東北三大祭りのひとつとして知られる「青森ねぶた祭」の会場は、青森県青森市の中心街。最寄りの青森駅周辺には近年、駅ビルがオープンしたり、のんびりくつろげる砂浜ができたりと、ニュースポットが続々誕生しています。ねぶた祭を見に青森市を訪れた際、一緒に楽しみたいおすすめ観光モデルコースをご紹介します。
目次
青森駅までのアクセス
青森市中心街エリアに最も近い「青森駅」までの道のりをご紹介します。首都圏から向かう場合は、東京駅から東北新幹線に乗車し、新青森駅で降車(所要時間約3時間)。そこからJR奥羽本線に乗り換え、約6分で青森駅に到着です。
青森空港から向かう場合はJRバス東北2番乗り場からバスに乗り、青森駅(11番)バス停にて下車します(所要時間約35分)。
2024年春オープンの駅ビル「&LOVINA(アンドラビナ)」
青森駅には駅ビル「&LOVINA(アンドラビナ)」が隣接しており、2024年4月にオープンしたばかり。1〜3階が商業施設となっており、3階フロアには「そらうみテラス」というベイエリアの街並みを眺望できるスペースがあります。
4階には、青森県の縄文遺産を学べる施設「あおもり縄文ステーション じょもじょも」も。縄文服を着て撮影できるコーナーや、パズルなどで遊びながら縄文文化を学べるスペースがあり、家族連れに人気があります。
&LOVINA(アンドラビナ)
- 住所
- 青森市柳川1-1-5
- 営業時間
- 10:00~20:00
- アクセス
- 【電車】JR「青森」駅東口からすぐ
- 公式サイト
- &LOVINA(アンドラビナ)
海沿いエリア「青森ウォーターフロント」
青森駅東口のすぐ横には、「青森ウォーターフロント」といって、海沿いの景観を楽しみながら観光や買い物ができるエリアが広がります。
2021年には旧青函連絡船の岸壁が取り払われ、「あおもり駅前ビーチ」という新しい砂浜に生まれ変わりました。ここで写真を撮るのも楽しそうですね。
一年中ねぶたが体験できる「ねぶたの家 ワ・ラッセ」
青森ウォーターフロントエリアには、まるで現代アートのような赤い建物があります。「青森市文化観光交流施設 ねぶたの家 ワ・ラッセ」です。
ワ・ラッセは、年中を通して「青森ねぶた祭り」を体験できる施設です。賞を獲得した計4台の山車を昼間から鑑賞することができます。
有料ブースでは祭りの由来や歴史、制作工程などを学ぶことができます。中にはねぶたの構造や制作技術を手で触って確かめることができる貴重なコーナーもありました。
1日に数回、囃子の生演奏や祭りの踊り手・跳人(ハネト)を体験できる時間帯もあります。祭り本番に向けて、ここで「ラッセラー」の掛け声を練習しておくのもいいかもしれません。一階には祭りにちなんだお土産を購入できるショップもあります。
青森市文化観光交流施設 ねぶたの家 ワ・ラッセ
- 住所
- 青森市安方1-1-1
- 営業時間
- ねぶたミュージアム・ねぶたホール/5~8月は9:00~19:00、9~4月は9:00~18:00(最終入場は30分前まで)
- 料金
- ねぶたミュージアム・ねぶたホール/大人620円、高校生460円、小・中学生260円
- 休館日
- 8/9、8/10、12/31、1/1
- アクセス
- 【電車】JR「青森」駅から徒歩約2分
- 公式サイト
- 青森市文化観光交流施設 ねぶたの家 ワ・ラッセ
オリジナルの海鮮丼が作れる「青森魚菜センター」
お腹が空いたら、青森駅から歩いて数分の「青森魚菜センター」を訪れてみましょう。「元祖 青森のっけ丼」と書かれた大きな看板が目印です。
ここでは「のっけ丼」といって、お好みのご飯の量と好きな具材を選んでオリジナルの丼を作ることができます。具材は専用のチケットを購入し、市場内のお店をまわって交換するシステムです。
12枚組のチケットで約8種類の具材を敷き詰めることができます。具材は海老やホタテ、大トロ、イクラなどさまざま。チケットの交換枚数は具材によっても異なります。味噌汁やりんごジュースとの交換も可能です。チケットは1枚単位で追加購入ができます。
のっけ丼案内所
- 住所
- 青森市三内丸山305
- 営業時間
- 7:00~16:00
※店舗によって時間帯は異なる - 料金
- 食事券/12枚組2,000円、1枚券170円
- 定休日
- 毎週火曜日、1/1、1/2
※臨時休業あり - アクセス
- 【電車】JR「青森」駅より徒歩約5分
- 詳細
- 元祖 青森のっけ丼
県産食材を使ったジェラートが楽しめる「ジェラート・ナチュレ」
「のっけ丼」を堪能したあとは、青森魚菜センター近くのジェラート専門店「ジェラート・ナチュレ」に立ち寄ってみましょう。無着色・無香料の体にやさしいジェラートを味わうことができます。嶽きみ(糖度の高い県産のとうもろこし)や、豊盃(ほうはい)という地酒の酒粕で作ったフレーバーなんかも人気があります。
ジェラート・ナチュレ
- 住所
- 青森市新町1-6-22
- 営業時間
- 10:00~17:00
- 定休日
- 毎週水曜日
- アクセス
- 【電車】JR「青森」駅より徒歩約5分
- 公式サイト
- ジェラート・ナチュレ
日本最大級の縄文集落遺跡「三内丸山遺跡」
青森市を訪れたら、外せないのが三内丸山遺跡(さんないまるやまいせき)です。駅から少し距離がありますが、青森駅西口(2番のりば)のシャトルバスを使って向かうとスムーズです(所要時間約30分)。
三内丸山遺跡は、日本最大級の縄文集落跡として知られる特別史跡です。2021年には、三内丸山遺跡を含む北海道・北東北の縄文遺跡群が世界遺産に登録されました。
館内には予約不要で土偶や勾玉作りが体験できる工房や、縄文グッズを集めたお土産ショップなどもあります。
広々とした大地には、忠実に再現された縄文のムラが広がります。このエリアにはまだまだ貴重な出土品が眠っている可能性があるそうで、この日も発掘調査が行われていました。
この遺跡のシンボル的存在にもなっているのが、大型掘立柱建物(おおがたほったてばしらたてもの)。太さ約1メートルの大きなクリの木柱が発見されました。
約4500年前の柱が腐らず残ることはたいへん珍しい大型掘立柱建物跡。大型の高床建物やモニュメントとして使われていたのではないかと推測されています。
屋内の施設では、このムラで縄文人が使っていた道具や、当時の生活を知ることができる1,500点以上の出土品を展示しています。機械がないアナログの時代に、ここまで手の込んだ繊細な道具が作られていたのかと思うと驚きです。
特別史跡 三内丸山遺跡
- 住所
- 青森市三内丸山305
- 営業時間
- 9:00~17:00(GW、6~9月は18:00まで)
※入場は閉館の30分前まで - 料金
- 大人410円、高校・大学生等200円、中学生以下無料
※特別展は別途、観覧料が必要 - 休館日
- 毎月第4月曜日(祝日の場合は翌日)、12月30日~1月1日
- アクセス
- 【車】JR「青森」駅から車で約20分
【バス】JR「青森」駅から青森市営バス「三内丸山遺跡」行きで約30分 - 公式サイト
- 特別史跡「三内丸山遺跡」
草原のなかに佇む「青森県立美術館」
三内丸山遺跡から歩いて7分ほどのところには、青森県立美術館があります。まるで大地に白い箱をかぶせたかのような特徴的な外観が目印です。
この日は青森県内の5つの美術館によるアートフェス「AOMORI GOKAN アートフェス 2024 つらなりのはらっぱ」が行われていました。
こちらは井田大介氏による立体作品《Synoptes》。近づくとセンサーが反応し、身体についた瞳が閉じたり開いたりする仕組みになっています。たまに作品と目が合う瞬間もあり、ドキッとさせられる作品です。アートフェスは2024年9月1日まで、県内5つの美術館・アートセンターで開催されています。
美術館のシンボル的作品として親しまれているのが、屋外スペースにそびえ立つ《あおもり犬》。高さ約8.5メートル、横幅約6.7メートルの巨大な立体作品です。作品のまわりには、近くまで寄って作品を眺める人や、記念写真を撮る人たちの姿が。真っ白な姿とどこかもの悲しげにも見える表情は、じっと眺め続けていたくなるような不思議な魅力があります。
コレクション展は四半期ごとに入れ替えが行われており、青森にゆかりのあるアーティストたちの作品が展示されています。この日は版画家・棟方志功の作品が中心に展示されていました。
ミュージアムショップには、収蔵作家のグッズや書籍が並びます。ウルトラマンの怪獣デザインを手がけた成田亨のグッズは、ここでしか買えない限定商品なんだとか《あおもり犬》をモチーフにしたグッズや、アートフェス限定のグッズなどもありました。
青森県立美術館
- 住所
- 青森市安田近野185
- 営業時間
- 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
- 休館日
- 毎月第2、第4月曜日(祝日の場合は、その翌日)、年末年始(2024年度は12月26日から2025年1月1日まで)
- アクセス
- 【車】JR「青森」駅から車で約20分
【バス】JR「青森」駅から青森市営バス6番バス停から三内丸山遺跡行き「県立美術館前」下車すぐ - 公式サイト
- 青森県立美術館
青森のおしゃれなお土産が勢ぞろい「A-FACTORY(エーファクトリー)」
旅の終盤は、青森の食を満喫できるセレクトショップ「A-FACTORY(エーファクトリー)」を訪れてみましょう。前半で紹介したワ・ラッセのすぐ向かいにあります。
館内1階には、お酒やりんごジュース、スイーツ、おつまみ、雑貨などさまざまなお土産が購入できるフードマルシェコーナーが広がります。
商品はどれもパッケージがかわいく、思わず手にとってしまいたくなるものばかり。1個から購入できるお菓子などもあるので、自分用のお土産選びにもぴったりです。
飲食スペースも充実しており、青森県産の素材で作ったジェラート専門店やご当地バーガーショップ、県産りんごのアップルパイを堪能できるお店などがあります。その隣にはシードル工房も。2階のレストランでは非加熱の生シードルを味わうことができるのも魅力です。
A-FACTORY(エーファクトリー)
- 住所
- 青森市柳川1-4-2
- 営業時間
- 10:00〜19:00
※一部ショップは営業時間が異なります - 休館日
- 不定休
- アクセス
- 【電車】JR「青森」駅から徒歩約2分
- 公式サイト
- A-FACTORY(エーファクトリー)
祭りやアート、グルメなど青森市にはまだまだ知られざる魅力が盛りだくさん。「青森ねぶた祭り」は、毎年8月2日から7日にかけて開催されますが、実は同期間に青森県内各地でもそれぞれの地域にちなんだねぶた祭りが開催されています。地域によって山車の姿や掛け声が違うので、違いを見つけてみるのも面白いかもしれません。夏の青森は、昼も夜も見どころ満載です。ぜひこの機会に訪れてみてはいかがでしょうか。
取材・撮影・文/苫米地 結子