「入浴」という日常的な行為を、価値ある日本文化へと昇華させることを目的に、小山薫堂代表理事のもと活動する「一般社団法人 湯道文化振興会」が、入浴に関する文化的取り組みを評価する第2回「湯道文化賞」の受賞者を発表しました。6組8名が選ばれ、京都・大徳寺真珠庵で表彰式が執り行われました。
入浴を日本文化へ昇華!「湯道文化賞」
日本人が日常的に行う「入浴」を日本文化へと昇華させることをめざして創設されたのが「湯道文化賞」。入浴に関わる文化的取り組みに光を当てる独自の視点が、国内多数の「お風呂好き」や「温泉愛好家」から注目されています。
映えある第2回「湯道文化賞」は、山口県で最も古い歴史を持つ温泉郷の神授の湯「長門湯本温泉 恩湯(おんとう)」が受賞。施設の老朽化や利用者の減少により、一度は公設公営での営業を停止しながらも、熱意ある地域の若手により2023年3月に再建されたものです。
京都・大徳寺真珠庵で行われた表彰式には、「長門湯本温泉 恩湯」の再建に尽力した大谷和弘氏に加えて、「長門湯本温泉 大寧寺」方丈の岩田 啓靖氏、「長門國一宮 住吉神社」宮司の鳴瀬 道生氏が出席。由緒ある神授湯の新たなスタートが評価を受けたことを、大きな喜びとともに受けとめました。
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多彩なアプローチで「湯道」を支える4つの賞も
「湯道文化賞」だけでなく、「湯道特別賞」「湯道工芸賞」「湯道創造賞」「湯道貢献賞」と、各方面からのアプローチを評価する賞も発表されました。
長年の貢献と継続を評価する「湯道特別賞」には、400年以上湯治場としての役割を果たし続けている新潟県魚沼市の「栃尾又温泉」と、沖縄に一件だけ残る銭湯「中乃湯」の90歳主人・仲村シゲ氏が受賞。
「湯道工芸賞」には、三重県津市で一度使ったら忘れられない心地よい風合いのガーゼタオルの製造・販売を行う「おぼろタオル株式会社」が受賞。入浴に新たな価値を付加する個人・団体に与えられる「湯道創造賞」には、銭湯建築家の今井健太郎氏が輝きました。
さらに、湯道の精神を深く理解しその発展に尽くしたとして、2023年4月に関西日仏学館にて「湯道展」を開催した「在京都フランス総領事館」が「湯道貢献賞」受賞。文化部長芸術部門主任ジュリエット・シュヴァリエ氏は、受賞の喜びとともに「湯道を通じ日仏交流の発展も期待しています」と語りました。
日本の素晴らしい日常習慣「入浴」を文化として捉え、その発展に尽くす全国の魅力的な団体や個人。次の旅先を選ぶ際に、参考にしてみてはいかがでしょうか。