日本一の温泉湧出量、源泉数を誇る温泉天国別府のまちは、温泉地としてだけでなく、とり天にだんご汁、地獄蒸しや別府冷麺などのご当地グルメが味わえるグルメ天国でもあります。
別府に行ったら絶対立ち寄りたい別府グルメの人気店、7カ所をご紹介します。
1. 別府とり天発祥の店!東洋軒
唐揚げとは違う、ふんわりとした衣の食感が特徴の別府名物「とり天」。その別府とり天発祥の店とされるのが、大正15年から続く名店「レストラン東洋軒」。
「とり天といえば東洋軒!」といわれるほど、別府市内や大分県内だけでなく、全国的にも有名な人気店です。おいしくてボリューミーな東洋軒のとり天を求めて、平日でもこのようにかなり混雑しますので、時間と胃袋に余裕をもって訪れることをおすすめします。
店の入り口には、有名人の色紙がたくさん飾られています。
ボリューム満点!元祖とり天「本家とり天定食」
一番人気メニュー「本家とり天定食」(1,430円)。お皿に山盛りのとり天にサラダ、ライスにスープ、漬物がついています。ごはんもたっぷりで、かなりのボリュームです。定食にせず、とり天単品(1,144円)でもオーダーOK。
プリッとした歯ごたえの国産鶏もも肉をふんわりした衣で包んだ、とりの天ぷら「本家とり天」。ひと口噛めば、柔らかな肉の中から溢れ出すジューシーな肉汁!これは、たまりません!!やみつきになる美味しさです…。
ニンニク、醤油+ごま油の香ばしい下味がついていますので、そのままでも十分美味しいのですが、大分名産のカボスが入った特製ダレをつけて食べるとカボスの酸味がさっぱり効いて、これまたたまらないおいしさ…!と、どんどん箸が進んでいきます。
人気上昇中!牛肉刀削麺
とり天以外にも中華メニューも人気の東洋軒。近頃人気上昇中の「牛肉刀削麺」(1,167円)。
モチモチした食感の平たい麺にからみつくような醤油ベースのとろっとした牛肉スープ。こちらも絶品です。
こちらも大人気!警備員の中村さん
とり天と並ぶ東洋軒の人気者、名物警備員の中村さん。上半身をめいっぱい使ったキレッキレのダンスのような、コントのような(?)ユーモラスな誘導と最高の笑顔でお客さんを爆笑に誘い、楽しく駐車場へと案内してくれます。
メニューが人気なのはもちろんですが、中村さんの駐車場パフォーマンスを見たくて東洋軒を訪れる人も多いのだとか。
レストラン東洋軒
- 住所
- 大分県別府市石垣東7-8-22
- 営業時間
- 月~金:11:00~15:30(L.O.15:00)、17:00~22:00(L.O.21:00)
土・日・祝:15:00〜17:00(本家とり天・本家ゆずとり天(単品・定食)のみの営業)
- 定休日
- 毎月第2火曜
- アクセス
- 亀の井バス「船小路」バス停より徒歩約5分
2.だんご汁にやせうま!ふるさと別府の味が揃う「甘味茶屋」
鉄輪(かんなわ)温泉から国道500号を海の方へ少し降りてきたところにある、赤いお椀が目立つ看板の「甘味茶屋」。 大分の郷土料理が楽しめる甘味処で、観光客はもちろん地元の子供からお年寄りまで、幅広い客層に愛される人気のお店です。
緑に囲まれ、民芸調の落ち着いた内装の広い店内。テーブル席の他に、こたつが並ぶ座敷もあります。
大分名物「だんご汁」
3種類の味噌をブレンドし、コクのある旨さに仕上げた大分の郷土料理「だんご汁」(小 700円)。
だんご汁を出す店は大分県内に数あれど、このコクとやさしい味噌の甘さが味わえるのは「甘味茶屋」だけ。幅広い年代の別府市民から支持される、ふるさと大分の味です。
人参やごぼう、里芋など根菜たっぷりの汁の中に入っているのが、このコシのある「だんご」麺。小麦粉を水で練った、もっちりとした食感の歯ごたえある麺です。 甘味茶屋ではこの「だんご」は注文を受けてから手延べして、だんご汁をつくっています。
スイーツカテゴリーの「やせうま」
その「だんご」に、きな粉をつければ「やせうま」(400円)という大分スイーツになります。 小麦粉を水で練った同じ「だんご」ですが、味噌の汁に入れれば「だんご汁」となり食事カテゴリーに、きな粉をつければ「やせうま」になりスイーツカテゴリーに分類されます。面白いですよね!
ちなみに「やせうま」という名前は、平安の時代に都から大分に移り住んだ貴族の子供が、八瀬(やせ)という名前の乳母に「やせ、うま(まんま)」と呼んでこのきな粉だんごをねだったことに由来するのだそう。
やせうまの他にも甘味茶屋のショーケースには、いちご大福や栗茶巾などのおいしそうな和スイーツがたくさん並んでいます。
甘味茶屋
- 住所
- 大分県別府市実相寺1-4
- 営業時間
- 10:00~21:00(LO 20:30)
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 亀の井バス「別府総合庁舎」バス停より徒歩約1分
3. 別府冷麺といえば「六盛(ろくせい)」
別府といえば冷麺!というほど別府のご当地グルメとして名高い「別府冷麺」。
戦後の昭和25年頃に満州から引き揚げてきた料理人が、朝鮮冷麺を和風にアレンジしてお店に出したのがそのはじまりとされ、焼肉店などで出される冷麺とは違った、あっさり系のスープに太めの麺が特徴とされています。
別府市内に数ある冷麺店の中でも特に人気があるのが、松原公園横にある「冷麺専門店 六盛」。
かつて松原公園の近くにあった「大陸」というお店で食べた冷麺の味が忘れられず、その味をどうしても再現したい!と、ご主人が試行錯誤を重ねて作り出したのが六盛の冷麺です。
これが六盛の「冷麺」!
すっきりとした中にもコクがある、絶妙な味加減のスープは、昆布と牛骨からとった出汁を合わせています。麺は小麦粉とそば粉をブレンドしたコシのつよい自家製麺。
さっぱりとしていますが、食べていくほどにどんどんと味の厚みが増していく奥行きのある味わい。
温麺、中華そば、ラーメンも
冷麺の他に温麺(冷麺を温めたものだが麺のモチモチとした食感とゴマ油が効いたスープで冷麺とは違う味)や中華そば、ラーメンの麺料理がラインナップしています。
あっさり上品な味の中華そばは、焼きあご、昆布、煮干しの出汁に鶏ガラからとったスープの醤油味。寒い時期には体の中から温まる至福の一杯です。
手のべ冷麺専門店 六盛
- 住所
- 大分県別府市松原町7-17
- 営業時間
- 【昼】11:30~14:30【夜】18:00~20:30
- 定休日
- 水曜日
- アクセス
- JR「東別府」駅より徒歩約10分
4.「岡本屋」の地獄蒸しプリン
別府が誇る名物スイーツ、温泉蒸しプリン。別府周辺の30以上のお店で温泉蒸しのプリンが販売されています。その中でも高い人気誇るのが、元祖とされるこちら岡本屋の「地獄蒸しプリン」です。
薬湯として名高い明礬温泉郷にある「岡本屋売店」
別府八湯温泉郷の中でも薬湯として名高い硫黄泉、明礬(みょうばん)温泉が湧き出る明礬地区にある「岡本屋」。
明礬大橋の向こうに別府市内を一望できる鶴見山麓にある明礬地区。地下30mあたりに温泉脈があり、硫黄泉独特の匂いがする温泉蒸気が地区の色々な場所から噴き出しています。
昭和63年から続く名物「地獄蒸しプリン」
この温泉蒸気を使って、岡本屋では昭和63年から「地獄蒸しプリン」を作っています。
職人さん手作りの「地獄蒸しプリン」は、明礬温泉のスパイスがつまった卵の味が濃ーい濃厚プリン!苦みが効いたカラメルとのバランスが絶妙です。
大変人気があり、600個以上作っても売り切れになってしまう日もあるのだそう。
プリンの他、地獄蒸しメニューとして「湯の花まんじゅう」や、さつまいもを用いた郷土菓子「しんちょきもち」も。
またプリンはスタンダードなカスタードの他に、バナナ、おいも、コーヒー、抹茶キャラメル味、いちご(季節限定)味もあります。
岡本屋売店
- 住所
- 大分県別府市明礬3組
- 営業時間
- 8:30~18:30
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 亀の井バス「地蔵湯前」バス停より徒歩約1分
5. 地獄蒸しメニューを手軽に味わえる「ひょうたん温泉・売店」
あちこちから湯けむりが立ち上る鉄輪温泉郷は、温泉の蒸気で食材を蒸す「地獄蒸し」のメッカ。体験施設や旅館などでも地獄蒸し料理を食べられるようになっていますが、手軽に少しだけ地獄蒸しを楽しんでみたい!という方におすすめしたいのが、温泉施設「ひょうたん温泉」内にある売店。
入浴しなくても温泉内のレストランと売店は利用OKなので、履物をロッカーにしまったら、フロントに売店利用の旨を伝えて中庭にすすみましょう。 (飲食施設のみ利用の場合、入場料はかかりません)
地獄蒸しじゃがいもバターなどの数種類のお手軽メニューがありますが、その中でも待ち時間が短くてすむのが、この地獄蒸し豆腐(700円)。オーダーしてから3分くらい待つだけで食べられます。
2019年11月のリニューアルでは、新たに「地獄蒸しキッチン」も誕生しています。食事材を購入して自分で蒸す体験もおすすめです。
温泉吸入や飲泉も無料!
売店の前にある温泉玉子はひとつ80円。飲む温泉「飲泉」は無料で提供されています。
温泉水を飲む機会はなかなかないと思うので、ぜひここでチャレンジしてみてください。ほんのりと塩味がして飲みやすく、意外に美味しいですよ!
めずらしい温泉吸入もあり、こちらも無料で体験できます。
ミシュランガイドで三ツ星を獲得している「ひょうたん温泉」。大きな露天風呂に瀧湯や蒸し湯、歩行湯に砂湯までありバラエティにとんだ温泉浴が楽しめます。また家族でのんびりできる貸切湯が14部屋あり、うち「マツさんの湯ここち」の10部屋については1週間前から電話予約OK。(温泉に入浴する場合は入場料大人940円~。)
ひょうたん温泉 レストラン・地獄蒸しキッチン・売店
- 住所
- 大分県別府市鉄輪159-2
- 営業時間
- 11:00~21:00(L.O.)
※温浴施設の営業は、9:00〜翌1:00
- 定休日
- 木曜(レストラン・地獄蒸しキッチン・売店)
※中庭の温泉卵やジューススタンドは木曜も営業
※温浴施設は年中無休(ただし、4月・7月・12月の中旬に施設整備の臨時休業あり)
- アクセス
- 大分交通バス「地獄原・ひょうたん温泉」バス停より徒歩約3分
6. 鉄輪名物「鉄輪豚まん本舗」
別府の食べ歩きグルメとして外せないのが、鉄輪を愛する地元の主婦たちの店「鉄輪豚まん本舗」の豚まん(190円)。 元々は地区の催事時にボランティアで作っていたものが美味しいと評判になり、平成14年にお店として立ち上がりました。
地元大分産の椎茸と豚肉をメインにキャベツ、たまねぎを特製の合わせダレで味付けたふわふわ豚まん。 餡はもちろん、皮もすべて地元のお母さんたちの手作りです。
湯治場の雰囲気が残る鉄輪地区の細い路地を歩きながら食べる、ちょっぴり辛くて甘い豚まん。これぞ別府B級グルメの極み!
鉄輪豚まん本舗
- 住所
- 大分県別府市井田3組
- 営業時間
- 9:00~16:00
- 定休日
- 毎月第2月曜日
- アクセス
- 大分交通バス「鉄輪温泉」バス停より徒歩約1分
7. カリッとしたもちもち感がたまらない…!「なつま屋」の日田焼きそば
最後にご紹介するのは、JR別府駅構内にある「なつま屋」。みどりの窓口がある中央出口からすぐの商業施設『えきマチ1丁目』、BIS南館の中にあり、おいしい大分グルメを求める大勢のお客さんたちでいつも賑わっています。
お店の前は食事ができるようにテーブルと椅子が並べられたフードコートスペースになっており、出来立てアツアツのなつま屋フードをすぐに食べられます。もちろんテイクアウトもOK。
常に行列が絶えない人気で、何を食べてもおいしい「なつま屋」のメニュー。その中でも絶対に食べておきたいのが、大分グルメとして有名な「日田焼そば」(660円)。
たっぷりのしゃっきりもやしと豚肉が入った焼きそばを食べると、ところどころで感じる、パリパリっとした香ばしい味わい…。ごはんのおこげのような、クリスピーなおいしさでたまりません。これが日田焼きそばの特徴。鉄板の上で麺の一部を焦げるほど固く焼くことで、もっちり&カリっの絶妙な歯ごたえハーモニーを焼きそばに与えています。
JR別府駅に立ち寄った際には忘れずに「なつま屋」に寄ってみてください。鶏の旨みが染み込んだ、大分鶏めしも絶品ですよ!
なつま屋 別府駅店
- 住所
- 大分県別府市駅前町12−13 えきマチ1丁目 BIS南館
- 営業時間
- 10:00~20:00(19:20 L.O.)
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- JR「別府」駅構内
日本一の温泉量を誇る別府で評判のご当地グルメを7カ所ご紹介しましたが、ここ以外にも豊後水道の関サバに関アジ、豊後牛のステーキにしゃぶしゃぶなど大分の豊かな自然の恵みを味わえるお店が別府には多数あります。温泉に入りつつバラエティに富んだ大分のグルメを満喫しに、別府旅行に出かけてみませんか?
取材・写真・文/林ぶんこ
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