数々のラグジュアリーホテルを手掛ける「ハイアット ホテルズ アンド リゾーツ」が、日本初のラグジュアリー ライフスタイルホテルとして、2014年に開業した「アンダーズ 東京」。虎ノ門ヒルズの上層階に位置し、洗練された空間の中、心地よい上質な時間を過ごせます。非日常、新感覚といった言葉の似合う「アンダーズ 東京」の滞在体験をご紹介します。
洗練された空間に地域の魅力を取り入れる「アンダーズ 東京」
ヒンディ語でパーソナルスタイルを意味する「アンダーズ」。2007年にロンドンで誕生し、東京での開業は12番目となります。地域の個性を大切にし、その土地の魅力をデザインやサービスに取り入れるため、各国のアンダーズを訪れた際には全く違った印象や体験を楽しめるそうです。
開業の地に選んだ虎ノ門は、何代も続く老舗和菓子屋や伝統工芸品を作る工房などに加え、虎ノ門ヒルズなどの新たな開発も次々と進む今注目のエリア。館内は、洗練された空間の中に和紙を使ったり、客室やラウンジに地元老舗店のお菓子を置いたりと、全館を通して日本文化のエッセンスを感じます。
「アンダーズ 東京」があるのは、東京都港区虎ノ門、虎ノ門ヒルズ 森タワーの中。47階から52階、および37階、1階がホテルの施設となります。
ロビーがあるのは51階、早速エレベーターに乗り込み向かいましょう。
五感を刺激するロビー、季節毎に変わる香りがお出迎え
ロビーに足を踏み入れた瞬間、稲穂の心地よい香りに包まれました。滞在を香りでも楽しんでもらえるようにと、春はさくら、夏は竹、秋は稲穂、冬は柚子、と季節に合わせた香りを空間やアメニティにも用いているのだそう。
大きな組子アートが目に入ります。この作品は、名工 故・小高重光氏が手掛けたという組子細工。精巧な作りに、魅入ってしまいます。
早速チェックイン。アンダーズホストが宿泊者専用の「アンダーズ ラウンジ」へと案内してくれました。
実はアンダーズにはフロントがなく、従来のホテルのようにドアマン、フロント、ベルアテンダントというセクション毎の業務分担がありません。アンダーズホストが、ゲストのスタイルに合わせて柔軟に担当してくれるのです。
「アンダーズ ラウンジ」でウェルカムドリンクをいただきながらチェックイン
「アンダーズ ラウンジ」では、ドリンクをいただき、会話をゆっくりと楽しみながら、チェックインができます。個々のスタイルに合わせて対応してくれるのがうれしいところ。
アンダーズが大切にしているのは、「あらゆる面においてバリアがないこと」「シンプルでありながら洗練されていること」「まるで自宅にいるかのようにくつろいでいただくこと」の3つ。アンダーズホストが、一人ひとりに合わせたパーソナルなスタイルを提案してくれるのです。
今回の滞在で「ホテルステイを堪能したい」と伝えたところ、ホテル内で楽しめる様々な体験プランを紹介していただきました。でも、その前に客室へと向かいましょう。
客室へ通じる道にもこだわりが
エレベーターの扉が開き、出迎えてくれたのは、永田哲也氏による和紙のアート『白の蒸留箱』。エレベーター毎に和紙アートの絵柄が違い、まるで動く美術館のようです。乗るたびに新鮮な気持ちで鑑賞でき、移動の時間もあっという間に感じます。
エレベーターを降りると、障子をイメージした日本情緒たっぷりの廊下が続きます。非日常的な空間に、ここでの写真をInstagramに投稿する人もたくさんいるほど。
東京タワーの見える人気のお部屋「タワービュー キング」に宿泊
今回宿泊したのは、大きな窓から東京タワーを眺めることのできる50平米の「タワービュー キング」のお部屋。白や木目を基調とした柔らかい印象に、庭園をイメージした鮮やかなグリーンのカーペットがアクセントになっています。
ふすまや障子をイメージした壁、桂離宮の市松模様から着想を得たデザインなど、客室にも和のエッセンスが組み込まれています。
ミニバーを覗いてみると、ネスプレッソのコーヒーメーカーや、ポンジュース、虎ノ門で70年以上続く老舗のおせんべい屋さん「虎ノ門 きや」のおかきなどが置いてありました。
自宅みたいにくつろげるようにと、ミニバー内のソフトドリンクとスナックは無料で提供。スイートルームの場合は、アルコール類も無料で楽しめます。
洗面台のアメニティ以外にも遊びのある仕掛けが……棚に木箱が置いてあるのを発見。開けてみると、歯ブラシやコットンなど、基本的なアメニティが積み木のようにおしゃれに収納されていました。
青と白の井柄がかわいらしいルームウェアは、なんと浴衣。鼻緒のついたスリッパまでありました。
記念日には、「アンダーズ スイート」や「デラックス キング」もおすすめ
客室は、8室のスイートルームを含む全164室。どの部屋も、天井から床まで大きな窓が備え付けられており、東京の街並みに客室が溶け込んだように感じます。
アンダーズ スイート
125平米の広さと皇居外苑の緑の眺望を誇る「アンダーズ スイート」は、自然の素材感や木の温もりを生かした日本の美を感じるデザイン。
リビングルーム、ベッドルーム、バスルームで構成されており、リビング側からベッドルームを撮影すると、東京タワーの真横にいるような写真も撮影できます。
スイートルームでは、ウェルカムアメニティとして1階「ペストリー ショップ」のシグネチャースイーツのエクレアがいただけたり、朝食の無料サービスがあったりと、特別な時間を更に格上げするサービスが揃っています。
デラックス キング
65平米の「デラックス キング」からは、東京スカイツリーや丸の内の街並みを一望できます。
「タワービュー キング」は景色を覗き込むように窓側にソファがあるのに対して、「デラックス キング」は、窓向きにソファが配置されているので、広々としたお部屋の雰囲気とともに景色を楽しめます。
「デラックス キング/デラックス タワービュー キング」とスイートの各部屋では、南フランス発祥の高級アメニティ「ARGAN(アルガン)」を採用。ベルガモットやブラッドオレンジなどのフレッシュな香りに包まれます。
ホテルステイを更に楽しむ「ステイケーションアクティビティプログラム」へ参加
客室で少し休憩したら、子どもから大人まで楽しめるアクティビティプログラムへ参加しましょう。ホテル内を散策するツアーから虎ノ門エリアを巡るツアーまで、様々なツアーを毎日開催しています。
館内のアートワークツアー
気軽に参加できるのが、毎日16:30から開催される「館内のアートワークツアー」(約30分)です。館内を彩るアートの説明を受け、おすすめのフォトスポットも教えてもらえます。こちらはフロントエリアにある「Tree Chair」。アートでありながら座ることもできます。
宿泊階へ向かうエレベーター前にあるのは、「アンダーズ 東京」5周年を記念して、造られた華やかなアート。
窓の前には、燭台、花器、カトラリーなど祝祭にちなんだ鉄の古道具を叩き、樹木の形に再構築したアートが。結婚式を挙げたご夫婦がこちらの前で写真を撮ることも多いそうです。窓の外を覗くと、迫力ある東京タワーを見ることができます。
テラスからの夜景を満喫するツアー
毎日17:30から開催、52階のルーフトップ テラスから夜景を楽しむツアー(約15分)もおすすめ。地上約250mのテラスから、ライトアップした東京タワーやレインボーブリッジをバックに写真撮影を楽しめます。
ホテル近隣ツアー
ホテル周辺を散策したい人におすすめなのが、日替わりで巡る場所の変わる「虎ノ門 再発見ツアー」(約45分)。毎日10:45から開催しています。
愛宕神社などの虎ノ門歴史散策、スペシャリティコーヒーショップ巡り、お菓子店巡り、日本酒ツアー、虎ノ門ヒルズツアーと曜日を変えて巡ることができるので、連泊でも楽しめるのがうれしいところ。
ディナーの前に一杯。宿泊者専用の「アンダーズ ラウンジ」へ
チェックインの際に訪れた「アンダーズ ラウンジ」に、ディナーの前にも立ち寄ります。
「アンダーズ ラウンジ」では、24時間ソフトドリンク&スナックサービスを行っており、リビングのように気軽に利用できます。18:00〜20:00のイブニングタイムには、ワインやカナッペも登場し、軽く一杯楽しむことができるのです。
レストラン「ザ タヴァン グリル & ラウンジ」で絶品ディナーを堪能
ホテルステイを更に格上げするディナーは、51階のメインダイニング「ザ タヴァン グリル&ラウンジ」で。
日本の食材と熟成方法にこだわり、高温のオーブンで香ばしくジューシーにグリルした熟成肉をはじめ、クラシカルな定番メニューを驚きに満ちた斬新なアレンジで提供しています。
今回は、レストランを代表するシェフこだわりの料理が楽しめる「シグネチャーディナー4コース」をチョイス。
世界中で愛されるクラシックメニュー「ニース風サラダ」をモダンにアレンジした一皿からスタート。ダイス型にカットしたマグロの炙りや、ポテトのコンフィなどが美しく盛り付けられており、ボリューミー。
メインは、雪室でじっくりと熟成された「スノーエイジングビーフ」のグリル。冬の間に、じっくりと熟成することで肉本来の旨味が増すとのこと。レストラン内では、お米や野菜、醤油など、お肉以外にも、多数の雪室で熟成された食材を使用しています。素材の魅力を最大限に引き出した料理の数々は、記憶に残ること間違いなしです。
もう少し気軽に楽しみたい、というときはラウンジエリアがおすすめ。
ミュージシャンたちによる即興のジャズやソウルの生演奏を聴きながら、カクテルや軽食を楽しめます。(※ライブスケジュールは公式サイトをご確認ください)
和食派は、熟練の職人が握る本格的な江戸前寿司を味わえる「the SUSHI」へ。
52階の「ルーフトップ バー」の奥、のれんの先に広がるカウンター8席のみの大人の隠れ家です。
アラカルトメニューまたは松竹梅のおまかせコースを注文できます。おまかせコースでは、寿司職人厳選のその日一番のネタがつまった握りを提供。全国から取り寄せた数々の銘酒をはじめ、ワインやシャンパン、季節のカクテルと合わせて贅沢に味わえます。
まだまだ夜を楽しみたい! 食後は「ルーフトップ バー」へ
ディナーの後は、最上階にある「ルーフトップ バー」へ。セミオープンのテラスや炉を囲んだソファ席を備えた店内では、プレミアムティーや季節のフルーツなどをベースにしたオリジナルミクソロジーカクテルを味わえます。
秋から冬にかけては空気が澄み渡り、東京湾から更には木更津方面の景色まで見渡すことができます。
出迎えてくれたのは、数々のカクテルコンペティションで受賞歴のあるミクソロジストの吉原泰俊さん。素材選びから製法まで、従来のカクテルの手順を見直し、食材を組み合わせて、新しいスタイルのカクテルを生み出しています。時にはお出汁や海苔の旨味成分だけを抽出して使うこともあるのだそう。
今回作っていただいたのは、吉原さん考案のコーヒーカクテル「ノクターン」。
エスプレッソにウィスキーやシェリー、すみれリキュールを加えた大人の一杯です。提供のタイミングで蓋を外すと、ふわっと華やかな香りが広がりました。
冬には、モヒートやブラッディマリーなどのクラシックカクテルをホットにアレンジした新感覚のカクテルも登場します(~12月31日)。東京の夜景バックに、ここでしか味わうことのできないカクテルの数々、唯一無二の体験を楽しめることでしょう。
東京タワーを眺めながら眠りにつくという幸せ
ほろ酔い気分でお部屋に戻ると、煌めく東京タワーの姿が。時間を忘れてぼーっと窓の外を眺めてしまいます。そのまま眠りにつきたくなりますが、バスタイムも楽しみましょう。
バスアメニティは「アンダーズ 東京」オリジナルのもの。ボディシャンプーとバスソルトは館内の香りと同様で、稲穂の心地よい香り。こちらも季節に合わせて香りが変化します。
バスルームは、日本ならではの五右衛門風呂をイメージした丸い形のバスタブ、ハンドシャワーとレインシャワーがついたシャワーエリアに分かれています。
深さも広さも十分すぎるバスタブは、一人で入るにはもったいないほどの大きさ。稲穂の香りのバスソルトを入れれば、一日の疲れも吹き飛びます。
バスタイムの後は、お茶を入れてゆっくり。思う存分東京の夜景を堪能しましょう。
朝からスパで汗を流してリフレッシュ
思う存分寝た朝は、「AO スパ&クラブ」で汗を流して、一日をスタートさせましょう!
フィットネスエリアとプールの営業は6:30から、宿泊者は無料で利用できます。フィットネスウェアとシューズのレンタルも含まれているので、滞在中にふと身体を動かしたくなっても大丈夫。(一部有料)
ホテル内とは思えないほどの充実したフィットネスマシンの数々、開放感溢れる20mの屋内プール、炭酸泉プールやバーデプールなどで、思い思いに体を動かしましょう。
5つのトリートメントルームも完備。日本を中心に世界各国から集められた素材とエッセンスを使い、身体の状態に合わせたテーラーメイドのトリートメントを提供しています。
レストラン「ザ タヴァン グリル&ラウンジ」の絶品朝食に舌鼓
ホテルステイの楽しみの一つ、朝食は「ザ タヴァン グリル&ラウンジ」でいただきます。卵料理またはブレックファストスイーツを選ぶ洋朝食と、お重に入った和朝食から好きな方を選びます。おいしそうなラインナップにどれを選ぼうか悩んでしまうほど。
※現在、7:00〜10:00の間、宿泊者限定で洋食または和食のセットメニューを提供しています。
卵料理のおすすめは、焼き立てのサクサク食感と濃厚な味わいを楽しめるクロワッサンエッグベネディクト。ブレックファストスイーツは、ふわふわ新食感なチョコレートフレンチトーストがおすすめです。
彩り鮮やかな和朝食も外せません。焼魚、だし巻き卵、ご飯、味噌汁に加え、4つの小鉢が並びます。優しいお味で、胃に染み渡ります。
サラダやヨーグルトなどは、ブッフェスタイルで提供。どれもおいしそうなので、食べすぎ注意。大満足でレストランを後にし、しばしチェックアウトまでゆっくりと過ごしましょう。
惜しみつつ「アンダーズ ラウンジ」でチェックアウト
チェックアウトは12時なので、朝食の後もゆったりと過ごせてうれしい。もう一度「AO スパ&クラブ」に訪れたり、「アンダーズ ラウンジ」でコーヒーを飲みながら滞在の思い出を振り返ったりと、優雅な時間を過ごしましょう。
滞在の間、何度も立ち寄った「アンダーズ ラウンジ」は、本当にリビングのような存在。親身に接してくれるアンダーズホストの方々は家族のような存在に。洗練された空間でありながら、自宅のようにくつろげるのが魅力の「アンダーズ 東京」。
家族と、パートナーと、友人といっしょに、はたまた一人のご褒美ステイにも。都内随一の景色を誇るホテルで、感性を磨きながらリフレッシュしてみませんか。
- 住所
- 東京都港区虎ノ門1-23-4 虎ノ門ヒルズ 森タワー
- アクセス
- 東京メトロ日比谷線 虎ノ門ヒルズ駅 徒歩 約3分
- 客室数
- 164室
- チェックイン
- 15:00 (最終チェックイン:24:00)
- チェックアウト
- 12:00
撮影:久保田耕司 取材・文:加藤あやな