提供:ことりっぷ
6月の鎌倉は街のいたるところに淡いピンクや紫、青といったアジサイが色とりどりに咲き、古都の散歩がますます楽しくなる季節です。鎌倉のシンボルともいえる鶴岡八幡宮の参拝をはじめ、古民家カフェでのランチやこの期間限定のアジサイスイーツのティータイムなど過ごし方はたくさんあって、一日はあっという間に楽しく過ぎていきます。今回はこの時期に訪れる鎌倉のおすすめプランをご紹介します。
鎌倉野菜で一日の元気をチャージする「朝食屋 コバカバ」
鎌倉駅から徒歩約3分
鎌倉散歩のはじまりは、地元の食材を使った朝ごはんからはじめてはいかがでしょうか。早朝からオープンする「朝食屋 コバカバ」は、となりに地元ではレンバイ(鎌倉農協連即売所)として親しまれる鎌倉野菜の直売所があり、そこから仕入れる新鮮な鎌倉野菜を使った朝ごはんが人気です。
「焼きサケ定食」(1,250円)
朝ごはんは有機五穀米のごはんと具沢山のお味噌汁、香物、小鉢といった昔ながらの日本の朝食に、お好みで納豆や卵、焼きサケ、サバの文化干しを付けられます。朝食の定番ともいえるサケは、低温で15分ほどかけてじっくり焼き、驚くほどふっくらとしています。ステキな一日は美味しいごはんから。
まずはカウンターでオーダー
緑の生い茂る参道・段葛を歩いて「鶴岡八幡宮」へ
三ノ鳥居から眺める鶴岡八幡宮
朝食で体調を整えたら、段葛を通って鶴岡八幡宮へ参拝を。段葛は鶴岡八幡宮へと続く参道で、一般道よりも一段高く盛り土され、この時期は桜の木々に緑が生い茂り、心地のいい日陰をつくります。
鶴岡八幡宮の大石段と朱塗りの本宮
鶴岡八幡宮は鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝ゆかりの神社で、約800年の歴史があります。鎌倉時代には武家社会の守り神として戦いの無事を祈り、その後も作物の豊作や家族の幸せなどさまざまな願いを祈る神社として親しまれ、年間と通して多くの参拝者が訪れます。
端正な日本家屋の「フローラルアンティークス」
エントランスでは柏葉アジサイが出迎える
鶴岡八幡宮の東門から鎌倉宮にかけてのエリアは神社や鎌倉時代の史跡が点在し、閑静な住宅街にもなっています。そうした中にひっそりとたたずむ「フローラルアンティークス」は、オーナーが英国で買い付けたアンティークの食器や日常使いのすてきな雑貨を取りそろえたお店です。
種類豊富なローラ・ストダートのカード(各800円)
お店の中では、ティーカップやガラスの器などのアンティークの品々が、そのストーリーを語りかけてくるようです。この時期は英国の人気イラストレーターのローラ・ストダートが描くアジサイのカードやティータオル、バッグなどが目をひきます。大きなアジサイを運ぶ様子はギフトを大切に運んでいるようにも見え、心が温かくなりますよ。
不思議と和室に馴染むアンティークの品々
温かいほうじ茶と和菓子でほっと一息「茶房 湖湖」
住宅街の中のこぢんまりとした店構え
手づくりの和菓子でもてなす「茶房 湖湖」も東門を出たエリアの小径にたたずむ隠れ家的な甘味処です。定番の「豆寒天」をはじめわらび餅や羊羹など季節感たっぷりの和菓子を、静岡県産の高級煎茶や鎌倉の老舗茶舗が焙煎するほうじ茶と一緒にいただけます。
上生菓子「紫陽花」(お茶とのセットで900円)※6月中旬ごろからの期間限定
この時期に登場する上生菓子は、涼やかな「紫陽花」です。アジサイの花びらに見たてたきんとんに錦玉寒の露を添えた品のいい和菓子。新茶やほうじ茶を淹れてゆったり味わって。
「ほうじ茶と柚子わらび餅」(900円)※季節によって変更あり
築80年の古民家でくつろぎのランチ「古民家カフェ ユキノシタ」
和箪笥のテーブルでいただくスイーツ
鎌倉の情緒にふれたあとは「古民家カフェ ユキノシタ」で、とっておきのランチタイム。築80年の古民家をリノベーションしたカフェには長い間大切に使われてきた照明や茶箪笥などをそのまま受け継ぎ、当時の空気感も感じられます。
「ユキノシタ スパイスカレー」(1,800円)
ランチのおすすめは、シンプルな見た目からは想像できないほど奥深い味わいの「ユキノシタ スパイスカレー」です。カルダモンをはじめとしたスパイスの数々に乾物と野菜、さらに自家発酵のタマネギ麹や八丁味噌など日本の食材を組み合わせたオリジナル。鎌倉野菜を使った付け合わせが彩りを添えます。
「季節のヴィーガンケーキ2種盛り合わせ」(1,500円)「カフェラテ」(700円※スイーツや食事とのセットは500円)
アジサイ色のソーダをお目当てに「MAISON CACAO 鎌倉小町通り店」
鎌倉駅から徒歩約8分
観光客で賑わう小町通りは、昔ながらの商店やおみやげ屋さんが軒を連ねます。その中にお店を構える「MAISON CACAO 鎌倉小町通り店」は、南米にある自社管理農園のカカオから作るアロマ生チョコレートの専門店。名物の生チョコタルトや生チョコエクレアがショーケースに並びます。
「カカオビネガーソーダレモネード」(648円)※期間限定
おすすめの季節のドリンクは、紫色と黄色のコントラストが美しい「カカオビネガーソーダレモネード」。くるくるとストローを回していくと、2色が混ざりあって淡いピンク色のアジサイのような色に早変わり。店頭の縁台に座って小町通りの雰囲気と一緒に楽しんで。
アジサイ色に変化した「カカオビネガーソーダレモネード」と「生チョコエクレアミルクチョコレート」(540円)
おみやげにしたいアジサイのお菓子「豊島屋洋菓子舗 置石」
鎌倉駅から徒歩3分
段葛ぞいにたたずむ「豊島屋洋菓子舗 置石」は、鳩サブレーが人気の豊島屋がプロデュースする洋菓子店。鎌倉のおみやげを揃えるのにもおすすめです。ぜひ持ち帰りたいのがアジサイを模ったクッキーやパウンドケーキなどのお菓子を詰め合わせた「紫陽花アソート」。カタツムリがちょこんと乗る抹茶味の葉っぱのクッキーを見ていると、帰宅したあとも鎌倉の思い出がよみがえってきそう。
「紫陽花アソート」(1,000円)※6月下旬までの期間限定
2階のカフェではアジサイをイメージしたケーキ「うつり気」をコーヒーや紅茶とともに。苺とブルーベリー、それにヨーグルトの2種類のムースにベリーのミックスジャムがアクセントです。大きな窓からは二ノ鳥居と段葛の景色が広がり、鎌倉らしさを満喫できますよ。
ケーキ「うつり気」(600円)※6月下旬までの期間限定
一雨ごとにあざやかになっていく古都のアジサイ
みずみずしい「フローラルアンティークス」エントランスのアジサイ
6月の鎌倉は一年のなかでもとくに街全体が華やぐシーズンです。アジサイを楽しみながら古都の散歩を楽しんでくださいね。
文:高橋茉弓