京都はもともと人気の観光地であり、加えて近年は外国人観光客の増加もあり、「京都は混んでるからちょっと…」と思っている人もいるのでは? 実は、朝の京都は空いていて狙い目です!
王道観光スポット「清水寺」や、インスタ映えスポットとして大人気の「八坂庚申堂」、京都らしい街並みの「花見小路」や「祇園新橋」界隈など、京都の定番観光スポットを2~3時間で網羅するお散歩モデルコースをご紹介します。
実際に、とある平日の朝に回って、どれぐらい空いているのか検証してみました。
7:45 四条のホテルを出発!
今回は四条河原町周辺に泊まって、7:45頃にホテルを出発。鴨川にかかる四条大橋を渡って、まずは四条通りを東へ。
日中なら人が多くてノロノロ歩きになる四条通りもご覧の通り、ほとんど人がいません! 2~3人歩いているだけで、スイスイ進めます。
こんなに空いていて快適に観光できるのは、京都に泊まった人だけの特権です。
7:50 祇園らしい風景の「花見小路」をお散歩
四条通りを5分ほど進んで、右に曲がると京町家が並ぶ石畳の「花見小路」が。このあたりは、舞妓さんが暮らす置屋や料亭、甘味処などが軒を連ねます。ただ、さすがにこの時間に開いているお店はなく、人も全然いません。その分、この風景を独り占めできるので、映える写真も撮り放題です。
そのまま花見小路をつきあたりまで進んでいきましょう。
7:58 縁切り神社「安井金比羅宮」で良縁祈願
花見小路のつきあたりを左に曲がって、少し行くと、右奥に鳥居が見えます。(民家とホテルが並ぶ奥なので、通り過ぎそうになりますが、記事の冒頭と最後にあるルートマップを参考にしてください)
ここは、通称「縁切り神社」と呼ばれる「安井金比羅宮(やすいこんぴらぐう)」は、悪縁を断ち切りたいと願う人がお参りする神社です。特に断ち切りたい悪縁なんてないという人もご安心を。「悪縁を切って、良縁と結ばれますように」と良縁を祈願してもOKです。
お参り方法が独特で、まずお札に願い事を書き、願いを込めながらこの「縁切り・縁結び碑(いし)」の穴をくぐって、最後にお札を石面に貼り付けます。といっても、石面が見えないほどお札がこんもり!
日中は碑をくぐるのに順番待ちの列ができるのですが、朝8:00頃だと女性が2人いるだけでした。お札に願い事を書くのもゆっくり書けて、碑をくぐるのもほかの人を気にせず落ち着いてくぐれます。
お札を書く台も、朝なら1人1台使えます。お札は、正式には「形代(かたしろ)」と呼ばれ、100円程度の志を賽銭箱に入れるシステム。書き方に決まりはなく、1枚のお札に複数の願い事を書いてもOKだそう。寛大ですね!
◆安井金比羅宮◆
- 拝観時間
- 24時間参拝可能
- 拝観料
- 無料
「安井金比羅宮」の境内を抜けて、東大路通りを横断し、高台寺南門通りを上がっていきます。途中を右に曲がると、ここにもまた風情ある小道が。この小道のつきあたりにあるのが、インスタ映えスポットとして注目を集める「八坂庚申堂」です。
人気のインスタ映えスポット「八坂庚申堂」
カラフルなくくり猿がフォトジェニックなことで人気の「八坂庚申堂(やさかこうしんどう)」。開門は9:00なので、この時間帯はまだ入れませんでしたが、9:00以降に通る場合は、お参りして行くのもおすすめです。ここでも朝早い時間なら、ほかの人が映り込んだり、順番待ちしたりすることなく、写真を撮ることができます。
◆八坂庚申堂◆
- 拝観時間
- 9:00~17:00
- 拝観料
- 無料
また、「八坂庚申堂」を出て、左に少し下っていくと、京都発の人気のコーヒーロースター「アラビカ 京都 東山」があります。8:00から開いているので、「%」マークがかわいいカップを片手に、朝のお散歩をするのもおすすめです。
8:15 「八坂の塔」を見上げながら二寧坂へ
「八坂庚申堂」を出て右を見ると、そびえ立つ五重塔、通称「八坂の塔(法観寺)」が。塔の横を通り抜けて、坂の途中で振り返ると、風情ある坂道と五重塔をバックに写真を撮ることができます。
外国人観光客が1組、写真を撮っていましたが、ちょっと待てば、誰も写り込まない写真が撮れました。
8:20 座敷がある「スターバックスコーヒー京都二寧坂ヤサカ茶屋店」で朝食
清水寺に向かう前に、ちょっと逸れて二寧坂(二年坂)を下っていくと、築100年以上の古民家を改装した「スターバックスコーヒー京都二寧坂ヤサカ茶屋店」があります。
後でまたここを通るのですが、そのときには人が多くなっているかもしれません。せっかく朝早くに到着したので、ここで朝食にしたり、ちょっと休憩したりしてみては?
暖簾がかかる入り口を入ってすぐのカウンターで注文し、廊下を抜けた先で商品を受け取るシステムで、受取りカウンターの前にはお庭も見えます。
2階には世界初の「お座敷スタバ」があり、靴を脱いでお座敷でコーヒーを楽しめるのですが、8:20過ぎに到着したときにはすでにお座敷は満席。8:00オープンなので、お座敷に座りたいならオープンと同時に入店することをおすすめします。
ソファーやチェアなら空いていて、窓から二寧坂の風景を眺めることもできます。
◆スターバックスコーヒー 京都二寧坂ヤサカ茶屋店◆
- 営業時間
- 8:00~20:00
- 定休日
- 不定休
スタバを出たら二寧坂を戻り、続く産寧坂(三年坂)を上って、「清水寺」へ。
道の両サイドに、八ツ橋をはじめとしたみやげもの屋や、食べ歩きグルメのお店などが立ち並んでいるのですが、9:00前に開いているお店はほぼなく、人も少ないので、誘惑もなくスムーズに清水寺に到着できます。
9:10 京都に来たらはずせない定番スポット「清水寺」
京都観光ではずせない定番スポット「清水寺」は、朝6:00から入れるので朝の観光にもってこい! 人気観光スポットだけに普段は人が多く、写真を撮るのもひと苦労ですが、9:00頃ならご覧の通り、まだ多くはありません。
清水の舞台と京都の街を一望できる「奥の院」を独り占めできるタイミングもあるほど。
◆清水寺◆
- 拝観時間
- 6:00~18:00、7・8月は~18:30、その他夜間特別拝観期間もあり
- 拝観料
- 大人 400円、小・中学生 200円
清水寺内にある縁結びの神様「地主神社」 (※社殿修復工事のため閉門中)
清水寺の本堂を出て左側にあるのが、縁結びのパワースポットとして人気の「地主(じしゅ)神社」。
境内には、2つの「恋占いの石」が10mほど離れて置かれています。これは、片方の石から目を閉じて歩き、無事にもう片方の石にたどり着ければ恋が叶うとされるもの。人が少ないこの時間なら、人目を気にせず、落ち着いて恋占いに臨めそうです。
◆地主神社◆
※社殿修復工事のため閉門中(2022年8月~3年間を予定)
- 拝観時間
- 9:00~17:00
- 拝観料
- 無料(清水寺敷地内にあるため、清水寺の拝観料は必要)
9:40 産寧坂→二寧坂→ねねの道→石塀小路と京都風情あふれる小道をお散歩
清水寺を後にし、さっき上ってきた門前の松原通りを下りましょう。この時間帯になるとお店も徐々に開きはじめ、少し人出も増えてきますが、それでもまだ少なくて快適に歩けます。そのまま来た道を戻って「産寧坂」へ。
「二寧坂」を下って、先ほどのお座敷スタバの前を通って、「ねねの道」へ。
高台寺前の石畳の道「ねねの道」は、豊臣秀吉亡き後、妻・ねねが「高台寺圓徳院(えんとくいん)」で余生を過ごしたことから名付けられました。
途中、左側に「石塀小路」という小道が現れます。
ねねの道をちょっと逸れてこの小道に入ってみると、細い路地の両側に、京都らしい風情を感じる木造家屋と石畳、石塀が並んでいて、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
人が少なくて、京都らしさをじっくり堪能できるのですが、ここでの写真撮影は禁止。お散歩するだけにしておきましょう。
石塀小路を進んでいくと、右側に赤レンガの塀が見えてきます。ここは中に入れるようになっていて、入っていくと、ねねの道に戻れます。
時間があれば、美しいお庭がある、ねね終焉の地「圓徳院」を拝観したり、抹茶スイーツが大人気の「茶寮都路里 高台寺店」で抹茶を堪能したりするのもおすすめです。
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10:05 「円山公園」を通って「八坂神社」にお参り
ねねの道を進んでいくと、国の名勝にも指定されている京都で最も古い公園「円山(まるやま)公園」に出ます。池泉回遊式庭園をはじめ、春には見事な枝垂れ桜、秋には紅葉が見ものです。
円山公園に隣接する、京都を代表する神社「八坂(やさか)神社」もお参りしておきましょう。
「八坂神社」では、きれいになりたい人は本殿の東側にある「美御前社(うつくしごぜんしゃ)」もお見逃しなく。「美容水」という神水が湧いていて、これをお肌に2~3滴付けると美しくなれるのだそう。
- 拝観時間
- 24時間参拝可能
- 拝観料
- 無料
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まだ時間に余裕がある場合は、円山公園経由で徒歩約4分
10:20 時間と体力に余裕があれば3時間コース! まずは「知恩院」へ
時間と体力に余裕があれば、「錦市場」まで巡る3時間コースに行ってみましょう!
まずは円山公園を出て神宮道を北に向かうと、右手に迫力ある大きな門が。これは、浄土宗の総本山「知恩院」の「三門」で、高さ24m、横幅50m、使われている屋根瓦は約7万枚! 現存する木造建築としては日本最大級で、国宝にも指定されています。
拝観は無料なので(庭園を除く)、時間があれば、三門をくぐって階段を上り、中を観光するのもおすすめ。夏は朝5:00から、冬でも6:00から開いているので、朝の散歩にぴったりのスポットです。
◆知恩院◆
- 拝観時間
- 12~2月 6:00~16:00
3~5月・10~12月 5:30~16:00
6~8月 5:00~16:00 - 拝観料
- 無料(庭園は有料)
10:30 風情ある「祇園新橋」界隈をお散歩
祇園を流れる白川沿いの道もまた、着物を着て写真を撮りたくなる街並みが続きます。白川にかかる「巽橋(たつみばし)」は絶好のフォトスポットで、朝なら人もまばら。取材時は、着物を着て、カメラマンと撮影をしている人が1組いるのみでした。
巽橋の前の二又に分かれた道を川沿いに進むほうが近いのですが、右側(新橋通り)を行くとこのような石畳と京町家の街並みが見られます。
10:45 「錦市場」で京都グルメを堪能
たくさん歩いて小腹も減ってくる頃、3時間コースは「錦市場(にしきいちば)」で締めくくりましょう。「京の台所」とも呼ばれ、約400mのアーケードに京野菜やお魚、お漬物、お茶のお店など、約130店が並びます。
一部、朝早くから営業しているお店もありますが、10:00ぐらいになるとほぼすべてのお店が開いています。お昼前で、まだそこまで人が多くはないので、この時間帯は狙い目です。
はもの天ぷら、あゆの塩焼き、たこの頭にうずらの卵をつめたたこ玉子、いか焼き、きゅうりの一本漬けなど、串にささった片手で手軽に食べられる京都グルメが充実しています。ほかにも、はも寿司やさば寿司、湯葉のコロッケ、抹茶スイーツ、お団子にソフトクリームなど、店先に並ぶ京都グルメの豊富さに目移りしてしまうほど。
店内で座って食べられるお店もあるので、ちょっと早めのランチにしたり、京漬物や和雑貨のお店でお土産を選ぶのも楽しそうです。
定番観光スポットの「清水寺」や「錦市場」、インスタ映えスポットとして注目を集める「八坂庚申堂」、京都らしい街並みが残る「花見小路」や「祇園新橋」周辺などを巡る、2~3時間のモデルコースをご紹介しました。
京都は混んでいると敬遠していた人も、朝なら空いていて快適に楽しめることがお分かりいただけたのではないでしょうか。せっかく京都に行くなら、ぜひ近くに泊まって、朝から京都を満喫してください!