京都府のほぼ中央に位置する南丹市美山町(みやまちょう)は、豊かな自然と伝統を色濃く残す景観が楽しめる美しい町。日本の原風景に触れられると国内外から注目を集めてきた同町が、UNWTO(国連世界観光機関)による「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に選ばれました。
UNWTO(国連世界観光機関)「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」とは?
UNWTO(国連世界観光機関)は、観光に関わる国連の専門機関。スペイン・マドリードに本部を置き、159の加盟国と6の加盟地域、さらに民間企業や教育機関、観光協会などからなる500を超える賛助加盟員で構成されています。
UNWTOが推進するのは、責任ある、持続可能で、誰もが参加できる観光。地域の経済成長と発展、持続可能な開発の推進力として観光を促進し、世界各地での観光政策の質の向上をめざして活動しています。
「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」は、地域コミュニティの伝統と文化を保全するため、新しい形の観光事業を実践している地域を発掘する取り組みの一つ。今回、2021年12月2日に開催された総会において、32カ国174地域の応募のなかから、美山町が選ばれました。
美山町を含む世界44地域が選定されている「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」は、「ベスト・ツーリズム・ビレッジ・ネットワーク」を構成。UNWTOや専門家からの助言や支援を受けるほか、各地の取り組みや経験を共有する情報交換を行います。ネットワークの活動が、新しい形を模索する世界の観光シーンを牽引していきます。
「かやぶきの里」と「芦生の森」が残る美しい日本のふるさと
京都市街から車で1時間半ほどの場所にある美山町。かやぶき屋根の民家が多く残るエリアは「かやぶきの里」と称され、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
また、同町の東部には西日本屈指の天然林である「芦生(あしう)の森」が広がり、一帯は「京都丹波高原国定公園」に。豊かな自然と、それに寄り添いながら脈々と受け継がれてきた伝統文化が、高く評価されてきました。
そんな美山町では、恵まれた自然と文化財を活用して、30年以上にわたって観光による街づくりを推進してきました。2014年には近畿地方で初めて環境省より「エコツーリズム推進全体構想」の認定を受け、2016年には地域版DMOとして「一般社団法人南丹市美山観光まちづくり協会」も始動。一丸となって観光を軸とした地域づくりに取り組んできました。
豊かな実りへの感謝を伝える火祭りや神楽といった神事や、さくら祭り、雪まつりなどの季節のイベントに加えて、かやぶき体験や移住体感ツアーなど、エリアの魅力を伝えるアクティビティを多数用意している美山町。この機会にぜひ訪れて、日本のふるさとを感じてみてはいかがでしょうか?
京都府南丹市美山町