西武鉄道の特急ラビュー・レッドアロー号に乗って約90分で行ける、都内からも近い旅行先・埼玉県秩父・長瀞(ながとろ)エリア。パワースポットやグルメなどのスポットが多く女子旅におすすめです。今回は、秩父・長瀞エリアを満喫する1泊2日のモデルコースをご紹介します。
旅のスタートは秩父「三峯神社」から
DAY1
秩父旅のスタートは、「三峯神社(みつみねじんじゃ)」から。アクセスは、池袋駅から西武鉄道・特急ラビュー・レッドアロー号で西武秩父駅まで約1時間20分。三峯神社行き急行バスで 約1時間30分あるいは御花畑から秩父鉄道に乗り換え終点の三峰口駅まで約20分、そこから西武バスで三峯神社に行くことができます。
三峯神社は海抜1,100メートルと高地にある神社で、ヤマトタケルノミコトが国生みの夫婦神イザナギノミコト・イザナミノミコトの2柱を祀ったことが始まり。
神社の東に3つの峰が連なることからその名がついたといわれています。ずっしりとしたたたずまいの「隋身門(ずいしんもん)」は、1691年に建立されたもの。
広い境内は、散策するだけでマイナスイオンをたっぷりと浴びてリラックスできます。初夏には霧が立ち込めることも多く、幻想的な雰囲気に包まれます。
拝殿前の階段は、左側通行になっていますので、左側を歩くようにしましょう。
三峯神社の拝殿は、1800年に建立されたものになります。階段の下から見上げると、その美しさに目を奪われます。
大額は有栖川宮一品親王殿下が書かれたものです。また、拝殿の天井絵は奥秩父の花木が百数十種類も描かれています。あらゆる厄災を祓い、開運成就のご利益があるといわれています。
三峯神社の境内は、たくさんの古木・大木に囲まれています。
その中でも拝殿前にそびえる2本の立派な杉の木は、鎌倉時代に奉献されたもので、樹齢800年と推定される「神木」です。神木には直接触れることができるので、神木を通して三峯山のよい気をチャージしましょう!
三峯神社を参拝したら、絵馬を奉納するのもおすすめ。三峯神社で取材をしたというコミック『神主さんの日常』の作者・瀬上あきら氏が描いたかわいいイラストの絵馬があります。
力強い御朱印をいただくのもおすすめ。拝殿左手の授与所でいただくことができます。
正面の石段を登って絶景ポイントへ
本殿に参拝して隋神門まで戻ってきたら、駐車場へと向かわずにそのまま正面の石段を登りましょう。
石段の先にある「遥拝殿(ようはいでん)」は、神社内で唯一、下界を見渡すことができる見逃せない絶景ポイントです。運が良ければ、眼下に雲海が広がることも。
三峯神社の参拝は、行って帰って1時間ほど。1時間半から2時間くらいを見ておくとよいでしょう。
三峯神社
ランチは秩父名物グルメ「豚みそ丼本舗 野さか」
三峯神社からバスで西武秩父駅へ戻ったら、徒歩約4分「豚みそ丼本舗 野さか」へ。焼いた豚肉の味噌漬けが香ばしく食欲をそそる秩父名物。行列が絶えない人気店です。
一番人気は「並盛」。味噌たっぷりのロース肉とバラ肉がミックスされた丼ぶりで、香の物とお味噌汁が付いてきます。ほかに、ロース肉のみの「ロース丼」、バラ肉のみの「バラ丼」も選べますよ。
人気店なので、午前中で豚みそ漬けがなくなってしまうことも。ぜひお早めに訪れてください。
豚みそ丼本舗 野さか
秩父エリアの総鎮守「秩父神社」
秩父神社は、秩父鉄道 秩父駅より徒歩約5分、西武秩父駅からは徒歩約10分の場所にあります。秩父市の中央に位置する秩父神社は秩父地方の総社・鎮守で、創立は2080年余り前といわれています。
毎年12月3日に行われる例祭「秩父夜祭」は、国の重要無形民俗文化財と重要有形民俗文化財に指定されているほか、2016年にはユネスコの無形文化遺産に登録されたことでも有名です。
御本殿の美しさは埼玉随一
秩父神社の御本殿は、1592年に徳川家康が寄進したものと伝えられています。埼玉県随一の美しさといわれる権現造は、あまりの美しさに見とれてしまうほど。
御本殿には数多くの彫刻が施されています。
元気な秩父の三猿
例えば、御本殿西側には三猿も。三猿というと日光東照宮の「見ざる・聞かざる・言わざる」が有名ですが、秩父神社の三猿は「よく見て・よく聞いて・よく話す」「お元気三猿」と呼ばれています。御本殿だけでなく、絵馬にも元気な三猿が描かれています。
御本殿北側の中央に彫刻されたフクロウは、「北辰の梟」と呼ばれています。顔は真北を向いていながら、体は正面の御本殿に向いていて、昼夜を問わず御祭神をお守りしているのだそう。
水占いにチャレンジ
御本殿への参拝を終えたら、神札所でおみくじを引きましょう。小倉百人一首にちなんで名づけられた「柞の禊川(ならのみそぎがわ)」で行う水占いがおすすめです。武甲山の霊験あらたかな伏流水におみくじを浸せば、良縁を授かれるのだそう。
秩父神社でいただける御朱印には、「秩父神社」と「知知夫国総鎮守」との朱印が押されます。
秩父神社
「秩父まつり会館」で秩父まつりに触れる
秩父神社から徒歩約2分の場所にある「秩父まつり会館」では、毎年12月3日に開催される日本三大曳山祭の秩父夜祭について触れることができます。
3Dシアターでは、秩父まつりや秩父の四季折々の風景を立体映像で見ることができます。巨大な笠鉢や屋台とプロジェクションマッピングとのコラボレーションは圧巻の迫力!
秩父まつり会館
- 住所
- 埼玉県秩父市番場町2-8
- 営業時間
- 9:00~17:00(4月~11月)10:00~17:00(12月~3月)※入館受付は16:30まで
- 入館料
- 一般 500円、小中学生 250円
- 休館日
- 第4・第5火曜日(※祝祭日は開館)、12月29日~1月1日
秩父土産なら「八幡屋本店」へ
こちらも秩父神社前交差点にある、八幡屋本店。明治35年に秩父神社前に創業したお菓子屋さんです。秩父土産にぴったりな、秩父の特産物を生かしたお菓子を買うことができます。
おすすめは栗あんの上にくるみをのせた焼菓子「秩父自慢」、秩父山の厳選された原料から作られるプルプルのゼリー「秩父ワインゼリー」。丁寧に梱包されたパッケージも素敵ですね。
和銅最中本舗 八幡屋本店
緑豊かな穴場スポット「金石水管橋」
腹ごなしにお散歩するなら「金石水管橋(かないしすいかんきょう)」がおすすめ。長瀞ライン下りの下流コースにもなっているので、屋形船が流れてくる様子を見ることもできます。
金石水管橋
- 住所
- 埼玉県秩父郡長瀞町
火災盗難除け・諸難除けの「宝登山神社」へ
DAY2
1泊2日のモデルコース2日目は、秩父の御花畑駅から電車で約25分の場所にある長瀞駅からスタートしましょう。長瀞駅から徒歩約15分の場所にある宝登山(寳登山・ほどさん)神社へ向かいます。
宝登山神社は、ヤマトタケルノミコトが秩父の地を訪れた際に突然の山火事に会って立ち往生したところ、山犬たちが現れて瞬く間に火を消し止めてくれたことから、火を止める山=火止山(ほどさん)と名付けたことが始まりだといわれています。そのため、火災除け・諸難除けの守護神とされています。
宝登山神社の本殿は、1847年から再建工事が始まり、1874年に完成した権現造です。
色鮮やかな彫刻は必見
社殿の欄間には、「二十四孝」を始め多くの色鮮やかな彫刻が施されています。
見どころは多数ありますが、ぜひ見てほしいのは本殿裏側の屋根近くにある「昇り龍」。「鯉が川を登り龍に成る」という出世を表した彫刻です。ほかにも、二十四孝の彫刻なども見どころです。
ほかにも、宝玉稲荷神社や学問の神が祀られた天満天神社、宝登山から湧き出る水の神を祀る水神社などもあります。摂社末社をめぐりながら、深い緑の中を歩けば、リフレッシュもできますよ。
大祓やユニークなおみくじも
宝登山神社では、人形に日ごろの穢れや過ちを託して祓い清める「大祓」が、6月30日(夏越の大祓)と12月31日(晦日の大祓)の年2回行われます。女性は赤色、男性は白色の人形に氏名・年齢を書き、息を吹きかけ、体を撫でぬぐい、箱へ納めれば、穢れを祓い清めることができるのだそう。
宝登山神社のおみくじは、黄金の壺の中に入った打ち出の小づち「お宝小槌守みくじ」。数色の小づちがあり、どの色を引き当てるかは運しだい。小づちの中におみくじが入っています。引き当てた小づちは、持ち帰りましょう。
宝登山神社には、昭和天皇皇后両陛下のご成婚を奉祝し植えられた黒松・赤松の「相生の松」があります。ともに寄り添う樹の姿から、良縁成就のご利益があると伝えられています。
かわいいお守りは女性たちに人気です。招福開運のご利益があるといわれる御福銭は、お財布などに入れて持ち歩きましょう。
宝登山神社周辺は自然が豊かなエリア。時間があれば、ロープウェイで宝登山神社の奥宮を参拝したり、四季折々の景色が楽しめる散策コースをのんびりと歩いたりするのもおすすめです。
宝登山神社
- 住所
- 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1828
- 詳細
- 「宝登山神社」公式サイト
2日目のランチは長瀞の名店「そば処 はやし」
「そば処はやし」は、数々のマスコミ取材を受けている、長瀞の有名店のひとつ。かわいらしいご年配の元気な看板娘たちが出迎えてくれる、長瀞の名物店です。
長瀞といえばおそば。そば処はやしでも「ざるそば」は定番人気です。おすすめは、しゃくし菜めしとおそばがセットになった「しゃくし菜めし そばセット」。しゃきしゃきの漬物を混ぜ込んだご飯は、ほどよい塩味で箸が進みます。
ほかに、あまじょっぱいみそだれでいただく「みそおでん」もおすすめ。
そば処はやし
- 住所
- 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞454-1
- 営業時間
- 10:30~16:10
- 定休日
- 無休
長瀞駅から歩いてすぐ「岩畳」へ
荒川はゆっくりと静かに流れる「瀞(とろ)」が長く続くことから、「長瀞」と呼ばれました。そんな長瀞の名所といえば、なんといっても「長瀞岩畳」。
ゆっくりと流れる深い緑色の荒川沿いに、岩でできた広大な畳のように隆起した岩が広がります。長瀞岩畳は藤の群生地でもあり、シーズンには藤の花の甘い香りが漂います。
長瀞岩畳
- 住所
- 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞
長瀞名物「ライン下り」で自然を堪能
長瀞の醍醐味は、ライン下り。上流から岩畳までのAコースと岩畳から下流へと進むBコースがあり、それぞれに長瀞の自然を楽しむことができます。
どちらも約3キロ約20分のコースで、大人1,800円、こども900円。ABコースを一度に楽しめる全コースは定時出発で、大人3,300円、こども1,600円です。
長瀞ラインくだり本部
- 住所
- 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞
- 電話番号
- 0494-66-0950
- 受付時間
- 9:00〜16:00頃
- 全コース(定期便)乗船時間
- 10時/11時/12時/13時/14時の1日5便
- 営業期間
- 3月10日~12月4日
※冬季1~2月は「ぽかぽか こたつ舟」として営業
岩畳から駅まで「岩畳通り」を散策
長瀞駅から長瀞岩畳までの間は「岩畳通り」と呼ばれています。タイルが張り巡らされた通りには、飲食店やお土産屋などが軒を連ねていて、散策するのも楽しいですよ。
熊笹まんじゅうや豆類が人気の「万寿庵」
万寿庵は、長瀞岩畳から徒歩約2分の場所にある、長瀞土産として人気の熊笹まんじゅうや豆製品が人気のお店です。一番人気は千両箱のパッケージの箱が目印の「借金なし」。
万寿庵オリジナルの熊笹・そばの実・桑の実をブレンドした健康茶「万寿の茶」は、店内で試飲も行っています。ほかには、「きなこまめ」も人気なのだそう。
万寿庵
- 住所
- 長瀞町長瀞447
- 電話番号
- 0494-66-3555
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 無休
万寿庵にあるおしゃれカフェ「長瀞とガレ」へ
こちらは「万寿庵」の三代目が始めたガレット専門店「長瀞とガレ」。
「長瀞とガレ」では、秩父名物の豚のみそ漬けをホットドック風ガレットにした「みそ豚ガレドック」がおすすめ。注文してから焼き上げられるガレットは、ほんのり甘い香りがします。豚の味噌漬け入りソーセージがとてもジューシーで、おやつにもぴったりです。
秩父メープルを使った「秩父メープルのサイダー」や、ご当地クラフトビールもおすすめです。
長瀞とガレ
少し足を延ばして訪れたい豆腐の人気店「うめだ屋」
秩父郡長瀞町にある、築100年の古民家を再利用した「うめだ屋」は、「毎日食べてもおいしくて飽きない」と人気のお豆腐屋さんです。
おいしさの秘訣は、秩父産大豆「白光」を使い、丁寧に作っていることにあるそう。うめだ屋ではお豆腐がおいしいのはもちろんのこと、豆腐ドーナツも人気なのです。初めて豆腐ドーナツを食べる方はおからの素材を堪能できる「プレーンドーナツ」130円がおすすめ。
お豆ふ処 うめだ屋
四季折々の風景が楽しめる、秩父・長瀞エリア
秩父・長瀞エリアでは、春には桜や芝桜、初夏にはポピーやアジサイ、ハスなどが見ごろを迎え、秋には紅葉も楽しめます。季節ごとに表情を変える秩父長瀞エリアをぜひ訪れてみませんか。
長瀞の観光マップ
取材・撮影・文/河合理恵