2022年11月に愛知県の「愛・地球博記念公園」内に開園し、人気を集めている「ジブリパーク」。2024年3月に新エリア「魔女の谷」がオープンし、全エリアがそろいました!全5エリアの見どころや楽しみ方を徹底解説します。
目次
①ジブリパークとは
ジブリパークは、愛知県長久手市にある「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」内にある公園施設。その名の通り、2005年に開催された日本国博覧会「愛・地球博」の跡地に造られました。
『ゲド戦記』や『コクリコ坂から』『アーヤと魔女』などを手掛けた宮﨑吾朗氏が監修したジブリパークには、映画の世界に入り込める展示や仕掛けがいっぱい。スタジオジブリの作品の世界観にどっぷりとつかって過ごせます。
2024年3月16日、待望の新エリア「魔女の谷(地図番号①)」がオープン。2022年11月の開園から、これまでに「ジブリの大倉庫(地図番号②)」「青春の丘(地図番号③)」「どんどこ森(地図番号④)」「もののけの里(地図番号⑤)」しており、「魔女の谷」をもってすべてのエリアがそろいました。
各エリアの魅力を詳しくみていきましょう。
②全5エリアの解説リポート
1【新設】「魔女の谷」リポート
2024年3月16日に公開された「魔女の谷」。その名の通り、スタジオジブリ作品に登場する魔女たちの暮らす場所をイメージして作られています。入口ゲート前には『アーヤと魔女』に登場する魔女、ベラ・ヤーガが大きな口を開けて待ち構えています。
見どころ①|ハウルの動く城
「魔女の谷」の奥にあり、20メートルもの高さで、最も目立つ建物がこちら。『ハウルの動く城』に登場した城です。1時間に数回、城の一部が音をあげて動き、煙を吐きます。
内部に入ると、散らかった居間やソフィーの部屋、カルシファーの炉が。
2階はハウルの寝室や衣装部屋、ひどく散らかったバスルーム、アトリエなどがあり、ハウルの世界が広がります。
見どころ②|キキの実家「オキノ邸」
こちらは、『魔女の宅急便』の主人公・キキが、修行に旅立つ前までを過ごしたオキノ邸。
キキのお母さんが薬を作っている魔女の店や、暖炉のある居間、キッチンなど、キキの子ども時代の生活を思い描けるような展示です。キキの部屋には、カラフルな洋服や、シール帳、手紙、リボンなど、普通の女の子として生活していたことを感じられる品々がたくさん。棚や引き出しは実際に開けて手に取ることもできます。
見どころ③|グーチョキパン店
そして『魔女の宅急便』といえば、欠かせない場所が主人公・キキが働いていた店「グーチョキパン店」です。
パンはもちろん購入可能。バケット(600円)やブール(600円)といった定番のパンから、パンのなかにスパゲッティが入ったナポリタン(480円)や愛知県らしい、ういろうカヌレ(600円)など、ここでしか買えないユニークなパンまで、さまざまなパンがそろっています。
そしてパン屋の裏手にあるものといえば……。そう、キキの部屋です。階段を上がって、屋根裏部屋に入ると、さっきまでキキがいたかのような世界が広がります。
そのほかにも、『アーヤと魔女』の主人公・アーヤが引き取られた「魔女の家」や、『ハウルの動く城』のソフィーが働いていた「ハッター帽子店」など、魔法の世界がすぐそばに。
「魔女の谷」には、ジブリパーク初となる乗り物も!「年に一度、村にやってくる移動遊園地」をイメージしているのだそう。スタジオジブリ作品に登場する乗り物がモチーフの「メリーゴーランド」に、空を飛んでいる気分が味わえる「フライングマシン」と、見ているだけでわくわくする乗り物です。
乗り物に乗る場合は、「オキノ邸」の前の「小さな小屋」にて「のりもの券」を購入してから並びましょう。
※「フライングマシン」は、対象年齢が3~12歳で、大人のみの利用はできません。付き添いの場合のみ、子ども1人に対し大人1名利用可能です
- 料金
- メリーゴーランド:3~12歳500円/大人1,000円
フライングマシン:1人500円
そのほか、詳しくは以下の記事をチェック。魅惑のグルメやグッズ、ここでは載せきれなかった情報も満載です。
2「ジブリの大倉庫」リポート
続いて紹介するのは、「ジブリの大倉庫」。「ジブリパーク」は、「さまざまなイベントや舞台で使われていた道具たちを一拠点に集め、それを展示できないか」と愛知県の大村知事がスタジオジブリにかけあったことから計画がスタートしました。そんな「ジブリパーク」開設の思いが詰まったエリアです。
「ジブリの大倉庫」には、映像展示室や企画展示室、子ども向けの遊び場や、ショップ、飲食スペースなどがあり、スタジオジブリの世界に楽しみながら浸ることができます。
見どころ①|企画展示1「ジブリのなりきり名場面展」
「ジブリの大倉庫」では、企画展示を期間限定で開催。「ジブリのなりきり名場面展」は、スタジオジブリ作品の登場人物になりきり、映画のワンシーンを体験できる企画展示です。
『千と千尋の神隠し』で、主人公・千尋がカオナシと一緒に海上を走る不思議な電車に乗って銭婆のもとへ行くシーンや、『紅の豚』の乱闘シーンなど、13作品14コーナーを展開。映画の中に入り込んで、お気に入りのあのシーンを体感してみては。BGMや光の演出もあり、臨場感たっぷりです。
見どころ②|企画展示2「「食べるを描く。」増補改訂版」
企画展示室では「「食べるを描く。」増補改訂版」を公開中。作品のなかで出てきた、誰もが気になる「あの食べ物」が食品サンプルとして実寸大で作られていたり、宮﨑駿監督の食べ物の絵コンテが展示されたりと、ジブリ飯のアレコレがわかります。
『千と千尋の神隠し』の印象的な食事シーンを体験することもできます。
『コクリコ坂から』の「コクリコ荘」の朝食や、『となりのトトロ』の食卓も再現されています。
戸棚やふたはぜひ開けてみて!食材でいっぱいです。鍋のふたを開けてみるとカレーが煮込まれていました。
その他の展示も一挙紹介!
企画展示3「ジブリがいっぱい展」
バーカウンターにちょこんとかわいいトトロが。まるでトトロのお店に来たみたい。隣には大きなトトロとネコバスの椅子もあります。さらに、このエリアを抜けると……
大きなネコバスが待ち構えていました。子ども向けエリアにある「ネコバスルーム」や、「三鷹の森ジブリ美術館」のネコバスは、大人は入れませんが、ここは誰でも中に入れます!童心にかえってふかふかのネコバスに包まれましょう。
映像展示室オリヲン座
「映像展示室オリヲン座」では、レトロなシアターで、スタジオジブリの短編アニメを観覧することができます。
子ども向けエリア
子ども向けのエリアも充実しています。こちらは、大人は立ち入れない「子どもの街」。ミニチュアの町が子どもたちを迎えます。『ギブリーズ』に登場したカレー屋さんのオマージュも。
※中学生以上のみの入場は不可
「ネコバスルーム」も子どもだけの場所。ジブリパーク限定デザインのネコバスはカラフルなパッチワーク風のデザインが素敵。
※大人はネコバスの囲いに入るのは不可。ネコバスで遊べるのは小学生以下
小さな森を抜けるとそこには……?童心に返って、トトロを見つけよう!
南街
「南街」には商店が立ち並び、「熱風書店」「大空模型」「駄菓子 猫かぶり姫」では、実際にお買い物をすることもできます。あっと驚く掘り出し物が見つかるかも。
昭和の時代がイメージされていて、ユーモラスなビラがあちこちに貼られています。
天空の庭
南街を出るとすぐ、巨神兵が。高さ約4メートルという大きさにびっくり。
床下の家と小人の庭
自分が小人になった気持ちを楽しめる、『借りぐらしのアリエッティ』の世界観を表現した「床下の家と小人の庭」。小人から見た世界が色彩豊かに作り込まれています。
公開倉庫
「公開倉庫」の中も、のぞいてみましょう。「ジブリのあらゆる作品をひとつにまとめたい」という願いから始まった、ジブリパークの心臓部ともいえます。
『君たちはどう生きるか』展示
2023年公開の『君たちはどう生きるか』に登場するキャラクターのオブジェは2024年3月に追加されました。青サギやペリカン、インコマンなどに会えます。
ニセの館長室
ニセの館長室では湯婆婆がお仕事中。主人公・千尋との契約書も。ぜひ見つけてみてくださいね。
グルメ・ショップ
カフェ「大陸横断飛行」
おなかが空いたら、テラス席を併設するカフェ「大陸横断飛行」へ行きましょう。
オリジナルメニューは、ピザやサンドイッチ、フォカッチャなどが中心。ジブリらしい「ナポリタンサンド」(650円)や緑が鮮やかな「たっぷりアボカドのワカモレサンド」(800円)など、幅広いラインナップが魅力的です。
キッチンで丁寧に作られたサンドイッチ類は、いずれも具材たっぷり!大きな口でかぶりつきましょう!
「大陸横断飛行」の名の通り、販売されているメニューも歴代の飛行機記録に関連するものばかりです。人類が成し遂げてきた飛行の記録の数々をたたえる壁の新聞はどれも本物なのだそう。
ミルクスタンド「シベリ・あん」
ミルクスタンド「シベリ・あん」では『風立ちぬ』で登場した、カステラにあんこを挟んだ軽食「シベリア」が食べられます。地元産のオリジナル瓶に入った牛乳と、相性抜群!小腹が減ったら、こちらへどうぞ。
ショップ「冒険飛行団」
ショップ「冒険飛行団」では、ジブリパークだけでしか買えないオリジナルグッズを販売しています。インテリアにしたいおしゃれな雑貨から、思わず笑ってしまうユーモラスなグッズまでファンの心をわしづかみにするアイテムばかり。自宅へ配送することもできるので、たくさん買っても引き続き安心してパークを楽しむことができます。
3「青春の丘」リポート
『耳をすませば』『猫の恩返し』など「青春」をテーマにした作品の世界に入り込めるエリアが「青春の丘」。「エレベーター塔」を降りて、「ロータリー広場」へ行きましょう。オレンジ色の建物が『耳をすませば』に登場する「地球屋」、ミニチュアの家が「猫の事務所」です。
「地球屋」
「地球屋」のなかには猫のバロンが待機しており、皆さんの来店を待っています。2階にはアンティーク調のからくり時計や家具がたくさん。
地下1階は『耳をすませば』の登場人物・天沢聖司のバイオリン工房。さっきまで聖司くんがいたかのような空間です。
「猫の事務所」
思いっきり近づいてのぞいてみましょう。猫たちの秘密を知ることができるかもしれません。
中をのぞくと……小さなバロンのお屋敷が!
エリアの端にある公衆電話もぜひかけてみて。不思議な出来事が起きるかもしれません。
4「どんどこ森」リポート
山一帯に広がるのが「どんどこ森」です。まずは山の頂に登ってみましょう。山道を登ると、優しい顔のトトロが待っています。ここは、『となりのトトロ』をイメージしたエリアで、豊かな自然のなかで作品の世界観と触れ合うことができます。
トトロの隣、「どんどこ売店」ではオリジナルの御守などを販売。麓の「どんどこ処」では売っていないものもあるので要チェック。
急な階段の上り下りがつらい方は、スロープカー「どんどこ号」を利用することもできます。1974年まで名古屋市内を走っていた市電をモチーフにしたデザインです。
※ベビーカーや車いす利用の方、お体の不自由な方が優先して乗車できます
「サツキとメイの家」
山の麓へ向かうと、「サツキとメイの家」があります。家の内部まで入って、草壁家の暮らしを垣間見ることができます。
麓の売店「どんどこ処」でもグッズを購入することができます。飲み物なども売っているので小休憩にも。
5「もののけの里」リポート
『もののけ姫』をイメージしたエリア「もののけの里」は、里山の風景のなかに作られており、タタラ場のある村の雰囲気を体験できます。
タタリ神のオブジェと乙事主の滑り台がフォトスポット。近くでその大きさを感じてみて。
タタラ場のなかでは中部地方の名物「五平餅」の炭火焼体験(1,200円)ができます。
タタラ場限定のタレはくるみみそ、しょうゆ、ナポリタン、カレーの4種類から選ぶことができます。タレと五平餅を受け取ったら、教えてもらいながら表面がこんがりするまで焼きましょう。五平餅はうるち米でできており、身体に優しい味わいです。余ったタレは持ち帰れるので、家でも楽しめます。
- 対象年齢
- 10歳以上(※9歳以下の来園者は体験不可だが、入場は可能。12歳以下の来園者の体験には保護者の同伴が必須)
- 料金
- 1名/1,200円 餅1本+特製タレ1瓶(1種類)
- 所要時間
- 約20分
「もののけの里」にはショップ「もののけ堂」があります。『もののけ姫』のストーリーにちなみ「干し肉」や、コダマのグッズ、お面を模した帽子などが販売されています。
③アクセス・園内周遊バス
ジブリパークは、「名古屋」駅から地下鉄東山線と、リニモを乗り継ぎ約50分。愛知高速交通・リニモ「愛・地球博記念公園駅」が最寄り駅です。車の場合は、東名高速道路「名古屋」ICより約20分で到着します。旅行で訪れる際には、名古屋を拠点にするのが便利です。名古屋市内の観光もあわせてみては。
駅を降りると、すぐにパークの入り口があります。車の場合は、公園内5カ所にある「愛・地球博記念公園」の駐車場を利用できます。ジブリパーク専用の駐車場はないので注意が必要です。公式サイトで確認しましょう。
各エリアへはゲートから移動が必要です。目安として、駅から「青春の丘」や「ジブリの大倉庫」へは徒歩約5分、「もののけの里」や「魔女の谷」へは徒歩約10分、「どんどこ森」へは徒歩約14分かかります。
体力に自信がない、子連れで長距離移動が大変な方は、ぜひ「愛・地球博記念公園」内を走っている園内バス(園内バスの時刻表・ルートマップ)を利用しましょう。誰でも無料で利用することができます。
また、「もののけの里」と「どんどこの森」間の移動は「APMネコバス」の利用もおすすめ。一般開放されていない森の中を通り、片道約10分で到着します。シートは猫のようなふかふかとした感触で、走りだすと外の風も感じられ、まさにネコバスに乗った気分。
- 料金(片道)
- 大人1,000円/子ども(4歳~小学生)500円
④チケット情報
ジブリパークに入るためのチケットは、すべて予約制です。「ジブリパーク大さんぽ券プレミアム」「ジブリパーク大さんぽ券」「ジブリパークさんぽ券」の3種類があります。
ジブリパーク大さんぽ券プレミアム
全5エリアの入場と、カフェ・レストラン、ショップ、遊具・乗り物を利用できる「ジブリパーク大さんぽ券」の内容に加え、「地球屋」 (青春の丘) 、「サツキとメイの家」 (どんどこ森) 、「オキノ邸」「ハウルの城」「魔女の家」(魔女の谷)を含むすべての建物の中も鑑賞できるチケット。(※「ジブリの大倉庫」のみ、指定入場時間を選択)
ジブリパーク大さんぽ券
全5エリアの入場と、カフェ・レストラン、ショップ、遊具・乗り物を利用できるチケット。(※「ジブリの大倉庫」のみ、指定入場時間を選択)
ジブリパークさんぽ券
入場直前に購入できるタイプのチケットで、来園日の7日前17:00より予約開始。「青春の丘」「どんどこ森」「もののけの里」「魔女の谷」(※「魔女の谷」のみ、午前・午後の指定入場時間があります)の屋外4エリアの入場ができるチケット。
ジブリパークのチケット料金
チケットはすべて事前販売のみ。ジブリパーク内では購入できません。必ずチケットをゲットしてからパークへ向かいましょう。
以下は2024年3月16日分以降のチケット料金です。詳しくは公式サイトのチケットページをご確認ください。
「ジブリパーク大さんぽ券プレミアム」
- 価格
- 平日:大人 7,300円、子ども 3,650円
土・日・休日:大人 7,800円、子ども 3,900円 - 「ジブリの大倉庫」入場時間枠
- 9:00/10:00/11:00/12:00/13:00/14:00/15:00
※9:00入場枠は9:00営業開始の日のみ - チケット予約
- Boo-Wooチケットほか、ローソン・ミニストップ(店頭「Loppi」)
「ジブリパーク大さんぽ券」
- 価格
- 平日:大人 3,500円、子ども 1,750円
土・日・休日:大人 4,000円、子ども 2,000円 - 「ジブリの大倉庫」入場時間枠
- 9:00/10:00/11:00/12:00/13:00/14:00/15:00
※9:00入場枠は9:00営業開始の日のみ - チケット予約
- Boo-Wooチケットほか、ローソン・ミニストップ(店頭「Loppi」)
「ジブリパークさんぽ券」
- 価格
- 平日:大人 1,500円、子ども 750円
土・日・休日:大人 2,000円、子ども 1,000円 - 「魔女の谷」入場時間枠
- 午前(開園時刻~13:00)/午後(13:00~16:00)
- チケット予約
- Boo-Wooチケットほか、ローソン・ミニストップ(店頭「Loppi」)
※すべて「魔女の谷」を除き再入場不可
※入場時間の指定がないエリアの最終入場は当日16:00
いざ、全5エリアがそろったジブリパークへ。子どもも大人も楽しめる、誰もが思い描いたであろう「ジブリの世界」が、あなたを待っています。
※ジブリパークでは通常の営業時、一部を除き撮影できません。
※掲載されている情報や写真は2024年3月現在のものです。
© Studio Ghibli
撮影・取材・文/大川祥子