「蛍雪の宿 尚文(しょうぶん)」で風情ある景色と極上のおこもりステイを。地元産の旬の食材をふんだんに使った宿自慢の山人料理に、全室露天風呂付きのスイート仕様の客室。里帰りしたような落ち着いた空間でのんびりと過ごす1泊2日を紹介します。
目次
- 「蛍雪の宿 尚文」のある水上温泉郷
- 【DAY1】
- ・15:00 東京から約2時間半で到着
- ・15:10 チェックイン〜ウエルカムサービスが満載
- ・15:30 個性豊かな客室へ
- 【客室1】離れ メゾネットタイプ「石楠花」
- 【客室2】離れ 縁側付「おだまき」
- ・16:00 2つの温泉貸切風呂
- ・18:00 宿自慢の山人料理の夕食
「蛍雪の宿 尚文」のある水上温泉郷
JR「水上」駅から車で約10分ほど。「奥利根湯けむり街道」沿いの山里にたたずむ「蛍雪の宿 尚文」。谷川岳をはじめとする雄大な山々や利根川源流の清らかな水に囲まれた里山の風景と、群馬県を代表する名湯「水上温泉」に恵まれた、豊かな自然の中にあります。
初夏には宿の中庭の小川で蛍が舞い、夏は川遊びやラフティング、秋は尾瀬や奥利根の紅葉、冬は谷川岳天神平スキー場など、水上の自然を存分に楽しめる場所に位置します。
そんな魅力たっぷりの水上温泉郷にたたずむ宿「蛍雪の宿 尚文」での1泊2日のおこもりステイをご紹介。センスが光る全室スイート仕様の客室や、山の恵みをまるごと頂く「山人料理」など、気になる詳細をリポートします。
【DAY1】
15:00 東京から約2時間半で到着
電車の場合は、「東京」駅から新幹線で「高崎」駅へ。上越線に乗り換え、JR「水上」駅が最寄り駅です。「水上」駅からは車で約10分ほど。宿泊前日までに予約すれば、15:00発のJR「水上」駅からの迎車サービスを利用できます。(※関越交通バスでも約10〜15分で到着できますが、本数が少ないのでご注意ください。)
趣のある門が、ゲストを出迎えてくれます。
15:10 チェックイン〜ウエルカムサービスが満載
チェックインは、中庭が見えるロビーラウンジで。古木を使った古民家風の落ち着いた空間です。
客室に行く前に立ち寄りたいのは、お休み処「けやき」。15:00〜18:00まで、ウエルカムドリンクが用意されています。
コーヒーや紅茶、オレンジジュースに加え、スパークリングワインや日本酒、本格芋焼酎などのアルコール類も、自由に好きなだけいただけます。
飲み物だけでなく、ちょっとしたおつまみも並んでいます。心ゆくまでウエルカムドリンクを楽しめば、日常を忘れてすっかりリラックスモードに。
※飲み物やおつまみの種類は、季節などによって異なります
一息ついた後は、浴衣を選びましょう。「竹下夢二デザイン浴衣」や美しい柄浴衣、カラフルな陣羽織などが、母屋1階の色浴衣コーナーに用意されています。
15:30 個性豊かな客室へ〜
【客室1】離れ メゾネットタイプ「石楠花(しゃくなげ)」
客室は、別荘のような離れ形式の部屋や、古民家の趣を堪能できる母屋の部屋など、8タイプの全9室。すべての客室に露天風呂が付いています。
唯一のメゾネットタイプである「石楠花」をご紹介しましょう。魅力は何といってもプライベート・ウッドデッキ。湯上がりに森林浴を楽しめます。水にぬれると青く輝く石の温泉露天風呂につかりながら、季節の風を感じられる極上の空間です。
約12畳の2階のベッドルームは、天井が高く開放感にあふれています。
スマートフォン用の木製スピーカーやタブレット端末も備えてあり、快適に過ごせます。部屋の奥にはWi-Fiルーターが完備された書斎コーナーもあり、リモートワークの利用もおすすめです。
1階のリビングでは、大きなソファでゆったりと、四季折々の中庭の自然を眺められます。まさに「おこもりステイ」にぴったり。
アメニティは、地元群馬県の会社が生み出したブランド「OSAJI(オサジ)」を全室に用意。クレンジングリキッド、化粧水、保湿ゲルの他、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、ハンドソープまでそろいます。また、木製の箱の中には歯ブラシ、カミソリ、ヘアブラシ、ヘアバンド、コットンと綿棒、ボディタオルまで。手ぶらで来ても大丈夫なほどの充実ぶりです。
【客室2】離れ 縁側付「おだまき」
離れの別の客室もご紹介しましょう。「おだまき」は縁側付きの和室が特徴のお部屋。縁側は床暖房が備えてあり、冬でも暖かいまま過ごせます。柔らかで温かな天然木を生かした、和の安らぎを感じられる部屋です。
専用の屋根付き温泉露天風呂は、中庭の自然を見ながら浸かれます。2人でも入れるほど広い湯船も、ポイントの一つです。
他にも、70平米のバリアフリー対応客室「こぶし」と「あけび」、離れの49平米の双子露天風呂客室「りんどう」、同じく離れの49平米の土間付客室の「かいどう」など、特色ある全9室がゲストをお迎えします。
一つ一つ魅力が違う客室を気に入ってのリピーターも多く、全室制覇した人や、逆に、何回訪れても同じお気に入りの客室に泊まる人もいるのだそう。
16:00 2つの温泉貸切風呂
この宿では、客室の露天風呂だけでなく、2つの貸切風呂「蛍雪の湯」「岩の湯」も楽しめます。
母屋と離れをつなぐ「山里回廊」にある「蛍雪の湯」は、テラスを備えた広々とした貸切風呂。湯上がりにテラスのチェアに腰掛け、山を眺めながら涼むこともできます。
母屋1階の「岩の湯」は、利根川の水辺をイメージした堂々とした岩作りの湯。趣向の異なるお風呂で、湯巡り気分を味わってみてはいかがでしょうか。
18:00 宿自慢の山人料理の夕食
温泉や客室でくつろいだ後は、いよいよお待ちかねの夕食。夕食は個室のお食事処「ふきのとう」でいただきます。
この宿の夕食は、地元産の旬の食材を吟味し、実際に足を運んで仕入れた食材もふんだんに使った「山人料理」。
「山人料理」では、野菜の色や形をなるべくそのまま残しながら、素材本来のうまみを引き出しています。その分、ソースや調味料などは野菜に合うものを手作りすることにこだわっているそう。いただいた一例をご紹介します。
先付は、「奥利根の幸」。大地のパワーが凝縮された鮮度抜群の野菜や自家製ハムを、「からしこうじソース」、「岩魚と牛乳のソース」、「手作りふきみそ」の3種のソースで風味を変えながら楽しみます。
季節の一品は「うどの天ぷら」。うどやふきのとうなどの山菜は、スタッフ総出で山に採りに行くのだそう。
「温」の料理は里芋や菊芋、ごぼうを使った「土のスープ」です。ごぼうの香り、里芋のねばり、菊芋の甘みが一体となってハーモニーを奏でます。
「源」の料理は岩魚の塩焼き。お好みで唐揚げにもしてくれます。清廉な水で育った岩魚は淡白ながら野趣あふれる風味。極上の一品です。
秋・冬・春は岩魚、夏は清らかな川の藻やコケを食べて清涼な香りを放つ「あゆ」が、テーブルを彩ります。
「味」の料理は旬の煮物。この日は「カブと春菊の肉みそ和え」。煮崩れすることなく、形よく炊き上げているのに、口の中に入れた途端にとろけてしまう食感は感動もの。地産の野菜を知り尽くした料理人の技が光ります。
「燻」の料理は、「尾瀬豚の燻し焼き」です。安全な環境で育つ群馬県産の「尾瀬ドリームポーク」は、あっさりとした優しいうまみが特徴。桜のチップで燻しているので、柔らかく深い甘み、スモーキーな香りが口の中に広がります。お好みで、自家製「柚子とんがらし」をつけて、味変をお楽しみください。
「季」の料理は、「尚文 山人鍋」。みなかみ町は群馬県内でも有数の「きのこ」の栽培地。「谷川だけ」、「舞たけ」、「雪割たけ」、「なめこ」、「しいたけ」などの肉厚なきのこと、つみれ、焼豆腐、春菊、水菜などを使った、体の温まるお鍋です。
「米」の料理は、「みなかみの釜飯」。きのこの釜飯が基本メニューですが、オプションで岩魚の釜飯も選択できます。釜飯のお米は、「米・食味分析鑑定コンクール」で金賞を受賞したみなかみ出身の本多義光さんのお米。もっちり感と甘みが強いお米に、岩魚のうまみがギュッと凝縮した釜飯は絶品です。
「甘」は季節のデザート。新鮮で強い甘さが際立つフルーツは、近隣の契約農家さんからこだわりの品を仕入れています。
自慢の野菜を中心としたメニューに、心もお腹も満たされます。おいしい水と寒暖差の大きな土地が生み出す、新鮮な旬の食材をたっぷりと堪能できるお料理です。
食後は客室の露天風呂に入ったり、ライブラリーの本を読んだり、寝室でゆったり過ごしたりして、日頃の疲れを癒やしましょう。母屋2階にある無料のマッサージチェアも、うれしいサービス。
【DAY2】
7:00 朝風呂後のデトックスウォーター
朝風呂を楽しんだら、お休み処「けやき」へ。デトックスウォーターや野菜ジュース、コーヒーなどが用意されています。朝から爽やかな気分で過ごせますね。
8:00 体に優しい田舎の朝ご飯
尚文は朝ご飯も、地元の新鮮食材が並びます。
この日のお米は、スタッフさんの地元の新潟のコシヒカリ。しいたけと昆布のつくだ煮や千枚漬け、ほうれん草のおひたしなどご飯のお供も豊富です。地元の精肉店「育風堂」のソーセージ、郷土料理の「けんちん汁」や「しめ豆腐」、沼田産の「くみ上げ湯葉」、山菜としょうがの煮凝り添え、新潟県産・新発田麩(しばたふ)など、地元食材がふんだんに使われています。香り高い濃いめの深蒸し茶も、朝にピッタリです。
10:00 みなかみの特産品をお土産に
朝食後は部屋でゆっくり過ごしたり、温泉を楽しんだり、お気に召すまま。チェックアウトは10:30です。
お会計をする前にお土産処に立ち寄ってみましょう。みなかみの厳選された工芸品や特産品を購入できます。
山人料理と心温まるおもてなしに癒やされる滞在を
この宿は、日本の宿ならではの「味わい」を大切にする宿の集まり「日本 味の宿」のひとつ。まさに「蛍雪の宿 尚文」 のもつ、「山人料理」や全室スイート仕様の客室が、味わい深さを体現しています。
「蛍雪の宿 尚文」の代表取締役社長・阿部尚樹氏に、この宿の味わいについてお話を伺いました。
「尚文というのは、祖父の名前なんです。祖父はスキー場の開業と同時に民宿を始めました。夏は真っ黒になって畑仕事をし、冬は白菜や大根などを収穫して、たくあんや白菜漬けを作っていました。そんな姿を幼い頃から見ていましたので、復活・維持していきたいという思いで地元の食材を使っておもてなしをしています。『採れるものは採る、作れるものは作る』を、この宿のモットーとしてきました。」
「この時期には、ふきのとうをスタッフ全員で収穫して、手作りみそと混ぜて、ふきみそにしてお出ししています。スタッフが自分で収穫した自慢の新鮮な地元の旬の食材を、自分たちの手で自信を持ってゲストにお出しして『おもてなし』するのが、この宿の特徴であり、味わいなのではないかと思っています」
その土地でしか食せない新鮮な食材をゆっくりと味わい、好きな時に温泉に入り、好きな飲み物を存分にいただく……。ぜいたくを尽くした宿なのに、部屋ではまったりと、まるで里帰りしたかのような落ち着いた雰囲気でゆったりと過ごせました。忙しい日常に疲れたら、里山でのんびり「おこもりステイ」を楽しんでみては。
- 住所
- 群馬県利根郡みなかみ町綱子277
- アクセス
- 【電車】JR上越線「水上」駅よりタクシーで約10分・バスで約15分(※送迎あり・要予約)
【車】関越自動車道「水上」ICより約15分 - 駐車場
- 10台(無料)
- チェックイン
- 15:00(最終チェックイン18:00)
- チェックアウト
- 10:30
- 総部屋数
- 9室
撮影・取材・文/北川 りさ
※掲載されている情報や写真は2024年2月現在のものです。