立山黒部アルペンルートの紅葉見ごろガイド!北アルプス高低差2000mの旅

提供:北日本放送

 

標高3000m級の山々が連なる北アルプスを横断するように貫く山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」ではひと足早く秋の気配が漂ってきました。9月中旬から11月まで、約2か月にわたって楽しめる紅葉はもちろん、2024年はアルペンルート内にある2つの乗りもの「立山トンネルトロリーバス」と「黒部湖遊覧船ガルベ」が乗り納めとなります。2024年の紅葉シーズンはアルペンルートのダイナミックな絶景を見逃せない年になりそうです。

 

高低差2000mの雲上に広がる大自然!極彩色の絶景に酔う立山黒部アルペンルートの紅葉

【立山黒部アルペンルート】紅葉見ごろガイドーー今秋「立山トンネルトロリーバス」「遊覧船ガルベ」いよいよ見納め!北アルプス高低差2000mの旅

立山黒部アルペンルートは、標高3000m級の山々が連なる北アルプスを横断するように貫いた山岳観光ルート。
西側の富山県立山町から立山連峰の主峰・雄山の真下を通り、黒部湖、そして後立山連峰の下をくぐる関電トンネルを経て長野県大町市へと至る総延長37.2km、高低差1975mのルートで、ケーブルカーやバス、ロープウェイなどを乗り継いで移動します。

 

【立山黒部アルペンルート】紅葉見ごろガイドーー今秋「立山トンネルトロリーバス」「遊覧船ガルベ」いよいよ見納め!北アルプス高低差2000mの旅

 

国内最後のトロリーバスと黒部湖遊覧船は2024年で乗り納め

途中に支柱がないワンスパンのロープウェイとして日本最長を誇る1.7kmの立山ロープウェイや、日本でひとつだけの全線が地下式となる黒部ケーブルカーなど、貴重な乗り物体験ができることも魅力のひとつな立山黒部アルペンルート。
実は2024年で乗り納めとなる乗り物が2つもあるのです。

 

それが、立山トンネルトロリーバスと黒部湖遊覧船のガルベ。
立山トンネルトロリーバスは、屋根の上についたトロリーポールで電車線から電気を受けて走る“電車の仲間”で、現在、国内で乗れるのはここだけ。今シーズンの営業終了とともに運行を終え、バッテリー式の電気バスに替わるため、国内でトロリーバスに乗るには最後のチャンスとなります。
そして、高さ約186m、日本一高いえん堤を誇る黒部ダムによって作られた標高 約1450mの黒部湖を周遊するのが遊覧船のガルベ。日本でもっとも高い湖面を走る遊覧船として知られ、立山連峰と後立山連峰に挟まれた黒部峡谷の大自然を楽しむことができますが、こちらも今シーズンの営業をもって運行を終了することが発表されています。

 

というわけで、貴重な乗り物体験と大自然の絶景を楽しむなら、2024年を逃すわけにはいかないんです! 紅葉前線の見ごろと一緒に、トロリーバスと遊覧船ガルベの乗り納めを楽しんでください。

 

【9月中〜10月上旬】標高2450mの室堂平

標高2450mの室堂平は、立山黒部アルペンルートの中でももっとも早く紅葉が楽しめる一帯。室堂駅は日本で最も高い場所にある鉄道駅として知られ、本格的な登山を伴わずに気軽に行ける紅葉スポットとしては、日本屈指の場所です。

 

高原バスの発着場 室堂ターミナルに到着したら、まずは駅の屋上へ行くのがオススメ。
雄山、浄土山、別山の立山三山の峰々を一望することができ、目の前には赤や黄色に色づき始めた室堂平が広がります。
屋上から絶景を楽しんだ後は、ターミナルの周辺を散策してみましょう。タカネナナカマドやウラジロナナカマド、ミネカエデ、チングルマなどの高山植物が秋風に揺られるのを眺めていると足取りも軽やかになります。

 

【立山黒部アルペンルート】紅葉見ごろガイドーー今秋「立山トンネルトロリーバス」「遊覧船ガルベ」いよいよ見納め!北アルプス高低差2000mの旅

さらに体力に自信がある人は、みくりが池へ。
みくりが池は約1万年前にできたとされる火山湖で水深は約15m、湖の周りは約630mです。 みくりが池展望台からは、北アルプスで最も美しいと言われる火山湖の湖面に映り込んだ燃えるような山々を堪能することができます。

その先にあるみくりが池温泉では、記念に初夏・夏・秋によって異なるデザインの「みくりが池カード」を持ち帰ることができます。秋バージョンの配布は9月1日から10月14日までです。

 

【立山黒部アルペンルート】紅葉見ごろガイドーー今秋「立山トンネルトロリーバス」「遊覧船ガルベ」いよいよ見納め!北アルプス高低差2000mの旅

時間があるという人は、日帰り入浴もオススメです。
みくりが池温泉は標高2410mで、日本一高い場所にある天然温泉。源泉は地獄谷にあって、無加水・無加温のお湯を楽しめます。白く濁り硫黄の香りが漂う100%掛け流しの内湯からの絶景は最高です。

 

風呂上がりや散策のあとは、さっぱり立山氷河をイメージしたラムネ味のソフトクリームがよく合いそうです。

 

【9月下〜10月中旬】トロリーバスで行く紅葉の名所「タンボ平」

【立山黒部アルペンルート】紅葉見ごろガイドーー今秋「立山トンネルトロリーバス」「遊覧船ガルベ」いよいよ見納め!北アルプス高低差2000mの旅

立山黒部アルペンルートの中でも一番の紅葉の名所と言われるのが、「タンボ平」。紅葉シーズンに行くなら必ず抑えておきたいビューポイントです。

 

タンボ平へは室堂ターミナルから、トロリーバスに乗り換えて雄山の真下をくぐり、標高2316mの大観峰駅へ。このバスこそ、2024年現在、日本で乗れる唯一のトロリーバスです。

 

【立山黒部アルペンルート】紅葉見ごろガイドーー今秋「立山トンネルトロリーバス」「遊覧船ガルベ」いよいよ見納め!北アルプス高低差2000mの旅

動力に電気を使用しているのは、長い立山トンネルの中を走る際に排気ガスを出さないようにするため。電車のパンタグラフのようなトロリーポールで電車線から電力を受けながらタイヤで走ります。

 

2025年からはバッテリー型の電気バスに置き換わるということで、トロリーバスに乗ることができるのも今シーズン終了日の11月30日まで。トロリーバスと紅葉を楽しめるラストイヤーをお見逃しなく。

 

トロリーバスで立山トンネルを抜けると、そこは標高2316mの大観峰駅です。駅に到着したらまずは展望台へ。後立山連峰や黒部湖を一望することができます。

 

そして眼下に広がるのが、標高1828mの黒部平まで続く緩やかな斜面。ここが紅葉の名所、「タンボ平」です。紅葉シーズンの9月下旬から10月中旬にかけて、見わたす限りの色鮮やかな紅葉の絨毯が広がります。

 

【立山黒部アルペンルート】紅葉見ごろガイドーー今秋「立山トンネルトロリーバス」「遊覧船ガルベ」いよいよ見納め!北アルプス高低差2000mの旅

大観峰と黒部平をつなぐ立山ロープウェイからは、この広大な紅葉の絨毯の上を空中散歩するように堪能することができます。

 

ワンスパン方式として日本一長い約1.7kmのロープウェイ、高低差488mを約7分かけて走行します。車両から見上げると、断崖絶壁のど真ん中に建設された大観峰駅の存在感に圧倒され、同時に大自然の壮大さを実感することもできますよ。

 

【9月下〜10月上旬】世界的にも貴重な大湿原「弥陀ヶ原」

タンボ平の紅葉が見ごろを迎える10月、アルペンルートの西側では弥陀ヶ原が紅葉の色付きのピークを迎えます。

 

弥陀ヶ原は標高1600mから2000mにかけて、東西4km・南北2kmにわたる広大な湿原。日本で最も高いところにあるラムサール条約の登録地です。

 

【立山黒部アルペンルート】紅葉見ごろガイドーー今秋「立山トンネルトロリーバス」「遊覧船ガルベ」いよいよ見納め!北アルプス高低差2000mの旅

夏にはワタスゲやチングルマをはじめとした珍しい高山植物が咲き誇り、秋にはナナカマドの赤やダケカンバの黄色が広大な湿原をカラフルに染めます。
紅葉の見ごろは9月下旬から10月中旬ですが、立山の初冠雪が観測されるのも例年10月中旬。運がよければ、色づいた高山植物の上にうっすらと雪が積もる、神秘的な絶景に出会えることもあります。

 

室堂からの帰りに高原バスを弥陀ヶ原で途中下車し、この風景を眺めながら木道を1時間ほど歩いて下るのもオススメの楽しみ方。弘法平から再び高原バスに乗れるので、寄り道には最適のコースですよ。

 

【10月上〜下旬】黒部ダムの放水と黒部湖遊覧船「ガルベ」からの紅葉

【立山黒部アルペンルート】紅葉見ごろガイドーー今秋「立山トンネルトロリーバス」「遊覧船ガルベ」いよいよ見納め!北アルプス高低差2000mの旅

アルペンルートには四季折々の見どころがありますが、最大の人気を誇るスポットのひとつが黒部湖。えん堤の高さが日本でもっとも高い黒部ダムの建設によってできた人造湖で、総貯水量は2億tと北陸地方で屈指です。 

 

ダムのえん堤や展望台から眺める紅葉と黒部ダムの観光放水を一緒に楽しめるのは、2024は10月15日まで。

 

【立山黒部アルペンルート】紅葉見ごろガイドーー今秋「立山トンネルトロリーバス」「遊覧船ガルベ」いよいよ見納め!北アルプス高低差2000mの旅

さらにオススメは、両岸に広がる山々の大自然をより間近に感じることができる遊覧船「ガルベ」からの紅葉。満水時の湖面の標高は1448m、日本一高い湖面を運航する遊覧船です。

 

55年にわたって運航してきた「ガルベ」からの紅葉も、2024年が見納め。間近に迫るようなエメラルドブルーの湖面や黒部ダムの構造物、そして赤や黄に染まる山並みを見ることができるラストチャンスです。

 

【10月中〜下旬】標高約1000mの美女平で立山杉やブナ林を散策

【立山黒部アルペンルート】紅葉見ごろガイドーー今秋「立山トンネルトロリーバス」「遊覧船ガルベ」いよいよ見納め!北アルプス高低差2000mの旅

立山黒部アルペンルートの富山県側の玄関口となる美女平は、標高約1000m。富山地方鉄道の立山駅からケーブルカーに乗って約7分で到着です。

 

鉄道やマイカーで富山市内からでも1時間余りで行くことできる身近な紅葉スポットですが、美女平は立山杉やブナなどの原生林が生い茂り、日本有数の野鳥の楽園ともいわれる別天地。10月上旬からブナやナナカマド、ダケカンバが鮮やかに色付きはじめ、遊歩道では紅葉した木々のトンネルが出迎えてくれます。

 

ちなみに、美女平駅舎前にある美女杉は、恋愛成就の杉として知られるパワースポット。四季を問わず人気です。

 

【立山黒部アルペンルート】紅葉見ごろガイドーー今秋「立山トンネルトロリーバス」「遊覧船ガルベ」いよいよ見納め!北アルプス高低差2000mの旅

 

【10月下〜11月上旬】落差350m日本一の称名滝

【立山黒部アルペンルート】紅葉見ごろガイドーー今秋「立山トンネルトロリーバス」「遊覧船ガルベ」いよいよ見納め!北アルプス高低差2000mの旅

落差日本一の称名滝周辺の紅葉は、弥陀ヶ原よりも少し遅く、10月下旬にピークを迎えます。急峻に切り立った崖が赤や黄に染まり、迫力ある滝や荒々しい岩肌とのコントラストが壮大な自然美を創り出します。

 

称名滝までは、マイカーか富山地方鉄道立山駅から出ているバスに乗って行くことが可能。称名滝が削ってできた断崖絶壁の「悪城の壁」の迫力に圧倒されながら遊歩道を30分ほど歩くと、水が流れ落ちる轟音が徐々に大きく聞こえるようになり、まもなく水しぶきとともに称名滝の大瀑布が姿を現します。

 

立山から流れてくる大量の雪解け水は、弥陀ヶ原を経て、称名滝から一気に流れ落ちます。その落差は350m。水量の多い5月から6月にかけては落差500mのハンノキ滝が現れ、称名滝とハンノキ滝が織りなすV字の絶景は紅葉シーズン同様、絶景です。

 

立山黒部アルペンルート

住所
富山県立山町千寿ケ原2(立山ケーブルカーのりば「立山駅」)
営業時間
立山駅 立山ケーブルカー 始発6:40~最終16:00
扇沢 関電トンネル電気バス 始発6:30~最終17:00
公式サイト
立山黒部アルペンルート

 

 

※この記事は、2024年8月31日に北日本放送「nan-nan」で公開された記事を転載したものです。

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