箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

触らない、おしゃべりしない。美術館は静かに鑑賞するのが基本。そんなイメージから、子育て中の方は「美術館は行きにくい場所」だと思っていませんか?

けれども、そうでない美術館もあります!それが、7万平米という広大な敷地を持つ箱根の「彫刻の森美術館」。触れるアート作品が自然の中に溶け込むように点在しおり、おしゃれなカフェやワークショップなど、親子で楽しめるコンテンツがギュッと詰まっています。

ここなら、大声を出しても、走り回っても、大丈夫。子連れウエルカムな美術館だから、小さなお子さんの美術館デビューにもおすすめです。

 

 

彫刻の森美術館って?

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

「彫刻の森美術館」の始まりは、意外と古く、あの国民的アニメ「サザエさん」の放送開始と同じ1969年に開館しました。敷地の広さは、約7万平米!国内最大級の広さを誇る野外美術館なので、室内のように気を使うことなく、子どもたちを存分に遊ばせられます。

 

アクセスは、新宿駅から小田急ロマンスカーに乗って、「箱根湯本駅」まで約75分。そこから箱根登山鉄道に乗り換え、「彫刻の森」駅で下車。歩いて2分ほどで到着です。車で行く場合は、東京から約2時間。美術館に併設されている駐車場に、3時間500円で止められます。

 

それから、気になるのが入館料。大人1,600円、高校・大学・専門1,200円、小中学生800円。もし、小学生の子どもが2人いる4人家族なら、4,800円もかかることに……。しっかり節約して家族旅行を楽しむなら、毎週土曜日のファミリー優待日を使わない手はありません。なんとこのサービス、保護者1名につき、小・中学生5名までの入館料が無料になります。小中学生のお子さんがいるファミリーは、土曜日が断然お得です。

 

美しい自然に囲まれながらアート鑑賞を

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

さて、入場したら、いよいよ屋外の彫刻めぐりに出発。美しい芝生の上に、風格ある作品たちが「ようこそ」と言わんばかりに出迎えてくれます。標高約550mの場所にある美術館だから、さわやかな風が吹き、空気がおいしい!歩いているだけで、身も心もすっかり癒やされます。

 

ちなみに、彫刻とひとことで言っても、ブロンズや石、アルミニウム、ステンレス・スティールなど、素材はさまざま。「これは何でできていると思う?」そんな風に子どもたちに質問しながら、ピクニック気分でアートに触れてみましょう。

 

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

泣いたり、笑ったり。豊かな自然の中で過ごせるから、子どもたちの表情も自然と豊かになっていきます。

 

子どもにおすすめのスポットはここ

体験型アート作品「ネットの森」

彫刻の森美術館「ネットの森」

「彫刻の森美術館」は広大な敷地に、120もの作品を展示しています。ただ歩き回るだけでは、途中で子どもたちが飽きてしまうかもしれません。そこで今回は、子どもにおすすめのスポットを7つ厳選しました。

 

まず最初にご紹介するのは、作品の中に入って、遊びながらアートを体感できる作品「ネットの森」。

 

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中に一歩入ると、天井に張りめぐらされたカラフルなネットが目を引きます。普段なら「触っちゃだめ!」と言わなきゃいけないところですが、ここは好きなだけ触ってもOK。子どもたちが全力で遊びに没頭できます。

 

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ネットにひょいひょい登ったり、転がったり。糸で覆われたボールで遊んだり。糸が伸びたり縮んだりするから、とにかく子どもたちの食いつきがすごい!

 

ただし、ネットの森で遊べるのは小学生まで。ママとパパは、のびのびと遊ぶ子どもたちを見守るようにしましょう。

 

「ポケっと。」

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続いてご紹介するのは、2021年にオープンした彫刻と芝生の新休憩エリア「ポケっと。」。斜面に広がる芝生の上に、カラフルなソファやチェアが置かれています。

 

ここに置かれている家具たちは、ベルギー生まれの家具ブランド「sixinch」の特注品。実際に座ってみると、適度な弾力性があり、体をしっかりと包み込んでくれます。箱根の自然に囲まれて、ぽけ~っとしながら、ひと休みするのにぴったり。

 

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ひと際目を引くこちらは、アーティスト松原成夫さんの作品「宇宙的色彩空間」。12色の正方形の枠がずらっと斜めに連なり、とびきりフォトジェニック。こんな風に、枠の中に入ってポーズを撮れば、まるで一つのアート作品のよう!アイデア次第で、おしゃれな写真を無限に撮ることができます。

 

「浮かぶ彫刻」

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足跡をたどって、吊橋をてくてく。……すると、池の途中に、赤い彫刻作品が見えてきます。この作品は、ハンガリー出身のアーティスト、マルタ・パンさんが手掛けた「浮かぶ彫刻 3」。池の中には大小2つの作品があって、小さいほうは、風や水の動きによって少し動きます。

 

池の周囲は、豊かな緑に囲まれた素晴らしいロケーション。ふと会話が途切れると、さわさわと葉音が急に近くに感じられます。

 

「幸せをよぶシンフォニー彫刻」

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「彫刻の森美術館」最大のウリが、壁一面ステンドグラスが張りめぐらされた「幸せをよぶシンフォニー彫刻」。こちらは、フランスのステンドグラス作家ガブリエル・ロアールさんによる作品。子どもも大人も「すご~い!」と目を輝かせる、SNS映えNo.1スポットです。

 

塔の高さは全長約18m。直径約8mの中心部にらせん階段があって、上り下りできます。ちなみに、頂上まで階段を上ると、かなり良い運動になります。運動不足の人は膝が笑うかもしれませんが、上る価値あり。忘れられない思い出を作れるので、ぜひ頂上までチャレンジしてみてください。

 

また、中段付近には、踊り場があって、ここが絶好の撮影スポットに。360度ガラスで彩られた、フォトジェニックな空間をたくさん切り取りましょう。

 

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ステンドグラスは訪れる季節や時間帯によって、差し込む光の見え方が変わります。何度か訪れて、いろいろな表情を楽しみましょう。晴れた日なら、光のコントラストがくっきり。この日は曇り空でしたが、ふんわりとした優しい雰囲気の写真が撮れました。

 

「ミス・ブラック・パワー」

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グリーンの芝の上で、ぱっと明るい陽気さをふりまくのは、フランスの女性アーティスト、ニキ・ド・サン・ファールさんの作品「ミス・ブラック・パワー」。

 

顔は極端に小さいのに、体は大きくてたくましい。カラフルな模様の服を着ておしゃれなバッグを持ち、どっしりと佇んでいます。目も鼻も口もないけれど、自信に満ち溢れたように見えるから不思議。まっさらな瞳の子どもたちにとって、「えっ、何これ?」と興味津々に映ることでしょう。

 

「めだまやきのオブジェ」

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つやつやの黄身がおいしそうな目玉焼きは、クライン ダイサム アーキテクツによる「ファニチャー」。白身に腰を下ろしてベンチ代わりにしたり、靴を脱いで寝そべったりするのもOK。親子で黄身に顔を寄せれば、キュートな写真が撮れますよ。

 

星の庭

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彫刻家の井上武吉さんが手掛けた「星の庭」は、子どもたちの冒険心をくすぐること間違いなし。楽しすぎて、一度ハマるとなかなか出てこないかもしれません。でも、大丈夫。迷路は、周囲より低い位置に作られています。「あれ?どこにいるのかな」と思ったら、外側の高台から見渡してみましょう。

 

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

トリックアート的なオブジェがあるのも「彫刻の森美術館」ならでは。スポットからスポットへ移動する間にも、所々ユニークな仕掛けが施されています。「これは、どうなってると思う?」と親子でお話ししながら、移動時間を楽しんでくださいね。

 

最後にプレゼントも!美術館をもっと楽しむためのプログラム

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もっと美術館を楽しみたいなら、シールラリー「魔女ユーリーの森」にもトライしてみましょう。これは、魔女のユーリーをやっつけるため、敷地内にいる7人の勇者たち(作品)を探して、見つけたらシールを貼っていくというもの。

 

参加するには、本館ギャラリー インフォメーションで300円を支払い、地図とシールを受け取ります。シールを集めるだけだから、とっても簡単。これなら、小さいお子さんでも満喫できます!

 

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

「アートって難しい」大人でも、そう思ってしまいますよね。でも、シールラリーに参加した子どもたちは、楽しそうに作品を眺めてシールを貼っていきます。

 

ぜんぶシールを貼り終わって、最後にクイズに正解すれば、記念の缶バッチがもらえるのもうれしいポイント。肩肘張らずに、自然と「アート=楽しい!」を身につけられますよ。

 

大人も子どももわくわく!参加型の期間限定展示にも注目

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

そして、期間限定で行われる展覧会も見逃せません。2023年4月28日(金) ~ 2024年3月31日(日)の間で開催している「しつもんパーク」は、小さなお子さんがいるファミリーならマストでいきたい展覧会。

 

アートホールの中には、人気絵本作家の「tupera tupera(ツペラ ツペラ)」さんと建築家の遠藤幹子さんがコラボした、たくさんのしつもんと体験型アート作品が勢ぞろい。子どもたちが目をキラキラさせて遊ぶその姿がかわいらしくて、ついつい愛でてしまいます。

 

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

男の子なら、「きみは ちからもち?」そんな問いかけもうれしいはず。手や足を動かしながら、アートと遊びを同時に体感しましょう。

 

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

「tupera tupera」さんの作品は、ポップで絵柄もおしゃれ。子どもはもちろん、大人もわくわくしてしまいます。

 

例えば「ともだちになれなさそうなのはだれ?」という質問に対して、子どもが「う~っん、だれだろう」と真剣に考えることで、素直に自分と向き合うことに。アートを通じて、たくさんの気づきを得られます。

 

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

立体アートを見つけたら、作品の中に入って遊んでみましょう。お家型のアートは、まるで秘密基地。心地いいおこもり感があって、より質問に集中できます。

 

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

「tupera tupera」さんといえば、遊びこころあふれる絵本が大人気。普段、絵本コーナーに足を運ばない人でも、見かけたことがあるかもしれません。今回の展覧会では、貴重な絵本の原画も楽しめます。おもしろ、おかしく、かわいい原画の世界に浸ってみては。

 

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

アートホール以外にも、大きな丸太が置かれた休憩スポット「丸太広場 キトキ」やカフェ、屋外展示場など、各所にしつもんパネルが点在しています。子どもたちにとっては、どれも新鮮!作品を見つけると、興味津々で遊んでくれるはず。

 

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

しつもんは、ちょっとした言葉遊びになっています。ひとりで、親子で、兄弟で。アートを感じながら、自由に楽しんでくださいね。

 

子どもにおすすめのグルメ&お土産は?

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たくさん遊んだ後は、休憩タイム。「The Hakone Open-Air Museum Café」は眺めの良い空間で、ランチやカフェタイムを過ごせるカフェ。「丸太広場 キトキ」の1Fにあり、合わせて立ち寄るのがおすすめです。

 

ひんやりおいしい「ソフトクリーム」(450円)は、子どもたちに大人気のメニュー。足柄きんたろう牛乳の濃厚なコクが楽しめて、甘すぎないのがうれしいポイント。

 

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

お土産を買うなら、「The Hakone Open-Air Museum Café」に併設された、ショップコーナーに足を運んでみましょう。

 

「浮き星」(540円)は、定番人気のお菓子。こんぺいとうのようにも見えますが、これは、もち米でできたあられにお砂糖をかけたもの。ネーミングに星がつくように、1つひとつお星さまの形をしています。そのまま食べたり、ホットドリンクに入れたり。アイスにトッピンしても良いアクセントになりますよ。

 

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

「おこめケット」(540円)はグルテンフリーのクッキー。アレルギーがあるお子さんでも安心して楽しめます。米粉が使われており、ひとくち食べれば、サクほろっと軽い食感。お米の優しい甘さも感じられます。

 

また箱の中には、彫刻の森美術館のオリジナルシールも!常設展示の作品たちがシールになっているので、見る人を楽しませてくれます。

 

箱根で初めてのアートに触れる旅!子連れで楽しめる「彫刻の森美術館」

展覧会のグッズを探すなら、エントランス近くにあるミュージアムショップをチェック。「しつもんパーク」開催中は、今まで知らなかった「tupera tupera」さんの本に出会えたり、限定グッズが手に入ったりします。

 

観たい、遊びたい!が詰まった子どもたちや、美術館へ行くのを我慢していたママやパパに、ぜひ訪れてほしい「彫刻の森美術館」。今度の週末、ピクニック気分でアートな1日を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

彫刻の森美術館

住所
神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
営業時間
9:00〜17:00 年中無休 ※入館は閉館の30分前まで
入館料
大人1,600円、大学生・高校生1,200円、中学生・小学生800円
※「毎週土曜日はファミリー優待日」保護者1名につき小・中学生5名まで無料
アクセス
【電車】箱根登山鉄道「彫刻の森」駅下車、徒歩約2分
【車】小田原厚木道路「箱根口」IC→国道1号線→宮ノ下交差点左折→強羅温泉入口右折、約500m
駐車場
あり(3時間500円)
公式サイト
彫刻の森美術館

 

 

取材・写真・文/安藤美紀

 

 

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