種子島は鹿児島県南部に位置し、日本で唯一、大型ロケット発射場がある離島です。種子島宇宙センターは宇宙科学技術館をはじめ、子どもが「宇宙」に触れられる施設がたくさん。また、自然も豊かで、家族で楽しめるスポットも豊富です。家族旅行で訪れたい種子島のスポットを紹介します。
種子島へのアクセス方法と回り方
東京から種子島へ行く場合、まず鹿児島まで飛行機で向かいます。種子島までは飛行機もしくは船を利用します。東京から鹿児島まではLCCを含め4社の航空会社の飛行機が就航しており、便数も多いです。東京から鹿児島の所要時間は約1時間40分です。
鹿児島から種子島までのアクセスは、飛行機の場合、鹿児島空港から種子島空港までの直行便(JALもしくはJAC)を利用します。所要時間は30~40分ほど。鹿児島空港から移動なしで乗り換えができるので、楽なアクセス手段と言えます。また、晴れていると飛行中に種子島を一望できるのも魅力です。
船によるアクセスでは、まず鹿児島空港から鹿児島本港まで移動が必要です。鹿児島空港から港まで出ているリムジンバスを利用しましょう。空港から港まで所要時間は約55分、バス料金は大人1,300円、小人850円です。
船は高速船とフェリーの2種類があります。高速船の所要時間は約1時間35分、フェリーの所要時間約3時間40分です。運賃は高速船のほうが高いですが、その分移動時間が短縮されますので、旅行プランや予算に応じて選んでください。
種子島は南北に長い島。全長が約57Kmとそこまで大きい島ではありませんが、観光スポットも点在しているので、レンタカーで回るのがおすすめです。
豊富な見学ポイント!種子島宇宙センターの見どころ
種子島南部に位置する種子島宇宙センターは、日本で唯一の離島にある宇宙センターです。種子島の豊かな自然に囲まれた場所にあり、「世界一美しいロケット発射場」と言われています。
宇宙やロケットについて学ぶことができる宇宙科学技術館や、宇宙センター内をバスで見学することができるツアー(無料)があります。特にバスツアーでは、本物のロケットや大型ロケット発射場を間近で見学するという他ではなかなか体験できない内容です。親子で楽しめる宇宙科学技術館と施設案内バスツアーの見どころを紹介していきます。
まずは宇宙科学技術館を見学!
宇宙科学技術館では、ロケットや人工衛星、地球や宇宙の謎についてまで幅広く学べる展示が並んでいます。入場は無料ですが見応えたっぷりなので、所要時間は少なくとも1時間は見ておきましょう。
まずはロケットについて学べるゾーン。世界で造られているロケットの模型や、日本国内で生産されているロケットの展示などを見ることができます。
ロケットに搭載されるエンジンについて学べるミニシアターも。ロケットエンジンの構造や役割を映像で分かりやすく解説してくれるので、小学生でも飽きずに見やすいコンテンツになっています。
ロケットのリフトオフ(打ち上げ)の瞬間を体験できるリフトオフシアター。大型の壁面スクリーンと床面映像を駆使していて、迫力満点です。
中には、「ロケット設計ゲーム」などゲームで遊びながらロケットの仕組みについて学べるコーナーも。大人でも手応えがある内容なので、親子で協力して挑戦してみてください。
さらに、2階へ上がると人工衛星や宇宙ステーションに関する展示があります。
種子島宇宙センターから打ち上げられた人工衛星に関する知識が、写真やイラスト付きで壁一面に書かれています。写真のボードは地球温暖化ガス観測衛星「いぶき」の説明で、職員さんが1つ1つ丁寧に分かりやすく手書きしています。
「地球温暖化って何?」「温暖化になるとどうなるの?」「なぜガスの観測が必要なの?」など、地球にとって大切な問題を親子で話し合ってみるのもいいですね。
日本初の有人宇宙施設(宇宙ステーション)である「きぼう」の実物大模型は、フォトスポットになっています。よく見ると上のほうでパソコンやボールが浮いていて、無重力状態を再現! 中央の白いイスに足を浮かせるようにして座ると、まるで本物の「きぼう」の中に無重力状態でいるような写真を撮ることができます。家族でおもしろ写真にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
宇宙について学べるゾーンでは、宇宙食や宇宙服に関するトリビアから、宇宙の成り立ちについての展示が並んでいます。
歴代の日本人宇宙飛行士の写真が並んでいるスペースですが、一番手前だけ顔が写っていません。どういうことでしょうか。
実はこちらもフォトスポットなのです。
この台の上に立って撮影角度を調整すれば、宇宙飛行士姿の写真が撮れるという仕組み。小学生くらいの身長でも十分顔を合わせられます。お子さんと一緒に種子島で宇宙飛行士に仲間入りしてみましょう。
施設案内バスツアーに参加しよう
続いて、施設案内バスツアーに参加!このバスツアーでは、直前で打ち上げ中止になった本物のロケットを間近で見学できたり、大型ロケット発射場のすぐ近くまで行くことができたりと、貴重な体験ができるのでとても人気です。無料で参加できますが、定員制なので事前予約しておきましょう。(当日でも空きがあれば参加可能。)
ツアーは1日3回(11時~、13時半~、15時半~)開催されており、それぞれ所要時間は1時間15分ほど。内容はどの時間帯も同じです。バスの車内では、JAXA職員でもあるガイドさんが宇宙やロケットに関する知識をクイズ形式で解説してくれるなど、大人も子どもも楽しめるツアーになっています。
バスに乗り込み、最初に向かったのはロケットが格納されている大崎第一事務所。実際に打ち上げられるはずだったロケットを間近で見ることができます。
ツアーでは、ガイドさんがなぜこのロケットが打ち上げられなかったかも解説してくれます。
ロケット以外にも、ロケットエンジンの実験モデルなどが展示されています。どれもこれも他ではなかなか見られない貴重なものばかりです。ツアー中、ロケットに関して気になったことがあれば自由にガイドさんに質問することができるので、この機会にどんどん親子で質問をしてロケットについて理解を深めましょう。
続いて向かったのは、大型ロケット発射場。
バスから降りることはできませんが、車内から間近で発射場を見学できます。実際にこの場所から発射されている多くのロケットについて、親子で思いをはせてみては。
発射台の向かい側には同じくらいの高さがある大きな施設が建っています。
「大型ロケット組み立て棟」という建物で、この中でロケットの組み立てがおこなわれます。発射直前にこの組み立て棟からロケットを発射場まで移動させるそうです。
ツアーの最後に向かうのは、「総合司令棟」です。ロケット打ち上げ後の管制や実況放送がおこなわれる場所です。
普段目にすることのできない貴重な施設を間近で見学できるこのツアー。お子さんが宇宙をぐっと身近に感じられるような内容です。宇宙に関わる仕事への憧れも芽生えるかもしれません。ぜひ事前に予約して、家族で参加してみてください。
宇宙食が買える!お土産ショップ
ツアーを終えたら、帰る前に立ち寄りたいのが宇宙科学技術館内にあるお土産ショップ「UNiBO (ユニボ) JAXA種子島宇宙センター店」。種子島土産としてバラマキできそうなお菓子、Tシャツやキーホルダーなどが揃います。
人気の宇宙食は種類が豊富。たこ焼き(540円)やエビピラフ(540円)の他、ストロベリーショートケーキ(648円)などのスイーツまでありました。ちなみに、スタッフの方のイチオシはプリン(540円)だそうです。友人へのお土産としても喜ばれること間違いなしです。
種子島宇宙センター
- 住所
- 鹿児島県熊毛郡南種子町大字茎永字麻津
- 営業時間
- 9:30~17:00
- 休館日
- 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日。8月は原則無休)、年末年始(12/29~1/1)
- アクセス
- 種子島空港より車で約40分
家族で楽しみたい!種子島のおすすめ観光スポット
種子島の見どころは宇宙センターだけではありません。種子島は豊かな自然に恵まれ、海の透明度も抜群です。家族で楽しめるマリンアクティビティも充実。また、鉄砲(火縄銃)の伝来地であり、歴史にも触れられます。家族で訪れるのにぴったりな種子島の観光スポットやアクティビティを紹介。
鉄砲伝来の歴史を学ぼう 種子島開発総合センター鉄砲館
種子島といえば、鉄砲を思い浮かべる方も多いかもしれません。1543年にポルトガル人の乗った船が種子島に漂着し、鉄砲が伝来したとされています。鉄砲伝来の歴史をじっくり学べるのが西之表市にある「種子島開発総合センター鉄砲館」です。
鉄砲の伝来は、学校の授業で必ずと言っていいほど出てくるので、お子さんにとっては授業の前に興味を持つきっかけになるかもしれません。また、日本だけでなく世界の鉄砲の貴重なレプリカを時代別で見ることができるなど、大人も十分楽しめる展示になっています。
鉄砲館では、鉄砲以外にも種子島の歴史や文化についても学ぶことができます。
かつて種子島の漁で使われていた丸木舟の模型。端に顔を出しているウミガメがかわいいです。
日本へ初めて持ち込まれたとされる鉄砲や、戦国時代や江戸時代に使われていた鉄砲のレプリカなど数十種類の鉄砲が展示されており、見応えたっぷりです。
鉄砲伝来に影響を受けた日本の歴史。親子で鉄砲伝来について学びながら、歴史について話し合ってみるのもよい機会になりそうです。
種子島開発総合センター鉄砲館
- 住所
- 鹿児島県西之表市西之表7585番地
- 開館時間
- 8:30~17:00(※入館は16:30まで)
- 休館日
- 毎月25日(7月・8月・日曜日は除く)、年末年始(12月30日から1月2日まで)
- 入館料
(2019年10月1日より) - 一般440円、高校生280円、小中学生140円
カヤックで種子島の自然を冒険しよう!
画像提供/Lulu Sun
種子島は親子で楽しめるマリンスポーツも充実。種子島のダイナミックな自然を肌で感じることができます。
種子島でシーカヤックやシュノーケリングの体験ができるツアーを開催する「Lulu Sun(ルルサン)」のおすすめは、海とマングローブ両方でカヤック体験ができる1dayツアー。ツアーは9時から16時まで。1日かけて種子島の大自然を満喫できます。ガイドの方がその日の天候や波などのコンディションを見て体験場所を決めるため、日によって集合場所も異なります。
画像提供/Lulu Sun
条件が揃えば、カヤックで人工物が何もない無人島へ。足跡のない真っ白なビーチで遊んだり、カラフルなサンゴ礁をシュノーケリングで楽しんだりできます。ランチ(お弁当)付きのツアーなので、食事の心配はしなくてOK。また、ライフジャケット着用など安全面にも配慮されていて、お子さんとの参加も安心です。
※ツアー参加には事前の予約が必要です。
シーカヤック 1dayツアー
- ツアー会社
- Lulu Sun(ルルサン)
- 料金
- 大人13,800円、子ども9,800円、幼児5,800円
(税、昼食、保険料込)
- 電話番号
- 0997-27-3110
- Webサイト
- http://lulu-sun.com/kayak/
波が穏やかで遊びやすいビーチ 浦田海水浴場
種子島の海を楽しむなら、島内人気No.1のビーチ、浦田海水浴場へ。浦田海水浴場は日本の水浴場88選に選ばれたとても美しいビーチです。入り江になっているため波も穏やかで、お子さんと一緒に遊ぶのにもおすすめです。
ビーチのすぐ近くにはシャワーやトイレのある管理棟もあり、とても便利で快適に過ごすことができます。また、キャンプ場や大型駐車場も併設されており、様々な楽しみ方ができるビーチでもあります。
浦田海水浴場・キャンプ場
- 住所
- 鹿児島県西之表市国上浦田89-1
- 営業期間
- GWから9月中旬まで
- 営業時間
- 9:00~18:30
- アクセス
- 西之表港より車で約20分
種子島を堪能するなら1泊2日で!
種子島には他にも見どころがたくさんあるので、少なくとも1泊2日で訪れたい島です。
種子島は離島といえども比較的大きな島で、高速船&フェリーの発着港のある西之表と、宇宙センターのある南種子町エリアを中心に、ホテルや民宿などの宿泊施設が充実しています。
宿泊するなら温泉も入りたい、という方は西之表港より徒歩約5分とアクセス抜群の種子島あらきホテルへ。温泉施設「赤尾木の湯」が隣接している宿泊施設です。宿泊者は滞在中何回でも無料で赤尾木の湯の温泉を利用することができます。宿泊者以外は、入浴料1回800円です。
赤尾木の湯は2016年にオープンしたばかりの温泉施設で、島内唯一の源泉かけ流しの湯が楽しめます。内風呂と露天風呂があり、内風呂にはジェット風呂や電気風呂もある充実ぶり。旅の疲れもスッキリ取れますね。
種子島温泉 赤尾木の湯
- 住所
- 鹿児島県西之表市西町79
- 営業時間
- 6:00~23:00(最終受付22:30)
- 定休日
- 年中無休(施設メンテナンスの為に年に数回臨時休業)
- アクセス
- 西之表港より徒歩約5分
種子島宇宙センターをはじめ、家族で楽しめるスポットがたくさんある種子島。宇宙と自然に触れられる島への旅は、お子さんが貴重な経験を得られるものになることでしょう。
取材・撮影・文/Yuki
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