2023年のNHK朝の連続テレビ小説『らんまん』で脚光を浴びた植物学者・牧野富太郎博士の功績を紹介する特別展が、神戸市の六甲高山植物園で開催されています。
園内では春の訪れとともに顔を出し始めた高山植物など、この時期ならではの貴重な花々もたっぷり観賞できます。
「日本植物学の父」の足跡をたどる特別展
牧野富太郎博士(1862〜1957)は、94年間の生涯で1,500を超える新種や新品種の植物に学名を付けるなど、日本植物学の礎を築いた一人。2023年のNHK朝の連続テレビ小説『らんまん』では、神木隆之介さんが演じた主人公・槙野万太郎のモデルとなったことで、一躍注目されました。
1933年開園の六甲高山植物園は、かつて牧野博士自身も植物講話などで足しげく通ったゆかりの場所。同園では2024年シーズンの営業が始まった3月16日から8月18日までの間、博士の功績を紹介する「牧野の足あと~博士と関西の仲間たち~」が開催されています。
会場には、関西に残されていた博士直筆の書や手紙、標本などが並べられ、博士と神戸との深いつながりをうかがい知ることができます。また、精緻な牧野式植物図の代表作『大日本植物志』も展示されます。
園内では博士の人生をテーマにしたスタンプラリーが開催されているほか、博士のエピソードを紹介する特別講座や、博士が植物図を描くときに用いたリトグラフの体験、スマホカメラでの植物写真教室、植物標本づくりなど関連イベントも多数予定されています。
特別企画展「牧野の足あと~博士と関西の仲間たち~」
- 開催期間
- 2024年3月16日〜8月18日
春の園内には「幻のクリスマスローズ」も
標高865mに位置する同園では、涼しい気候を生かして世界の高山植物や寒冷地植物、山野草など約1,500種が野生に近い状態で栽培されています。
現在は冬を乗り越えた多くの高山植物が花を咲かせていて、なかでも見頃の終盤を迎えているキンポウゲ科のヘレボルス・チベタヌスは「幻のクリスマスローズ」とも呼ばれ、国内では限られた施設でしか観賞できない貴重な品種。そのほか、ザゼンソウやカタクリの群落なども、春ならではの見どころです。
植物の世界に生涯情熱を注ぎ続けた牧野博士。その面影あふれる植物園で、芽吹いたばかりの花々から春らんまんの自然を感じ取ってみてはいかがでしょうか。
六甲高山植物園
- 住所
- 兵庫県神戸市灘区六甲山町北六甲4512-150
- 開園期間
- 2024年3月16日~11月24日
※3・4月の木曜日、6月20日~7月11日の木曜日は休園 - 開園時間
- 10:00~17:00(最終受付 16:30)
- 入園料
- 大人(中学生以上) 900円、小人(4歳~小学生) 450円
- アクセス
- 【公共交通】六甲山上バス「高山植物園」より徒歩約1分
【車】阪神高速神戸線「魚崎」出口・「住吉浜」出口より約30分