「君たちはどう生きるか」展も開催中~「三鷹の森ジブリ美術館」で物語の世界へ~

「君たちはどう生きるか」展も開催中~「三鷹の森ジブリ美術館」で物語の世界へ~

提供:ことりっぷ

 

吉祥寺駅から少し離れた林の中。周囲の緑に溶け込むようにひっそりと、「三鷹の森ジブリ美術館」は建っています。ここは、「千と千尋の神隠し」「となりのトトロ」など、世界に誇る人気アニメーションを生み出す「スタジオジブリ」の世界観を楽しめるスポット。2023年11月18日からは、宮﨑駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」の企画展も開催中です。心を込めて、丁寧に作られた、作品のぬくもりを感じながら。夢いっぱいの美術館で、癒しのひとときを過ごしてみては。

 

完全予約制で“物語の主人公”になれる場所

完全予約制で“物語の主人公”になれる場所 トトロの下の小窓には、こちら側をのぞくマックロクロスケも

吉祥寺駅や三鷹駅から「井の頭恩賜公園西園」に沿って、とことこ歩くこと約15分。最初に見えてくるのは、受付にどっしり腰掛けたトトロ。しかし、よく見ると「ほんものの受付→」と書かれていて、これがニセモノだと分かります。

「三鷹の森ジブリ美術館」は、名誉館主・宮﨑駿監督の「訪れた人が、自由に楽しんでほしい」という思いが詰まった、唯一無二の美術館。世界中からジブリファンが集まる、聖地的なスポットです。

美術館は、快適に楽しめるように1日7回入場・日時指定の完全予約制。入れ替え制ではありませんので、一度入場すれば、閉館までゆったりと楽しめるのがうれしいところ。

 

見える場所によって、建物の表情が変わるのも魅力

さらに歩くと、カラフルで可愛らしい建物が現れます。この右手が、美術館の入り口。とても個性的な建物だけど、開館から20年以上という長い年月をかけて、すっかり周囲の景観に溶け込んでいるから不思議。

 

手の込んだ美しいステンドグラスにも注目

そして、こちらが本物の受付。植物や果物が描かれた、華やかなフレスコ画が天井を彩ります。

じっくり目を凝らして見つめると、ほうきにまたがったキキとジジや、足をパタパタさせながら走るネコバス……などジブリにまつわるキャラクターたちが、あちらこちらに。ジブリファンなら、「こんなところに、あのキャラクターが!?」とわくわく感が高まるはず。

 

各作品のワンシーンをランダムに切り取った、35mmフィルムのきっぷ

入場チケットを見せると、しおりと一緒に、「三鷹の森ジブリ美術館」と「ジブリパーク」だけで上映している短編アニメ作品の「フィルムきっぷ」が手渡されます。このきっぷは、実際に映画の上映に使われる貴重なもの。どんなシーンに当たるのか、手にしないと分からない楽しさがあります。

 

ロエベ財団が「三鷹の森ジブリ美術館」のために作った、クロスステッチのエンブレムが目を引く

階段を降りて、てくてく。たどり着いたのは、地下1階から地上2階までの大きな吹き抜け空間。高い天井にはガラスドームがあり、そこから陽光がさんさんと降り注ぎます。

ここは「迷子になろうよ、いっしょに。」がコンセプトの形式にとらわれない美術館。一般的な美術館にあるような、順路はとくに決まっていません。思うがまま、自由気ままに。物語の主人公になった気分で、楽しく迷いながら散策しましょう。

 

イマジネーションがふくらむ常設展示室

イマジネーションがふくらむ常設展示室 実際に映画をつくるときに監督が描いた、貴重なイメージボード

1階の「映画の生まれる場所(ところ)」は、5つの部屋で構成された常設展示室。ぐるっと一周すると、アニメション映画が完成するまでの過程がわかるようになっています。

壁一面に貼り付けらたのは、ジブリ作品のイメージボード。これは、監督の頭の中に生まれたアイデアを作品のイメージに落とし込む、アイデアスケッチのこと。

たとえば、黒髪に赤いリボンのはずのキキが、茶髪に黄色いリボンだったり、髪を結んでいたり。イメージが固まるまでの監督の試行錯誤や、思いつきに触れられて楽しい♪

 

ずっと見ていても飽きない「少年の部屋」

そしてこちらは、アニメ好きな少年がおじいさんから譲り受けたという設定の「少年の部屋」。男の子が好きなものに囲まれて、今まさにイマジネーションを膨らませている様子を再現しています。部屋を埋め尽くすアンティークな本に、飛行機の模型、吊り下げられた恐竜たち。どれもアイデアのもとになりそうですね。

 

手から伝わる、ジブリの世界

手から伝わる、ジブリの世界 危険なものやスタンションポールがしてあるもの以外は、触ってもOK

この美術館がすごいのは、見るけでなく、触れられるものが多いこと。「少年の部屋」に置かれた宝箱も、自由に開けられます。ドキドキしながら、そっとフタを開くと、中には地図や宝物らしきアイテムが。子どもはもちろん、大人も思わず目を輝かせてしまいます。

 

ついさっきまで、誰かが座って、背景画を描いていたような雰囲気の「少女の部屋」

さらに隣りには、背景画を描く空間をイメージした「少女の部屋」があります。天井にはドライフラワーが吊り下げられ、窓際にはお人形が。ボーイッシュなボーダーTシャツや自転車も置いてあり、きっとこの部屋の住人は、さっそうとした女の子に違いありません。 壁には、「となりのトトロ」や「崖の上のポニョ」、「ハウルの動く城」など、有名なジブリ作品の背景画がずらり。どれがどの作品か、クイズ感覚で考えるのも楽しい時間です。

 

宮﨑監督が尊敬する、高畑勲監督をイメージした「絵コンテ」の部屋

映画の設計図「絵コンテ」をつくる「もの語る所」も、見応えたっぷり。本が山積みにつまれ、机の上には、タバコの吸い殻が山盛りに……。おそらく、締め切り直前の様子をイメージしているのでしょう。苦悩している監督の様子が、ひしひしと伝わってきます。

この部屋には、監督の冷や汗と脂汗がかたまって生まれたという緑色の「怪人ジブリブリ」がたくさん。全部で10匹いるので、探してみてくださいね。

 

「君たちはどう生きるか」の絵コンテも全編公開中

「絵コンテ室」では、完成した絵コンテを1冊にまとめた「絵コンテ集」を読むことができます。絵コンテには、イラストだけでなく、キャラクターの動きやセリフ、カットの長さなども描かれており、映画制作の裏側をのぞいているような気持ちに。

 

企画展示「君たちはどう生きるか」展もスタート

企画展示「君たちはどう生きるか」展もスタート 一つ一つのイメージボードをじっくり作品を鑑賞できる、美術館らしい展示

常設展示を楽しんだら、宮﨑監督が7年かけてつくった長編アニメ映画「君たちはどう生きるか」展にも足を運んでみましょう。

第1部「イメージボード編」は2023年11月18日から、第2部「レイアウト編」は2024年5月から、第3部「背景美術編」は2024年11月に公開予定です。

会場に足を運ぶと、「あれ?」と思うかも。これまで見た常設展の雰囲気とは違い、手描きの絵がガラスケースや額に収められています。

 

映画には登場しない幻のシーンにも出会える

イメージボードの制作過程で使用されたのは、紙と鉛筆と絵の具だけ。第一部は、あえて手描きにこだわる宮﨑監督の並々ならぬ情熱が感じられる、ファンにはたまらない空間になっています。 手描きならではの筆圧やぬくもりのあるテイスト、時間の経過とともに黄色く変色した紙にも、心が動かされます。

 

「天空の城ラピュタ」をイメージした屋上エリア

「天空の城ラピュタ」をイメージした屋上エリア

室内だけでなく、屋上も、ここにしかない魅力があふれています。

ツタが絡まるらせん階段をのぼり切ったった先には、清々しい屋上庭園が広がります。館内は撮影NGですが、屋外なら撮影OK。お気に入りのスポットを見つけて、たくさん写真を撮りましょう。

 

空高くそびえ立つロボット兵

屋上庭園で真っ先に目に飛び込んでくるのが、「天空の城ラピュタ」に出てくるロボット兵。このロボット兵、高さ約5mもあり迫力満点。守り神として、つねに屋上から美術館を優しく見守っています。

 

ラピュタ語が刻まれた「要石」。解読を試みるのも楽しい。

さらに奥へ進むと、「天空の城ラピュタ」でムスカが飛行石をかざしていた「要石」が。石の前で、「バルス!」とつぶやく人が後をたちません。

 

ショップでとっておきのお土産を

ショップでとっておきのお土産を 「紅の豚」に登場する空賊団から名付けられた「マンマユート」

ミュージアムショップ「マンマユート」は、美術館より少し遅い、10時10分からオープン。店内には、ここでしか手に入らない美術館オリジナルグッズから、おなじみのジブリのキャラクターグッズまで、さまざまなアイテムがそろいます。

 

「美術館オリジナル マックロクロスケ」(2640円)© Studio Ghibli

ここでないと買えない人気の定番商品といえば、マックロクロスケのぬいぐるみ。美術館の「ネコバスルーム」に転がっているものと同じなので、見つけた瞬間、子どもも大人も興奮してしまうはず。手に取ると、可愛らしくて、ふわっふわ。優しいさわり心地がくせになります。

 

テラスが魅力のカフェ「麦わらぼうし」でひと休み

テラスが魅力のカフェ「麦わらぼうし」でひと休み カフェ「麦わらぼうし」

ゆっくり美術館を楽しんだ後は、敷地内にあるカフェ「麦わらぼうし」へどうぞ。お天気の良い日は、開放的なテラス席がおすすめ。さわやかな風を感じながら、ゆったりとしたひと時が過ごせます。

 

「くいしんぼうのカツサンド」(800円)、「麦わらぼうしのホットドッグ」(680円)、「野っぱらのクリームソーダ」(500円)

メニューは、手軽に食べられる軽食が中心。定番のひとつ「くいしんぼうのカツサンド」は、宮﨑監督描き下ろの小旗付き。ランダムで絵柄が変わるため、「今日は何かな?」という楽しみがあります。

こちらは、北海道の大地で元気に育った「放牧豚」のうまみが詰まったポークカツに、自家製のカツソースをたっぷりつけて、香ばしい胚芽パンではさんだボリューム満点のメニュー。大きな口をあけて、思いっきりガブッとかぶりついてくださいね。

そして、噛み応えのある味のパンに「放牧豚」のソーセージを挟んだ「麦わらぼうしのホットドッグ」も、このカフェならでは。パンには麦わらぼうしの焼印入り。パリッとジューシーで、どこか懐かしい味わいです。

 

「ふぞろいイチゴのオムレット」(650円)

スイーツ系のおすすめは、ふんわりたまごの香りのするスポンジ生地で、甘酸っぱいイチゴとたっぷり生クリームを優しく包んだ「ふぞろいイチゴのオムレット」。片手で持って、パクっと気軽に食べられます。

 

外から製造工程が楽しめる、テイクアウト専用の窓口も

外から製造工程が楽しめる、テイクアウト専用の窓口も

「麦わらぼうし」の左手奥には、テイクアウト専用の窓口も。窓からのぞきこむと、オムレットやサンドイッチなどが次々と出来あがっていく様子を眺められます。

デジタルが主流になった今だからこそ、行きたい「三鷹の森ジブリ美術館」。やさしいアナログのぬくもり触れ、堅くなった心をやわらかに。ゆっくり時間をとって、ぜひお出かけくださいね。

© Museo d’Arte Ghibli © Studio Ghibli

 

 

文:安藤美紀

 

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