『スーパーマリオ』『ドンキーコング』『ゼルダの伝説』など、数多くの世界的ヒットシリーズを生み出してきたゲームメーカー・任天堂。そんな任天堂のものづくりに対する想いが詰まった「ニンテンドーミュージアム」が、2024年10月2日にオープンします。
館内には任天堂が開発した製品が展示されているほか、任天堂の原点ともいえる「花札」の製作体験や、ゲームの世界を思う存分楽しめるオリジナルの体験展示がめじろ押し。任天堂のゲームと共に育ってきた筆者が、一足先に潜入した様子をお伝えします。
「ニンテンドーミュージアム」とは
2024年10月2日、京都府宇治市に誕生する「ニンテンドーミュージアム」。昭和〜平成にかけて主にトランプや花札などの玩具製品を生産してきた京都府宇治市の「任天堂 宇治小倉工場」を改装する形で開業します。
ニンテンドーミュージアムの特徴は歴代のゲーム機とゲームソフト、玩具などが大集合し、全身を使って体験できるコンテンツが多数そろっていること。創業以来、任天堂がつくり続けてきた娯楽の歴史とこだわりを体感できる唯一無二の施設です。
屋上には『スーパーマリオ』シリーズでおなじみの「ハテナブロック」が大きく描かれ、広場にはキノコやコインなども見えます。
アクセスは、京都駅から約20分で到着する京都近鉄線「小倉」駅東改札を出て徒歩約5分。JR奈良線の「宇治」駅からたった1駅の場所にある「小倉」駅からも徒歩約8分という好立地です。宇治観光の前後に立ち寄りやすいですね。
自分だけのマリオ入館証をゲットしよう!
それでは、いよいよ館内へと向かいましょう。チケットを提示してセキュリティチェックを済ませると、入館証がもらえます(未就学児を除く)。表には今日の日付と入館時間、名前、マリオのイラスト、裏はニンテンドーミュージアムを象徴する8つのアイコンがあしらわれています。
事前にニンテンドーミュージアム公式サイトで登録をしておくと、マリオを自分のMii(いろいろな顔のパーツを選んで作れる似顔絵キャラクター)に変更することも可能です。
ゲートを抜けると、大きな土管とブロック、スーパーキノコがお出迎え。この場所での記念撮影はマストです。土管から勢いよく飛び出して、マリオのポーズで撮っちゃおう!
施設内は、体験展示やショップ・展示室がある第1・2展示棟とカフェやワークショップが楽しめる第3展示棟に分かれていて、好きなところから回れるようになっています。
第1・2展示棟のエントランスに入ると、『スーパーマリオ』に登場する人気キャラクター・キノピオたちの姿が。頭をなでると声が出る仕掛けになっていて、全員触ればかわいいコーラスを聞かせてくれるかも!
ここでしか楽しめない8つの体験型ゲーム
第1展示棟1階では、全部で8つの体験展示があり、入館時に付与された10枚のコインを使って遊びます。ゲームによっては、体験中に写真を撮影してくれ、公式サイトのマイページから写真を確認することができるので、気兼ねなく体験に集中しましょう。それぞれの特徴をお伝えするので、選ぶ際の参考にしてくださいね。
しぐれでんSP
かつて京都の嵐山にあった「小倉百人一首」をテーマにした施設「時雨殿(しぐれでん)」。そのアトラクションを元にした体験展示が「しぐれでんSP」です。一人一つ手渡される専用スマートフォンが読み上げる和歌の下の句の札を、足元に映し出されたフロアビジョンから見つけます。
「百人一首はまったく知らないけど、楽しめるかな?」という不安は一切不要!下の句を探し出すためのヒントが出るので、その札を見つけて画面をタッチすればOKです。
ランダムで勝負札が出ることがあり、その札を見つけると高得点がゲットできるので、すぐに札を見つけられなかった人も最後まで諦めないで!日本古来より伝わる遊びに楽しみながら親しめるので、これをきっかけに百人一首に興味を持つ人も多そうです。
- 必要コイン
- 2枚
ザッパー&スコープSP
1970年代に任天堂が展開した大型レジャー施設「レーザークレー」を現代風にアレンジした「ザッパー&スコープSP」。マリオの世界を舞台にした射的ゲームで、巨大スクリーンに現れるクリボーやノコノコなどおなじみの敵キャラクターたちを光線銃で撃ってポイントを獲得します。
スナイパーになった気分でガンガン撃てますが、間違ってマリオの仲間たちを撃つとマイナスになるので、慎重に狙いを定めて!
- 必要コイン
- 4枚
ウルトラマシンSP
1968年に発売された、家庭で遊べるピッチングマシン「ウルトラマシン」が楽しめる「ウルトラマシンSP」。飛んでくる球をバットで打ち返します。部屋のインテリアが異なる6つの体験ブースが用意されています。左打席用のブースもあるので、サウスポーの方もご安心を。
普通だったら、家の中で野球なんてパパやママに叱られちゃうけど、ここなら思いきりホームランをたたき出してOK!家具に当たると、それぞれ違ったリアクションが起こります。このお部屋では、トイレの水が流れる音がしたり、棚が傾いたり……。1回の体験あたり20球ですが、打った球が部屋に飾られている一部のオブジェクトにあたると、追加で球を打つことができる仕掛けです。
最初はまったく球が当たらなかった筆者も、だんだんと慣れてきてヒットを連発できました。ストレス発散にもピッタリかも?!
- 必要コイン
- 2枚
ウルトラハンドSP
1966年発売の持ち手を閉じると伸びる玩具「ウルトラハンド」を使った体験展示。レーンを流れてくるボールをうまくつかんで、土管に入れるとポイント獲得です。簡単なように見えて開閉操作が意外に難しく、ちょっとコツが必要かも。うまい人は、次々とボールを土管に入れていました。
ゲットするのはモンスターボール。中にはポケモンの姿も!
ボールをゲットするごとに花火が上がり、最後にまとめて獲得数の花火がモニターを彩ります。ボールによって花火の種類が違うのも、お楽しみのひとつ。ゲームが終わる最後の瞬間まで目が離せません!
- 必要コイン
- 2枚
ラブテスター
1969年に発売された2人1組で「ラブ度」を測定できる「ラブテスター」の体験展示。本体から延びる赤と黒のコードを各自が握り、2人が手をつなぐことでラブ度が測れます。
チャレンジするゲームは3つ。汚れた窓を吹いたり、舞い散る桜の花びらをカゴに入れたりと、2人の息を合わせて共同作業するゲームです。最初に測定したラブ度と、すべてのゲームを終えた後のラブ度、どこまで数値が上がっていたかで2人の仲がさらに深まるかも。夫婦や親子、友達、先輩後輩など、いろいろな相手とラブ度を測定してみてくださいね。
- 必要コイン
- 2枚×2人
ゲーム&ウォッチSP
1980年に任天堂が初めて発売した、液晶画面付きの携帯ゲーム機「ゲーム&ウオッチ」のゲームに全身を使って挑戦できる体験展示。両手を上げ、スクリーンに映った自分の影を見ながら身体を動かし、ゲームをクリアしていきます。
ゲームは、ボールを落ちないようにキャッチしていく「ボール」と、走ってくる人がマンホールに落ちないように橋をかける「マンホール」の2種類から選択できます。「マンホール」では、最初は余裕で対応できても、人がたくさん登場すると途端に焦り、橋をかけるのが難しくなりました。単純に見えて瞬発力が問われるゲームです。
- 必要コイン
- 1枚
ニンテンドークラシック
Nintendo Swich Online(有料サービス)で配信されている、ファミコン、スーパーファミコン、NINTENDO 64向けのソフトが勢ぞろい!各ゲーム機のコントローラーで遊べる体験展示が「ニンテンドークラシック」です。体験できるソフトは、なんと80以上!1回の体験で7分間遊べます。
懐かしいゲームソフトでまた遊べるなんて、うれしいサプライズ!思わず夢中になってしまい、あっという間に7分が経過します。
子どもたちは初めて遊ぶソフトにハラハラドキドキ、大人たちは懐かしのゲームに腕が鳴ります。「パパすごい!」なんて言われちゃうかも?!
- 必要コイン
- 1枚
ビッグコントローラー
巨大化した歴代ゲーム機のコントローラーを使って、2人1組で当時のゲームに挑戦する体験展示「ビッグコントローラー」。
コントローラーは、ファミコン、スーパーファミコン、NINTENDO 64、Wii(Wiiリモコン、バランスWiiボード)があり、どれも想像をはるかに超えたビッグサイズです。
やり慣れたゲームでも、自分が小さくなることでこんなに難しいとは……!ボタンを押してジャンプをする人と、スティックを使って移動させる人、2人の役割分担次第でゲームの行方が変わってきますよ。
- 必要コイン
- 2枚×2人
任天堂の原点「花札」を作ったり遊べるワークショップ
体験展示をたっぷり堪能した後は、第3展示棟2階へ移動してワークショップに参加しました。じつは任天堂は、花札を製造・販売する小さなお店から始まった会社だったことをご存知ですか?創業時の原点でもある花札に触れることで、より任天堂という会社を知ることができそうです。
ちょっと、花札をつくろう
現在は機械で製造されている花札ですが、130年以上前には職人が一枚一枚手作りをしていたといわれています。その工程を実際に疑似体験できるワークショップが「ちょっと、花札をつくろう」。
好きな月の花札(4枚1セット)を選んだら、特製のキットを使って色を塗っていきます。インクや糊をつけすぎないなどコツはいくつかありますが、手順に従って進めていけば、誰でも立派な花札が作れます。
あくまでも見本の手順なので、例えば「きいろ」の部分に「あお」を塗っても問題なし!見本通り作るもよし、インスピレーションのままに色を塗っていき、あなただけのオリジナル花札を作るもよし。裏紙を貼り付けて、折り返したら完成です。
できあがった花札は台紙に入れてお家に飾ることができるので、京都旅行の忘れられない想い出になります。
ちょっと、花札をつくろう
- 所要時間
- 約60分 ※片付け込み
- 体験場所
- 第3展示棟2階クラフトルーム
- 参加費
- 2,000円
- 事前予約
- 必要(当日、館内のインフォメーションセンターで受付)
ちょっと、花札であそぼう
花札を作るだけでなく、プレイルームでは実際に遊んでみることも可能です。通常は48枚ある花札ですが、ここでは32枚を使って代表的な遊びのひとつ「花合わせ」に挑戦します。
ルールは前方の大きなスクリーンで丁寧に説明されるので、花札をまったく知らないという人でも大丈夫。前のスクリーンが見づらい場合は、スタッフにいえばタブレットを貸してもらえます。
畳の上に向かい合って座ったら、プレイ開始。次に札をどこに出せばいいのか、どの組み合わせだと何点とれるかなど、画像認識とプロジェクション技術を活用したスマートガイドがすべて教えてくれます。花札が初めてという人も簡単に楽しめるのがうれしいですね。
ちょっと、花札であそぼう
- 所要時間
- 約30分
- 体験場所
- 第3展示棟2階プレイルーム
- 参加費
- 1人につき500円 ※体験は2人1組
- 事前予約
- 必要(当日、館内のインフォメーションセンターで受付)
懐かしすぎて感激……歴代ゲーム機&ゲームソフトが大集合!
第1展示棟2階にある展示室には、ファミリーコンピュータが登場して以降、日本国内で任天堂から発売されたゲーム機とゲームソフトがほぼすべて展示されています。ただ、それらの展示には詳しい解説が付いていません。ゲームの知識や経験などにかかわらず、訪れた人たちそれぞれの体験や記憶をもとに鑑賞してほしいという思いが込められているそうです。
天井を見上げると、巨大サイズのコントローラーが!懐かしくて涙が出そうなゲームが大集結していて、この展示を見ているだけで感動してしまいました。耳慣れた各ゲーム機の起動音がどこからか聞こえてくるのにも胸が高鳴ります。
また、ゲーム機とソフト以外にも、「体を動かすあそび」「音楽を使った遊び」など、テーマ別にどんな製品が発売されてきたかがわかったり、「取扱説明書」「ハテナブロック」などの変遷が楽しめたりする展示、任天堂がビデオゲームを作る以前の製品まで所狭しと並びます。このフロアだけで、任天堂博士になれちゃうくらいの奥深さです。
▼展示室の概要動画
カフェ「HATENA BURGER」で京都らしいバーガーやスイーツを
そろそろお腹が空いてきた……ということで、第3展示棟1階のカフェ「HATENA BURGER」へ。ゲームフィールドをモチーフにしたテーブルや工場の名残が感じられる内装がおしゃれです。また、奥にはゼルダの伝説のステンドグラスが飾られたレトロなテーブル席もあります。
こちらは、コマぎれ牛肉に半熟目玉焼き、厚揚げ、九条ネギなど、京都らしい食材を合わせた「すきやきバーガー」。サイドは「コールスロー」をチョイスして、肉も野菜もバランス良くいただきます。
こちらもTHE京都!という「西京焼きバーガー」。西京みそを絡めたサワラとピリ辛レンコンのきんぴらがベストマッチ。チラリと見えるピンク色はしば漬けで、食感のアクセントになっています。サイドの「ころころポテト」はケチャップをつけて召し上がれ。
どうしてもアップで撮影したかったのが、こちら「ビッグキノコバーガー」。大きなマッシュルームがキノコ好きにはたまりません。野菜だけで仕上げたベジタリアンメニューです。
また、「HATENA BUGER」はこれら定番ハンバーガーのほかに、自分の好みの具材を組み合わせて世界に一つだけのオリジナルハンバーガーがオーダーできる点が一番の推しポイント。その組み合わせはなんと27万通り以上!何回もニンテンドーミュージアムを訪れて違う味を試したいですね。
HATENA BURGER
- 営業時間
- 10:00〜18:00(L.O.17:30)
- 定休日
- 火曜日(祝日の場合は営業、翌水曜日が休み)
- 備考
- 利用にはニンテンドーミュージアムのチケットが必要
ショップでお土産を買って、おうちでも任天堂の世界に浸ろう
最後はやっぱりお土産ですよね。任天堂のゲームの世界やキャラクターをテーマにしたオフィシャルグッズがそろう「BONUS STAGE」でお気に入りを見つけて帰りましょう。
グレーを基調とした「NINTENDO MUSEUM」のロゴ入りのアイテムが、ここだけでしか買えない限定商品ですのでぜひチェックを。
落ち着いた色合いだから、誰でもお洒落に着こなせそうなキャップ(3,960円)、ロゴTシャツ(M ・L・XL・XXL/5,500円)、ストラップ・パスケース(2,970円)。
同じTシャツでも、こちらはソフトごとに合わせたカラフルなデザイン。
パッケージはゲームソフトのカセットを模しているので、箱まで保管しておきたくなりますね。
見逃せないのは、巨大サイズのコントローラー型クッション(11,000円)!おうちのリラックスタイムをより楽しくしてくれそうです。
BONUS STAGE
- 営業時間
- 10:00〜18:00
- 備考
- 利用にはニンテンドーミュージアムのチケットが必要
館内には細かなこだわりがいっぱい!
ほかにもニンテンドーミュージアム敷地内にはいたるところに「あっ!」と思わず笑顔になっちゃう仕掛けや表記がたくさんありました。ゆっくり巡りながら探してみるのも楽しいですよ。
オープン前から大きな注目を集めている「ニンテンドーミュージアム」ですが、チケットは今のところ抽選での販売となっています。予約には作成無料のニンテンドーアカウントが必要など注意点があるため、公式サイトを事前にチェックしましょう。
どんな年代でも、心の底から「楽しかった!」と大満喫できること間違いなし。京都の新たな観光スポットとして、任天堂がもっと好きになる「ニンテンドーミュージアム」にぜひ足を運んでみてください!
ニンテンドーミュージアム
- 開業日
- 2024年10月2日
- 住所
- 京都府宇治市小倉町神楽田56
- 営業時間
- 10:00〜18:00(最終入場16:30)
- 休館日
- 毎週火曜日および年末年始(12月30日〜1月3日)
※火曜日が祝日の場合は営業。翌水曜日が振替で休館。 - 料金
- 大人(18歳以上) 3,300円、中高生 2,200円、小学生 1,100円、未就学児 無料
※チケットは抽選での販売 - アクセス
- 近鉄京都線「小倉」駅下車 徒歩約5分、JR奈良線「小倉」駅下車 徒歩約8分
- 詳細
- 「ニンテンドーミュージアム」公式サイト
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