今も活動を続ける活火山として、世界的に有名な桜島。鹿児島のシンボルとも言えるこの桜島を一望できるホテルが、霧島温泉郷にたたずむ「ラビスタ霧島ヒルズ」です。
目の前に広がる絶景のほか、全室に備わった天然温泉露天風呂や鹿児島の旬の味覚をイタリアンテイストに仕立てた夕食など、特別な時間を彩るさまざまな体験が満載です。大切な人とのアニバーサリーや自分へのご褒美にぴったりな、1泊2日の極上ステイをお届けします。
目次
- ・アクセス、チェックイン
- ・客室
- ・温泉
- ・施設紹介
- ・夕食
- ・夕食後
- ・朝食、チェックアウト
アクセス、チェックイン
錦江湾と桜島を望む、非日常のリゾート空間
標高約550mの場所に位置し、抜群の眺望を誇る「ラビスタ霧島ヒルズ」。夏は新緑、秋には紅葉が一面に広がり、雄大な霧島の自然を間近に感じられます。九州屈指のパワースポットとして知られる霧島神宮にもほど近く、観光にも便利な立地です。
アクセスは、鹿児島空港から車で約30分。電車で訪れる場合は、鹿児島中央駅から霧島神宮駅へ向かいましょう。そこから送迎バスが無料で運行していて、約20分で到着します。なお、送迎バスは事前予約が必要です。
のどかな景色を眺めながら小高い丘を進んでいくと、「ラビスタ霧島ヒルズ」に到着。南ヨーロッパをイメージした館と南国の青空が、リゾート気分を掻き立てます。
館内に入りロビーへ進むと、錦江湾と桜島が目の前に。いきなりの絶景に圧倒されます。
最高のロケーションと非日常的な空間づくりは、日本各地の名勝・名湯に個性豊かなリゾートホテルを展開する共立リゾートだからこそ。到着から早々に、こちらのホテルのことが好きになってしまいました。
ロビーにはセルフのコーヒーのほか、飲める温泉水「関平(せきひら)鉱泉」が用意されています。肌の弾力を高める効果が期待できる天然シリカが多く含まれていて、宿泊客からも人気だそう。
さらに、ロビーには芋焼酎やウイスキー、黒糖梅酒などのアルコールもスタンバイ。こちらも自由に飲むことができます。
客室
ラビスタ・フォース
客室は全105室で、5つのタイプが用意されています。今回は最上階の4階にある「ラビスタルーム」の一つ、「ラビスタ・フォース」に宿泊しました。約50~54平米の広々とした空間は、ナチュラルな雰囲気のインテリアが心地よさを醸し出しています。
優しい灯りに安心感を覚える独立したベッドルームも備わっていて、最大4名まで宿泊できます。
「ラビスタルーム」の最大の魅力は、全室に備えられた露天風呂から望む桜島や霧島の山々などの絶景。テラスで心置きなく天然温泉を堪能できます。
すばらしい眺望を独り占めできるのは、桜島ビューが確約されている最上階のお部屋だからこそ。ぜいたくな時間に心と身体がほぐれていきます。
ダブルシンクの洗面所は使い勝手抜群。おしゃれなタイルに南欧の風を感じます。
動きやすいオリジナルの館内着は、購入することも可能です。大浴場や貸し切り風呂にタオルはないので、足を運ぶ際はお部屋に用意された「湯かごセット」を持参して向かいましょう。
挽き立てのコーヒーが味わえるよう、全室にコーヒーミルが用意されています。時間をかけて豆を挽き、丁寧に入れたコーヒーのおいしさは格別。くつろぎの時間をより一層豊かにしてくれます。
お部屋菓子の「丸十生サブレ」は、しっとりとした食感が絶妙。中には霧島茶のチョコレートが包まれています。
ラビスタ・ツイン
定員2名の「ラビスタ・ツイン」は、夫婦やカップルでの旅行に最適なお部屋。こちらも最上階なので見晴らしは抜群。窓の外に桜島が広がります。
温泉
無料で利用できる大浴場で、多彩な湯船を堪能
客室の温泉だけでなく、大浴場でさまざまなタイプの湯船を楽しむのも、おすすめの過ごし方です。南ヨーロッパをイメージした洋館ながら、大浴場と貸し切り風呂は和風のしつらえ。「温泉は和風が癒やされる」という宿泊客の声に応え、異国情緒と和の趣が見事に融合しています。
女湯の内湯に飾られた欄間には、霧島連山があしらわれています。ホテル自慢の特注品なので、入浴の際はぜひじっくりと眺めてみてください。
泉質は刺激の少ない単純温泉で、老若男女問わず誰でも安心して入れます。温度も熱すぎず、身体を少しずつ温めてくれるため、温泉に慣れていないビギナーでも入りやすいと感じました。
男女とも、手入れが行き届いた日本庭園を眺めながらまったりできる露天風呂が備わっています。大浴場は15:00~25:00、翌朝5:00~10:00の時間帯で利用でき、チェックイン直後や就寝前、朝一番と、何度も訪れる方が多いそうです。
ドライサウナやミストサウナ、背中と腰をじんわりあたためるベンチ式岩盤浴などに無料で入れるのもうれしいですね。
趣の異なる3つの貸し切り風呂も、無料で楽しめる
今回の滞在で特に素敵だと感じたのが、プライベートな空間で天然温泉を満喫できる貸し切り風呂。予約はいらず、無料で楽しめます。施錠すると入口のランプが点灯するので、これが消えている場合はいつでも入れます。
貸し切り風呂は全部で3つあり、それぞれに趣が異なります。樽をイメージした「神楽(かぐら)の湯」は、より開放感を求める人におすすめ。日本庭園や頭上の空を眺めながら、のんびり温泉に浸かれます。
「桧扇(ひおうぎ)の湯」は、ヒノキの香りに包まれながら天然温泉を楽しめます。どこか懐かしく優しい香りは癒やされ度満点で、何度でも入りたくなりました。
霧島神宮に伝わる七不思議の一つ、亀にそっくりな岩・亀石をイメージした「亀岩の湯」。貸し切り風呂の中で一番広く、家族や友人と一緒に利用するのも良さそうです。
貸し切り風呂も大浴場と同様、15:00~25:00と翌朝5:00~10:00に利用できます。
施設紹介
滞在がより充実するサービスも満載
夏季限定でオープンするガーデンプールは、南国リゾートのようなロケーションに思わずテンションが上がります。25mプールのほか、子ども用のプールや天然温泉のジャグジーも備えていて、近くのパーラーでは缶ビールやハイボールなどのドリンクも用意しています。
館内にはエステもあり、死海の海水と泥を使用した「デッドシートリートメント」やオールハンドの施術で肌本来の美しさを引き出す「フェイシャル」、上質な香りで心身の緊張を解きほぐす「ヒーリングアロマトリートメント」などの施術を用意。本格スパで日ごろの疲れやストレスをリセットする、至福の時間を堪能できます。
利用する際は事前に電話をするか、当日フロントで予約が必要です。また、男性一人で利用することもできます。
「ナイトバー季楽」は、最上階の宿泊客限定で15:00~17:00に利用できるラウンジ。窓の外の日本庭園を眺めながら、生ビールやハイボールなどのドリンクとおつまみを好きなだけ楽しめます。最上階以外の宿泊客は、2,200円で利用することができます。
館内にはカラオケルームも3室あり、旅の合間に楽しいひと時を過ごしたい人にぴったり。5名まで1時間1室4,400円(※6名以上は1名1,100円追加料金)で、最大10名まで利用できます。
愛犬と一緒にリゾートステイを体験できるのも「ラビスタ霧島ヒルズ」の大きな魅力。専用エントランスを備えた3階には、愛犬とともに宿泊できる客室が19室あります。敷地内にはワンちゃんたちが走り回れるドッグランもあり、大切な家族の一員とくつろぎの時間を満喫できます。
夕食
鹿児島の山海の恵みを、洋食コースで味わう
気の向くままに過ごしていると、いつの間にか日が暮れて夕食時になっていました。青い空と山々の緑が織りなすコントラストも素敵でしたが、ドラマチックな夕焼けは泣きたくなるほどの美しさ。天気がいい日は、ぜひ目に焼き付けてください。
夕食は1階のレストラン「アリアセレーナ」へ。店内の大きな窓からは、ガーデンプールが望めます。
こちらで味わえるのは、イタリアンの技法で旬菜の新たな魅力を引き出した、季節のコース料理。内容は3カ月に1回ほどで変わり、連泊の場合は2泊目以降、和食も選べます。
1品目のオードブルは、秋刀魚(サンマ)の香草パン粉焼きやテリーヌロッシーニなどが一皿に。食前酒はノンアルコールも選べるので、お酒が飲めない方や子どもも安心です。
3品目は安納芋(あんのういも)を蒸して裏ごしし、チキンブイヨンと牛乳、クリームを合わせたポタージュスープ。鹿児島名物の安納芋の甘みがたまらない品です。自家製のパンはオリーブチャバタと石窯バケットの2種類で、お代わりもできます。
4品目の本日の鮮魚は、その日に近港でとれた魚を使用。この日は真鯛で、高温で一気に蒸し上げた身はふっくらと柔らかく、ニンジンやゴボウなど根菜を使ったソースが味わいをより引き立てます。上に乗せた三日月パイのサクサク食感もいいアクセントになっていて、即完食してしまうほどのおいしさでした。
メインの肉料理は2種類から選べます。この日は「黒毛和牛のローストビーフ トリュフ入りペリグーソース」か、あるいは「鹿児島県産黒豚のロースト トリュフ入りペリグーソース」。迷った挙句、ローストビーフをチョイスしました。2種類選んでシェアする家族も多いそうです。
低温調理で5~6時間かけてゆっくり火を通したローストビーフはオーダー後に切り分けられ、驚くほど柔らかでジューシー。トリュフの豊かな香りを楽しめるソースも絶品です。
肉料理を味わっていると、スタッフから「まだ食べられますか?」と声をかけられました。「もちろんです!」と答えたところ、メニュー表にはないごはん・お吸い物・お漬物のセットが登場。洋食の合間に挟まれる和食に、なんだかほっこりしました。
デザートはコーヒーor紅茶をいただきながら、「パイナップルとヨーグルトのケーキ フルーツを添えて」。お腹いっぱいと思いながらも、甘いものはやっぱり別腹でした。
夕食後
おなじみ「夜鳴きそば」は醤油とトマトの2種類
夕食後にしばらくお部屋で休んだら、貸し切り風呂が恋しくなって「桧扇の湯」へ。夜は日本庭園がライトアップされるので、昼間とはひと味違う神秘的な雰囲気の中、ゆったりと温泉に浸かれます。
お風呂上がりには、湯上り処でアイスキャンディーを。15:00~25:00の間に無料で提供されていて、火照った身体のクールダウンにうってつけです。
温泉に入って少し小腹が空いてきたので、「いこい処 結月」へ向かいます。こちらでは22:00~23:00の間、共立リゾート名物の「夜鳴きそば」を無料でいただけます。
夜鳴きそばは、定番の醤油ラーメンとトマトラーメンの2種類。トマトラーメンは、共立リゾートの中でも「ラビスタ霧島ヒルズ」でしか味わえません。優しい酸味が絶妙で、夕食をしっかり食べた後にも関わらず、お代わりしてしまうほどのおいしさでした。
館内に24時間営業の売店があるのもうれしいポイント。お菓子や軽食のほか、アルコールやおつまみも充実しているので、飲み足りない場合はこちらで購入することも可能です。
売店にはお土産もたくさんそろっています。お部屋菓子として用意されていた「丸十生サブレ」は「ラビスタ霧島ヒルズ」とコラボしたオリジナルパッケージで、滞在の思い出やお土産にぴったりです。
朝食、チェックアウト
70種類もの料理から、好きなものを好きなだけ
翌日の朝食もレストラン「アリアセレーナ」で、和洋ブッフェをいただきます。70種類ものメニューがずらりと並ぶ様子は圧巻です。
「さつま揚げ」や、鶏肉と根菜を煮込んだ「きいこん」など、鹿児島で古くから親しまれる郷土料理もあります。季節の野菜とお肉がたっぷり入った「さつま汁」も一押しです。
黒豚をはじめ、地元の食材を使ったメニューも満載。毎朝ホテルで焼き上げるパンは種類も豊富で、朝は洋食派という人も満足できそうです。
鹿児島県の奄美大島を代表する郷土料理の「鶏飯」は、必ず食べたいメニューの一つ。ごはんに具材を好きなだけ乗せ、あっさりとした出汁をかけたら完成です。
手をかざすだけで小さなパンケーキが焼き上がる、自動パンケーキマシーンも。はちみつ、シナモン、オレンジジャム、ホイップクリームなどをトッピングして、自分好みの味に仕上げましょう。スフレチーズケーキや杏仁豆腐にフルーツなど、デザートも充実しています。
次々と作られるオムレツは、ホワイトソース・トマトソース・デミグラスソースの3種類から好きなものをかけていただきます。
彩り豊かなおかずやご当地料理を、好きなだけ味わえる朝ごはん。充実した1日を始めるためにも、しっかり元気をチャージしましょう。
心に残る眺望が、旅の満足感をより高めてくれる
チェックアウトをしていると、夜中に雨が降っていたこともあってか外には大きな虹が。天候が変わりやすい山の上だからこそ見られた奇跡の景色に、最後まで感動の滞在となりました。
桜島を望みながら、温泉と美食を満喫できる「ラビスタ霧島ヒルズ」。「ラビスタ(眺望)」という名前にふさわしい風景は心に刻まれる美しさで、心身ともに癒やされる旅になりました。非日常的な空間だからこそサプライズをする人も多く、プロポーズの舞台としてもよく使われるそうです。
リゾート気分に浸りながら大切な人と、日々の喧騒を忘れる特別なひと時を過ごしてみてください。
ラビスタ霧島ヒルズ
- 住所
- 鹿児島県霧島市牧園町高千穂3812-6
- アクセス
- 鹿児島空港、九州自動車道「横川」ICより車で約30分、JR「霧島神宮」駅より無料送迎有り(要予約)
- チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 11:00
- 客室数
- 105室
- 駐車場
- あり/105台(予約不要)
撮影/岡村智明 取材・文/石川知京