、スタンダードな「紅茶ミルクティー」(Mサイズ430円・税抜)に、タピオカをトッピング(+70円・税抜)。パールがしっかりしていて食べごたえがあるタピオカです。
PANDA SUGAR 熊猫堂 上野店
- 住所
- 東京都台東区上野6-11-3
- 営業時間
- 10:00〜22:00
- 定休日
- 不定休
アメ横屋台グルメと地下アジアンマーケットへ!
「アメ横センタービル」周辺は、戦後闇市から立ち上がった、パワフルなアメ横を象徴する一角。ここ十数年でアジア系の飲食店が増えるとともに外国人観光客も多くなり、どこか異国の街の香りを感じられるほど。
種類豊富な輸入食材! 地下のアジアンマーケット
次はアメ横センタービルの地下食品街へ。アメ横のディープスポットとしても知られていて、日本のスーパーにはないアジアの調味料や珍味がたくさん販売されています。階段を降りていくと、独特なスパイスの香りが漂ってきます。
地下の食品街には、輸入食材や生鮮食品を扱うお店が構え、見慣れない食材がずらり。商品ポップには中国語や英語が並び、外国語が飛び交っています。まるで海外の市場にいるような気分!
アジア料理に欠かせない、業務用のスパイスなどがお手頃な価格で売られています。料理好きならずっと見ていても飽きない品揃え。
日本語のラベルのない商品たち。中国、インドネシア、タイなど、一般的なスーパーでは見かけない輸入調味料がずらりと並びます。自分へのお土産に買えば、料理の腕も上達しそう。興味のある方は、ぜひ散策してみてくださいね。
アメ横センタービル 地下商店街
- 住所
- 東京都台東区上野4-7-8 B1階
- 営業時間
- 10:00〜20:00
- 定休日
- 毎月第3水曜日(12月無休)
中国・ハルピン料理を露店で味わう「天天楽」
アメ横センタービル1階の通り沿いにある「天天楽(てんてんらく)」。ハルピン料理を中心に中国・東北地方の味を楽しめます。ハルピンとは、中国・黒竜江省の中心都市で戦前に満州国があった場所。店先には、テイクアウトできる包子(パオズ)や揚げ物が並んでいます。
「焼き冷麺」(500円)は、名前に興味をそそられて、思わず注文。包んでいる皮が冷麺の生地で、中にはソーセージが入っています。特製タレともっちりした皮の食感が心地良い、スナック感覚の一品です。
辛さがクセになる、汁なし鍋「麻辣香鍋(マーラーシャングォ)」(800円)。唐辛子に花椒や八角といった、たくさんのスパイスが効いています!具材はえび、もやし、きくらげ、中国のお餅・ニェンガオなど。「現地ではこの辛さで夏の暑さを乗り切るのよ」と、店員さんが教えてくれました。
露店でいただく本場の料理と、そこから眺める多国籍な人々の往来に、ここが東京であることを忘れそうになります。フレンドリーな店員さんとの会話も楽しいお店ですよ。
天天楽
- 住所
- 東京都台東区上野4-7-8 センタービル39-A
- 営業時間
- 9:00〜21:00
- 定休日
- 無休
多種多様な四川料理が楽しめる「馬さん餃子酒場」
「天天楽」から徒歩約1分。同じ並びにある四川料理の「馬さん餃子酒場」へ。こちらの店先には、真っ赤なスープの大きな鍋が置かれています。
鍋の中には、串の刺さった具材から好きなものを選ぶ、四川版おでんのような料理「冷鍋串串(ロングォチュアンチュアン) 」(6本で500円)が。麻辣スープに浸っていて、好きなものを6串選べます。カップに入れてもらって食べ歩きも可能ですよ。
ハツ、昆布、ハチノス、えび、きくらげ、うずら。ほかにも海鮮、肉、野菜と、具材の種類がたくさんあります。辛味とホルモンが最高にマッチ、ビール片手に楽しみたい屋台グルメです。
馬さん餃子酒場
- 住所
- 東京都台東区上野4-7-8
- 営業時間
- 10:00〜20:00
- 定休日
- 第3水曜日、1月1日
パワフルなアメ横グルメで元気をもらおう!
戦後から高度経済成長と、昭和の東京を支え続けたアメ横の商店街。時代は変わっても、力強い街の魅力は変わらないようです。日々の疲れを癒しに、ふらっと立ち寄ってみると良いかもしれません。お腹も心も満たされる、自由でパワフルなグルメたちが待っていますよ。
アメ横グルメ散策マップ
上野周辺のホテル
取材・文・写真/Junko Saito