本州最東端の宮古市で新鮮な海の幸が堪能できる街の魅力、美しい景観に心癒されるおすすめ観光コースをご紹介します。新たに誕生した体験型ご当地グルメ「瓶ドン」とは!?
岩手県宮古市までのアクセス
盛岡駅から電車かバスで約2時間!
東京駅から盛岡駅まで東北新幹線で約2時間、そこからJR山田線または「106急行バス」に乗って約2時間で宮古駅前に到着します。
海岸線のドライブを楽しみたい方はレンタカーが便利です。現在、三陸一帯では「復興道路」の整備が急ピッチで進行中。仙台-宮古間が約100分短縮、盛岡-宮古間が約30分短縮されるなど、これまでよりぐっと身近になります。
「三陸鉄道 リアス線」に乗れば絶景旅も楽しめる!
宮古駅から、三陸鉄道リアス線に乗り込めば美しい絶景鉄道旅も楽しめます。約8年ぶりに宮古~釜石間の運転が開通したことで、それまで南北に分かれていた2つの路線がつながりました。約163キロメートルで4時間超えの海岸ルートを走り、第三セクター鉄道では日本最長の路線です。
太平洋を一望できる高台にポツンと建つ無人駅「堀内(ほりない)」。ここはNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」で人気を博したロケ地のひとつ。架空の駅「袖が浜」としてドラマに登場しました。宮古駅からは約1時間の場所なので、日程に余裕があれば是非立ち寄ってみてください。
#三陸鉄道 堀内駅
- 住所
- 岩手県下閉伊郡普代村第20地割馬場野 堀内駅
三陸沖は新鮮な海の幸の宝庫!
「宮古市魚市場」でセリ見学に行ってみよう
三陸沖は、親潮と黒潮がぶつかる潮目にあたり、多様な魚が集まる世界三大漁場のひとつに数えられています。
また近海は、リアス式海岸で潮の流れが良いため海藻がよく育ち、ウニ、アワビなどがそれを食べて大きくなる、おいしい魚介が育つ条件が揃った豊かな環境です。
宮古駅からは車で約13分「宮古市魚市場」では、事前に申し込みをすれば、セリの様子などを見学できます。
朝6時頃には船が港に集まり水揚げ作業、7時頃からはセリが始まります。日によって異なるため予約と時間の確認をお忘れなく。タクシーを利用していくのが便利です。
イクラやウニ、アワビ、ミネラルたっぷりのカキや肉厚のワカメ、秋サケ、春には毛ガニにマス……などなど、季節ごとに食される魚の種類も豊富。特にマダラ、サンマは全国屈指の水揚げを誇ります。
魚市場には毎日新鮮な海の幸が集まり、生きたまま売り場に並ぶ光景はご当地ならでは。
#宮古市魚市場
- 住所
- 岩手県宮古市臨港通2-1
- 電話番号
- 0193-62-1231
宮古の新しいグルメ「瓶ドン」って?
三陸の海の幸を瓶に凝縮したご当地メニュー!
ランチは、宮古駅から車で約6分の場所にある「味処 海舟」へ。宮古に新しく登場した「瓶ドン」にトライしました!
瓶に詰まった宮古の恵みを、ほかほかのご飯にかけて食べる!がコンセプト。見て、撮って、自由に盛り付けて楽しんで、そして食べておいしい体験型の海鮮グルメです。
板前さんがひと瓶ずつ丁寧に重ねる美味いもの
瓶に詰めるネタも店によって工夫と趣向をこらしています。
ご主人は、だしの利いたふわふわのとろろを一番下に、地元自慢の粒の大きなイクラ、三陸沖から届いた新鮮なマダラの柵を丁寧にスライスして、バランス良く瓶に詰めていきます。
最後に細切りにしたメカブの上にイクラを乗せて完成です。
美しく繊細な「味処 海舟」の瓶ドン
登場したのは海苔のかかったほかほかのご飯、味噌汁、茶碗蒸しとお漬物。そして御膳の中央で誇らしく輝く牛乳瓶!その中には宮古の海の幸が層になっています。
赤、緑、白のコントラストが美しい瓶ドンです。
早速盛り付けにチャレンジ。スプーンで瓶から具材を出して盛り付けるのですが、きれいに作るのはなかなか難しく、ついつい熱中してしまいます。なんとか形になったところで記念撮影。
盛り付けを楽しんだ分、よりおいしく味わえるような気がします。濃厚なイクラとタラのしっとり感、コリコリのメカブ。とろろと一緒だとよく馴染んで優しいダシの香りも感じられます。
女将さんは「お客さんに盛り付けてもらうため取り出しやすさに気を遣いました」と話してくれました。
瓶の口が細くても簡単に出せるよう、とろろやメカブといった粘りのある食材を合わせることで完成。そうした食材が地元で揃うのも宮古の魅力です。
#味処 海舟
- 住所
- 岩手県宮古市築地1-1-38
- 電話番号
- 0193-62-1319
- 営業時間
- 10:00~20:00
- 定休日
- 月曜日
だし汁でアレンジ「浄土ヶ浜レストハウス」の瓶ドン
浄土ヶ浜の目の前にある「浄土ヶ浜レストハウス」が提供する瓶ドンは季節によってメニューが変わります。丼のほか、うに椎茸やすき昆布、鱈フライなど宮古の味づくしのセットメニューです。
半分ほど食べたら、だし汁をかけてお茶漬け風にアレンジして楽しめます。
景勝地「浄土ヶ浜」沿いにある浄土ヶ浜レストハウスは、シーカヤックやクルーザー体験などのウォーターアクティビティを楽しんだ後の立ち寄りスポットにおすすめ。レストランのほかにお土産売り場や授乳室などもあります。
#浄土ヶ浜レストハウス 浜処うみねこ亭
- 住所
- 岩手県宮古市日立浜32
- 電話番号
- 0193-62-1179
- 営業時間
- 10:30~14:30
- 定休日
- なし
瓶ドンの原点は牛乳瓶に詰まったウニ!?
宮古市では初夏になると、牛乳瓶に詰まったウニがお店に出回ります。「牛乳瓶にウニを詰める」と聞くと不思議な感じもしますが、この瓶ウニ自体は以前からあり、地元の人にはおなじみの光景。瓶ドンはそこから着想を得て誕生したそうです。
瓶ドンが食べられるお店は現在6店舗。地元のおいしいものを詰めるというテーマのもと、各店がそれぞれメニューを考案しました。
お店によって中身が違うので食べ比べもおすすめ。数に限りがあったり、季節毎にメニューが変わる場合もあるのでご注意を。
宮古市観光を楽しもう!
三陸の景勝地「浄土ヶ浜」からスタート
宮古市は美しい景観に心癒される観光地。浄土ヶ浜をはじめとした自然が織りなす景勝地が点在しています。
浄土ヶ浜の名前は、宮古山・常安寺の僧が発した「さながら極楽浄土の如し」という言葉から付けられたといわれています。入江を形成する白い岩が陽光に輝き、静かに透き通る海はいつまでも眺めていたい美しさです。
さっぱ船に乗って青の洞窟へ
まずはさっぱ船と呼ばれるウニ漁などに使う小型船で入江を探検します。乗船時にはライフジャケットとヘルメットを着用します。
ヘルメットは安全のためとウミネコのフンを防ぐため。入江に林立する岩についてガイドさんが解説をしてくれます。
所要時間は20分ほどで、1人1,500円(税込)。浄土ヶ浜らしい素晴らしい景色を眺めながら船に揺られます。 陸中海岸の「青の洞窟」と呼ばれる八戸穴(はちのへあな)へ。青森県の八戸市まで続いているという伝説からこのような名前になりました。
穴の内部は8メートルほどで行き止まりです。「青の洞窟」へ。運が良ければ外からの日の光を受けて水面が美しい青色に輝きます。ガイドさん曰く、午前中の早い時間のほうが美しい色と出合える可能性が高くおすすめだそうです。
また、青の洞窟の最奥から潮が吹く現象が見られたら幸運になれる、という噂です。
#浄土ヶ浜マリンハウス さっぱ船遊覧
- 住所
- 岩手県宮古市日立浜町32-4
- 電話番号
- 0193-63-1327
- 営業時間
- 8:30~17:00
- 定休日
- なし(冬季以外は無休で営業)
- 営業期間
- 3月~11月(冬季休業)
宮古市の台所「宮古市魚菜市場」で食材探し
魚介類を中心に三陸のおいしいものが集まる宮古市魚菜市場は、宮古駅から徒歩圏内で行ける観光客にも人気のスポット。市場から早朝に水揚げされた魚はここに集まります。
活気溢れる場内には新鮮な魚や野菜などが並び、大賑わい。食堂や飲食スペースもあるので新鮮な魚介類を使った丼もの・定食を味わえます。
旬を迎える毛ガニ、まだ動いているほど新鮮です!
どれを買ったらいいか迷ったら、プロフェッショナルであるお店の人に相談してみましょう、買い物をしながら交流が楽しめるのも魚菜市場の魅力です。
お土産用の梱包や発送に対応してくれます。
#宮古市魚菜市場
- 住所
- 岩手県宮古市五月町1-1
- 電話番号
- 0193-62-1521
- 営業時間
- 6:30〜17:30
- 定休日
- 毎週水曜日
縄文時代の暮らし「崎山貝塚縄文の森ミュージアム」
宮古市魚菜市場から車で約10分、国指定史跡・崎山(さきやま)貝塚から出土した遺物などが公開されている博物館です。
縄文時代の生活の痕跡を中心に、大英博物館に出張展示された遺物や、テレビ番組「日立 世界ふしぎ発見!」で紹介された珍しい土偶など、この地域ならではの歴史・文化を学ぶことができます。
本物の貝塚の地層をそのまま剥ぎ取った展示では、縄文人が食べていた魚の骨から火山噴火の痕跡まで、プロジェクションマッピングを用いた映像展示とともに縄文時代の環境の変遷が学べます。
また、火おこしや弓矢、土器作りなどの縄文の暮らしを体験できるコーナーもあります。体験は(100円~)事前に予約が必要な場合もあるので、要確認。
#崎山貝塚縄文の森ミュージアム
- 住所
- 岩手県宮古市崎山第1地割16番地1 崎山貝塚縄文の森公園複合施設内
- 電話番号
- 0193-65-7526
- 開館時間
- 9:00~17:00(最終入館16:30)
- 休館日
- 毎週月曜日(祝日の場合翌日)、毎月月末(月曜日の場合、その前の平日)、年末年始(12月28日~1月3日)
- 入館料
- 高校生以下無料、大人200円、学生150円
宮古市で買いたい、ゆるかわいいお土産
宮古市のゆるキャラ「サーモンくん」のストラップは、浄土ヶ浜レストハウスで購入。地元のお母さんたちがひとつずつ手作りしたもので、さをり織りの生地が優しい風合いです。
写真右上の「ヤギミルク・クッキー」は宮古の牧場で育ったヤギのミルクを使用、「元祖いかせんべい」はパッケージに三陸鉄道の車体を模しています。
三陸鉄道が地元のお店とコラボした商品はお土産におすすめ。宮古駅から徒歩約1分、三鉄グッズを専門に扱うお土産やさん「さんてつや」で購入することができますよ。
三鉄グッズ専門店・三陸土産の店 さんてつや
- 住所
- 岩手県宮古市宮町1丁目1番80号
- 電話番号
- 0193-62-8900
- 営業時間
- 8:00~18:00
- 定休日
- なし
三陸海岸を旅しよう
宮古市は最高の鮮度で届く海の幸が豊富。食も暮らしも、三陸の海と共に歩んできた宮古市らしさが詰まったご当地グルメ「瓶ドン」、そして心癒される美しい景色を堪能しに、足を運んでみてはいかがでしょうか。
取材・写真・文/Junko Saito
※掲載内容は公開時点のものです。ご利用時と異なることがありますのでご了承ください。