成田山新勝寺へ続く参道にはおいしいグルメ店が軒を連ねます。ランチにおすすめのうなぎ、蕎麦、食べ歩きグルメに羊羹などのお菓子やお土産まで充実。成田山新勝寺参拝後に訪れたいおすすめ店をご紹介します。
成田山新勝寺の参道でグルメ歩き
千葉県成田市の成田山新勝寺は、全国でも人気の初詣スポット。都内から電車で約1時間、成田空港から電車で約10分とアクセスしやすく、日帰り観光にもおすすめです。
また、新勝寺と成田駅をつなぐ参道は、歴史的な佇まいを残すばかりでなく、絶好のグルメスポットでもあります。名物のうなぎや蕎麦、食べ歩きグルメにスイーツまで、さまざまな飲食店が充実。成田山新勝寺へ訪れたら、参拝の前後にグルメ散策をしてみてはいかがでしょうか。
店先で職人が腕をふるう、うなぎ屋「川豊(かわとよ)」
海から離れた成田では、印旛沼や利根川で獲れる川魚を盛んに料理するようになりました。成田でうなぎが名物になったのは、参道と同じく江戸時代の元禄年間頃からなのだそうです。
参道沿いの店舗の3分の1が鰻料理を提供しているため、うなぎ屋の看板が目に入らないエリアはありません。中でも成田観光館の正面には、3店舗のうなぎ屋が連続して軒を連ねています。
いずれの店も成田では屈指のうなぎ屋で、成田駅側から、「川豊」、「菊屋」、「近江屋」です。
「川豊」は1910年創業の老舗店です。「割きたて・蒸したて・焼きたて」にこだわり、店先で熟練の職人が、生きたうなぎをさばき、焼き上げています。
焼きたてのうなぎは、香ばしく、ふっくらとした食感が楽しめます。ランチタイムはもちろんのこと、10:00の開店前から、店の前は開店を待ちきれない人が溢れる人気店です。
川豊のうなぎは、創業当時から継ぎ足した薄甘口の秘伝たれで味付けをしています。うなぎ蒲焼(2,700円)は、表面は香ばしく、口に運ぶとふんわり柔らかい食感とともにうなぎの旨味が広がります。
川豊
夜も営業しているうなぎ屋「菊屋」
成田山から徒歩約2分の場所にある「菊屋」は、江戸時代の天保年間には煮売屋として営業を行っていたそうです。国産の焼きたてうなぎの他にも、川魚、刺身などさまざまな日本料理を楽しめます。
参道沿いの飲食店はほとんどがランチタイム営業ですが、「菊屋」は夜も営業しています。成田をはじめとする各地の地酒も揃うので、ゆっくり料理とお酒を楽しみたい人におすすめ。
じっくりと焼き上げたうなぎ蒲焼(3,700円)の表面はぱりっとしながらも、中身は柔らかに仕上がっています。うなぎ以外の和食メニューが豊富なのも魅力です。
菊屋
- 住所
- 千葉県成田市仲町385
- 営業時間
- 10:00~21:00(L.O 20:00)
- 定休日
- 無休
うなぎの他に天ぷらも人気の「近江屋」
成田山新勝寺から徒歩約3分「近江屋(おうみや)」も歴史が古く、店を構えて300年も続く由緒あるお店です。うなぎはもちろん、天ぷら料理を目当てに訪れる人も多いそう。
近江屋
- 住所
- 千葉県成田市仲町384
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 水曜日
有形文化財を店舗とする和食処「大野屋」
成田観光館から新勝寺に向かって数十メートル歩くと、望楼を備えた木造3階建ての堂々とした建物が現れます。1790年創業の風格を放つ「大野屋」。うなぎや和牛のビフ焼を看板メニューとしていますが、成田名産の漬物、鉄砲漬もこだわっていて人気です。
大野屋
新勝寺の総門の横でうなぎを焼く「駿河屋」
新勝寺の総門に最も近いところに店舗を構えているうなぎ屋は「駿河屋」です。
江戸時代の寛政年間の1798年には、「駿河屋」という旅籠屋として営業をしていたという記録が残されていますが、現在はうなぎ専門店として営業しています。
店先では、うなぎをさばき、串に刺し、炭で焼く職人の姿を見ることができます。
うなぎ蒲焼(3,575円)に使用されているのは、代々受け継がれる「秘伝のたれ」。ベースは下総醤油で、これに絶妙の比率で加えるみりんは、三河味醂の白九重味醂を使い続けているのだそう。職人の技が凝縮した「たれ」は、うなぎの味わいをまろやかに包んでくれます。
駿河屋
蕎麦やうなぎ料理を提供「多津美」
「多津美(たつみ)」は、成田山新勝寺総門前にある蕎麦屋さん。蕎麦はもちろん、秘伝のたれを使ったうなぎを、うな重や蒲焼といったメニューで用意されています。蕎麦もうなぎも、どちらも食べたい方におすすめです。
せいろそば(740円)はしっかりとしたコシ、もちもちとした食感の手打ち蕎麦を味わうことができます。大正2年から受け継ぐ蕎麦つゆと、店主が丁寧に打つ自家製蕎麦を堪能しましょう。
多津美
- 住所
- 千葉県成田市本町345
- 営業時間
- ランチ 10:30~15:00
ディナー(完全予約制)15:00~23:00
※ディナーはコースのみの完全予約制
※コースは昼・夜ともに5日前までに要予約
- 定休日
- 不定休
- 詳細
- 「多津美」公式サイト
地元民から愛される「蕎麦処 ふじや」
こちらは成田駅より徒歩約9分の場所にある「蕎麦処 ふじや」。成田山薬師堂前に佇むこちらのお店は、昭和9年に創業。伝統ある昔ながらの蕎麦屋さんで、なじみのお客さんが足しげく通います。
人気メニューのもり蕎麦(800円)は、香りも豊かなつゆと、のどごしの良い蕎麦が相性抜群。冷たい料理も温かい料理もバラエティ豊かにそろっているので、天候に合わせて注文ができます。
ふじや
- 住所
- 千葉県成田市幸町495
- 営業時間
- 11:00~17:00
- 定休日
- 金曜日
めずらしい「うなぎパン」が名物の「ぱん茶屋」
参道には食べ歩きグルメも満載!地元の食文化を取り入れたものや、ユニークなアレンジを加えたものなど、店ごとの個性が光るメニューがそろいます。
こちらの「ぱん茶屋」では、うなぎをパンにはさんだ「うなぎパン」が人気です。テイクアウトはもちろん、店内のイートインコーナーで座りながらゆっくり食べることもできます。
うなぎぱん(691円)の中には、うなぎの蒲焼き、爪の鉄砲漬、山椒が入っています。ほかにも、あんバターやイチゴジャムバターなどをつめた「コッペぱん」も人気です。懐かしの味がよみがえってきます。
ぱん茶屋
- 住所
- 千葉県成田市上町551
- 営業時間
- 10:00~17:00(テイクアウトのみ18:00まで)
※売り切れ次第終了
- 定休日
- 火曜日
「ごま福堂」で「金ごま入り黒毛和牛コロッケ」を堪能
「ごま福堂」は、杵と臼でついた「杵つき金ごま」をベースにした食品や調味料が並んでいます。
「金ごま入り黒毛和牛コロッケ」(200円)は、国産黒毛和牛や淡路産玉ねぎ、北海道羊蹄山の馬鈴薯、トルコ産最高級金胡麻を使ったぜいたくなコロッケ。口に入れた瞬間、ほのかなごまの香りが口の中に広がります。
ごま福堂
- 住所
- 千葉県成田市仲町390
- 営業時間
- 9:30~17:00
- 定休日
- 無休
炭火で焼いた「焼き団子」は「榎屋」へ
「榎屋(えのきや)」は「焼き団子」の専門店です。串に刺さった大きな団子は1本400円。トッピングを「味噌ダレ」「みたらし」から選べ、目の前で炭火の七輪に刺して焼いてくれます。
一本一本丁寧に炭火で焼いたお団子を見ているだけでお腹が空いてきます。大きな焼き団子を頬張りながら、のんびり散策へ出かけましょう。
榎屋
- 住所
- 千葉県成田市上町503
- 営業時間
- 9:00~17:30
- 定休日
- 月曜日
絶品あんこ「大判焼き」専門店「金時の甘太郎」
「金時の甘太郎」は、1961年から「大判焼き」一筋で営業を行っています。生地に練り込まれる餡は、「あずきあん」と「しろあん」の2種類です。とても人気のお店で平日でも行列になることがあります。
豆の食感を残した餡を、ふっくらとした生地に包んだ甘太郎焼き(150円)は絶品!カリッと焼かれた皮は薄めで、軽く噛むだけでトロリとした餡が口の中にとろけていきます。控えめな自然の甘さなので、とっても食べやすいですよ。
金時の甘太郎
- 住所
- 千葉県成田市花崎町527
- 営業時間
- 9:00~売り切れまで
- 定休日
- 無休
食べ歩き定番の「串せん」は、せんべい屋「林田」
「林田」は1912年創業のせんべい屋です。うるち米のお煎餅である折れ助と、絶妙な硬さを実現したもち米のおかきである葉切り餅の2種類から選ぶことができます。
食べ歩きグルメとして人気の「串せん」(1本100円~)は、手の汚れを気にすることなく楽しめるのがうれしいポイント。
林田
- 住所
- 千葉県成田市幸町490
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 月曜日
人気の「ぴーなっつ最中」を「なごみの米屋」で購入
千葉県内の各所に販売店を出店しているので、千葉県民で「なごみの米屋」を知らない人はいないでしょう。その總本店を参道沿いに構えているのです。
地元の芝栗を練り込んで「栗羊羹」を創製したことに始まり、2019年10月に創業120年を迎えました。總本店の裏の羊羹資料館では、羊羹の作り方や歴史を紹介しています。
羊羹から始めたお菓子作りですが今では、大福、どら焼、きんつば、最中、焼菓子、生菓子などを加え、バラエティーも豊富です。材料には栗や、千葉県の名産のピーナツなどを使用し、ユニークなお菓子を販売しています。
成田の定番土産、ぴーなっつ最中(1個150円)はバラ売りでの購入も可能です。ピーナッツ型の最中で包まれているのは、甘煮の落花生を練りこんだ白餡。「ぴーちゃん」のかわいいパッケージも女性に喜ばれそうです。
なごみの米屋 總本店
- 住所
- 千葉県成田市上町500
- 営業時間
- 8:00~18:00
※元旦は0:00~20:00、1/2は7:00~19:00、1/3は7:00~18:00
※状況により、元日~1/3は閉店時間が早まる場合あり
- 定休日
- 無休
お土産は「米分」の元祖「栗蒸ようかん」を
大正8年に創業した老舗和菓子店「米分(よねぶん)」では、創業時からの名物「栗蒸ようかん」がお土産として人気です。店内にはティールームも併設されており、庭を眺めながら和菓子やお茶を楽しむことができます。
栗蒸ようかんも(1本800円)成田観光のお土産におすすめ。米分の秘伝の羊羹生地に、栗を一粒一粒手作業で埋め込み、丁寧に蒸しあげて作られています。もちもちした食感で上品な甘さの栗羊羹は喜ばれること間違いなしですよ。
米分
ご飯のおとも「鉄砲漬け」がそろう「川村佐平治商店」
もうひとつ見逃せないのが、成田名産の漬物「鉄砲漬」です。種子をくり抜いた瓜の中に、しその葉を巻いた青とうがらしを詰め、しょうゆやみりんなどの合わせだれに漬け込みます。うりが砲筒、青とうがらしが弾に見えることから「鉄砲漬」と呼ばれるようになりました。
こちらの鉄砲不動漬は、契約農家が栽培した千葉県産の瓜を使用した昔ながらの鉄砲漬です。いくつかを味見して、気に入ったものをお土産にすると間違いないはずですよ。
川村佐平治商店(本店)
- 住所
- 千葉県成田市仲町381
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 不定休
新感覚「フローズン甘酒」を「鍋屋源五右衛門」で体験
成田の食文化があふれている新勝寺の参道。これまで紹介したグルメの他にも、成田の伝統は日本酒にも生かされています。「蔵元グルメ 鍋屋源五右衛門」は、「仁勇」「不動」などの地酒の蔵元直営店です。
店内には瓶詰めされた地酒が豪快に並んでおり、さまざまな食事に合う日本酒をはじめ、蔵元スイーツ、甘酒などが販売されています。
夏季限定のフローズン甘酒(1杯250円)など酒粕を利用した甘酒もぜひ堪能してみてください。定番の温かい甘酒とはまた違い、ごくごくと飲んでしまいます。飲む点滴とも言われるほど栄養素の高い甘酒、参拝の合間におすすめです。
蔵元グルメ 鍋屋源五右衛門
- 住所
- 千葉県成田市本町338
- 営業時間
- 9:00~16:00(土日祝は~17:00まで)
- 定休日
- 水曜日
成田山参道のグルメはとにかくバラエティ豊か。一日で全ての魅力を食べ尽くすことはできないでしょう。何度か足を運んで参道グルメを楽しんでみてはいかがでしょうか。
新勝寺の参道周辺グルメマップ
成田山新勝寺周辺のホテル・旅館
取材・写真・文/大林 等